★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 7 年(灯酉)●05月 草巳 // 移 動 祝 祭 日 |
■05月分一覧 (2017年●目次) |
逸木裕●虹を待つ彼女は何故ムーンリバーなんだろう(2017_0501) |
春見朔子●そういう生き物は夢の清算で明るさなし(2017_0505) |
加藤千恵と春見朔子に友情なんて存在しない●2017_0505 |
阿川せんり●アリハラせんぱいと救えないやっかいさんの屈折(2017_0509) |
鹿目けい子●すもうガールズに神聖な青春あり(2017_0516) |
柞刈湯葉●横浜駅SFの寓話ではない化け物の正体(2017_0522) |
島田明宏●絆〜走れ奇跡の子馬〜に隠された秘密(2017_0526) |
さとみ桜●明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業の虚(2017_0529) |
■2017年05月01日(月)山子 |
逸木裕○虹を待つ彼女は何故ムーンリバーなんだろう |
○16年(陽申)のDNA「龍」の対冲天冲殺年に、満場一致で、 第36回横溝正史ミステリ大賞(16-0414/陽寅)を受賞した 「虹になるのを待て」(応募時名/木逸裕)が、 『虹 を 待 つ 彼 女』と改題され、 昨年(16年/陽申)の09月30日(草卯)のDNA「牽」日に、 逸木裕(80-1101/山寅)名義で上梓され、 いまなおか評判が良いようなので、解説する。 有栖川有栖(59-0426/山寅)、恩田陸(64-1025/灯未)、 道尾秀介(75-0519/草丑)らが絶賛した、 極上ミステリで珠玉の恋愛小説というフレコミの同作は、 20年(鉄子)、棋士に打ち勝つソフトを開発したAI技術者で、 人工知能と恋愛ができる人気アプリに携わる有能な研究者の工藤は、 (年齢設定は30代半ばで作者と同じ程度) 優秀さゆえに予想できてしまう自らの限界に虚しさを覚えていた。 そんな折、死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。 試作品のモデルに選ばれたのは、 カルト的な人気を持つ美貌のゲームクリエイター、水科晴。 彼女は6年前(14年/木午)に自作した、 「ゾンビを撃ち殺す」オンラインゲームとドローンを連携させ 渋谷を混乱に陥れ、最後には自らを標的にして 自殺を遂げていた(14-1224/畑巳)。 晴について調べるうち、彼女の人格に共鳴し、次第に惹かれていく工藤。 やがて彼女に「雨」と呼ばれる恋人がいたことを突き止めるが、 何者からか「調査を止めなければ殺す」という脅迫を受ける。 晴の遺した未発表のゲームの中に彼女へと迫るヒントを見つけ、 人工知能は完成に近づいていくが、 その結末はミステリとしたら、少々か弱い結末で、 後半はやや温和しく、凄味は薄目になっている。 東京都町田市出身で、学習院大学法学部を卒業後、 プログラマーでありホルン奏者で、07年(灯亥)の守護神支合年に、 結婚を機に独立し、東京都足立区民になった逸木は、 「貫」主導で、ひたすら何かを守っていく。あるいは決意を持続する。 小説を書こうとする気持ちも、既に亡くなった人物への興味も。 「貫+鳳」は、時代の先端にいるようで、時代の波に乗るのは不得手。 緩くて妙にマイペースで、趣味みたいなことを仕事に結びつけようとする。 「貫+車」は、一本気。やるときはやる。 才能はこの「車」で、私生活が落ち着かず、 「山」なのでドッシリしているべきなのに、結構動きまわる。 ホルン奏者なのは、趣味の方向が「鉄」なのと、 「車」がスポーツを好むため。のんびりと落ち着くわけでもないので、 仕事以外に小説を書くという作業にも没頭可能。 「貫+龍」は、忍耐力あり。時間をかけて目的を達成する。 「山+貫+戌月」は、最初の思いを貫く。 「申」年生まれ「山寅」は、一発勝負を賭ける。 伴星は「牽」で、裏方。何かを表にだす人。 洩星は「車」で、最初は何もないところから始めるが、 導星は「鳳」で、結末は心の楽しみで、あの終わり方。 宿命の特長は、晩秋午後八時頃の「山」で、 まだ夕陽の残像がくっきりと存在感を持ち、 ごつごつした岩場まで、明瞭に映しだす。 総エネルギー229点は、まずまずも、生年冲殺で何かに没頭しやすく、 火性51点の創造力は、あらたな知恵への庶民的な挑戦。 なので人工知能も活用するだろうし、 月支「戌」に日支「寅」の半会で火性は強化され、 じっくりと情報を集積し結論づける。 だから主人公も、あちこち嗅ぎまわった(笑)。 年干支の「鉄申」は、自意識高くマニュアル重視。 粘り強いが、まずは自身の立場を堅持する役人気質。 月干支の「陽戌」は、商才。 一人で何かを行うよりは、他人と協調して巻き込むのが成功への道。 そして日干支の「山寅」は、生まれながらの長の器。 いつまでも親がかりだと、なかなか一人前にならず。 お世辞や飾りごとは苦手で、恥をかいてまで生きたいとは思わぬ面あり。 干支番号構成は、57-23-15と北方基軸の南方も狭い地域。 専門外のことまでカバーできるかとなると疑問。 後天運は初旬「2歳灯亥」が、守護神火性の支合で、 DNA「玉」のひとつのことをじっくり掘り下げる能力が強化されるも、 これといった特別稼働条件はなく、 売りは申酉天冲殺であろうと親縁希薄で、 いつまでも一緒に暮らしていると、善し悪し別にして、 親の犠牲なり尻拭いをさせられるが、 仕事命の側面であり中途でブレずに一つの流れに乗っていれば吉。 日支「寅」とは支合で直感力がさまになったものの 年支「申」とは害が生じ、前進力に僅かに陰りがあり。 2旬「12歳山子」はDNA「貫」の主導DNAで自己確立。 小説を書きたいという気持ちはこの頃からも、 同時にホルンも始めており、どちらかに絞り切れていないのが、 時間のかかる「山」ということもあり、時間がかかった。 3旬「22歳畑丑」は、DNA「石」の妥協で生活ための仕事か。 だから、摩擦も生じたのか、会社員をやめてフリーになった模様だが、 生き方を変えないほうが好ましい生年冲殺ばかりか、 「山」としては、再びブレーキがかかったようにも思える。 結婚を機に独立したようなので、 さすがに誉められたものではないというか心配だ。 現在の4旬「32歳鉄寅」は、DNA「鳳」の趣味。 本業の年干支「鉄申」の納音にあり、どうにも細かい仕事にくたびれて、 ひとまず小説書きに一生懸命になった結果の受賞。 ただし、本業は良いのかと気になってしまう。 ホルンもやっており、どちらかというと、 「山」に「鉄」の趣味は、そこまで役にたたぬという姿。 この後は5旬「42歳宝卯」が、DNA「調」の偏り。 鉱物資源というよりは、宝飾品の出土だが、 余程磨かねば使えぬが、自身の土性で埋もれさす流れ。 より女性的感性が強くなるが、守護神月干「陽」が「海」になり、 方向性の変化なり、目下の変わりようは、救いにはならぬだろう。 6旬「52歳海辰」は、DNA「禄」の感謝に奉仕。 7旬「62歳雨巳」に至ってはDNA「司」の干合支害で、 異性にコロッと騙されたり、お金に躓いたりと散々。 8旬「72歳木午」は、DNA「車」の三合会局。 慌ただしい年寄りで、落ち着かぬ日々を送り、 何かとてつもないことをしでかすが、 そうはいっても稼働力が少々上がる程度で、 中年以降の後天運は崩れやすいので、要注意だ。 さて、後書きによれば本人は 「小説を書いてはいけない。(中略) プログラマー業の勉強ができない。 家族や友人と過ごす時間を失う。休息や睡眠が削られる。(中略) (理由は)書かずにいられなかった。それだけだ。」そうだが、 各種書評もおしなべて絶賛、 選者らも自信をもって推せることを最もらしく書いているが、 ならば皆さん、ぜひお読み頂きたい。 これが、天下のミステリ大賞かと愕然とするはずである。 まず、主人公は相当頭が良くて、わざわざ他人とは違う生き方をしたいと考え、 (若年期からどれだけ優れていたかの説明が懇々とあり) 東京を離れ(東大には行かず)京都大学に通った経緯があるのに、 実社会にでてからのブレがありすぎには愕然とする。 また同類項というくくりだった女性同級生が、 あっさり結婚をして、実家の探偵業を継ぐ設定も、 そりゃ話の流れ的に都合良すぎて、陳腐。 また、人工知能システムを軌道に乗せるため、 亡くなった人と会話を成立させるため、 ゲームクリエーターの過去をほじくりだすくだりで、 調査をやめねば殺すと脅されるわけだが、 そのトリックが、余りにも稚拙すぎて、 例えば映像化したら、すぐにバレてしまうことで、 ここでネタバレさせる気持ちも起きぬほど、安直すぎること。 ヒロイン(晴)も次々と男を変えたかと思えば、「雨」という恋人が出現し、 一見謎めいてはいるが、それも「山」の逸木が、 ただ干合するのが「雨」で好きなのは理解するが、 「雨」がフランスへ行ってしまった動機も不明なら、 「晴」が死を選んだ描写も説明不十分だし、 頭脳明晰な男が不器用なの良いとしても、 金に糸目をつけずに、死者に恋心を抱く過程が不自然も不自然で、 説明的すぎて、神秘でも不可解でもなく、 最後には「それだけかい!」で終わってしまう不完全燃焼。 ようは「晴」が「雨」に汚され、虹を待つというオチ。 それだけで、食い足りなく消化不良を誘う。 では、なんでそんなになってしまったかと言えば、 逸木の昨年(16年/陽申)が、60年に一度の守護神改良改革天冲殺年という、 ある意味夢の中の無欲の産物であったから、 まんまと選者達の感動をひとりじめできたのだろう。 生年冲殺なのに、組織に属さず、趣味のホルンに明け暮れ、 さらには、フリーになったあげく本業をおろそかにして、 小説書いて、賞をとって有頂天になっている。 人工知能は自ら学習して優秀になっていくはずなのに、 優秀なはずだった男が、学習出来ずにAIの「晴」に溺れ、 崩れていくだけで、合理的ではない。 ムーン・リバーではなくて、 オーバー・ザ・レインボーでも良かったのではないか。 「人間は多彩だ。虹のように」なら☆ |
逸木裕○80-1101 |
山陽鉄陽 寅戌申+2 鳳龍車貫鳳(貫主導) 木性(18)火性(51)土性(72)金性(65)水性(23)/総合229 申酉生年冲殺/主導DNA(12歳山子) 干合支害(62歳雨巳)/三合会局(72歳木午) 木性脆弱/土性過多/金性過多/水性脆弱 +2歳灯亥/12歳山子/22歳畑丑/32歳鉄寅/42歳宝卯/52歳海辰/62歳雨巳/72歳木午〜 |
■2017年05月05日(金)海辰 |
春見朔子○そういう生き物は夢の清算で明るさなし |
加藤千恵と春見朔子に友情なんて存在しない○ |
○DNA「車」の守護神天剋地冲年だった 昨年(16年/陽申)の09月05日(鉄寅)の律音日に、 1.437編の中から、第40回すばる文学賞を受賞した 春見朔子(83-0502/鉄寅)の『そ う い う 生 き 物』が、 02月10日(山辰)の主導DNA「龍」日に上梓された。 同作は、著者と同じ薬剤師をしている千景という女性が、 正体不明の男と性的な関係のみの逢瀬を重ねながら、 定年退職した大学の恩師「先生」に心を寄せているが、 偶然訪れたスナックで、同級生のまゆ子と再会する。 (そこは彼女の叔母の店で)まゆ子は程なく千景の部屋に居候を始め、 突然家に尋ねてきた「先生」の孫とカタツムリの飼育を巡り交流を深めつつ、 (雌雄同体の象徴だが運命的には適切とは言い難い) すれ違いながらも、長く離れていた二人の距離は徐々に縮まっていく。 (嬉しくてたまらないまゆ子と冷めている千景に温度差はあるけどね) そんな中、高校時代の友人の結婚式が近づき、 二人はかつての自分たちの深い関係と秘密とに改めて向き合うことになる。 一番近くにいるのに、わかり合えない二人。 かって恋人同士だった___。そして別れた。 (高校時代の彼女は中性的な顔立ちで学ランを着ていて、 最初はつい男だって思った___今は健康保険証の名前も性別も男!) にもかかわらず、寄り添う二人。 「愛と性、心と体の狭間で揺れ動く孤独な心象風景を、 瑞々しい文体で描き出す」という売りだが、 単に一歩退いているだけで、それは違うだろう(笑)。 社会的性差を扱っているようで、あるがままに認めてくれと言うのだが、 曖昧にするだけで、ああでもないこうでもないと足踏みをしながら、 何ら生産性がなく、未来なき物を容認し何になるというのだろうか。 「セックスって何のためにするんだっけ。保健体育の教科書には、 子供をつくるためだって書いてあったはずだ。 だけどそんなことのためにしたことない。むしろそうならないように、 あらゆる防御策を講じながらしているんだ」って、味気ないね。 未来がないね。感動なし、感激なし、何もなし。 不潔ではないが、薄暗いばかりで明るさのない、湿った話。 友人には、14年(木午)のソチ五輪で、スノーボード競技では日本人女性初の オリンピックメダリスト(銀)になった、月支「子」VS日支「未」の害持ちの 竹内智香(83-1221/雨未)がいると少し自慢が入る春見は、 北海道旭川市生まれで、北海道大学薬学部を卒業。 現在は北海道札幌市に住みながら薬剤師をしており、 DNA「龍」主導は、観察力があるホラ吹き。 探究心、好奇心はあるが、恵まれると苦痛を感じる。 才能は主導するだけに、この「龍」で庶民的な情報力。 真っ向勝負するより、適当な理由をつけて逃げるのが得意。 むろん無意識に行うので、曖昧な主人公そのものであり、 願望は色々あろうが、日頃の鬱憤をこの小説に託したものだ。 「龍+鳳」は、一見柔らかムードも、内面の葛藤が激しく、消耗しやすい。 「龍+禄」は、視野は広くなく、あちこちにいい顔はできず。 だから「人間の体なんて、ほどいてしまえば炭素と酸素と水素だ」と 片付ける。 「龍+調」は、いつでも不平不満を生成できる曲者。 「龍+車」は、いきあたりばったりの閃きに優れる。 なので「透明人間になりたいと思っていた」というセリフがでるが、 「透明になることは見えなくなることではなく、 中まで見えるようになる」ことに、後から気づく。 「鉄+龍+辰月」は、(目下縁の薄い午未天冲殺ばかりか)本人が子供っぽく、 それがために、子供が出来づらく、他人の子に好かれる。 先生の孫との交流も実体験で間違いない。 「亥」年生まれ「鉄寅」は、その気になれば大物。 伴星は「龍」で、自分らしく、常に変化を求める。 洩星は「鳳」で、なしくずし。 導星は「龍」で、終了と共に過去を破壊する。 宿命の特長は、晩春午前八頃の天気雨にたたれた路面電車。 昔は、旭川にあったようだが、今は札幌を走っている(笑)。 あるいは、移動に使われる四輪駆動の軽自動車。 場合によっては川をも走る水力両用の観光船。 とはいっても、総エネルギー241点を誇りながら、 自身の金性は僅か11点しかないため、儚い姿。 しかし火性40点と力量以上の稼働をし、 木性80点と多くの顧客を抱えるのは間違いのないところだが、 どこまで続けていけるのかは、不透明。 年干支の「雨亥」は、耐久性はありながら用心深く小心者。 自己のテリトリーに人を引き込むが、成功と失敗が極端。 月干支「陽辰」は、表面温厚中身辛辣。 基準が自分なので、他者を思いやる気持ちに少々欠ける。 そして日干支の「鉄寅」は、淑女にも悪女にもなれる変貌自在。 理想と現実のギャップに悩みながらも臨機応変に対処する。 干支番号構成は、60-53-27で北方と南方を結ぶ鋭角地帯。 得意分野は限られそうだ。 後天運は、初旬「1歳灯巳」は、DNA「牽」。 年干支「雨亥」を天剋地冲する成功運型も、 日支「寅」の害も成立し、なにごとも有り難迷惑。 同性を好もうとも、少しも不思議ではない。 また、名誉や免許に役割全般が、この影響を受けるので、対社会的稼働は、 個人生活の充実にはなりそうでならない。 さらに、70歳まではターボ運(子丑天冲殺廻り)なので、何をしても目立つ。 薬剤師は国家試験なので、将来的に免許が必要な仕事に向かった事になるし、 「龍」は多岐にわたった薬を扱う能力であり、 知識も必要なので、才能が活かされる方向性を与えられた。 2旬「11歳山午」は、主導DNA「龍」の10年運天冲殺で、自己確立。 小学校の卒業アルバムに載せた将来の夢は小説家だったというが、 ここでは、能力を素直に活かして、薬学部に進む。 3旬「21歳畑未」は、DNA「玉」の10年運天冲殺で、 薬剤師という、ひとつの流れに入り、社会参加。 現在の4旬「31歳鉄申」は、DNA「貫」の守備本能。 年支「亥」の害で本業は足踏みも、 月支「辰」の半会で自信過剰となり、日干支「鉄寅」の納音は、 それまでの自己の不甲斐なさを、現実面のみ破壊するわけで、 小学生時の思いを実現し、デビュー。 この後は、5旬「41歳宝酉」が、DNA「石」の協調性和合性。 守護神月干「陽」の変節は、目下の問題か、進み行く方向の変化で、 ありえない妥協や困難をを強いられる可能性。 6旬「51歳海戌」は、DNA「鳳」の半会で、気が緩むのか、 表現力がさらにますのか。 7旬「61歳雨亥」は、DNA「調」の支合で、恐ろしく極端な環境。 8旬「71歳木子」は、DNA「禄」の感謝か奉仕か強欲か というような流れになっている。 春見が、実際に小説を書くようになったのは、 「(15年/草未)04月(鉄辰)に友人と食事をしながら、 子供の頃の夢は何だったかという話になりました。 私が小学校の卒業アルバムに書いたのは小説家だと伝えたら、 『小説家なら今からでもなれるじゃない』と言われて。 そこから書こうという気持ちがじわじわと形づくられました。 でも思い返せばこの十数年の間、 本当は頭のどこかでずっと書くことを考えてきたような気もして・・・。 その週末に突然スイッチが入ったように、バーッと書き始めたんです。 書き始めた日付けははっきり覚えています。 二〇一五年五月三十日(陽午)。三十二歳になった月の末で、 仕事が休みの土曜日でした。」ということだが、 これは、干合条件なし天冲殺の夢の中で、 何かにうなされるように実行したもので、この世のものではない。 「書店に足しげく通い、平積みの単行本や文庫を手に取る。 薬剤師として勤務する日々の傍ら、 趣味は読書と答えてきた本との距離感が一変したのです。」も、 実際の受賞は、天冲殺明けの守護神天剋地冲年(16年/陽申)で、 10年運を加味すれば「申」重なり。ご苦労様とは言いたいが、 おそらくは95年(草亥)の60年に一度の干合支合年に誓ったことが、 20年たって夢の中で突如その気になり結実をみたのだが、 これは何かのご褒美みたいなもので、 今は夢からさめたのだし、永続的につながることはない。 「今のところは、薬剤師の仕事も続けるつもりですし。」ではなく、 今の春見の未来に作家としての確固たる姿が見えぬのだし、 だからこそ薬剤師は続けるのだし、それが正解なのだ。 さて、春見は歌人で作家の加藤千恵(83-1110/海寅)とは、 高校時代の同級生で友人だというが、 受賞まで執筆の事実は知らせていなかったらしく、 果たして本当の友人といえるかどうか。 年干支は「雨亥」で共有しているが、春見は何と言っても、年上至上主義、 年上にしか活かされることのない午未天冲殺なので、 半年後に誕生した加藤とはバランスが悪い。 さらには、加藤は目上を理論でやりこめる 水性天干一気なので、実際は鬱陶しい存在。 しかも、加藤は創造者の癖に金性ゼロ(DNA龍/玉なし)。 総エネルギー249点中水性140点の身強には違いないが、 頭の中身は無限大と言えば使えなくないが、 ようは、空っぽで「鳳」主導の垂れ流し。 「石」×2もあるから、お友だち強調は既定路線だが、 (加藤にとっては)ありえない金性の春見を標的にしたら、 適当に利用されるだけ利用して、 やがて春見の筆が鈍ったとわかれば疎遠になるがオチ。 そういう人なんだよ____。 SNSrでは、tweetが三十一文字だの、カラオケがどうのと 絡んでいるようだが、適度に距離をおかないと、 春見は加藤に潰されるだけなので、是非一考すべきだ。 でないと、少しぐらいの悪夢ではすまされない(笑)☆ |
■2017年05月09日(火)陽申 |
阿川せんり○アリハラせんぱいと救えないやっかいさんの屈折 |
○15年(草未)の独創的なDNA「調」の刑年に、 青春エンタテインメント小説「厭世マニュアル」で、 第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、小説家デビューを果たした 阿川せんり(88-1103/海戌)の書き下ろし新刊の 『アリハラせんぱいと救えないやっかいさん』が、 02月02日(鉄申)のDNA「龍」日に上梓された。 同作は、ナンバーワンよりオンリーワンになる方が難しい! こじらせ系北大青春小説という売り文句で、 「わたし、北大に行きます。真の変人と出会わんがために!」 (偏差値が低いと虐めにあうが、 変人ばかりの学び舎なら虐めもないという理屈) 珍妙なせんぱいと、身体を張った「変人研究」はじめました。 特別な自分の演出のために変人ぶろうとする、偽りの変人。 ビバ変人ではない、ただの浮かれポンチ。それが、通称「やっかいさん」。 北海道大学2年コドリタキは、ある理由から「真の変人」を追い求めている。 だがそれゆえ、やっかいさんから好かれがち。 ある日、心理系コース4年のアリハラと「とんでもない出会い方」をする。 やっかいさんに追いかけまわされ逃げ込んだ先で、 知らない女性に抱きすくめられキスをされる。 それが、卒論で「変人研究」をしているというフレコミの アリハラせんぱいとの運命的出会い。 アリハラはコドリとやっかいさんらの関係に興味津々で、 かきまわし、あらゆるイベントを起こしたがる。 「アリハラこそ真の変人なのではないか?」と 希望を持ったコドリは、あえて振り回されるうち、 封印していた自分の気持ちと向き合うようになるが、 アリハラには別の目的があり、それを知るコドリは怒り呆れる。 あなたは「特別な人」ですか?それとも「やっかいさん」ですか? 読み終えたあとは自由になれる、今までにないこじらせ系青春小説で、 内容はともかく、妙に歯切れの良い文章は飽きないため、 いつかどんでん返しがあるだろう。 とんでもない結末になるだろうと思い読み進めるうちに、 トホホな終了の仕方をするが、それもまた魅力といえば、いえなくもない 不思議な読後感が提供されることだけは請け合い。 結局は、皆仲が良いのだから、悪くはないしね。 北海道札幌市出身在住で、北海道大学文学部人文科学科卒業後は、 引きこもったり、レンタルビデオ店勤務などの いわゆるフリーターだと自認する阿川は、 DNA「車」主導で、誰かを犠牲にしたり、犠牲になったり、 あるいは単調な生活でも、格別疑問に思わない さして難しくない精神構造を持つ。 危険なことも危険と思わず、台車に乗って移動したかと思えば、 思い立ったら、勢いで東京に出かけたりと、行動力あり。 孤独なのではなく、他人に配慮するくらいなら、 単独行動のほうが楽という思考で、やっかいさんを自宅と称して、 祖父宅まで連れて行きながら、置き去りにも出来る(笑)。 ようは乱暴狼藉をはたらく者。 「車+車」は、計算しつくした行動力で、行き当たりばったりに見えながらも、 駆け足になったかと思えば、ゆっくりと歩むことも可能な 緩急自在の対応の良さも、 一般人からみたら、どうでも良いようなことにこだわりを持ち、 頑固一徹ながら、そこに矛盾を感じさせぬ面あり。 「車」×4もあるのだから、ストーカーなみに追いかけ回したり、 オートロックをすり抜けて侵入したりと、小回りも利く。 そこにあまり意味はなく、ただただ慌ただしい。 「車+貫」は、短気で一本気で、わかりやすい。 小うるさい者の口には生肉だって押し込む。 才能は、この「貫」で、好き嫌い激しく敵を作りたがり、 マイペースで、攻撃を受けようと、気にも止めない大味さ。 「海+車+戌月」は、言葉で相手を徹底的に傷つける。 自分で何かをするよりは、誰かを動かしてコキ使ったり、 その気にならないと梃子でも動かずに扱いづらく、 年長者からは、生意気なので近づきたくないと避けられやすい。 「辰」年生まれ「海戌」は、自己愛の象徴で、 可愛いのは自分だから、小説のネタづくりになるのなら、 後輩だろうと先輩だろうとお構いなし。 すなわち作品のモデルは自分であり、周囲の誰かを都合良く合成したもの。 伴星は「石」で、人脈駆使でまさにこの小説そのもの。 宿命の特長は、晩秋午後八時頃の断崖絶壁に面した「海」。 総エネルギー262点は子丑天冲殺であることも手伝って、 威圧感があるばかりか、うち水性72点の身強で、 土性80点とせめぎ合いしていると考えれば荒れた「海」。 想像力の金性は50点と相応に所有するが、 表現力の木性の20点は年支「辰」内の「草」のみで、 独創的でありながらも、どこか少女趣味。 年干支「山辰」VS月干支+日干支「海戌」の天剋地冲は、 自身の存在ばかりか、家系そのものが、 常に誰かに迷惑をかけたり、かけられたりの歴史であり、 年支「辰」と月支と日支の「戌」という、 春と秋という真逆の特性の土性を内包しつつ、 衝突する際に、様々な事件が発生するのは避けられず。 子丑天冲殺であるばかりか、目下に同情するふりをして 徹底利用しつくすのは、これが理由であり、存在じたいが、事件である。 年干支の「山辰」は、別名「籠の鳥」で、 家族や近しい人物になかなか真意が伝わらず、 制約が多くて、なかなか前進不能だが、じわじわと成果をだす傾向なので、 応募作品を一年でも二年でも寝かすことも可能。 組織には馴染めず自由人だが、好きな映画鑑賞のために、 レンタルビデオ店のバイトくらいはやってのけるし、 あえて身動きのとれない状況に自分を追い込んで、 それを乗りこえるために挑戦することを愉しむ気質。 月干支と日干支の「海戌」は、比較的歴史の浅い道内とはいえ、 もとをたどれば、恐ろしく旧い家系につながり、 それなりに由緒ある出自であるようだが、それはそれで呪縛になり、 強気でなる子丑天冲殺にも関わらず、 情けない経済的理由から、家からは出ずに 引き籠もりを演じたり、時には粗野な言動を披露に、 卒業しても北大構内に出没し、後輩を震え上がらす。 逆境でも道を切り拓いて行く努力家の挑戦者。 これで退路でも断って、東京あたりに攻め上がり、 一人住まいになれば、面白いことになるのだが残念だ。 しかし、アンテナは敏感で、ここぞという時の一発勝負に使われたり、 生け贄にされかねないのだが、知らぬが華なのだろう。 干支番号構成は、05-60の一直線で、東方と北方の一部を結ぶ直線で、 「海」なのに、まるで鉄砲水にも化ける按配だ。 後天運は初旬「9歳宝酉」が、DNA「玉」。 88歳迄続くターボ運(子丑天冲殺廻り)の始まりで、 ほぼ終生何をやっても目立つ人物となるが、 旧きもの害が成立し、家の犠牲、母親の犠牲となるため、 家から出ぬと弾けきらない子丑天冲殺にも関わらず、 何らかの理由で家に縛られる、あるいは縛られているような錯覚を起こす。 他人の残飯(偏食)処理係もいとわないゴミためのような状態で、 札幌ないし北海道が毒みたいなものなのに、 半ば内包してしまったために、流れ行く先が、 東京大学ではなく、北海道大学になったもの。 とはいっても、妙に頭は良いだろうし、 古くさい創作力に浸ったままであったり、 母性の屈折ともなるので、そこは子丑天冲殺らしく 年下女性に興味を持ち、ストーカー並みに追い回すことも可能。 「宝」重なりの01年(宝巳)には、 漠然と「作家になりたい」という気持ちも持ち出している。 2旬「19歳鉄申」は、年支「辰」の半会を伴う DNA「龍」の改良改革で、毒気を薄めることになって デビューはしたが、いわゆる就職活動時期(09年/畑丑)が、 条件なし天冲殺の夢の中となり、失速した模様で、 映画好きのためか、登場人物のバイト先にもなっている レンタルビデオ店でフリーターとして働くにとどまり、 実家からは出ずに現在に至っている。 登場人物らの住まいは実家であったり、オートロック付マンションだったり、 崩れそうなオンボロアパートだったりと、 本人の願望もかなり滲み出ており興味深いが、 改革のテーマを家からでて就職ではなく、 他人とは一線画した創作活動に使用したことになる。 今後は3旬「29歳畑未」が、DNA「牽」で栄誉。 何らかの名誉で、順調なら妙な賞を受賞。 4旬「39歳山午」は、主導DNA「車」の半会で猛烈な自己確立。 より攻撃的になるだろうが、時代に合致しているかは疑問。 5旬「49歳灯巳」は、DNA「司」の干合で生真面目さが加速。 月干支と日干支が「木戌」的になるので、 言葉にするのもはばかれるほど、危うい何かに手を染める。 といっても、例えば突如選挙に出たりみたいなものだろう。 6旬「59歳陽辰」は、DNA「禄」の天剋地冲で、投資であり権力。 魅力成分全開の大逆転となるので、ようやく売れっ子か。 7旬「69歳草卯」は、DNA「調」の独創性の支合で、マニアックな生きざま。 8旬「79歳木寅」は、DNA「鳳」の半会で、 ばりばりのお疲れモードで、筆はおいている。 さて、変人の定義を自然界の中でしていけば、 偏りであるから、何かの成分がゼロ。それが守護神であれば、野人。 そして、やっかいさんのほうは、面倒な人なので害持ちになる。 年支VS日支害なら、表裏ありだし、 それが干合支害なら、究極の表裏で犯罪者レベル。 年支VS月支害なら、表向きだけの装いで、 月支VS日支害なら、常に犠牲を強いられる可哀想な人。 この害のどれにも共通しているのが、頑張ってはいけないこと。 冲殺持ちでなくても、自己発揮は推奨できないこと。 では、阿川はどうだろうか。 たしかに、地支は土性一気だし、「車」×4で男っぽい。 初旬で害の洗礼を受けているので、汚れに対する理解もあり、 明確に言ってしまえば、ガールズラブでリアル百合の要素が濃厚なので、 本作の主要登場人物は全員女子であり、 一名が異性と同棲している設定ながら、一人称は「ぼく」(笑)。 とはいえ、阿川は野人ではないし、何かの成分がないわけでもなく、 木性が最も脆弱で、作家なのに表現力の引き出しは薄いのだが、 それも存在しないわけではないので、宿命を眺めてみると惜しい。 なので、真の変人を求めた生き方を選択する過程で、 中途半端なものだから勘違いしてやっかいさんに捕まったというオチか。 そういう意味では、主人公とアリハラせんぱいを 陰陽に対比しながら、このいまひとつで変人にも、 実はやっかいさんにもならないもどかしさを、 淡々と長々と(笑)、文章にしたのが本作なのである。 しかし、変人ややっかいさんは生まれつきのものなので、 阿川のように惜しい人には、羨ましいだろうが、努力してなれるものではない。 そんなことよりは、鍋の具材を肉オンリーでもオッケーな 「車」主導で男気のある阿川は、 アリハラせんぱいのように無頼派を気取るのではなく、 一度実家をでて、まともな就職をして猛烈に働いたらどうか。 それが蓄積された負の力を外へ排出することになり、 ひいては気分良い文章を書く環境づくりにも寄与する。 住むところがあれば、創作に専念できるのではなく、 それでは半端な汚れが蓄積するだけで、いつまでも明るくはなるまい。 存外持続力がない「海戌」だが、 そこを辛抱して乗りこえるのが子丑天冲殺なのであり、 明るい未来も見えてくるのだと助言したい。 今年(17年/灯酉)は、60年に一度の干合支害で、その気になれば裏切られる。 つまり、本はだしても空振り濃厚。 来年(18年/山戌)は、主導DNA「車」の「戌」重なり。 いつまでもフリーターではなく、船舶免許でもとって漁業に従事したり、 連絡船のパイロットなんていう経験をするのはどうだろう。 ともかく一度徹底的に正業で汗を流さねば、 もうひとつ化けられぬのが、阿川なんだよ。いいから働けよ☆ |
■2017年05月16日(火)雨卯 |
鹿目けい子○すもうガールズに神聖な青春あり |
○06年(陽戌)の守護神DNA「司」の支合年に、 第19回フジテレビヤングシナリオ大賞佳作を 「永遠のはかなさ」により受賞し、 翌07年(灯亥)の守護神DNA「禄」年公開の 映画「本日の猫事情」で脚本家としてデビュー。 「同級生」により第1回JUNON恋愛小説大賞を受賞し、 「体育館ベイビー」とともに08年(山子)のDNA「牽」の干合年に映画化。 また「TEEN」により第10回函館港イルミナシオン映画祭 シナリオ大賞の優秀賞を受賞している鹿目けい子(75-0825/雨卯)の 『す も う ガ ー ル ズ』が、 03月15日(宝丑)のDNA「龍」の改良改革日に上梓された。 好きだった人を親友に取られたばかりか、 父親が事業に失敗して、中高一貫の私立進学校から、 県立高校に転校することになった遥。 都心のタワーマンションから、私鉄に乗り50分(さらに徒歩25分)の 神奈川県内の賃貸マンションへ舞い戻ると(海老名あたりか)、 やがて父親は家に帰らぬようになり両親はあっけなく離婚。 (中学受験が守護神あたりの天冲殺の夢の中だったんだろうね) 髪を茶色に染め、訳あり転校生として、人生のどん底を経験した。 そんな時「一緒に四股踏んだじゃん」と彼女の前に現れたのは、 部員たった二人の相撲部に所属する 小学校時代の同級生で幼馴染の乙葉だった。 (当時、乙葉と小学生相撲に打ち込むことで、イジメから救われたのだ) 努力なんて意味がないと何事にも無気力な遥だったが、 力士というよりはスプリンターみたいな体型ながら 相変わらず相撲は強い彼女に請われ、 昔取った杵柄で、ピンチヒッターとして、仮入部するはめになり、 一度だけの約束で団体戦に参加し、必死に稽古をして 全国大会でしのぎを削りあった小学校時代の友情を思いだす。 「どんな勝負事でも勝ったあとが一番大事なんだよ。 人間ってのはね、一度勝つとどうしても気が緩む。」は、 女子相撲をオリンピック競技にと願う道場主の鬼ばあちゃんの言葉。 汗と涙と傷だらけの青春小説という売りだが、 かなり爽やかめで、新たな恋の予感もあり、 スー女みたいに、相撲がわからなくても、興味を持てなくても、 伝統技芸女子の成長物語は、結構清々しい。 福島県会津若松市出身。06年(陽戌)当時は東京都小金井市在住だった鹿目は、 DNA「玉」主導で、旧いもの好きの和の心の持ち主で、 生き方を変えるのを快しとせず、気分転換は不得手。 ひとつのテーマを時間をかけて地道に掘り下げていく。 才能も主導する、この「玉」で、どこか母親目線。 否、歳を重ねて味がでたおばさん指導者的様相。 落ち着いた風情で手堅い仕事をする。 「玉+鳳」は、自分はともかく一見客観的。 他人を批評したり、冷静に描くのは得意。 だから「強くなるっていうのはなにも力だけじゃない。 相撲は心が強くなければ勝てない。心が強いっていうのは(中略)、 自分に自信を持つこと。つまり誇れる自分であるかが大事なんだ」だ。 「鳳」×3もあり、表現力の引き出しは多そうだが、 頑固な面もあり、簡単には妥協しない強い意志力。 「玉+調」は、大人びるが世間知らず。 ようは自己の得意の範疇以外のものには力を注げない。 この人なら、さしずめ文章を書く以外は、不得意。 自分なりのスタイルを決めたら、改善不能。 それだけ不器用というか、一生懸命に仕事をすると思いたい。 「雨+玉+申月」は、純粋だが少々精神分裂気味で、 幸運と不運が同居する人になり、出産したり、作品を多く産みだすと、 それだけ肉体消耗が進み、稼働力を落としやすい。 何しても休養が必要だが、なかなか出来ぬのがこの人。 また、「卯」年生まれ「雨卯」は真っ当な道。 だから、屈折のない爽快感を目指し、 優勝を目指して、その人なりの向いた道で成功を実現する。 伴星は、主導する「玉」で、生涯勉強みたいなもの。 宿命の特長は、初秋午後四時頃の霧・小雨・入り組んだ水路。 秋の長雨と思えば間違いなく、強くはないが、しとしと降り続く。 威力はないのと、自身以外の水性は塩水の「海」なので、 河口近くという場所も思い浮かぶが、霧が妥当なところか。 とはいえ火性ゼロ(DNA禄/司なし)の野人なので、 長時間触れていれば、風邪もひくだろうし、 その実態は、優しくもなんともない、ひんやり冷たいことに気づく。 そう、母性愛に満ちた優しい女性に見えて、冷酷無比というか、 目的遂行のためには、それこそとてつもない猛練習をさせされる 優しい顔をしていても、鬼のコーチに変わりなし。 総エネルギー168点中、自身の水性は33点の身弱。なのに、木性は100点。 弟子なり子供なり作品などを量産すれば、 疲労困憊が激しく、寿命を縮めかねない。 年干支の「草卯」は、努力家だがどこか鈍い。 準備(稽古)を入念にしてからでないと動けない。 なのに男性をバカにするような面が目立つと衝突もする。 月干支の「木申」は、働き者だが健康管理が怠りがち。 それでも何とかなってしまう闘争本能の持ち主で、 器用で目標が高いため、周囲の賛同を得られぬ場合もあり。 日干支の「雨卯」は、常識的な模範生。 なので主人公は一度茶髪になっても、黒髪に難なく戻る。 地道に平均的な人生が理想のため、妙な冒険は不似合いだろう。 干支番号構成は、52-21-40で北方南方西方で東方欠け。 そこまで広い領域を所有しないため、派手さなし。 後天運は、初旬「5歳草酉」が、DNA「鳳」の対冲で、 年干支「草卯」を納音するため成功運型。 表現力に細かさを要求され、進むも退くも、 明るいなかにも冷静さに似た暗さあり。 女性でも、より男性的な「鳳」の強化は、 「玉」主導でもあり、より力強い相撲になった。 2旬「15歳陽戌」は、ありえない火性守護神DNA「司」の支合で、 変剋律のため、当初は金銭物質に困窮しながらも、 急に加速がつき、東京への道が拓けた。 3旬「25歳灯亥」は、同じくありえない 火性守護神DNA「禄」の半会で、引力本能全開。 更に熱く沸騰したような状態にもなりデビュー。 感謝や奉仕に関して苦悩することで、才能も磨かれた。 現在の4旬「35歳山子」は、DNA「牽」の名誉や異性との関わり。 役割を濃く発揮することにより、同様に自己が高められていく。 次元を上げることにより、自分も周囲も熱くなる。 今後は5旬「45歳畑丑」がDNA「車」の危険な流れも、 月干「木」を干合させると、(月干は)「山」になり、 今度は目的の変更や、目下の変化により、 (二次的に)月干は「陽」に日干は「灯」的になり、 救いの火性があるように見えてくるという恩恵もあり。 6旬「55歳鉄寅」は、主導DNA「玉」で自己確立。 7旬「65歳宝卯」は、DNA「龍」のありえない改善。 8旬「75歳海辰」は、DNA「石」の屈辱や妥協もある10年運天冲殺だが、 最晩年でもあり、友人知人に裏切られるなどの含みあるも、 さすがに、動きすぎねば年齢相応の劣化を 厳しい現実として受け入れねばならぬのだろう。 さて、主人公は母親を「お母さん」、父親を「パパ」と呼ぶ、 どこかずれた家庭であったため、サラリーマンに戻った父親は、 片道2時間の通勤に音を上げ、 やがて別の女性と再婚してしまうことになるという 陰気のある12年(海辰)までの暗い30年間みたいな設定になっているが、 鹿目の母親は主導する「玉」で、これは「鉄」。 「鉄」の干合相手は木性の「草」だが、 これは年干の「草」に加え、月干には陰陽の「木」があるばかりか 前述のように木性は総エネルギー168点中100点もあり、 父親が沢山いるのかいないのか以前に縁なし。 強くはない「雨」の鹿目の出自には、そんな哀しい原動力が見え隠れする。 なにしろ、暖かみの火性がないから、家庭的ではなかったのだ。 とはいえ、今年(17年/灯酉)は、デビュー10年目の節目で、 同様にありえない火性の対冲で、良き方向に壊れたと見て、本作も世に出た。 98年(山寅)以来、実に19年ぶりに邦人横綱も誕生したのが、 熱い火性年というのも、巡り合わせで、 来年(18年/山戌)が、「山」重なりのDNA「牽」の名誉。 60年に一度の干合支合年を迎えるので、幸運の呼び水になったに違いない。 「人生なんて、いっこも自分の思い通りにはならない」は、 自然界の救いがない野人なのだが、 「でも、努力し続けることで変わることが、きっとある」は、 野人の正しい生き方。さすがに、鹿目はわかっているのだ。 自分に厳しく他人には優しく、大相撲のような熱気を伝えていければ、 鹿目の最高級な年が見えてくるはずだ☆ |
■2017年05月22日(月)畑酉 |
柞刈湯葉○横浜駅SFの寓話ではない化け物の正体 |
○15年(草未)12月25日(草亥)から応募受付が開始され 16年(陽申)02月28日(宝巳)に締め切り。 応募5.788作品の中から06月23日(陽子)に発表。 主導DNA日害日だった01月20日(灯未)には表彰式があり、 大賞賞金100万円が支払われた 第1回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞した 柞刈湯葉(イスカリユバ・88-0708/木子)の 『横 浜 駅 S F 〜YOKOHAMA STATION FABLE〜』が、 昨年12月24日(鉄辰)のDNA「車」日に上梓されているので解説する。 1872年(海申)に、品川駅からの鉄道路線が開通し、 現在の桜木町駅にあたる横浜駅(初代)が開業。 その後、1915年(草卯)に現在の地下鉄高島町駅付近に横浜駅(2代目)が開業。 そして、現在地に移った横浜駅(1928-1015/山子)だが、 様々な理由により、ずっと工事が続けられていて終わる気配がない。 (枝葉をつける山子が午未として完成し終了されるのを回避するためか) 一部では、日本のサグラダ・ファミリアとも言われているようだが、 設計図のあるスペインの建造物とは異なり、 終わるどころか増殖して拡がっているのではという発想で、 つきつめていったのが『 横 浜 駅 S F 』だ。 数百年後の未来、地球は冬戦争という核戦争により壊滅状態になり、 世界人口の殆どが死に絶えた(海外情報は手段がなく未確認) 我が日本は、本州の99%が自己増殖した「横浜駅」に支配されていた。 つまり、本州の殆どが「エキナカ」になってしまっているのだ。 そこでは、人々は(6歳から)脳に埋め込んだSuikaで管理されており、 「横浜駅」の外で産まれ、Suikaを持たない人間は 「エキナカ」に入ることを禁じられたあげく、 その外で(横浜駅から排出される)廃棄物を頼りに暮らす。 横須賀あたりのコロニーに棲息する非Suika住民の「ヒロト」はある日、 「エキナカ」からのレジスタンスのような追放者である (他人を傷つけたりした、駅員及びお客様への迷惑行為をした者。 あるいは横浜駅そのものに対する反逆行為) 「キセル同盟」の残党から、5日間だけ有効の「18きっぷ」を託され、 人類を「横浜駅」の支配から解放して、 潜伏中のリーダーを救ってくれと依頼される。 さらに、かつて「エキナカ」から流れてきた 教授という人物から目的を説明されぬ使命まで与えられ、 長野山中にある不可思議な建造物にまで出向くため、 「エキナカ」に潜入を試みる。 「横浜駅」の手先である自走式ロボット「自動改札」から逃れながら、 「横浜駅」が海を渡れないため、辛うじて浸食を逃れている 「JR北日本」と「JR福岡」の小競り合いを横目に、 「ヒロト」は横須賀の地から、横浜駅構内5日間400キロの旅に出る。 ひたすら未来のために、生き抜こうとする「ヒロト」。 漫画みたいな切り口(実際にコミック化もされた)を、 大真面目に描写しながらのロードノベルは、 僅か60時間という時限装置を抱えながらも、 気の遠くなるような壮大なスケールで、 難民問題から、この世界のシステムの脆弱性まで指摘する。 洒落っ気に富んだパロディ。 目の覚めるような展開にも助けられ、一気読み可能の大傑作だ。 福島県郡山市出身で、東京工業大学卒業後も、 「働きたくない。でも家でじっとしていると 落ち着かないので通う場所がほしい。 図書館とかだと飲食ができない。カフェとかだと金がかかる」と いった事情から、大学の生物学教室に残っている研究者で、 土日に小説を書いているという柞刈は、DNA「調」主導で、 極めて繊細で、些細なところまで構想を練らぬと 納得がいかぬタイプで、いわゆるエキセントリック。 他人と同じ発想をするのは快しとせず、 一般人とは異なる着想で、独創的な世界を伝えていく。 常識的発想では、まさか自動改札に監視されるとは思うまい。 「調+石」は、相応の自尊心はあるものの、一見弱腰でへらへらもする。 争うようで争わず、とは言っても容赦なく無為な 攻撃を仕掛けられれば、突っぱねることを厭わない。 JR福岡からの四国ヘの脱出者は、無駄に強い(笑)。 「破壊工作なんて意味ないのよ。冬戦争時代のゲリラじゃないんだから」 であり、幼い時からのキリスト教との接触は、一応慈愛も所有する。 「調+玉」は、専門分野にはやたら強い。 なので横浜駅が拡がるのだが、さすがにスケールがでかすぎて、 人々の細かな描写までは手が回らず、苦手はところはスルーする。 才能は「玉」で、守護神にもなる知恵。 静かな環境で、SFを描くようで、結構な旧い世界観もあり。 「調+禄」は、組織に属しながらもはみだす。しかも合法的な手段で。 小説を書くのも、護衛のフリをして連絡船に乗って、 本州に直行するのではなく、四国経由になる。 WEBから攻めていったのも、同じようなことで、実は良き着目。 「調+司」は、負けず嫌い。 でなければ、僅か5日の猶予の「青春切符」で勝負は賭けまい。 「木+調+未月」は、執念深いから、 転んでも囚われても諦めないので、最後は活路が開ける。 「辰」年生まれ「木子」は、上がって落ちる。 最後は光明さしても、トホホになるし、 鉄板に乗って救いの水路の先は、なんとシャチホコの上。 助け出されたのは、眼下に横たわる海の中。 伴星は「玉」で、守護神にも才能にもなるお勉強。 「人生を楽しむコツは、十分に糖分をとって、十分に頭を使うことだ。」 からね。 洩星は「玉」で、身内の助けが始まり。 主人公も、結構応援されていた希望の星だし、 本人は善し悪し別に、気分転換に帰郷する。 導星は「司」で、自分の意思のつもり。 すぐに故郷に帰らず、食料生産技術を持ち帰った。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の辛うじて立っている痩せ木。 砂漠あり山ありに(グランドキャニオンみたいなものか)、 孤立した「木」だが、存外根っこは強く、 総エネルギー203点中木性60点と、しぶとい。 これは、あちこちに交通機関代わりに発達する 高速エスカレーターともいえる。 とはいえ、月干「畑」に日干「木」が干合すれば、 日干は「山」になるので、年干「山」を加えた土性天干一気が成立し、 その気になれば一瞬で、ピラミッドみたいな建造物になり、 ひとたび迷い込めば、大規模な地殻変動に巻き込まれ、 ひとたまりもないし、穴があいても簡単に修復も可能。 しかし、よく観察すれば月干支「畑未」VS日干支「木子」の干合支害があり、 その気になって壮大なものを実現させても、やがて内部崩壊が起きるのは、 「横浜駅」なり「エキナカ」を象徴しているもので、 ある意味、乗りツッコミか。 異性に翻弄されたリ、ろくでもない異性にしか縁がなかったりで、 「いまだに両親が結婚のプレッシャーをかけてこないのだが、 結婚のプレッシャーをかけるようにプレッシャーをかけるべきなのか。 実家帰った『同期の○○が最近親が結婚しろってうるさいって言ってたなぁ〜』 って独り言のようにつぶやくか」は、焦りというか 残念な自身の性癖を語っているようなもの。 プロとの疑似恋愛なら、お手の物というオチがあるのかもしれない。 異性の描かれ方も、どこかステレオタイプだったり、 画一的であったりになりやすく、 むしろ女性型ロボットのほうが瑞々しく描かれているのが、 柞刈の女性観を物語っているように思われる。 すなわち異性成分の土性80点は、 多すぎてかえって普通の女性では満足できないともとれる。 さらには、マザコンと自虐的に呟くが、故郷も母親も嫌いではないし、 水が救いなので、最後の脱出も、名古屋水軍の出現も理にかなっている。 金性ゼロ(DNA車/牽なし)は、 一般的な勤め人になりたくないどころかなれないので、 「大学を4年で出るやつは勉強が足りない」になるし、 まともに汗水たらして働く気がないので、研究室にいながら作品を産みだす。 囲われるのを快しとせずの自由人だが、 そこそこ強い「木」なのに、まるで柳の林なり、 芯は強いとして、せいぜい竹林であり、妙に育った筍の成れの果てなのだろう。 年干支の「山辰」は、家族思いなのに、なかなか伝わらず。 実家はおそらく第一次産業で、帰れば帰ったで 労働力として期待されている模様。 存外自由に振る舞っているようで、自由のない籠の鳥状態。 だから「エキナカ」に憧れる「ヒロト」らの民の気持ちもよくわかる。 月干支の「畑未」は、じゃじゃ馬なみの扱いづらさは、 登場するロボットや自動改札を思わせるし、 開拓者のふりをして略奪行為に走るのは、 そういう環境だから容認されると思わせる。 そして日干支の「木子」は、打たれ弱い隠居。 リセットして最初に戻る坊主みたいなところある。 自動改札もロボットも、実は強くない。 「ヒロト」も結局故郷に戻り、新世界を作るのだろう。 干支番号構成は、05-56-01と北方と東方の極めて狭い範囲。 壮大な構想だが、実際はジオラマみたいな世界を上手に見せている。 後天運は、初旬「10歳鉄申」は、主導DNA「車」のありえない危険。 年支「辰」と日支「子」のからむ三合会局もあり、 水性は強くなり流されがちだが、同時にターボ運(子丑天冲殺廻り)付なので、 この後、49歳までは何をしても派手になった。 およそ稼働力のない女性的感性の強い子供でも、 小学校高学年に何らかの刺激が与えられ、遅咲きだが動ける態勢は整った。 だから上京も出来たのだろうが、 あいにくその時期が06年(陽戌)のDNA「鳳」年で、 大学に奨学金を申請し、寮生活を送ることになったが、 それが三鷹市役所の近所という、条件なし天冲殺の夢の中。 さすがに、大岡山まで通う交通費が結構かかったのではないか。 現在の10年運は、未だ2旬「20歳宝酉」の同様に派手なターボ運付の ありえない金性のDNA「牽」が名誉になり、デビューもできたが、 本体には金性はないので、大学院から教室に残るという。 特別な道を引き寄せたことになる。とはいえ、実社会にでることなく、 実は夢の中で進学した大学の研究室に残り、 発散できるわけはないので、小説を創造しているという状態。 今後は3旬「30歳海戌」が、DNA「龍」で改善。 10年運天冲殺まででてきて、何かに翻弄されるように、 ようやく大学を去り、余所で食い扶持を見つけるか、 専業作家を目指すかもしれないが、受け身の積極性を持ちながら、 居場所を確保しておいたほうが賢明な柞刈にそれが出来るのか。 後先考えずに勝負をかける気配も察するが、そんな時間はあるかどうか。 それに害持ちは、動いたら華にならないが、流れ次第か。 4旬「40歳雨亥」は、使い易い守護神「雨」のDNA「玉」で、 ひとつのこと、旧いことを極める。 SFではなく、過去の話になるのか、あるいは福島に戻るのか。 研究者を前旬で辞していれば研究者に戻るのかはともかく、 なんらかの過去に立ち戻るなり、ひとつの流れに入る傾向。 とはいえ密着しすぎると、年干「山」が干合され「陽」になり、 10年運は「灯」になり、忌み神火性が強化されるばかりか、 天干一気が破格になり、引力本能は陰り柞刈の魅力は薄れる。 表向きな変化、仕事上の変節は好ましくないと考えるべきだろう。 5旬「50歳木子」は、DNA「貫」で、頑固一徹。 ターボ運が前旬で切れているばかりか、 日干支とは律音となり、集中すればするほど頑なになり、 単なる頑固親爺になりかねないか、病魔に冒される危険あり。 月干「畑」と干合すれば、10年運は「山」となり、 進み行く方向を変えたり、目下の変遷により、埋もれるとも考えられるのだ。 6旬「60歳草丑」は、月干支「畑未」の天剋地冲で、 宿命の害は切れるが、DNA「石」は、 屈辱であり妥協となり、もはや峠を越えたことを痛感。 7旬「70歳陽寅」は、DNA「鳳」。 8旬「80歳灯卯」は、DNA「調」。 共に忌み神火性旺地なので、脱力感いっぱいの日常を体感か。 さて、抜群としか形容しがたい存在感に、 その気になれば、凄まじい干合土性天干一気に加え、 どこか笑いを誘う干合支害持ちという とてつもなく妙な引力本能に裏付けされた ホラ吹きの大家のような柞刈の仕事には舌を巻くしかないが、 今年(17年/灯酉)は、主導DNA「調」年でもあり、 02月16日(木戌)のDNA「牽」の干合天冲殺日に 「重 力 ア ル ケ ミ ッ ク」まで上梓しており、 おそらくはその後のオーダーも入っているだろうから、 記憶に残る成果のある年で、絶好調としかいいようがない。 願わくば『 横 浜 駅 S F 』で、種まきはしたはずだが、 決着を見ていないJR福岡やJR北日本のその後、 もちろん耕作を学び故郷へ帰った「ヒロト」のそれからも、 日本の未来と共に、柞刈には教えてほしいものだが、 本業もあるだろうから、疲れるだけのSNSは抑え気味にするという 改良をなされたらどうだろうか。 また、来年(18年/山戌)は、上京以来一周回ってきた、 今年ほどは楽ではない条件なし天冲殺の夢の始まりだし、 さ来年(19年/畑亥)にいたっては、60年に一度の干合天冲殺で、 土性天干一気強化になれば、いてもたってもいられずに、 変わったことをしたくなるかもしれないが、 ぜひ、本業を忘れ作家専業になろうとは、よもや思ってはほしくない。 多少のことではびくともしない風体だからこそ、 少々の乱暴な道行きも出来てしまうだろうが、 その時ではないので、どうか本業は本業で流れにのって全うし、 作家業は、本職の支障にならぬ範囲で、 逆に濃厚な質感の作品を提供してもらいたいと思う。 受け身の積極性で流れに逆らわないのであれば、 編集者のオーダーには応えるべきだし、 読者は、とりあえずあちこち種まきをした回収をかねて、 スピンオフドラマを見たい読者は少なくないだろう。 ところで、最後になるが、「横浜駅」およびその周辺はたしかに、 今もなお工事をしているのは間違いないが、 JR内の整備は、ひとまず格好がついた模様。 とはいえ、首都圏で言えば、品川駅・新宿駅・東京駅のような、 飲食をはじめたとした、いわゆる「エキナカ」は、横浜駅構内にはなし。 あるのは改札をでた地下街にであり、 そこは柞刈にうまく騙されたと思うしかない。 とはいえ、これが品川・新宿・東京などでは、 あのシウマイの崎陽軒の看板も表紙に登場しないだろうから、 物語としては成立しづらいと認められるので、目をつむるしかない(笑)☆ |
■2017年05月26日(金)雨丑 |
島田明宏○絆〜走れ奇跡の子馬〜に隠された秘密 |
○87年(灯卯)から東京中日スポーツのレース課で仕事をしたり、 90年(鉄午)から武豊(69-0315/畑丑)騎手の 米国遠征に同行するようになり競馬関連周辺の仕事をしている 島田明宏(64-1102/草卯)が、 東日本大震災(11-0311/草丑)により壊滅した 福島県南相馬市のファームを舞台に、 牧場主の親子がただ一頭生き残った子馬「リヤン」を 競走馬に育て日本ダービーを目指す姿を描く小説 『絆〜走れ奇跡の子馬〜』を、 02月28日(陽戌)のDNA「調」の独創的表現守護神支合日に上梓した。 同作は、20年以上にわたって競馬関連の原稿の執筆をしていた著者が、 東日本大震災後まもなく「被災馬」という言葉を耳にして、 「被災馬」の現状や相馬野馬追について伝えるために 福島県の相双地区を度々取材で訪れるなかで、11年(宝卯)の相馬野馬追で、 若い騎馬武者姿の遺影を抱いた男性を目にし、 毎年野馬追に出場していながら震災による津波で20歳にして命を失った 青年の存在を知ることとなった。 遺影を抱いていた青年の父と親しくなった著者は、 青年が生きた証しを残したいと語った父の言葉から、 青年のような若者を主人公として 独自の馬事文化を築き上げてきた相馬地方を舞台に 被災した人々の故郷への思いや馬への愛情、 相馬野馬追への情熱を盛り込んだ競馬小説の執筆を開始し、 12年(海辰)に競馬ポータルサイトのコラムで公開したものだ。 福島県南相馬市の零細牧場の松下ファームの拓馬は、 引退した愛馬シロ(登録名/クロススプリング)と相馬野馬追に参加した。 この母馬シロから、東日本大震災発生の11年03月11日、子馬が誕生する。 生前からリヤンドノール(北の絆・通称リヤン)と 名付けられていた同馬は、地震と津波で壊滅的な被害を受けた牧草地の、 ヘドロまみれの水たまりで、真っ黒になったシロから、 奇跡的に芦毛の牡馬として誕生する。 直後、母馬のシロは無理がたたったのか死んでしまい、 リヤンは人間からミルクを与えられ、 被災の馬、復活の希望としてマスコミにも 取りあげられながら成長し(まるで人の心が読めるようだと言われながら) 拓馬は離乳後のリヤンを財力のある馬主に所有してもらい 一流厩舎に預けて競走馬として育ててもらうように決心する。 そしてリヤンはその秀でた資質を見抜かれ、 大馬主に破格の一億円で売られ、出世街道をまっしぐらという話で、 作品では若者が亡くなったのではなく、 若者の婚約者が仕事で避難を呼びかけている最中に被災し 命を落とした設定になっており、 奇跡的に被災から立ち直った父親に叱咤激励されながら、 病院の看護師として奮闘する母親やかつての婚約者の友人で、 東京の会社を辞めて故郷に戻ってきた実の妹らに支えられながら、 松下ファームを再建し、家と牧場を建て直することになる。 そして、物語はリヤンの伝説のような成長と活躍ぶりで、 読者をはらはらどきどき感動させながら、お嬢様あがりの厩舎の担当者、 モデルがいそうな再デビューした壊し屋と呼ばれる騎手らの尽力により、 復興の地、福島競馬場でのデビュー戦の勝利。 G3東京スポーツ杯での初めての惜敗から、 G1朝日杯、G2弥生賞、G1皐月賞、G1ダービーへの道のりを 淡々と紹介されたもので、馬と人間の温かい情の交わりを我々に伝えてくれる。 むろんリヤンは奇跡の馬として劇的勝利をおさめる。 今年は震災後6年目になるが、復興相が失言をしたり、 福島出身の子供たちがいじめに遭うなど 風評被害もあり、復興は遅れているというのが実情だろう。 そんな過酷な状況の生活で、馬と人との「絆」としてのリヤンの存在は、 壊滅的な被害にあった震災の日に生まれた馬として、 復活の象徴となって、私たちに元気を与えてくれるのだ。 北海道札幌市生まれ。 一浪後に入学した早稲田大学政治経済学部政治学科を中退。 在学中の86年(灯卯)から執筆活動をしていたと思われる島田は、 現在東京都大田区蒲田在住で、結婚はしているようだが、 子供などの家族がいるように思えないわりには、 DNA「司」主導で強欲で、家族のため自分のための蓄積。 一見真面目という側面もあるが、生きるために努力をしている。 あくまでも自己本位なのは、本当に真面目なら、 淡々と持続させているだろうに、就職に向かわず学校を中退してまで、 目先の財を追ったことになる。 とはいえ才能も「司」で、何らかの蓄積には違いなく。 何でも自分のものであるわけで、スポーツライターとしての キャリアだけは一応自慢しても良い。 そして、この本は暖かな復興へと力をあわせる一体感ある家族の物語。 島田が北海道を常に念頭においているのもそうだが、 形を変えて南相馬の人達を応援しているのだし、 主人公も妹の友達で自分の婚約者を失っても、 妹が自分の仲間と幸福になる手助けをすることで、 明日への希望をつなげようとしていると読み取れる。 「司+司」は、現実的すぎて、心の奥底をそうそうひけらせない。 腹に一物あるかは別にして、男は黙って行動するというクチ。 「司+貫」は、意志は強い。 「司+石」は、仲間大切。なので、一応チームワークでの勝利を目指す。 「草+司+戌月」は、計画を立てて挑む。 (作品内で)種牡馬と繁殖牝馬の配合を考え、ダービー馬を作り出した。 「辰」年生まれ「草卯」は、普段は人々の中心になって働くが、 いざレースとなれば、補佐役として見守る。 伴星は「禄」で、捕まえどころのないもの。 そりゃ何やってるか、本職は不明なんで仕方なし。 宿命の特長は、晩秋午後八時頃の寄生木。 そのものズバリ、年干も月干も「木」で日干だけが「草」という 常に何かに依存しながら、本体の一部のように振る舞う。 木性天干一気は、仲間大切で頑丈なつくりは、 深い森の中で、組織や大きなものの力を借りながら、自己の存在を維持する。 競馬に関わっているなら、皆んなだいたいそうだ。 集中力はあるが、主役にはなりえず、どこか暗さがつきまとうのは、 年干支「木辰」VS月干支「木戌」の納音持ちで、 常に秘密を抱えているためであり、 月支「戌」VS日支「卯」の支合で、行程を重んじ、 内側が守られているわりには、 年支「辰」VS日支「卯」の害持ちで、表裏ありで持続力なし。 飽きっぽいので組織に属さずに、色々な顔を持つ。 もちろん一筋縄でいかぬ油断ならぬ男。 とはいえ総エネルギー231点中木性130点と身強だが、 守護神火性が月支「戌」内「灯」の僅か18点しかなく、 使用しづらいため野人扱いで、文章を書くことをなりわいにしているのは、 冷静だが、相当な努力をしているように考えられる。 年干支の「木辰」は、控えめで渋い割には目立ちたがり屋。 同じ失敗を繰り返す傾向あり。 月干支の「木戌」は、感受性豊かなロマンチストだが、 理に叶ったことしかしない堅物の一面あり。 プライド重視では成長できず、内面を磨いてこそ 人生が滑らかになり、成功もしやすくなる。 そして日干支の「草卯」は、努力家だがどこか鈍い。 協調性を重視し、その人なりの真面目な人生を愚直に生きる。 干支番号構成は、41-11-52で西方東方北方を網羅するが、 未来南方が欠けているのが、暗さと寂寥感を漂わせる。 後天運は、初旬「2歳草亥」が特別条件付10年運天冲殺。 異常環境に自らを置けば、翻弄されながらも他人とは異なる人生を送る。 DNA「貫」は、ことさら何かを守るものだが、 日干支「草卯」を大半会するため、初旬後天運型にもなった。 強情だが、頑丈な人物の完成はされたのだろう。 2旬「12歳陽子」は、DNA「調」の10年運天冲殺で、 独創性がテーマなので、他人に模倣されない生き方なら 稼働域が拡がり、陽が当たり始める時。 むろん東京に出てきた刺激で稼働力も上がったろう。 3旬「22歳灯丑」は、DNA「鳳」の発信力。 力が萎えたのか、発信力が強化されたのか、仕事を始め結婚もしている。 4旬「32歳山寅」は、主導DNA「司」ばかりか、 年支「辰」と日支「卯」のからむ方三位で、 害の毒素が緩和され、自己確立ということは、 ほぼ生きて行く方向性が決まったとみて良い。武豊との関係性も深まって行く。 5旬「42歳畑卯」は、年干と月干の「木」が干合で「山」となり、 鬱陶しい天干一気が破格となり、見通しが明るくなったうえに、 DNA「禄」は、以前より生活が安定してきた模様。 現在の6旬「52歳鉄辰」は、DNA「牽」の干合支害。 周囲の変化ではなく、自分の変化(この作品の発表やドラマ化)で、 天干一気が破格になるのだが、 その気になりすぎると不名誉な事態になりかねない。 害持ちなので、その影響は一般人より軽いはずだが、 ただの害ではなく干合支害なので、 異性や牝馬にでも蹴られるに違いないくらいは覚悟したい。 7旬「62歳宝巳」は、DNA「車」の変則方三位。 ひたすら忙しいだけなのだろうが、 身強の木性なので、害も明けて天干一気も復活し、 ふたたび依存する何かをみつければ、しぶとい。 8旬「72歳海午」は、DNA「玉」の塩漬け。 とっくに第一線は当然のように退いている。 ところで、相馬野馬追祭りは、福島県南相馬市で開催される祭りで、 言い伝えによれば、相馬氏の先祖とされる平将門が軍事練習として 野生の馬を捕らえて神前に奉納したことから始まったそうだ。 千年以上続くと言われるこの祭りを、相馬の人々は震災の年にも開催した。 人々の「絆」は、場所も時代も超えてつながっているということなのだろう。 そして震災当日に生まれたサラブレッドが、 復興を願う人々の思いを背負って競走馬を目指す物語は、 競馬を知らない人でも充分に感動できるもので、 「絆〜走れ奇跡の子馬〜」は、 NHK総合テレビで17年03月23日(畑酉)と24日(鉄戌)に 役所広司(56-0101/灯卯)主演で放送されたが、 こちらでは原作の主人公拓馬は、津波でなくなった設定で、 牧場長で父親がリヤンをダービー馬に仕上げる話になっていた。 原作を読んでしまうと、どうしても若い人の物語のほうが覇気も感じられ、 感情移入しやすいことに気づく。 復興は若い人が担っているのだというところを見せてほしかったので、 少々残念なところだ。 また、実際の11年(宝卯)の震災当日に誕生したサラブレッドは、 14年(木午)のG1菊花賞馬となったトーホウジャッカル号であり、 体質があまり強くなかったため、 その後は一度も勝てずじまいで引退を余儀なくされているし、 同年の第81回東京優駿(14-0601/雨卯)でダービー馬になった ワンアンドオンリー号(11-0223/畑酉)にしても、 その後はG2神戸新聞杯を勝っただけで、さほど活躍できておらず 今年(17年/灯酉)のダービー当日の 最終レースのG2目黒記念に出走予定だが、寂寥感は拭えない。 物語では「リアン」が引退し、相馬馬追に参加する姿を描かれているが、 ということは「リアン」もその後は勝ち名乗りをあげられず、 功労馬であろうと、種牡馬としては成功しにくくなったのだろうか。 それとも福島の馬産を復興させるための希望の象徴として 拓馬が再興した、そして「リアン」の生まれ故郷で、 新たな伝説を刻んでいくのだろうか。 むろん後者であることは期待してやまない。 なお、ここ数年のことだと思うが、レース後の騎手のインタビューや 調教師の談話で、しばしば「踏む」という言葉を耳にする。 これは、馬を車やバイクにみたて、 アクセルを吹かすとかいう意味合いなのだろうが、 馬は機械ではなく、生き物だ。 繊細なエネルギーをためたり、はきだしながら、 まるで細工物のように仕上げられていくのに、 工業製品を操るみたいな表現は、 たとえ勝敗を決するのが騎手の技量によるものであろうと、 なかなか理解しがたいものがあることを記しておきたい。 さて、ダービーは「最も運のいい馬が勝つ」という格言がある。 では、今年いちばん幸運に近いのは、どの馬なのだろう。 ちなみに今年のダービー(17-0528/草卯)は、 島田の宿命害切れの守護神年(17年/灯酉)の 木性天干一気強化(05月/草巳)の律音日に行われる。 フルゲートとはいえ、実質4〜5頭くらいの競馬と予想されるが、 おそらくは、今年は律音で人生の折返し地点になる調教師が管理し、 島田が親交のある、守護神年の主導DNA月と主導DNA日を迎える ベテラン騎手ならば、最短距離を走って、よもや三着は外さないどころか、 (島田は)勝つのではないかと注目しているはずだ☆ |
■2017年05月29日(月)陽辰 |
さとみ桜○明治あやかし新聞 怠惰な記者の裏稼業の虚 |
○DNA「司」年だった08年(山子)のDNA「禄」の魅力成分全開月だった 07月(畑未)に天堂里砂名義で、「紺碧のサリフィーラ」が、 第4回C★NOVELS大賞特別賞を受賞し、デビュー。 16年(陽申)のDNA「調」の60年に一度の守護神支合刑年には、 さとみ桜(79-1204/草巳)名義で、 「明治怪異新聞」が第23回電撃小説大賞で銀賞を受賞。 タイトルを『明 治 あ や か し 新 聞』と改題して、 03月25日(宝亥)の、DNA「車」の天剋地冲日に上梓された。 同作の一方の主人公は、日がな一日サロンで惰眠を貪る おちぶれ御家人やその周辺人物のなれの果てが起業した 日陽新聞社という娯楽新聞社の記者、内藤久馬。 そんな彼も好奇心が疼けば記事を書く。傍に用意するのは怪談奇談に妖怪本。 彼が書く記事は全て妖怪にまつわるものなのだ。 ある春の日、少女が新聞社へ乗り込んできた。 本作真の主役とも言える彼女の名は井上香澄。 久馬の記事が原因で、友人が奉公先を追い出されたのだという。 冷たい対応の久馬に代わり香澄に声を掛けたのは、 「役者崩れ」と自称する妖美な男・芝浦艶煙。 曰く、むしろ妖怪記事は人助けになっており、 友人は貞操の危機を免れたのだというが!? 「ぞわっとして、ほろりと出来る。怠惰な記者のあやかし謎解き譚。」が 売りという「女の掛け軸の怪」「髪鬼の怪」「さまよう死体の怪」 「神隠しの怪」の四編からなる作品集で、 香澄は内藤の鼻を明かしてやりたいと志願して、 その新聞社で、助手(表向きはお茶くみや掃除に書類整理)として働きながら、 時に出しゃばり、時に適宜な役回りを演じ、世の中を知る。 舞台は未だ江戸の面影を残すも、文明開化は着々と進み、 欧米化の波にのって浮かれていた明治九年。 ネタになるような相談事は、 役者の贔屓筋やその口利きでひっきりなしにやってくる。 表面的は、男達は皆煙草を嗜み、女達のほとんどは淑やかであった。 すなわち1876年(陽子)の東京である。 岐阜県各務原市出身在住。 郷土作家としては図書館で講演会もしたりと、そこそこ名が知れた存在。 出身学校も同市内で、いったん就職して広報の仕事に就くも、 13年(雨巳)のDNA「龍」年に退社してしまい(作家で喰えると思い込み?)、 一度はニートや慣れない立ち仕事を経験するも、 現在は「オアシス・パーク」らしき施設で、 事務のアルバイトをしながら(職員のシフトまで作成している)、 「やながせ倉庫団地」で、「ひつじの手しごと舎」という 小物の委託販売を行いつつ、引き籠もり系作家を自認する。 とはいえ天堂里砂名義で、10数作品を刊行している 相応にこなれた文章を書くさとみ桜は、 DNA「玉」主導で、生き方をなかなか変えられず、 生まれ育った土地から、離れがたい。 気分転換も上手ではないのに、無理をしても同じ事の繰り返し。 才能は主導する、この「玉」で旧いもの好き。 旧いものならボロも出ぬだろうし、使い回しも可能と考えたか、 舞台は住んだこともない東京であろうと、 往時の街並みなど、見てきたようなことを書こうと、 今は昔のことなので、誰も細かいことは突っ込まない。 オバサン気質で、いわゆる手仕事が板についており、 倉庫内の共有スペースに展示する布小物のような和風が似合う。 「ヒゲ、筋肉、オッサン好き」という自己紹介も、 自身の(オバサン)気質をあらわすものだが、 (実家には)寄生するだけではなく、医者通いの(身内の)運転手くらいはする。 確かに地味な小説家(と卑下している)には違いない。 「玉+禄」は、行動力は自己のテリトリー内で、家庭的。 計算しても、生活臭漂う部分が、そこはかとなく地味さを加速。 「禄」×2あるため、精神的には不器用であり頑固で融通効かず。 「玉+調」は、生活に密着した小物を仕上げる 繊細な神経を駆使する技量はあるものの、世間知らずで万能ではないため、 慣れない世界に踏みだす度胸はなしだが、妙に尖った部分もあり。 情け容赦もないので、GW中の厳しいシフトも難なくこさえた。 「玉+貫」は、その場限りをつくろうから、誤魔化しが効く。 「草+玉+亥月」は、純粋だが幸運と災禍が同居し、 「未」年生まれ「草巳」は、わがまま放題で甘ったれ。だから実家にいる。 主役の良いところのお嬢さんの気質はこれだし、 口先は立派でも、つんのめりやすい。 伴星は「石」で、誰かと共同。 一人では何も出来ないので、新聞記者や役者崩れを頼る。 または、小さなスペースを共同で借りて小物屋を営む(笑)。 洩星は「玉」で、身内の助け。 すなわち実家にいれば楽だし、主人公の父親が官吏なのも納得。 そして導星は「禄」で、他人が終了することになり、 お節介な主人公は、友人に代わって謎解きをする。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の干潟近くのお花畑。 夜もふけゆくのに、騒々しく騒ぎたてる。 年支「未」VS月支「亥」の半会は、外面はやる気満々で落ち着かぬ。 月干支「草亥」VS日干支「草巳」の納音は、 内側に相当根深い暗いものを所有し、表にだすことはない。 なので、ラッパは吹くが実際は何を発信しているのか 一般人には意味不明な時もあり。 総エネルギー219点はそれなりで、自身の木性63点と存外強くしぶといが、 それ以上でも以下でもなし。 つまり、恐ろしく宿命が偏っているわけではないので、 際だった特色がないものだから、いまひとつ化けきらないのが残念。 だから、作家だけでは食えないわけで、アルバイト生活。 それも、地元密着の寅卯天冲殺だから、家からは出ないので、 出費は抑えられ、かろうじて生きているように見せているが、 その実、自己内の秘密は決して漏らさず。 なにやら怪しいものは抱えているが、それこそ通俗的。 年干支の「畑未」は、いわゆるじゃじゃ馬で、おきゃん。 尻馬に乗るのは得意で手柄も略奪とまではいかぬが、 実際は、(主人公も)事件を自分で解決したつもり。 月干支の「草亥」は、身内に犠牲をだしやすい、 あやかしにとりつかれるような、妙な雰囲気。 呪い物の怪・妖怪などを好む筋書きはこのため。 そして日干支の「草巳」は、徹底した潔癖主義者か、 恋に恋する恋愛の達人で、納音持ちのこの人は見事に隠しきっているはず。 もちろん相手は、近場の家庭持ち。 おそらくは、昼行灯みたいなクセに実は剛気な新聞記者か、 役者崩れと称しながら、贔屓も多い役者もどきかも知れない(笑)。 干支番号構成は、56-12-42で北方と東方と西方を結び南方欠けの三角地帯。 あけすけのようで、見せかけは騒々しいが、明るさはない。 後天運は、初旬「1歳陽子」は、DNA「調」の少女性の強化。 これといった条件なし。 小物作りの手先の器用さも、いじらしい部分も強まったが、 後天稼働する刺激がないばかりか、守護神でそこそこ恵まれてしまったので、 遠方に脱出するような冒険もすることもなく、故郷に留まる。 ただし、早熟であることには注目に値する。 2旬「11歳灯丑」も守護神のDNA「鳳」の半会で、遊びに溺れる。 また趣味世界の技を磨くも、恵まれているので、 とてつもない爆発的成功のない半端さ。 3旬「21歳山寅」は、突如やってきたDNA「司」の地味な10年運天冲殺と害。 社会参加をするも持続せず、勤めは中途で挫折したのは大間違い。 そうそう、引き籠もっているわけにもいかず、 結構楽しみながら、アルバイトに精を出す日々。 「天堂里砂」名義でのデビューは果たしたものの、 害もあったため、もうひとつ波に乗り切れず。 不倫めいたものの始まりは、ここに違いないから、 作品形成には役だっているやもしれず。 現在の4旬「31歳畑卯」は、年干支「畑未」の大半会を伴う DNA「禄」の引力本能強化10年運天冲殺で仕切り直し。 だから天堂里砂改めさとみ桜なのだし、 地元図書館では「文学を創る」をテーマにした講座で、 講師を務めるほどになっている。 今後は5旬「41歳鉄辰」が、DNA「牽」の干合。 10年運天冲殺を抜けているため、過ごし方次第の微妙なところだが、 慌てず騒がず流れに従い、栄誉ある受賞などたどり着くのか、 理想の相手とついに結ばれるのか。 まさか、小物屋が大きく化けるほうではあるまい。 同時に、進み行く方向の変化は著しく、自身の次元も上がるのであれば、 本人には納得いく世界が待っているはず。 6旬「51歳宝巳」は、DNA「車」で慌ただしくすぎる。 前旬の喜びも束の間だったとならぬようにしたい。 7旬「61歳海午」は、主導DNA「玉」で晩年の自己確立。 日支「巳」に年支「未」のからむ方三位もあり、熱い未来。 8旬「71歳雨未」は、DNA「龍」の新たな旅立ちになっている。 さて「女の子を主人公にして書いたのは今作が初めてでした。」と言うが、 「玉」主導なのだから、母親目線なり姉目線でいれば良いのだし、 本作のように、過去の時間帯に紛れ込むならば、 難しいことは考えず、定型を決め込みさえすれば、味付けは自由自在だ。 なので、これまで気づかなかったのが、しくじりの発端。 編集者には「女子がきゅんきゅんする シチュエーションをもっと入れましょう」と言われ、 「筋肉モリモリのヒゲ親父がウエディングドレスを着て ウハウハしているような自分には無理」と感じたそうだが、 その方向の「調」は所有しているのだし、 守護神なので、使わぬ方がおかしいよ。 しかし、せっかく女子力をあげて作品を仕上げても、 この表紙の装画は、もうひとつ。 とても主人公の父親が内務省に奉職している家の娘には 見えないし、これではきゅんきゅんしているより じゅくじゅくではないのか。 役者も新聞記者も明治初期のそれとは言えぬ感もあり、 SNSの本人似顔絵のほうが余程美しい。 このあたりが、名前を変えようとも、 10年運「21歳山寅」のDNA「司」の害始まりの不遇を思いだす。 ちょっと編集者には恵まれてないのかな。 というよりは腰掛け仕事に、小物屋に、 さらには作家もという欲張りな根性が潔くない。 納音持ちだから、他にも色々抱えすぎているはず。 交通整理して、客観的に自分をみつめなおし、冷静なる成果をだすのが、 今年(17年/灯酉)の守護神半会年の意味。奮起を期待したい☆ |
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