★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 7 年(灯酉)●02月 海寅 // 移 動 祝 祭 日 |
■02月分一覧 (2017年●目次) |
成田名璃子●幸せの青い贈りもののありえない旧さは正解(2017_0201) |
矢口史靖●サバイバルファミリーは自然界よりのお試めし(2017_0207) |
上野歩●墨田区吾嬬町発ブラックホール行きは夢の続き(2017_0211) |
桑原水菜●遺跡発掘師は笑わない(悪路王の左手)に熱気なし(2017_0214) |
笹本祐一●放課後地球防衛軍 なぞの転校生のひなびた真実(2017_0217) |
澤村伊智●ずうのめ人形は獰猛で猛威をふるう(2017_0221) |
■2017年02月01日(水)畑未 |
成田名璃子○幸せの青い贈りもののありえない旧さは正解 |
○11年(宝卯)のありえない金性のDNA「鳳」年に、 「やまびこのいる窓」で、第18回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞を受賞。 翌12年(海辰)のありえない水性のDNA「司」年に、 受賞作を改稿・改題した 「月だけが、私のしていることを見おろしていた。」で、 作家デビューを果たし、 16年(陽申)のDNA「玉」年には「ベンチウォーマーズ」で、 第12回酒飲み書店員大賞を受賞した成田名璃子(75-0314/畑未)が、 昨年(16年/陽申)の10月25日(鉄辰)に上梓した 『幸 せ の 青 い 贈 り も の』を紹介する。 同作は、5篇からなる短編集で、作り手の想いがこもった 青い一点物の小品がつなぐ時代を越えて綴られた想いの物語で、 DNA「玉」年らしい旧さや重厚さの中にある、 新たな輝きのようなものが核になっているお話し。 何処にでもある地方都市のショッピングモールの片隅に、 錆びだらけで幅50センチくらいのその鉄箱は置かれていた。 「この箱からは、人生を変える何かが出てきます。」と書かれ、 老婆が目星をつけた人間に、売りつけている。 (作品内には老婆が若かりし頃に主人公の祖母に出会った場面あり) 海沿いの街(青森なのだろう)で将来の進路を悩む主人公が、 最初は1.500円だったものが500円になり根負けして手に入れた。 海は広がっていてどこにでも繋がっているのに、 自分は一生この街から出られないのか・・・。 そんな想いを抱える中、見つけたのは不思議な文字が書かれていた箱。 そこから出てきたのは、ガラス作家が作った海が閉じ込められたペンダント。 手作りの一点ものには、作り手の想いが込められる。 学生運動時代に手にした青い薔薇のハンカチーフ。 太平洋戦争開戦直前、恋い焦がれた女性への最後の贈りもの・・・。 時代を越えて綴られる、繋がる想いを辿っていく物語なんて、 この作家にしては、さすがに緩い陽光の年らしく、 テーマは深くて、落ち着いたものだった。 そして、強引ながらも伏線の回収は行われており、 過去から明確な未来へと一筋の道は見えている。 冒頭の高校生の会話が、あまりにも貧弱稚拙なので、 思わず読むのをやめようかと思ったが、全体のトーンは、 大変良く作り込まれており、市井の人達が交錯する 青にまつわる昭和から平成までのエピソードが納得できる仕上がり。 青森県むつ市生まれ、東京外国語大学仏語学科を卒業で、 フランス留学の経験もあるようだが、 誰一人としてフランス語を喋っているのを聴いたことがなく、 かつては東京都港区東麻布でコーピーライターを生業にする会社員をするも、 文章は面白くとも、企画書が書けないと評価され、 受賞後専業でいけると判断したのか、会社勤めを辞め、 現在は群馬県高崎市在住と見られる 作家兼フリーのコピーライターを自認する成田は、 DNA「車」主導で、反撃素早いものの難しいことを考えるのは苦手。 危険なことは大好きで、単独行動で粗暴な面もありなので、 死に直面しようと、その気になれば熱にうなされながら、這ってでも行う。 「車+車」は、計算された行動力。本能のようなもので動く。 寸前のところで、死なら死を回避する。 「車」×3もあり、「畑」ならではの軽くて賑やかな闘争力。 「車+龍」は、庶民的なひらめき力抜群で、だしぬけをくらわす。 「車+貫」は、気が長いほうではなく、バランスが良くなく、 運転も上手とは言えずに、どちらかと言えば雑なのに、 運転するのは嫌いではないという、どこから見ても危ない人。 才能はこの「貫」で守るべき対象があれば、より頑丈になる。 対象は青い薔薇であったり、猫であったり、 子供でも夫でも、自分が守るという自覚さえあれば強い。 「畑+車+卯」月は、大風呂敷になりやすく、 これは作家としての着想だけが売り。 「卯」年生まれ「畑卯」は、平時は借りてきた猫でも、 ひとたび揉め事起きれば、勇猛果敢な闘争心を発揮し、 死にものぐるいで逃げる時もあるが、とりあえずの目的は遂行する。 伴星は、DNA「調」で他人が真似できない独創的な生き方。 洩星は、DNA「車」でゼロ出発。何もないところから始める。 導星は、DNA「貫」で最後は一人。最低故郷は離れるものだ。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の「畑」。 すなわち人間の棲む街で、慌ただしい出勤前の喧騒。 あるいは、通勤電車の中。落ち着かないので、話はドタバタが多いが、 (本作のように)逆に丁寧に書こうとすれば、 アラが目立ったり、無理矢理短くして説明不足にもなる。 年支と月支が「卯」の日支が「未」で半会すれば、 地支は木性一気格的となり、落ち着きのなさは加速され、 運転も緩急つけられず、夫からは賛成されていない模様。 「男はつらいよ、に出てくるみたいなセリフが書けたら、 それはいいよねぇ。」と言われても、ないものねだりなのだ(笑)。 金性ゼロ(DNA鳳/調なし)は、石ころのない平坦な場所。 顔もひらたくなっているのは、このためだが、「畑」としては、上質。 とはいえ、公平であろうと、豊かな表現力はなく、 無限大に使用しているとはいえ、無理やり産みだすプロット。 水性ゼロ(DNA禄/司なし)は、歪んだ感謝や奉仕で、 こちらもないので、優しくはなく、子丑天冲殺でもあり、どこか恐ろしい。 翻って総エネルギー184点は身弱の部類で、 子丑天冲殺だから強気な発言もあろうが、強いのは気だけだが、 木性112点と過多であろうと、立派な「木」ではなく「草」なので、 一生懸命仕事をして社会貢献をしたいとかではなく、 ともかくじっとしているのが嫌なので、働らいているように見え、 落ち着かない日々を送っているのをtwitterで流しているという状況。 守護神火性は、DNA「龍」の灯火で、朝の街灯。 外国語大学には理に叶ってはいたが、職業としては成立せず、 庶民的な創造力として、使用しているに過ぎない。 年干支の「草卯」は、実直だがどこか鈍い。気が強く男性を下に見る。 月干支の「畑卯」は、男性と張り合ってでも前進する。 新たな分野に挑戦する開拓者のたとえ。 そして日干支の「畑未」は、じゃじゃ馬で、開拓者を利用する略奪者でもある。 干支番号構成は、52-16-56と、北方2点に南方の鋭角ながら極めて狭い範囲。 広いところに出ていくと、戸惑う恐れあり。 後天運は、初旬「7歳鉄辰」は、年干支の「草卯」の干合支害に、 月支「卯」の害があり、前進力の揺らぎ。未来へも揺らぎ。 不安だらけなのに、ありえない金性の出現は、 DNA「調」の他人とは異なる生き方を選択させた。 2旬「17歳宝巳」も、同様にありえない金性のDNA「鳳」。 遊びたいがために勉強を頑張り、仕事もしていたことになる。 3旬「27歳海午」は、さらに今度はありえない水性の出現で、 DNA「司」の支合は、堅実なり真面目。 とはいえ、ないものなので、ここの最後の最後に、 地道さが功を遂げたのか、見事デビューを勝ち取ることになった。 現在の4旬「37歳雨未」は、同じくありえない水性の、 DNA「禄」の引力本能強化は、塩水の汚れを流す真水の効用。 この人なりに優しくはなってきた。 この後は5旬「47歳木申」は、DNA「牽」の名誉。 謙虚に精進さえすれば、思いもしない受賞も夢ではない。 6旬「57歳草酉」は、DNA「車」の主導DNAでようやく自己確立。 売れっ子か。 7旬「67歳陽戌」は、DNA「玉」の刑。過去の何かとの争いも、 守護神なので旧いテーマを扱う中で、ちょっとした衝突。 8旬「77歳灯亥」は、年支と月支の「卯」に、 日支「未」のからむDNA「龍」の三合会局で、新境地。 さて、成田は11年(宝卯)のありえない金性の半会年の、 ありえない水性の天剋地冲天冲殺日の08月26日(雨丑)に、 実家は東京という正体不明の九州男児と同棲を開始し、 13年01月04日(鉄午)の、ありえない水性年のDNA「調」日には引越。 さらには、14年(木午)のDNA「牽」の60年に一度の干合支合年を迎え blogの中で、その男性の呼び方が彼から「旦那さん」に変わったのが、 04月(山辰)のDNA「石」月だから、そこはいまひとつ。 おそらくは子丑天冲殺らしからぬ年上男性なんだろうね。 (子丑天冲殺は、目上運なく目上剋し) そしてDNA「玉」年である昨年(16年/陽申)には、 本作のように旧いテーマに挑戦したかと思えば、まさに母なる時期でもあり、 第一子男児(16-0801/草卯)を出産した。 成田の年干支が「草卯」なので共通干支もあり、 さらに男児の月干支「草未」は、成田の年干支「草卯」を大半会するため、 子供の誕生により、さらに仕事運が伸びた模様で、 早くも保育園に預けて、二年間限定(夫は申酉天冲殺か)の 夫の転勤先であろう群馬県高崎の地の「タリーズ」で、仕事をしている。 とはいえ、夫が年上という根拠は、 共通干支も大半会もある息子が産まれたのに、 その子まで自身と同じ親剋しの子丑天冲殺であること。 子丑なので、母親の愛に飢えながらも、強く育つようにと保育園生活。 今年(17年/灯酉)は、表向きの仕事面や立場がいろいろ変化するので、 悪くはない流れだが、これもまた消化なのだろう。 ところで、ここで成田は取りあげるのは初めてではない。 以前は年齢を間違ったということで、 ご本人から「歳が違う」と呟かれたのだが、よくよく精査すると 「生年月日が同じ作家さんで勝手に親近感わきまくりの 海猫沢めろんさんが・・・」というくだりを発見し、 どちらかというと自然界の節理には反する趣向で、 「椎名林檎と吉本ばななが好きなので 高いフルーツの名前にしたかった」という微妙な発言の 海猫沢めろんと同じかと、いったん尻込みをしたのと、 当初解説予定だった「ハレのヒ食堂の朝ごはん」について、 もうひとつ乗り気ではなく、しばらくたって、本作が刊行されたのと、 出産までしてくれたので、あらためて仕切り直しの解説になった。 待てば出産があったのだから、待っただけのことはあったと思う。 で、せっかくなので、せっかくの「ハレ〜」なのに、 どこが納得いかなかったといえば、出だしが、 意味不明で心地良くない援助交際シーンの上に、 設定が(東京都下にある)井の頭公園なのだが、 そこに住まう住所不定者集団が肝になっているのも解せなかったし、 猫の朝ご飯を横取りしようとした住所不定無職の女性が 朝だけ都合良く営業する定食屋に助けられ、 簡単に職場と住まいを確保したかと思えば、 定食屋の女主人が八王子に住んでいるという設定なのだが、 「吉祥寺から八王子まで軽トラで40分」は、ありえない。 軽トラで40分は、せいぜいのところ国分寺まで行けるか行けないか。 定食屋はおいしくは感じなかったし、 突然コーヒーマシンをおきだしたかと思えば、 毎朝通う女子高生の裕福な祖父が、実は路上生活堪能者だったり、 その祖父に定食屋のご飯の味が何度もだめ出しをくらっているのに、 全国各地の米をとりよせてみたり、最後は炊き方にたどりつくのだが、 「ガスでなく炭火使用なんて」なもの素人でもわかるわい。 そして、最後はお店が繁盛してきたのに、なんと両親が登場した途端、 後先考えず実家に帰ると宣言してみたり、もう何から何まで、 行き当たりばったりなので、成田のテキトーさに付きあうのが呆れて嫌になり、 取りあげるのはやめようと思っていた次第である。 なので、ご都合主義で手抜きありありの「ハレの日〜」は、 著者が料理をしないのか(金性ゼロだし)、 全くおいしい感じがしないので、積極的に読む気持ちにはならない。 編集者が悪いのだろうけどね。 少なくとも、成田には食べ物やお金(不動産なんちゃらも微妙)の 話を書かせていけないのは、金性も水性もないのだから、 真面目ではないというか、ちゃらけてしまうので無理なのだ。 そして向いているのは時代整合性はなくとも、 「車」主導「車」×3らしく、闘っている姿でなければ似合わない。 だから、戦争中のエピソードも生きたのだろうし、 一考したほうが良さそうだと助言しておきたい☆ |
成田名璃子○75-0314 |
畑畑草灯 未卯卯+7 車貫龍車車(車主導) 木性(112)火性(18)土性(54)金性(00)水性(00)/総合184 子丑天冲殺/主導DNA(57歳草酉) 三合会局(77歳灯亥)/地支半会木性一気格 木性過多/火性脆弱/金性ゼロ/水性ゼロ +7歳鉄辰/17歳宝巳/27歳海午/37歳雨未/47歳木申/57歳草酉/67歳陽戌/77歳灯亥〜 |
■2017年02月07日(火)草丑 |
矢口史靖○サバイバルファミリーは自然界よりのお試めし |
○02月11日(畑巳)のDNA「司」の干合天冲殺日に 公開される映画「サバイバルファミリー」の原作本である、 『 サ バ イ バ ル フ ァ ミ リ ー 』が、 原作者にして、脚本家であり、映画監督である 矢口史靖(67-0530/木午)の手によって 昨年(16年/陽申)の変則方三位年の12月20日(陽子)の 主導DNA対冲日に上梓されている。 同作というか同映画は、ある日突然、電気がこの世界から消滅。 東京に暮らす4人家族が直面する、超絶不自由生活を描いており、 次第に食料や水が乏しくなっていく中で、 父親は決断を下す。「東京を脱出する!」 何が起きているのか分からない状況下、果たして一家は生き残れるのか。 常日頃釣った魚を送ってくる(持て余していたのだが) 鹿児島の妻の実家を目指して、笑いあり涙あり苦痛あり、 ほぼ半年かけて、平凡な家族の感動の物語なのだが、 演じている俳優はわかっているので、それを目に浮かべて、読んでしまうと、 既におおまかなハイライトが公開されていることもあり、 (映画を)鑑賞したつもりになってしまい、そこでお腹いっぱい。 劇場にあえて足を運びたいと思わなくなってしまうのが難点だ。 (映画を鑑賞したければ、先に読むな〜) 神奈川県伊勢原市出身で、東京造形大学に入学後、 8ミリによる自主映画を撮り始める。 90年(鉄午)のDNA「車」年には、ぴあフィルムフェスティバルにて、 8ミリ長編「雨女」がグランプリを受賞。 PFFスカラシップを獲得し、93年(雨酉)のDNA「玉」のありえない守護神年に、 16ミリ長編「裸足のピクニック」で劇場監督デビュー。 01年(宝巳)のDNA「牽」の条件あり天冲殺名誉年には、 「ウォーターボーイズ」では、 男子シンクロナイズドスイミング部という ユニークな題材をもとにし、大ヒットを記録。 第25回日本アカデミー賞には優秀脚本賞、優秀監督賞にノミネートされ、 04年(木申)の「スウィングガールズ」もヒットし、 第28回日本アカデミー賞では、最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・最優秀録音賞・ 最優秀編集賞・話題賞等の5部門を受賞した 矢口は、DNA「鳳」冲殺主導で、妙な趣味(笑)。 なので、生きるためなら何でも食べるし、 多少、不健康になろうと前向きで、何でも都合良く解釈する。 「鳳冲+司」は、急いで焦って冷静に非ずも、 自転車で疾走するくらいのスピード感はあり。 「鳳冲+調」は、面倒なことはなかったことにする。 「調」×2もあり、壮絶に過酷な中でも、女性の美しさを描くことは忘れない。 「鳳冲+石」は、自分は思いっきり手抜きをしているようで、 他人には何でもさせる勇気があり、いわゆる非常識の極み。 だから、俳優を死ぬ一歩手前まで酷使もする。 真冬の海に放り込んだと思えば、野生化寸前の豚を素手で保護させたり、 高速道路を行き当たりばったりで降りたかと思えば、 猫缶も芋虫も実際に食べさせてしまう。 「木+鳳冲+巳月」は、動物の勘。(狩野英孝よりはマシ) 「未」年生まれ「木午」は、わがまま放題で、情け容赦もあるわけがない。 伴星は、DNA「龍」の変化と放浪で、この映画はまさに矢口の趣味。 洩星は、DNA「石」の共同だから、ないように見えても家族の絆。 導星は、DNA「司」の自分の意志。 電気が通じてしまえば、田舎に用事なし。いい加減だね。感謝がないね(笑)。 宿命の特長は、初夏午前十時頃の熱砂の蜃気楼内の樹木。 からんだ蔓植物もろとも燃やされているような あるんだかないんだか不明の存在。 総エネルギー308点は、バケモノなみだが、自身の木性は55点なのに、 火性は130点もあり、中心がメラメラ音を立てるように燃えている。 水性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人は、学習能力を持ち合わせていないので、 四人家族に、まるで考えることを拒否したような愚かな行軍をさせている。 無限大に使えるという利点もないことはないのだが、無謀な体力勝負。 でたらめで野蛮な行為等々で、下品で理性の欠片もないので、 役者は殺される一歩手前の素晴らしい体験ができる。 まさに、人生が火中の臨死体験そのもの。 年干支の「灯未」は、外から見ると、不思議に理知的に見えるが、 内側は熱くて厚くて暑苦しい。 月干支の「草巳」は、究極の理想を追究する恋愛体質。 なので、ふられることも美しい。 そして日干支の「木午」は、心優しく見えて、見えるだけ。 常に内側に犠牲を強いる、とんでもない輩である。 干支番号構成は、44-42-31で西方ばかりで慌ただしい。 少々、時代遅れ感のある、さして広くない領域。 東京から鹿児島まで行くのが大切で、電気が通じれば、あっさり帰京し、 どうやって帰ってきたかは問わない。というか、考えていないのであろう。 後天運は、初旬「8歳木辰」は、DNA「石」の10年運天冲殺で、 友人知人を、無限大のとてつもない方向に巻き込む。 とはいえ生月冲殺であろうと、初旬は陰転気味と見る。 2旬「18歳雨卯」は、DNA「玉」のありえない水性守護神で、 大学入学し、映画制作に目覚め、自主制作7本後、 93年(雨酉)のありえない「雨」重なりに、デビュー。 3旬「28歳海寅」のDNA「龍」の半会は、 同じくありえない水性の改良改革。 99年(畑卯)のDNA「司」の干合年のドラマ「学校の怪談」や、 01年(宝巳)のDNA「牽」年の 映画「ウォーターボーイズ」で名前を売る。 4旬「38歳宝丑」は、DNA「牽」の害で、 相応に活動するも気分は少々低迷。 そして現在の5旬「48歳鉄子」は、DNA「車」の対冲そのものの。 月干「草」が干合され「宝」になり、 進み行く方向などが変化し、さらに格好を気にしなくなったのか、 無茶苦茶な「サバイバルファミリー」にたどりついている。 ここから変剋律10年運も始まり、 苦痛を受ければ才能がさらに磨かれることになり、 このDNA「車」は、残酷な生活なので、電気のない世界を描ききったもの。 今後は6旬「58歳畑亥」は、DNA「司」の干合。 家庭内の悩み、金銭的貧相を体験すれば、同様に才能が磨かれ、 7旬「68歳山戌」は、DNA「禄」の半会。 感謝と奉仕に投資と、めまぐるしい経済に翻弄されれば才能が磨かれ、 8旬「78歳灯酉」は、DNA「調」の偏屈。 さすがに忌み神火性が巡って、極端な炎上。 最晩年なので、立ち枯れに近いのかもしれない。 ところで、本作のキャスティングは、 父親が守護神とはいえ条件なし天冲殺中の小日向文世(54-0123/畑卯)で、 母親を年干支「海子」VS日干支「灯未」の 干合支害持ちの表裏人間の深津絵里(73-0111/灯未)が演じている。 実生活では小日向の夫人は11歳下なようだが、深津とは19歳の差があり、 そこは原作本では、ほぼ同年齢のような設定なので若すぎるかなと感じたが、 深津の月干支「雨丑」が小日向の年干支「雨巳」を大半会しているため、 色々諦めもあったような設定でも、 小日向の守護神「灯」でもあり、いい味をだしている。 また、息子役は04月03日(鉄申)から始まる NHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」で、 主人公を演じる有村架純(93-0213/草丑)の幼馴染み役で起用される 干合火性天干一気で子丑天冲殺の泉澤祐希(93-0611/雨亥)で、 大学には自転車通学をしており、 スマホとPCさえあれば他は何もいらないという設定。 一応、全部守護神方向の金性ではあるが、 過酷なロケで忌み神害年(16年/陽申)を消化したと見られる。 普段は、ファッションやメイクしか興味がないが、 花を愛でる気持ちが残っていたと描かれている娘役は、 08年(山子)に原宿でスカウトされ、09年(畑丑)にファミリーマート 「霧島の天然水」CMによりデビュー以降、 ドラマや映画にCMと存在感を示している、 生年冲殺で、真性土性天干一気の葵わかな(98-0630/山申)。 本当の家族だったら、天冲殺や害がらみの結婚になるのだが、 小日向と子供役二人は共通干支はなく、 深津の月干支「雨丑」が、泉澤の年干支「雨酉」を大半会し、 泉澤の月干支「山午」が葵の年干支「山寅」を大半会するし、 なんとなく、どこかにはいそうな一家でもあるが、 こんな特殊運型の子供が二人もいるからこそ、試されたのであろうなと感じる。 撮影では、小日向が体重100キロの豚を追いかけるシーンで、 「放り飛ばされ、胸を強打し、肋骨にヒビが入ったと思う」と言えば、 真冬の川への入水を振り返った葵は「生命の危機を感じた」と苦笑い。 猫缶を食べた泉澤は「そりゃもう、激マズでした」と顔をしかめたが、 ただ一人平気な様子だったのが、 矢口にサバイバル能力ナンバーワンと称された深津で、 「待ち時間も武士のごとく無言で座っている。タフさがある」と絶賛で、 猫缶の感想を聞かれても 「ちょっと塩分が強かったですけどね」とケロっとしていたようで、 さすがに表裏人間風の役者のプロと言えるだろう。 さて、結婚生活は、惰性で続ける理由はないけれど、辞める理由もない 夫は群馬から東京への通勤族。妻は鹿児島から就職上京。 縁あって恋愛して21年。 10数年前に 夫の職場に近い練馬区内西武線沿線に住むが、 ころころ仕事先を変える夫を、妻が手をまわして(夫の)同級生に 仕事をまわしてもらい、ようやく落ち着いているが、 それを自分の実力と勘違いしているという設定は、笑える。 そして、ある日、全世界的に電気が止まるという設定は、 矢口なりの強烈な「鳳」主導らしい、自然を崇拝する強烈なメッセージだが、 それを、「貫」主導で頑固者で、 実際も食へのこだわりなし たらふく食べればいいみたいで、 行き当たりばったりの小日向の当て書きなのは想定内。 サバイバルで大切なことは、体温保持、水の確保、火がおこせるかであり、 食べ物はその次だとか、家族の団結力が大切などと学ぶべきところは多い。 無計画に食べるのは餓死のもと。河川の水はそのまま飲めず危険。 自転車の二人乗りは体力の消耗とタイヤの劣化。 地図が旧くては、迷うばかりで無駄に体力を消耗する。 塩胡椒味噌さえあれば料理になる。その場しのぎは何でもダメ等々。 電気(電池も使えない)がなくなるだけで何もかも変わるが、 勇気をだして工夫していけば生きていけることを教えてくれるし、 それはそれは感動ものなのだが、東京から九州最南端(鹿児島県の吹上浜)の 妻の実家に半年かけて決死の覚悟でたどりつき、 2年と126日は、男は漁業 女は機織りの自給自足に明け暮れても、 突如、世界に電気が戻れば、一ヶ月後には東京に戻ってしまう。 そして、病気や怪我、争いなどで、命落とす者が多数あって 地球の人口が減っていったのだが、そのあたりは矢口には、 あまり興味がないようで、あくまでも行軍が主体。 そして、(妻の父親)である祖父は一家を迎え入れ、 長めの休暇を楽しんで、めでたしめでたしである。 電気ばかりに頼りきっていると、人間は弱くなりますよ。 でも、矢口なみに野人ならば、そういうところも楽しみながら、 生きていけますよと教えてくれている。 自然界は偉大で、仲良くしていると、 助けられることも多いのは間違いないことが、 よくわかる映画であり本であるので、 見ても読んでも、ためにはなることだけは保証付きだが、 野人の撮る映画で、野人の書く小説なので、 (意外な人も登場するし→嘘くさいアウトドア一家の母親役) 野蛮な行為には、目をつむる寛容も必要ということを付け加えておきたい☆ |
小日向文世○54-0123 |
畑草雨陽 卯丑巳-6 禄車車貫玉(貫主導) 木性(52)火性(24)土性(66)金性(26)水性(44)/総合212 申酉天冲殺/天冲殺(36歳宝酉/46歳鉄申)/ターボ運(16歳〜) 三合会局(36歳宝酉)/主導DNA半会(56歳畑未) 火性脆弱/土性過多/金性脆弱 -6歳木子/16歳雨亥/26歳海戌/36歳宝酉/46歳鉄申/56歳畑未/66歳山午/76歳灯巳〜 |
■2017年02月11日(土)畑巳 |
上野歩○墨田区吾嬬町発ブラックホール行きは夢の続き |
○94年(木戌)に「恋人といっしょになるでしょう」で、 第7回小説すばる新人賞を受賞して作家デビュー。 95年(草亥)〜98年(山寅)と、03年(雨未)〜06年(陽戌)には、 母校の専修大学で講師を務めており、 カルチャーセンターで「執筆アドバイザー」講座を運営している 上野歩(62-0527/草丑)の 『墨田区吾嬬町発ブラックホール行き』が、 昨年(16年/陽申)の12月05日(宝酉)のDNA「車」の半会日に上梓された。 ちなみに吾嬬町とは、現在の墨田区内にかつて存在していた地名で、 現在は、文花、立花、東墨田、押上、京島、八広などとなっている。 同作は、下町の物作りにスポットライトをあてた 女性「ヘラ絞り」職人の成長物語で、 「ヘラ絞り」とは回転させた金属の板状素材を、 ヘラと呼ばれる金属の棒を押し当てて少しずつ変型させ、 必要とされる形に成形加工する技術をいう。 小倉ひかりは、高校卒業後地元の洋菓子会社に就職したが、 賞味期限シールの貼り間違いで、迷惑をかけた責任をとることが契機となり、 そこを辞め、ヘラ絞り屋に頼み込んで見習いとして入社する。 そこには、かつて父の安太郎が勤めていたが、 ひかりが9歳の時に、風呂帰りの待ち合わせに現れず失踪していた。 ひかりは天才的なヘラ絞り職人だった父のことが知りたい、 父に会えるかも知れないという思いで、同じ会社に入ったのだ。 突然いなくなったことで会社に損害を与えた父を良く思わない社長の妻、 (ひかりの母親とは、かつての看護師仲間) (高校の同級生で)娘のカスミは、そんなひかりに冷淡だった。 しかし、ヘラ絞りに夢中になるひかりはめざましい上達を遂げ、 皆から認められるようになる。 数年後の真冬のある日、ひかりにテレビ出演の話が舞い込む。 それは、旋盤工の職人と同じ題材作りで対決してほしいというものだった。 父が見るかもしれないと考え、引き受けたひかりは、その勝負に挑んだ。 そして、住まいが隣で、幼い頃からの兄と慕う、 今は天文台に勤務する青年から、宇宙の謎解明につながる 大きなプロジェクトに関連する仕事が、ひかりに届く。 今度は、同じヘラ絞り職人との対決に勝つというのが条件だった。 勝敗の行方は? さらに、父の失踪には、彼女の知らない衝撃の真実が 隠されていたことも解明される。 これまで目立たなかった女の子が「ヘラ絞り」職人として成長し、 信じられる仲間を得て、 科学の最先端のプロジェクトに関与するまでになると同時に、 父親の失踪の背景を通じて、「父と子」について考えさせてくれる、 いわゆる健全なハートウォーミングな感動作でもある。 東京都墨田区出身で、生家は家内工業のプラスチック成形加工所。 専修大学文学部国文学科を卒業後、テレビ情報誌、玩具業界誌の記者、 環境コンサルタント会社勤務を経てデビュー。 現在は東京都練馬区在住の上野は、DNA「調」主導で女性的感性が強く、 気に入らないことはしたくないという発想。 「調+石」は、自尊心は強いものの人当たりよく、地位にはこだわらず。 「調+禄」は、組織に馴染めぬ孤独な人で、発想は大胆。 「調+玉」は、若い時分から大人びたところがあり、 詳しいのは実家周辺の家内工業で、実際は世間知らず。 得意分野以外は全くの門外漢。 才能は、この「玉」で、静かな図書館みたいな環境下で、添削をする。 旧いものというよりは、生まれ育った地域に親しみ、 現実的には離れているのに、心は離れられないものがあるが、 これを書くことにより消化してもいる。 「調+貫」は、恩義にはさして厚くないため、 主人公にしろ、父親にしろ、個人の発想で行動させ、 組織の一員として活動するという思惑が存在しない。 「草+調+巳月」は、結婚について一風変わった見解あり。 だから父親は失踪したのだが、完璧な結婚を目指すという選択肢もあり、 話の最後はあれよあれよと、 突然主人公に降って湧いたような恋の話まで持ち上がるが、 一応伏線はあろうと、あまりにも唐突すぎるのは、 「寅」年生まれ「草丑」が、狭視で視野が狭く、 また異性の気持ち理解不能なため、急展開で終わるようになっている(笑)。 伴星は、「鳳」の趣味みたいな人生で、 洩星は、才能でもある「玉」の身内の助け、 導星は、「禄」で他人が終了させる。 だから、最後の落としどころは主人公ではなく、 突如、天文台の技師の発言で締めている。 宿命の特長は、初夏午前十時頃の小さな入り江に咲き乱れる花だが、 一部は年支「寅」VS月支「巳」の害で毒されており、 「寅」の上に乗っかっている守護神的な「海」も塩水で、 枯れているとは言わねど、美しさもほどほど。 日干の「草」は、日支「丑」内「雨」も使用できるので、 生きのびることは可能になっている。 これは、才能は「玉」なのに、ハミダシ運の戌亥天冲殺でもあり、 家業を継ぐわけではなく、習得本能を精神的に使用した結果だ。 総エネルギー261点は、害毒があろうと脚腰も強く、自身の木性は79点もあり、 仮に雑草になっても、簡単には駆除されない。 ただし、頼みの水性は僅か33点で限界もあるため、 勝手知ったる生地の製造業支援をネタにすることになる。 また、金性は26点と最弱となり、 しゃかりきになって働くという意欲は見受けられず、 主人公には、最初の職場で、部署違いの仕事を気安く引き受けさせ、 簡単に失敗させてみたり、職人としての技を向上させるといいながら、 落としどころが、血は争えないみたいな感じなのは残念。 それでは、第三者が技術を研鑽を積むことが 困難と言われたような気もしてしまう。 年干支の「海寅」は、自分が一番という意識が強く、 月干支の「草巳」は、究極の恋愛体質であり、 日干支の「草丑」は、黙々と努力する真面目人間でもある。 干支番号構成は、39-42-02で東方起点から西方に伸びているが、 極めて狭い範囲でしかないため、テーマを拡げすぎるわけにもいかない。 後天運は、初旬「3歳陽午」が、DNA「調」の主導DNAで自己確立も、 害も同時にあったため、どこか反抗的であったり、 なかなか思いどおりにいかぬように出来ている。 これを逆利用したのが、大学時代、サークル(文学研究会)の後輩が、 居酒屋の店頭にある七夕の笹飾りに 「群像新人文学賞をとれますように」という短冊を付けている横で、 「ノーベル文学賞をとれますように」という短冊を付けたことで、 なんとか作家になれたというエピソードである。 2旬「13歳灯未」は、DNA「鳳」の発信力と逆転。 年干「海」が干合により「木」になり、 これに月干と日干の「草」を加えて、木性の天干一気が成立。 木性過多は、仲間や家族だろうが、「海」の「玉」が消されて、 実家の商売が傾くなり、(進み行く)自分の視野からもなくなった時期。 なお、卒業論文の提出が締め切りに3分間遅れ、 大学卒業単位を取得できず留年している経験は、守護神「雨」年で、 なおかつ年支「寅」VS月支「巳」の害が切れたといい、 ちょっとした油断をしてしまった模様。 条件なし天冲殺の最中に慣れないこと をやったためではないかと考えられるが、 それをモチーフの一部として作品だって仕上げているので、 良き試練でもあったはずだ。 3旬「23歳山申」は、年干支「海寅」の天剋地冲をともなう 年支「寅」VS月支「巳」の害切れ。 仕事もなかなか続かなかったようだが、 DNA「司」の引力本能も効いてデビューにも漕ぎ着けている。 4旬「33歳畑酉」は、DNA「禄」の引力本能全開。 月支「巳」と日支「丑」のからむ三合会局で、 デビュー後で、名前が売れ始めたことと、活動していく自信がつく。 5旬「43歳鉄戌」は、DNA「牽」の役割強化の10年運天冲殺。 初旬条件がないため、戸惑う面もあったようだが、 ここでは、「鳴り物師」で新境地。 さらに現在の6旬「53歳宝亥」は、年支「寅」VS月支「巳」の害切れを伴う DNA「車」の10年運天冲殺で、「削り屋」「型屋の社長」に、 そして本作と、少々危険を伴う下町の工場が舞台に登場することになったが、 それでは満足できなかったのか、 毎朝映画のDVDを見ながら30分のエアロバイクによる有酸素運動と、 50回の腕立て伏せ、250回の腹筋運動を欠かさないと豪語するのは、 「車」で、スポーツに目覚めたと理解する。 今後は、7旬「63歳海子」は、才能強化の守護神的「玉」で伝統回帰。 さらには8旬「73歳雨丑」は、DNA「龍」の守護神だが、 10年運天冲殺も抜けているので、気持ちは楽になるくらいに考えたい。 さて、デビュー作の主人公は作者と同じく玩具業界誌の記者。 身近なところに題材を得ているのは、才能が「玉」なのと、 「寅」年生まれ「草丑」が、視野は広くないところに、 「調」主導で、女性の気持ちがわかるようで、 異性理解不能という、相反するものが同居しているため。 これが、一風変わった女性主人公をつくりだしている原点だし、 もちろん真面目な「草丑」だから、妙な動きをする異性は排除する。 これも良いだろう。しかも、語り口は癖がなく読みやすい。 なのに支持が大きく拡がらないのは、「調」主導の偏りだけではなく、 デビューが、木性強化になったとはいえ、94年(木戌)というDNA「石」の 上手に立ち回れた夢の中(天冲殺)ではないか。 これは、ある意味それまでの努力が報われたというお試しであり、 「デビューはさせてやるが、専業にはなるなよ」という 自然界の声だったわけで、本来は会社員を持続させながら、 作家もやっているスタンスが望まれたはず。 勘違いとは言わぬが、手堅い「草丑」のわりには、 冒険をしすぎた感あり。 また、食通なのはともかく、酒は火性で忌み神。 さらには、温泉旅行が趣味だと言われてしまうと、 身強だろうと、夏生まれの木性には辛い。 北極星が道しるべという考えは的を射ているが、 ブラックホール行きというオチは、わかったようでわかりづらい気がした☆ |
■2017年02月14日(火)海申 |
桑原水菜○遺跡発掘師は笑わない(悪路王の左手)に熱気なし |
○投稿作「風駆ける日」が、89年(畑巳)下期の第14回ノベル大賞で、 「コバルト読者大賞」を受賞し、 同作が「Cobalt」90年(鉄午)2月号に掲載されてデビュー。 その後コバルト文庫を中心に作品を発表し、 代表作は合計600万部を超える「炎の蜃気楼シリーズ」という 桑原水菜(69-0923/宝丑)の『遺跡発掘師は笑わない』を取りあげる。 同シリーズ最新作は「悪路王の左手」で、 干合年だった昨年(16年/陽申)の08月25日(畑卯)のDNA「龍」日に、 角川文庫(書き下ろし)より上梓されている。 同作は、岩手の祖波神社跡で「三本指の右手」に続き 「金の薬指」を掘り当てた天才宝物発掘師の西原無量が、 鬼の墓との言い伝えもあるこの場所には、 一体何が秘められているのかと突き止めるもの。 一方「悪路王の首」を祀る鬼頭家では、二代にわたり当主が変死していた。 真相を探る忍だが、そこには鬼頭家の息子・陽司と、 謎の韓国人・ペクが深く関わっていて、訳のわからないことになってきた。 震災後の東北・岩手(陸前高田)の地に隠された、壮大な歴史の秘密とは。 全てが明かされるシリーズ第5弾は、本当に笑えない話になっている。 日本の王と百済の王の末裔は、どんな役割を担っているのか。 東武天皇まででてくる結末は、それなり。 また、地元資産家の双子の姉妹が登場するが、一人には問題がある。 双子がいつまでも一緒であれば、陰陽の原則から、 運気はシーソーゲームをする。 異常干支などが陰か陽かによって、その差は歴然となるので、 一緒に育ってはいけないものなのだが、 作者はどの程度認識しているのか、少々疑問だった。 千葉県内で誕生しながら、京王線の多摩センター駅にある 多摩ニュータウンという大きな団地で育ち、 現在も日野市や多摩市などの京王線沿線(高幡不動あたり)または 多摩モノレール線沿線に棲息する桑原は、 中央大学文学部史学科を卒業で、DNA「貫」主導は、頑固。 このあたりは、西原無量なみ。 守るべきものがあるから、頑張れるもので、桑原には家族なのだろう。 「貫+貫」は、用心深く利己主義。才能はあろうと、心は不器用。 「貫」×2は重なるだけに不器用。 「貫+龍」は、忍耐力強力だから、危険な事態から、 いつか脱出できると過信することが可能。 「龍」×2は、重なるだけに頑固な放浪癖。 時にひらめきのような嗅覚が発動され、奇蹟のような発掘も行えるのであろう。 「貫+鳳」は、温厚そうに見えるだけ。 「宝+貫+酉月」は、生き方もスタイルも変えぬのが吉。 「酉」年生まれ「宝丑」は、動かずが吉。 伴星は、DNA「司」の家庭一丸となって。 洩星の、DNA「龍」は、実家から離れて作動する。 そして導星の、DNA「鳳」は、ようは趣味の人生ということだ。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の雨が降る街の道路の案内標識。 東京まで50キロとか書いてある、濃いブルー地に白文字で、 幹線道路の交差点なんかに蛍光色が反射する、あれだ。 変わってはならないので「貫」×2だし。 行き先は「龍」×2だし、「鳳」は発信発色と思えば良い。 作り物感まるだしだけどね。とはいえ、木性ゼロ(DNA禄/司なし)は、 感謝にも奉仕にも縁なしなので、行政のつけた看板ではなく、 どちらかといえば、道の駅なんちゃらまで何キロと言われた方がしっくりくる。 そして無愛想で優しくないから、西原無量もクール。 家族のありかたも、どこか普通ではないので、 実際にはいるようだが、自由に取材旅行に行ったりと、 家庭的な味わいなく、登場人物もころころ変死したりもする。 また火性ゼロ(DNA車/牽なし)は、配偶者成分皆無なので、 実際にいても、あまり結婚を意識せず、ひっそり。 普通に働く意識もなく、デビュー時から判断して、 就業経験はないと見るのが妥当。 名誉も勇気もなく、あるのは無謀な無限大の、やみくもな動き。 総エネルギー194点には重厚さはないので、 ライトノベルなのだが、自身の金性は実に112点もあり、 なかでは重鎮というか、それなりの成功者であるが、 自制心によりその成功の度合いも変化する。 また、年支と月支の「酉」が日支「丑」と半会すれば、 地支半会金性一気格となるので、あるはずのないプライドが高く、 強欲だったり、ファンは無意識のうちに、この人の軍門に組み込まれている。 自己中心で自己発揮しがちなのは、登場人物にも共通しており、 ご自身のサイトは誕生日(04-0923/草巳)であり、 ありえない真面目さの木性年(04年)の守護神半会月(09月)の ありえない自己顕示欲発揮三合会局日なのだから、 世界は、桑原を中心に回っていると考えても間違いではない。 年干支の「畑酉」は、貧困をバネにのしあがる。 そして、見てくれの美しさを重視。 だから登場人物はイケメンとイケジョばかり。 むろん桑原好みに決まっている。 月干支の「雨酉」は、頭脳明晰世渡り巧み。 不快感は与えないが、品性があるとはいえず。 そして日干支の「宝丑」は、マイペースで金を稼ぐ。 無心な努力と仲介能力が経済に縁あり。 干支番号構成は、46-10-38で、北方東方西方をカバーするも、 さして広い領域ではなく、明るさはない。 後天運は。初旬「5歳鉄戌」はDNA「石」の刑。 年支と月支の「酉」は害で、不安定な日々。 そのあたりは、親も居所も不安定だったということか。 2旬「15歳宝亥」は、主導DNA「貫」で自己確立。 自分のスタイル、自分の生き方、自分の身は自分で守る。 そして、デビューも当然のように、ここ。 3旬「25歳海子」は、DNA「調」の支合。少女趣味を極めたと言える時代で、 ここからは準ターボ運で、目立ち方が加速する。 4旬「35歳雨丑」は、年支「酉」の半会に、月干支「雨酉」の大半会を伴う 使いやすい守護神DNA「鳳」で、準ターボ運の助けもあり、 さらに表現方法に磨きがかかる。 現在の5旬「45歳木寅」は、DNA「司」のありえない木性が出現し、 ターボ運(子丑天冲殺廻り)も本格化し ここからの人生は何をやっても派手になる。 そして、家族のありかたを意識する時代でもある。 少しずつ作風に変化が見られてくる時期となる。 今後は6旬「55歳草卯」が、年干支「畑酉」の天剋地冲に、 月支「酉」の対冲を伴う、ありえないDNA「禄」の感謝や奉仕。 あるいは権力のようなものを手中に収める。 7旬「65歳陽辰」は、ありえない火性の10年運天冲殺で、 DNA「牽」は、誰にでもわかりやすい名誉。 8旬「75歳灯巳」は、年支「酉」と月支「酉」に日支「丑」までを 巻き込んだDNA「車」の三合会局で、 晩年ながら多忙を極めるも、それこそありえない危うい10年運天冲殺。 稼働力が上がると察せられるが、 上がり過ぎるのも年齢を加味すれば考え物なのだろう。 さて、後天運は別にすると、桑原の世界は 土性のDNA「龍」で創造力を駆使し、自身の金性をさらに強め、 金性は水性のDNA「鳳」で表現をする。 というような「土」生「金」生「水」の 五行のうち、三成分で成立し完結してしまう。 木性と火性がないために、時に風邪をひいたり、 帯状疱疹をこじらせたりして、丈夫とは言えない。 強欲なのか、無頓着なのか、生活は見えてこないが、 毎年正月は箱根で迎えるなど、そこは一般人の感覚ではない。 また、ひっそりとしているので、辰巳天冲殺らしく、 実家からはハミダシているものの、 実生活が見えないのは、その必要もないからだ。 これは作品の登場人物にもいえることだが、 家族がいようと、生活感がまるでなく、そこを好きになるか否かというだけ。 ただし、これらの世界観のスタートは、 金性強化とはいえ、90年(鉄午)の仲間と軋轢あり、 あるいは、どこか消化不良があるという暗い害年がらみというところが、 晴天を描こうと、明るさの感じられない部分で、 今のところ、それ以上でも以下でもないのだが、 スタートは陰の時代のさらに暗い部分だった。 そして、13年(雨巳)からは、その陰も終わりをとげ、 陽の時代に入っているので、ありえない成分に潰されずに、 あえて明るさを演出していけば、良いのになと思う。 欲しいな。もっと熱気がね☆ |
■2017年02月17日(金)草亥 |
笹本祐一○放課後地球防衛軍 なぞの転校生のひなびた真実 |
○84年(木子)のDNA「鳳」の半会年に、 経緯は不明も「妖精作戦」でデビュー。 99年(畑卯)のDNA「牽」の害年に 「星のパイロット2 彗星狩り」で、 第30回星雲賞日本長編部門を受賞。 03年(雨未)のDNA「石」の天冲殺年に「宇宙へのパスポート」で、 第34回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。 04年(木申)のDNA「鳳」の半会年に「宇宙へのパスポート2」で、 第35回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。 05年(草酉)のDNA「調」の支合年に、「ARIEL」で、 第36回星雲賞日本長編部門を受賞。 07(灯亥)の干合年に「宇宙へのパスポート3」で、 第38回星雲賞ノンフィクション部門を受賞。 13年(雨巳)のDNA「石」の変則方三位年に、 「モーレツ宇宙海賊」(モーレツパイレーツ)で、 第44回星雲賞メディア部門を受賞するなど、 その世界では高名であり、現役最古のラノベ作家を自認する 笹本祐一(63-0218/海辰)の最新作である 『放 課 後 地 球 防 衛 軍 な ぞ の 転 校 生』が、 昨年(16年/陽申)の守護神主導DNA半会年の11月25日(宝亥)の ありえないDNA「玉」日に上梓された。 同作は、太平洋岸の過疎の地方都市の岩江(土佐清水市がモデル)が舞台。 市内唯一の高校の天文部員、祥兵、雅樹、マリアは、 顧問の杏先生と共に夜空が墜ちるような流星嵐を観測した。 翌日、彼らの前に現れた転校生の悠美。入部希望だという彼女は 「岩江の大人達が隠す地球の秘密を知りたい」と微笑む。 そして、気づいたら部室の隠し階段下に拡がる不気味な地下の大空洞で、 旧ドイツのUボートを発見したのを皮切りに、次々に鄙びた町の真実を明かす。 はたして悠美の目的とはなにか。ハヤカワ文庫初登場の笹本が、 ド田舎から大宇宙を望む新シリーズ開幕と銘打った今作は、 ありがちな定番物の「転校生は宇宙人」の話だが、 真面目ながら明るい未来もある天文部員が健全なのと、 (20代後半の)女性指導教官が乱暴だが、どこか心得ている雰囲気が、 わざとらしさの中にも技ありなので、 大変読みごたえのある作品に仕上がっている。 とはいえ、説明不足の伏線も多いうえに、雑なので(笑)、 続き物第一巻としては、二巻目を多いに期待するしかない。 獅子座流星群の夜。銀河に出逢う放課後のはじまりなんだから。 東京都出身ながら場所は不明。工学院大学を中退。主にSF作品を中心に執筆。 現在は妻の実家が室蘭市にあることから札幌市在住で、 妻は看護師か、看護師仲間の友人多く、 14年(木午)には、夢の中で息子が誕生している笹本は、 「禄」主導で、権力を振りかざし、 何でも自分が中心に回っていると本気で思っている。 「禄+調」は、実践できるか否かは別にして、発想は恐ろしく偏屈で大胆。 「禄+車」は、身勝手な行動力でルールで縛られるのを嫌う。 才能は、この「車」で危険を厭わないから、 天文部の顧問は、軽自動車に生徒を乗車させても、 山道を攻めぬいて、日頃の鬱憤をはらすように、気分転換をする。 「禄+石」は、派手な行動力はあり。 また、そのためには他人を上手に利用する。 「禄+鳳」は、口は達者で、高校生を煙に巻くくらいはお手の物。 「海+禄+寅月」は、直感の鋭い浪費家で、 「卯」年生まれ「海辰」は、勝負事大好きな一発屋。 伴星は才能と同じ「車」で、単独行動。 なのに、矛盾内包の宿命(後述)のため、 共同スタジオのメンバー募集をして、家賃を浮かそうとする。せこいぞ(笑)。 このあたりは洩星が「石」ということもあって、 新たな目論見は共同で始めるからだろうし、 都合良く、部員が少ないため、一致団結して謎に挑む。 そして導星は、「車」なので、マイペースで無に帰すなり、 あれは夢でした・・・なんていうのもありかも。 宿命の特長は、早春午前四時頃の深い森におおわれた水路が流れ込む 「海」で、汽水域。物語の舞台である岩江市が、太平洋に向いた旧い漁師町で、 天然の良港に恵まれ、少子高齢化が続き周辺の市町村を合併して 体裁を整えているという設定だが、この風景こそ都会が似合わない笹本だ。 まだ日の射さない暗がりの中で、総エネルギー261点中木性128点は、 遊び心があり、工夫して存在感を誇示しようとするが、 金性ゼロ(DNA龍/玉なし)は、よほど腹をくくって臨まないと、 想像力の欠片もないので、ワンパターンになりがち。 そして、午未天冲殺なのに親縁地縁がないため、 簡単に生地生家を離れ、北海道まで流れゆく。(海だしね) また、このように目先を変えられるのは、 水がどこにでも流れていける習性なのと、 春の方三位が賑やかに成立しているとはいえ、 年支「卯」VS日支「辰」の害持ちは表裏ありで、 持続力は備わっていないというか、器次第という「海」の特性でもあり。 無限大の創作力を活かすためには、朝令暮改もなんのその。 ともかく、あっちへちょろちょろ、こっちへちょろちょろと、 波の矛先を変えて行くし、あとがきの日付をあえていれぬことを強調している。 とはいえ、岩場のない「海」は、安全と思わせられるフシありで、 にっこり笑いながら酷いことも平気でする性悪人でもある。 (もちろん作品上だけの話だろうが)守護神火性が月支内で野人扱いだし、 僅か26点しかないので、中途半端に冷淡というか、 主導しているだけに、余計に寒々しい感は否めない。 年干支の「雨卯」は、少々頼りにならないお公家さんみたいな風情。 月干支の「木寅」は、頑丈な仲介者。深い森には何が潜むのか怖い。 そして日干支の「海辰」は、才気はあるがクールな冷酷人間。 だから部員が一人増えて、軽自動車に収容できなくなれば、 原付バイク通学に生徒を山道を追わせる。 干支番号構成は、40-51-29で西方北方南方で、東方欠け。 前進力に難ありで、知識と衝突と夢さえあれば良いわけだ。 後天運は、初旬「5歳雨丑」は、DNA「石」の変則方三位。 賢い寄り道。勉学より友人知人との趣味の時間を持ちながら成長するが、 際だった宿命が売りでも、後天初旬条件はなく、爆発的売りにはならず。 2旬「15歳海子」は、大半会。 おそらくは、学生時代の社会に出ぬ前にデビュー。なるほど大事件だ。 3旬「25歳宝亥」は、ありえない金性のDNA「玉」で王道路線。 4旬「35歳鉄戌」は、年支「卯」の支合に、月支「寅」の半会がからむ 同じくありえない金性のDNA「龍」の改善対冲で、 新境地を探りながらも、この人なりに成長した。 5旬「45歳畑酉」は、DNA「牽」の名誉と業界内の役割。 結婚時期は不明も、ここでようやく一子を得ている。 これは月干「木」の干合で、目下の場が「山」になり、 さらに、これが年干「雨」と二次干合して、 年干は「灯」月干が「陽」という守護神に囲まれたため。 なお、年干が「灯」になった時点で、 元の宿命の日干「海」と、さらに干合すれば、 変則干合木性天干一気ともなり、集中力強化にもなる。 来年(18年/山戌)のDNA「車」の天剋地冲年から始まる 6旬「55歳山申」は、DNA「車」の多忙半会で、 年干「雨」は干合され「灯」になり、それが日干「海」と干合すれば、 年干は「草」、日干は「木」になり、月干が「木」となり、 木性の天干一気の完成は、足元がもつれず、 毒を隠しきって有効利用すれば、面白い。 7旬「65歳灯未」は、DNA「司」の干合10年運天冲殺。 8旬「75歳陽午」は、DNA「禄」の感謝奉仕10年運天冲殺。 突如熱気に包まれ、一般的認知度は上昇するが、 あとは体力次第で、どこまで行けるか。 もちろん売れても、感謝や奉仕がないと、 器以上の金銭物質に埋もれてしまう可能性もあり。 さて、さすがに夢みたいなことで頭がいっぱいの午未天冲殺だけあって、 設定は荒唐無稽だが、そこは手練れとして、臆面もなく、 あたりまえの事実として、一切の恥じらいなく語られているので、 表裏ありの怖さを認識すると共に、驚嘆するほどの技術である。 自然界と寄り添おうとする姿は、 天気予報より網元のじっチャンを信憑性をもって描くし、 「実際に目で見て感じなけりゃおまえたちの身にならない」と 指導教官に言わせるなど、随所に大人の心意気を感じさせる。 それでいて、高校生達の描写に不自然さはなく、 読者は完璧に騙される。 「この街は、この星を外の宇宙から閉ざしておく検問所」と言われても、 そこだけ切り取ったら、なんて胡散臭いんだろうと思うのに、 生徒達ばかりか実は地球防衛軍の末端である指導教官達が、 活き活きとしているのだから、騙されるしかないのだ。 ちなみに宇宙人の手先は、 「人間そっくりで、見た目も成分も一緒だが作り物」と本人が告白するし、 彼女は「何でも知っているが勉強した記憶はない」と 知識をまるで説明書を読み上げるように、アウトプットする。 また諜報活動に必要な情報は与えても、 日常生活に必要な情報はインストールされていないので、 いわゆる生活必需品は無用だし、宇宙人といっても、地球外知的生命体は、 特別な事情がない限り、実は物見遊山というか、 観光だという設定には、笑ってしまった。 ところで、肝心の地球防衛軍のろくな描写はなし。 裏設定は多数あるので、これからの種明かしになるのだろうが、ズルイねえ。 地球としては、「宇宙人に対して、受け入れ体制が不充分なので、 整うまで訪問を遠慮してもらっている」そうだ。 ようは鎖国と同じ。夢は拡がる、明るい未来。 気分はとっても高揚して、楽しくなるのでハレだと思う☆ |
■2017年02月21日(火)畑卯 |
澤村伊智○ずうのめ人形は獰猛で猛威をふるう |
○幼少時より、怪談やホラー作品に慣れ親しみ大学卒業後、出版社に入社。 12年(海辰)春に退職し、フリーライターとなり、 15年(草未)に澤村電磁名義で応募した「ぼぎわん」で、 第22回日本ホラー小説大賞大賞を受賞。 同年同作を「ぼぎわんが、来る」と改題し刊行、 小説家デビューした澤村伊智(79-1114/草酉)の 『ず う の め 人 形』が、 昨年(16年/陽申)の07月31日(木寅)の主導DNA「石」日に上梓された。 「キリカ」も01月18日(草巳)の大半会日にでているが、 衝撃度は「ずうのめ人形」が上と考えるので、こちらをあえて紹介する。 オカルト雑誌で働く主人公は同僚から都市伝説にまつわる原稿を託される。 それは一週間前に不審死を遂げたライターが遺したものらしい。 原稿を読み進め「ずうのめ人形」という 都市伝説に触れた時――怪異が、始まった。 主人公は、別のライターとその婚約者に助けられ、 真実に迫ろうとするが、四日後に迫った死を回避できるのだろうか。 複雑に散りばめられた伏線が最後に一点に集約された時、 数十年前に東村山市で起きた子供の不審死が、 高円寺に、方南町に、そして豪徳寺や湾岸地区のタワーマンションで、 この世のものとは思えない「ずうのめ」の赤い魔の手と共に、あばかれる。 そう、見えない人には全く見えず、魔の手は地下から一気に絡んでくる。 小技の効いたどんでん返しや、あっと驚かされる事件に、 読者は呆然とさせられることは間違いなく、 そして、怖くて怖くて夜間には読み進めることは出来ないのだが、 最後の一頁は必要なのだろうか。 いっぺんに恐怖心は壊滅し、笑い話になってしまったが、 そこもふくめて楽しみたい。 兵庫県出身。大阪大学卒業後、友人が書いた小説を読まされ、 「最初に読まされたものがメチャクチャつまらなかったんです(笑)。 とはいえ、ただ批評するだけではフェアでないので、 自分も同じ土俵に立たなくては、と思って小説を書くようになりました。」 受賞をその友人に伝えたら 「つまらない話も書いてみるもんだな」と笑っていましたと、 現在は東京都高円寺南にシェアオフィスを借りて、 杉並区あたりに棲息する澤村は、DNA「石」主導で、 最初は際だった反応出来ずに、好き嫌いもなく反撃は時間をかけて行うため、 小説を書くきっかけも、仲間であったり友人知人になる。 「仲間で小説を持ち寄って批評し合うことになったんです」は、 生年冲殺なので、自己発揮の退職は感心しないが、 彼なりのこの世界への正しい足の踏み入れ方には違いない。 「石+鳳」は、ズボラなところはあるだろうが常識は持ち合わせる。 「鳳」が冲殺されているので、趣味が小説書きだったのも、 そのとおりで面白い。 「石+車」は、有無を言わせぬ行動力で、 目的遂行のためには、私的面を犠牲に出来る頼もしさ。 才能は、この「車」でほぼ単独行程で危ない橋を渡る。 これは、危険だが束縛されぬ自由はあり。 「石+禄」は、他人を上手に使い、徹底利用する。 なので死期が迫った主人公は藁をも掴む気持ちで、 正義漢の強いフリーライターや、 霊を感じるという婚約者も巻き込むことに成功する。 「石+貫」は、変わり者で独裁者。だから、最後にトドメを刺したのは、 意外な位置にいた、驚く設定の究極の燃焼。 「草+石+亥月」は、本来は無神論者だが、 年齢を重ねるごとに、風流な柔軟性がでて許容する。 「未」年生まれ「草酉」は、フットワークの軽い働き者である。 伴星は、主導する成分と同じ「石」で、人脈を拡げ冒険する。 洩星も「石」で、共同で仲間と始める。小説作法も事件解明もだ。 導星は「車」で、マイペースで身も蓋もない(笑)。 だから、あんなトホホで不謹慎な終わり方なのだろう。 宿命の特長は、初冬午後十時頃のハウス栽培の農家。 他人が開発した種子を自分なりに改良して、 妙な味わいながら、万人受けするハーブなどを生産している。 あるいはそれらを摘み取り、茶として提供する場。 漢方薬剤などで、原則メニューに変動がないため、 安心して訪れる場所でもある。 年干支の「畑未」は、開拓者を標的に略奪をはたらく。 なので、他人の書いた小説が不出来なので、自らはその上を行こうとする。 月干支の「草亥」は、未来予測をする霊感めいたものを持ち、 感性鋭く度胸あり世渡り巧みも、どこか弱点や不幸の種子を内包する。 そして日干支の「草酉」は、たとえて盆栽の花。最初から完成している。 猪突猛進で、信じた道は決して曲げない一本気の完璧主義者。 そして行動派でもある。 干支番号構成は、56-12-22と西方欠け。 それなりの領域を所有するが、迫力には欠けるエネルギー点数なので、 どこかで手を抜かないと、疲れがたまりやすい。 後天運は、初旬「2歳木戌」が主導DNA「石」の協調性和合性。 特別条件付10年運天冲殺で、自己確立。 妙な環境、妙な交遊関係などで、厳しい目に遭いやすい。 仲間の裏切りでもあり、いわゆる虐めに似たような体験はあるのだろう。 怖がりで、肝試しも苦手ということだが、それもまた嫌な経験には違いないが、。 2旬「12歳雨酉」は、忌み神ながらDNA「龍」の学び。 宿命にない、ありえない習得能力が加わり大阪大学に入る。 3旬「22歳海申」は、DNA「玉」の変則方三位で、横に流される。 望まぬ形の就職であろうか。 現在の4旬「32歳宝未」は、DNA「車」の10年運天冲殺。 12年(海辰)には会社を辞め、フリーのライターになったが、 これは作品に存分に活かされている。 才能の「車」がより加速されるので、恐怖も無限大に拡がり、 ホラーをテーマにした作品でデビュー。にわかに注目され多忙になる。 この後は5旬「42歳鉄午」は、DNA「牽」の10年運天冲殺。 ここでは、破格の名誉が降り注いでくるはずなので、 更に作家としての立ち位置はあがる予定。 6旬「52歳畑巳」は、DNA「禄」の半会で、売れっ子。 7旬「62歳山辰」は、DAN「司」の支合で、守りに入れば地味になる。 8旬「72歳灯卯」は、DNA「鳳」の守護神対冲で、 似合わぬかも知れぬが、のんびりした老後。 さて、そろそろ時代整合性にズレがでてくる 冬生まれの作家のホラー小説なので、暗いかと言えばさにあらず。 恐怖は感じるが、必死になって災禍から逃れようとする気持ちは、 何にでも通用する前進力といって間違いない。 努力しているからこそ、明後日の方向から救いがやってくる、 すなわち悪は滅びるし、昔のことでも清算せずに、 己だけ生きのびようとする暗さがあれば、断たれるというのも良いだろう。 伏線のはりかたも巧妙で、気持ちよいほどの清々しさを感じる。 そう「呪われなくても人は死にます」なんだから、 いちいち目くじらをたてても仕方がない。 読む読まないは、読者の自由だからだ。 「そうぶんぜ」は逆さに読めば「全部ウソ」。でも、だからこそもう一度いう。 あのラストは少しも怖くないばかりか、冗談でしょ。 とはいえ、守護神火性年の追い風は、今年は強く効くだろう。 最後に既婚なのはわかるが、相手に関する情報はなし。 二人でお化け屋敷いったとかくらいしか語ってはくれないので、 付け加えれば、今後澤村が成功するか否かは、 配偶者が年上であり、獰猛で、刺激的であること。 午未天冲殺が年下と一緒では、運の稼働も乏しい。 なので、これ以上売れなかったら、それが原因だとしておきたい☆ |
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