★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 7 年(灯酉)●09月 畑酉 // 移 動 祝 祭 日 |
■09月分一覧 (2017年●目次) |
藤水名子●大老の刺客 隠密奉行 柘植長門守の熱い大人男力(2017_0901) |
沢村鐵●ミッドナイト・サンに潜む限界(2017_0905) |
中村啓●黒蟻 警視庁捜査第一課・蟻塚博史の孤独の源流(2017_0907) |
西村健●バスを待つ男で味をだす(2017_0909) |
沼田真佑●影裏には薄汚れた雑草根性の開き直り(2017_0912) |
佐野徹夜●君は月夜に光り輝くの圧倒的濃厚青春力(2017_0914) |
北大路公子●流されるにもホドがある キミコ流行漂流記の無謀(2017_0916) |
岬鷺宮●僕らが明日に踏み出す方法のあっけなさ(2017_0920) |
浜口倫太郎●神様ドライブの不穏な毒素に騙されるな(2017_0923) |
内澤旬子●捨てる女に限界あり(2017_0926) |
■2017年09月01日(金)宝卯 |
藤水名子○大老の刺客 隠密奉行 柘植長門守の熱い大人男力 |
○91年(宝未)の月支「午」と日支「申」のからむDNA「調」の変則方三位年に、 「涼州賦」で第4回小説すばる新人賞を受賞しデビューし、 貧乏を売りにしながらも精力的に活動している 藤水名子(64-0629/山申※)の 『大老の刺客 隠密奉行 柘植長門守3 』が、 06月26日(木申)のDNA「車」日に上梓されている。 同作は、伊賀流忍者の末裔で、勘定奉行を拝命している長門守に、 誉れ高き名君の八代将軍のお孫様で、 世が世ならば、将軍職を継いでいたかもしれぬ松平定信より 「贋小判造りの元を断て。もし金座の小判師が関与しているのであれば、 勘定奉行であるそちの責」と密命がくだる。 しかし 、これまでも憎くは思わぬからこそ、 頼み事はするが、肝心なことは隠す。道具扱いには不満がつのっていた。 そんな不完全燃焼たる思いで、密命を帯びた長門守を襲う 金座の小判師たちを探る白帷子の男は、下臣六兵衛の仇敵で、 滅亡した北条家に仕えていた妖しい術を使う、 忍びとはいえない盗賊もする乱波の風魔だった。 とてつもない野心家である黒幕の意図が知れたとき、 身を賭した壮烈な戦いが迫ってきた。 そして、全盛期の田沼意次に通じる「天下」という 匂いがぷんぷんする定信の本心を知ることにより、男に惚れる男の物語が、 長門守が実は愛妻家であるという記述とともに、 どこか愛おしく感じられるものになっているのだ。 この時代には失われたかに見える 男の魅力を存分に堪能できる苦み走った良書である。 東京都北区生まれで、父親の故郷である栃木県宇都宮市で育ち、 85年(草丑)に、日本大学文理学部中国文学科に入学するも、後に中退。 一旦、栃木県に帰るも、父親の死後東京に戻り、 現在は高幡不動近くの東京都日野市在住の藤は、 DNA「玉」主導で、古典好き。旧い時代に入りこみ、濃厚に燃焼させて行く。 良い意味で、ババくさいとも言う。 「玉+貫」は、見てくれ頑固で融通効かず。 先のことを考えるより、過去に思いを馳せるほうが楽。 「玉+鳳」は、物語の登場人物に大人びた発言をさせるのは、 極めて得意だが、自分のことになると、てんでだらしがない。 自分を棚に上げて、爆発しなきゃいいのにね。 才能はこの「鳳」で、冷静さと言いたいけれど、 熱すぎてないだろうから、豊かな趣味に、泣かせる人情としておきたい。 「鳳」×2あり、「山」らしくズボラで鈍重なのに、 無理に動くより悠然と構えておいたほうが良さがでるのだろう。 「玉+車」は、考えたとおりに行動する分かり易さ。 そこは奉行の動きも予測可能で、最後は一件落着となるのだから、 全く安心できない人でもないが、不器用なのだ。 「山+玉+午月」は、無言の強味。 饒舌な時は攻略されやすく、守りに疎いが、 何を考えているかわからない時のほうが、圧倒的に強い。 とはいえ「辰」年生まれ「山申」は、正直者である。 伴星は「石」で、人脈の拡がる人生も 「山」なので、冒険は望むところでも、疲労感はみなぎる。 洩星は「車」で、ゼロ出発。 導星は「鳳」で、最後は趣味の人生にしたいと願っている。 宿命の特長は、仲夏正午頃の岩場が剥きだしながら、 それなりの木陰にもなる大木もある「山」。 平時は休火山なので、危険性はないが、遠くから眺めると絵になっているが、 総エネルギー237点中104点の土性は、 近づいて、見上げれば、圧倒的な存在感を誇るため、 恐怖さえ覚えるので、せいぜい読者でいるにとどめたい。 稼働力の木性にしても33点で、本気で働くわけでもなく、 創造力の火性は26点なので、主戦場は枠のある旧い時代。 趣味に堪能したい金性が48点。 これが少々手強い子供の方向性でもある。 そして金銭物質運の水性は僅か26点なので、 未だ同居の母親(後述)に光熱費をだしてもらったりと、 さすがに「玉」主導であるが、苦悩あってこそ。 才能だって磨かれるのだろうから、一概に悪いものでもない。 年干支の「木辰」は、目立ちたがり屋のわりには、地味な印象。 集中力が駆使して、ひとつの道を極める。 月干支の「鉄午」は、ガサツでさっぱりした気性だが、 妙な明るさは、甘ったれの淋しがり屋の裏がえし。 楽をしたりすれば、使い物にならなくなる傾向。 そして日干支の「山申」は、冷静な状況分析で、 安全確保をする頑固な要塞で、 勝敗に関係なく後処理を得意とする計算高さあり。 いつでも背水の陣が必要だ。 干支番号構成は、41-07-45で西方と東方を結ぶ狭い領域なので、 「玉」主導でもあり、得意分野で当たりシリーズをだして、 それだけで生きていけるようにしたい。 後天運は初旬「7歳畑巳」が変則方三位付DNA「石」の横滑り的移住。 寅卯天冲殺らしく親の都合によるものなのは、 年干「木」が干合で「山」に変化した結果、 年干と日干が「山」の同格になり、両天秤にもなった。 日支の刑と支合は、妥協的なるも受け入れ。 「玉」主導らしく図書館の常連であって、 小説らしきものは書いても、あまり勉学熱心でなかったのは、 主導しようと勉強が忌み神だったためか。 2旬「17歳山辰」は、DNA「貫」の大半会で、我が道を行く。 大学に入学したはいいが、85年(木子)のDNA「車」の半会年で、 当初目黒県人会寮に住むも素行不良で調布市内に住むも、 東京生活を楽しみすぎて、留年後中退。 実家に連れ戻され、就職も水が合わず、アルバイト生活に戻る。 投稿生活も同時に始めた時期で、父親の死去に伴い東京に舞い戻る。 3旬「27歳灯卯」は、主導DNA「玉」の自己確立の10年運天冲殺で、 精神的な成長と共に運気が急激に上昇。 例え忌み神でも、主導するので、あれよあれよと社会的に認知される。 運気も上昇し、とてつもない熱気が、引力本能と化して 異性をひきつけた結果、結婚には至らず出産(後述)。 4旬「37歳陽寅」は、DNA「龍」の10年運天冲殺と対冲。 新たな方向性を模索して、さらなる飛躍をした。 現在の5旬「47歳草丑」は、DNA「牽」の名誉と役割。 初旬条件などない上に、20年間の10年運天冲殺を少々乱暴に使いすぎたのか、 くたびれ気味でもある。 今後は6旬「57歳木子」が、年干支「木辰」の大半会と、 日支「申」のからむDNA「車」の三合会局で、 風向きに逆らわずにいれば、地味ながら仕事の幅が拡がり、 守護神水性の生成もあり、過ごしやすくなる傾向。 7旬「67歳雨亥」は、決め手のないDNA「司」の守護神も、 ターボ運(子丑天冲殺廻り)が始まるので、何をやっても目立つようになる。 とはいえ晩年なので、どれだけ情熱が残っているか。 8旬「77歳海戌」は、DNA「禄」の感謝と奉仕の守護神。 加速がついても、どっしり構えていれば、一息つけるはずである。 さて、どっしりとしていなければならない「山」ばかりか、 腰を落ち着けて生きるべきな「玉」主導にもかかわらず、 藤の実生活は動きすぎの感がある。学生時代にしても、授業は殆ど出席せず、 アルバイトの時以外は、昼間から名画座で三本立て映画を見て、 夜になったら酒を飲むという不健康三昧な暮しぶり。 仕事内容は、飲食店店員、警備員、駅前のティッシュ配りは勿論、 現像所のフィルム編集助手から教育的出版物の校正まで。 だからやりすぎだって(苦)。また、留年が親バレし、実家に連れ戻されたり、 父親を怖れて友人宅に逃避するも発見され、身柄を拘束され大学は中退。 何故か父親のコネで、健康サウナのカラオケ係とし就職するも、病に倒れ入院。 一年ほどで退院も、自宅療養に入ってからは、 小遣い稼ぎの目的で数打ちゃあたる式の投稿生活をはじめるという経歴だが、 父親の死後は、干合するだけの母親(40-0130/雨酉)と 東京に舞い戻り、おそらくはそれなりの資産はあろうかという、 その母親に光熱費など生活費を負担させているようで、 (日本推理作家協会も会費未納で退会か・・・) そこまで売れている訳ではないのだが、東京に舞い戻ったあとも、 新宿2丁目でアルバイト生活をしていたようだ。 仕事内容を考慮しても、派手な交遊関係は賑わいのある夏山らしかろうと、 さすがに忌み神火性である酒の飲みすぎではないか。 そんななかで藤は、妻子ある男性と恋に陥り結果的には 「一時は、本気でこの男と一生過ごしたいとも思ったけれど、 猜疑心深く、無駄に攻撃的なくせに、肝心なときは腰砕け・・・最悪だ。 こんな男の奥さんは、本当に不幸だな、と心から思うよ。 だって、一時は交通事故かなにかで、死んでくれたらいいとさえ思った妻と、 何事もなかったかのように暮らしてるんだよ。 (長文引用失礼中略) 気の毒通り越して、滑稽です。」 なんて強気なことを言っているが、 そんななかで誕生した第一子女児(98-0616/木午)は、 強欲「司」主導の辰巳天冲殺らしく、都立高時代からバイト漬け。 さすがに酒はやっていないだろうが、羅状で共通干支が二つあるとはいえ、 藤の日干支「山申」が娘の年干支「山寅」を納音しており、 自分の過去は棚に上げて、色々と口うるさい。 「お前の、遊ぶ金欲しさのバイトと、 このオレ様の、一生をかけた仕事を一緒にするでない、たわけが。 たとえ売れていなくても、これが私の仕事なのだ。 この仕事故に、我が家はどうにか成り立っているのだ。」とか 「さあ、そろそろ寝ようかなと本丸(仕事部屋)を出たら、 バカ娘が未だ起きていて、驚く。なにやってんの? 作家でもあるまいし。やることあるなら、昼間やれよ。 なんでわざわざ、私の生活時間にかぶらせてくるんだよ。 将来、作家になるなら話は別だが、 真っ当な仕事に就くなら、堅気の時間に生活しろよ。」なのだが、 藤の条件なし天冲殺夢の中で誕生した娘を 制御出来ずに諸々も振りまわされているのは、想像に難くない。 然るに娘は総エネルギー258点は母親(237点)の上を行き、 金性ゼロ(DNA車/牽なし)は、 遊ぶ金だろうと学費稼ぎにしろ頑丈なので頑張る。 むろん水性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人は、親縁なしだが、 親がろくに勉強しなかった反動の逆転現象で勉学にも励む。 (とはいえ、あまりにうるさくすれば、頭空っぽなんで遊興三昧) 初旬2旬から10年運天冲殺が廻り、孤軍奮闘ならば、 その後の後天運も現実的に生きれば、母親を凌駕する。 そうやって、ハミダシ的にいくのだが、 藤も、この娘をみて、仕事のエンジンがかかればいいのに、 相変わらず、のんびりしているみたいだから困りものだ。 掃除機の音やら、修繕工事の音に反応してる暇はないって(笑)☆ |
■2017年09月05日(火)草未 |
沢村鐵○ミッドナイト・サンに潜む限界 |
○00年(鉄辰)に地方都市の学校を舞台としたミステリー小説 「雨の鎮魂歌(レクイエム)」でデビューした 沢村鐵(70-1111/草未)の最新刊『ミッドナイトサン』が、 06月18日(草巳)のDNA「貫」の天冲殺日に上梓された。 同作は、市民楽団のヴァイオリニスト・宇田川匠は、 同じ楽団の涌井朱音と懇意になり、ある夜、19世紀のメキシコで起きた 「死者の日」の出来事を語り出した。 それは人の精気と能力を奪い、永遠に生きる夜の種族(ナイトブリード)が、 人間の女に恋をするという信じがたい物語だった。 (簡単に告白なんかするなって〜) 現代の東京と19世紀のメキシコ――交錯する二つの物語の結末は、 幸せか、破滅かというよりは、因縁深き吸血鬼とそれを退治する 魂がガチンコでぶつかり合う、一見幻想的なミステリーも、 好きな人にはたまらない展開なんだろうが、 主人公が硬派なのか軟弱なのか、いまひとつ掴みどころがないが、 現代東京にふってきたロミオとジュリエットじゃあるまいし、 この世の生活感を一瞬忘れたい怖い物好きにはおすすめの作品。 岩手県釜石市鵜住居町出身で、釜石高等学校卒業後の足取りが全く不明で、 08年(山子)のDNA「司」の方三位害年当時は、 東京都杉並区または練馬区内に居住していた、 おそらくは本業が別にあろう沢村は、DNA「石」主導で、仲間頼り。 なので、故郷に実家はなくとも釜石を意識する。 何らかの組織の一員として、望む望まないは別にして、 足場のようなものがなくなると生きづらく、 常に満足することはなく、妥協を受け入れやすい性癖。 「石+車」は、目的があってこその人生。 「石+鳳」は、比較的普通な感覚。 「鳳」×2は守護神方向でもあり趣味に浸りやすい。 作風からも音楽好きなのは間違いのないところ。 「石+牽」は、それなりの気配りは出来るが、 役目役割がないと、がさつになりやすく、 面倒なことは、事なかれ主義で省いてしまう。 才能は年干にあるだけに「牽」で、なにごとも形から入る。 手が届きづらい異性の刺激を受けて励みにする。 「草+石+亥月」は、仲間と適度な距離を置くも付き合いは悪くない。 「戌」年生まれ「草未」は、束縛を受けると孤立しやすい。 伴星は「貫」で、波の少ない人生。 洩星は「石」で、共同作業が多い。 導星は「鳳」で、結局は趣味。楽しければ良し。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の不夜城のような街の ビルの谷間に咲く花だったり、ハーブのようなもの。 硬質な器に入れられ熱に炙られているような状態で、 お茶っ葉みたいな存在と考えればいいだろう。 組織の一員として無理をせねば、熱気に守られているので安全なのだが、 異性を意識しすぎたり、仕事に没頭して周囲が見えなくなり、 鼻持ちならない空気をかもしだすと、良さがでなくなるも、 総エネルギー210点とそこそこバランスのとれた姿は 冒険さえしなければ、普通に生きられるはず。 夜生まれだから、夜しか彷徨えない吸血鬼で、 (沢村曰くはナイトブリードで夜の種族) その吸血鬼の天敵が、「夜の太陽」を持っているという設定は 一応は納得がいくものだが、「太陽」のほうがしっくりいくが、 沢村の火性は「灯」だし、 殺傷能力なら直火の「灯」が極上である。 年干支の「鉄戌」は、強烈な闘争心はあるものの、 どこか野暮ったく、守りに入りやすく、逃げ腰。 怪我をすると運気向上も、精神的に強靱でなければ、負けたまま。 月干支の「灯亥」は、理性で感情を抑えられぬ喜怒哀楽激しい感情人間。 吸血鬼も楽ではないから、気ままに生きるしかない一発屋。 そして日干支の「草未」は、気分転換が得手でなく、ストレス蓄積型。 礼儀正しいが本心は別にあるような、ある意味悪餓鬼のような面を持つ。 干支番号構成は、47-24-32で北方南方西方で、 東方が欠けているため、虚弱ではないばかりか、 月支「亥」VS日支「未」の半会で、 木性の根っこは頑丈も、前進力にいまひとつ欠ける。 後天運は初旬「9歳山子」は、DNA「司」の堅実に地道。 年支「戌」と月支「亥」に連なる変則方三位で、 晩秋から初冬仲冬へと厳しさを増す季節を乗り切る力を与えたかに見えるが、 日支「未」とはDNA「司」の害の関係となり、 どこか家庭的には恵まれぬ暗さが付加される。 おどろおどろしい吸血鬼の出現もこのあたりに要因。 2旬「19歳畑丑」は、前旬の暗さを180度振り切る天剋地冲で、 生き方に大きな変化をもたらし、DNA「禄」は職にもついたはず。 3旬「29歳鉄寅」は、才能にも励みにもなるDNA「牽」で栄誉。 この栄誉重なりの00年(鉄辰)にデビューとなっている。 現在の4旬「39歳宝卯」は、DNA「車」の危険な三合会局。 ここに入ったばかりの09年(畑丑)の天剋地冲年には、 何らかのバランスを崩したようで怪我を負い失速気味。 故郷が東日本大震災にも遭い、明るくはない。 今後が5旬「49歳海辰」が、DNA「玉」の10年運天冲殺。 月干「灯」が(10年運と年干の二重)干合で「宝」になれば、 もとより年干に干合されている日干「草」も「宝」になっているので、 干合金性の天干一気が成立し、何か特別な事で目立つようになる。 月干の変化なので、進み行く変化、目下からの刺激だが、 作家として生きぬような道を選択したほうが、 そして旧いものを掘り下げていく仕事ならば、爆発的成功も視野に入る。 あとは、感謝と奉仕が可能か否かだけ。 その後の6旬「59歳雨巳」は、DNA「龍」の10年運天冲殺。 前旬の成功を新たな方向に導けば、さらに新境地で成功もあり。 くどいようだが世のため人のため感謝と奉仕があってのことだ。 7旬「69歳木午」は、主導DNA「石」の支合で自己確立。 仲間と仲良くやれているか、喰い物にされるかは生き方次第。 8旬「79歳草未」は、DNA「貫」の律音で強くなれるが、 頑固な年寄りなだけだろう。 ところで、沢村の宿命にはDNA「龍」の 庶民性や海外趣向がないにもかかわらず、 スペインが登場してきたり、DNA「玉」ならあるのだが、 それを海外の旧いものに向けた結果が今作なのだろうが、 もう少し大仕掛けでも良かったのではないか。 とはいえ本人が嘆いているように売れない。 でもね。これは仕方ない。デビューが沢村鐡らしく、 前述「鉄」重なりの条件なし天冲殺の夢の中のため、 なかなか持続できぬ状況になっている。 本人には酷だが、その後に10年運天冲殺を20年控えているならば、 本当は作家にこだわらず、 辰巳天冲殺らしく商売のほうが成功できるはず。 たしかに音楽家の河野圭と同一生年月日なんだし、 作家を諦めたほうが大きく伸びる可能性が大きい。 それと、はみ出し運の辰巳天冲殺として、故郷にかかわりすぎ。 事情は不明も家族のいない彼の地に関わりすぎは ブレーキなのではと心配になってしまうが奮闘を期待したい☆ |
■2017年09月07日(木)灯酉 |
中村啓○黒蟻 警視庁捜査第一課・蟻塚博史の孤独の源流 |
○08年(山子)の守護神DNA「玉」年の09月24日(灯卯)の ありえない火性のDNA「車」の天冲殺半会日に、 第7回「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞とWEB読者賞を 「霊 眼」で受賞し、同作は翌09年(畑丑)のDNA「龍」の守護神年に 「樹海に消えたルポライター〜霊眼〜」と改題されデビューした 中村啓(73-1111/宝亥)の最新作『黒 蟻』が、 07月25日(雨丑)のDNA「鳳」日に上梓された。 同作は、ある事件の被害者の遺児で、 4歳の時に警視庁捜査第一課長宅に養子として引きとられ、 警察エリート一家のなかで、幼い時から神童と呼ばれ、 その優秀な兄と比較されながらも、 地道に事件に向き合う警視庁捜査一課11主任へと成長した 38歳の蟻塚博史の、 組織にいながらにして巨大な権力と闘う姿の証し。 17年(灯酉)05月12日(畑亥)の23時頃、 その爆破事件は六本木交差点から外苑東通りから右手におれた 通りぞいにある喫茶店で起こった。 被疑者の同棲相手が不審に感じ、110番通報し、 たまたまその電話が回ってきて、独断で警戒していた蟻塚らの目前で、 大手パチンコチェーンの御曹司六人らが犠牲になったのだ。 当初は爆弾事件ということで、公安警察がでてきていたが、 蟻塚らに追いつめられ、程なく自死した犯人が、 広域暴力団の三次団体の元構成員だったことから、 組対が代わりに指揮をとることになった。 蟻塚は男が単独犯として捜査が進むのを疑問視し、独自の捜査を続けた結果、 カジノ法案可決の裏で暗躍する警察上層部に疑いの目を向ける。 中心には22年も会っていない7歳年上の警備局長の兄の姿が見えてきた。 義母は謎の死、目白にある介護施設に入所している義父は、 五年前(12年/海辰)から認知症になり入院中。 警察キャリアの兄との確執を抱えた孤独な刑事・蟻塚が、巨悪に挑む。 著者、初の警察小説は、追いつめ追いつめられながらも、 正義のために熱くて危険な風合いだが、 母親の死の真相、父親が繰り返す謝意、謎のジャーナリストの正体など 回収しきっていない伏線もあり、あたかも続編があるようで、 そこが少々不完全燃焼気味なのだが、特長ある登場人物が散りばめられ、 わかりやすい話の展開には好感がもてる。 東京都小金井市出身で、現在は埼玉県所沢市在住で、 東京理科大学理工学部を中退し、漫画家を志すも挫折し、 フリーライターを経て現在に至る中村は、 DNA「司」主導の寅卯天冲殺で、家族思い。 母親が認知症の疑いをかけられ病院通いを手伝う 心優しき純粋な息子でもある。 とはいえ何でも自分のものと思い込むフシがあり、 いわゆる強欲になってしまえば価値は薄れてしまう。 「司+鳳」は、忍耐力ありも、緩くて持続力なし。 「鳳」×3ある趣味人は、陶芸、油彩、旅行など好み、 冷静であり自然愛好家であるため、環境保護・動物愛護主義者。 また、政治的に右でも左でもなく中道。 中央、中心、中枢。「中村」のそんな「中」は、 当たらずといえども遠からず。 人生のテーマは「世界で一番面白い物語を書く」ことらしいが、 「司+司」は、現実主義者で心の中を全て さらけだしているのではないため、 本音は極めてわかりづらく、霧の中のようだが、 頑固で不器用な側面もあり、柔軟さに欠けるため、 豊かなものの完成には至ってはいない模様。 「宝+司+亥月」は、芸術関係全般を好む耽美主義者で、 気持ちも姿形も若いが、どこか場違い。 洋の東西を問わず美女好きを自認し、 「丑」年生まれ「宝亥」は、積極的にはなれない受け身で、 現実的なはずなのに理想は高いため独身であろう。 伴星は「玉」で、生涯勉強で静かな環境に身を置く。 洩星は「鳳」で、なし崩しでケジメのつかぬ面あり。 導星は「司」で、自分の意志。結構頑固だからね。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の自分が一番と感じている 特別意識が際だち磨きぬかれた宝飾品も、 総エネルギー269点中水性が実に162点もあり、 (さらに年支「丑」は冬の水性旺地の土性で、月支と日支の亥は水性) 霧にむせぶような冷たい闇のなかで出番を待っているが、 火性ゼロ(DNA車/牽なし)は、いっさい光があたらぬので、 なかなか注目されることはなく、 働いても自尊心が満たされることがないのは、主人公に通じるものがある。 また、栄誉より単独で危険な行動をとる傾向にあり、 (主人公のように)クセがあろうと、 僅かでも頼もしい部下がいるのが羨ましいはず。配偶者成分皆無。 理想が高いから相手にされないのではなく、 異性と向き合う姿勢がなく、観察することに特化しているため独身。 守護神の土性は、僅か11点の「畑」のみで心許ない。 妙な海外産の動物を好む特性あり。 コアラ、カピバラ、ハシビロコウ、コモドドラゴン、爬虫両生類など。 コアラが妙ではないという意見もあるかもしれぬが、 とっくの昔にブームは廃れている。 本来、静かな環境に身を置いて創作に励みたいのだが、 デビューした年は「山」成分がないので堪え性がない。 これに飽きっぽさと多趣味が融合して、もうひとつ化けきらないのだ。 なお、母親成分「山」がなく、陰陽の「畑」が母親。 「畑」の配偶者成分は「木」になり、木性過多は父親縁いまひとつ。 作風や発言の端々から父親の存在が感じられないことを付け加えておきたい。 年干支の「雨丑」は、和合性が乏しく、孤独を好む。 好き嫌いが顕著で、敵が多く組織に向かず、老成した雰囲気。 月干支の「雨亥」は、人目のつかない場所や分野で本領を発揮する。 用心深い小心者でもある。 そして日干支の「宝亥」は、天性の第六感を持つ閃き顕著な人。 ゼロから何かを生みだす創造力の持ち主で、 「宝」の中でも最も完成された宝石は、まさに貴石。 干支番号構成は、50-60-48と北方のみの極めてクールな世界。 ハードボイルドでもある。 後天運は、初旬「1歳海戌」は、DNA「調」の偏り。 女性的感性が際立ち、女性の好むようなものを愛でる趣向。 90歳までは何をしても目立つターボ運(子丑天冲殺廻り)で、 存在じたいが神がかり的となる。 2旬「11歳宝酉」は、DNA「貫」で守り。 芸術志向はさらに強くなるが、衝突もあるため、傷つきやすくなっている。 3旬「21歳鉄申」は、DNA「石」の害。 ただでさえ自意識過剰気味なのに、協調性和合性に難のある裏切りは、 周囲と馴染むわけもなく、大学も卒業せず、 ごくごく普通の就職もすることなく、危険な自由人となる。 4旬「31歳畑未」は、年干支「雨丑」の天剋地冲を伴う 宿命に所有する守護神DNA「龍」で、 月支と日支の「亥」の半会で結果もだせた為デビュー。仕事面の大逆転である。 現在の5旬「41歳山午」は、DNA「玉」の落ち着きのある 宿命にはない、頼りがいのある守護神。 年干と月干の「雨」と干合すれば、 10年運は「陽」に年干と月干は「灯」になり、 宿命にない火性に照らされ、話題になりつつある。 進み行く世界や目的、仕事相手や目下の変化にゆれるものだが、 干合後の10年運「陽」と日干「宝」がさらに干合すれば、 日干は「雨」になるため、自分が変わりきることが出来れば、 年干も月干も日干も「雨」になる水性天干一気が完成し、 智力がさらに磨かれることになり、 その勢いは目上ばかりか世界を吹き飛ばすほどのうねりにもなる。 この時、年支「丑」に月支と日支の「亥」の地支水性一気まで加味すれば、 宿命全体が水流と化し、氾濫した河川が洪水のようにもなるが、 その勢いにまかせて創作力を磨くことが出来れば、大いに注目に値するだろう。 今後は6旬「51歳灯巳」が、年支「丑」の半会を伴う 月干支「雨亥」と日干支「宝亥」のありえない火性の天剋地冲で、 仕事運が拡大するにつれ、その立場ばかりか存在そのものが 何かの力により、180度転換するような事態になれば、 DNA「車」は、危険そのものなので、 自爆して跡形もなくなるか、とてつもない光に突如照らされるようになる。 7旬「61歳陽辰」は、DNA「牽」でズバリ輝き。 似つかわしくないような、本物っぽい栄誉が与えられるか、 耐えきれずに不名誉になるかは生き方次第。変人の極みになれば良し。 ありえない異性の気や、読者の後押しにより、 干合水性天干一気が成立するので、 地支も水性のため、全水性格的になり、 集中力際立つ作品により、とてつもない問題提議をして、 目立つか孤立しかねないかいずれか。 8旬「71歳草卯」は、晩年のDNA「禄」の10年運天冲殺で、 金銭物質運が突如増大するが、年老いてのものなので消化不良気味。 感謝や奉仕で、放出できねば、命に関わるので、 「司」主導が自分だけのものにしないか試されるのである。 さて、この生年月日は、宮城県気仙沼市出身の手品師のマギー審司と同一。 向こうは推奨できない結婚をして、子供も三人いる。 「司」主導だから、家族がいるのは励みになろうが、何が幸せかは別物。 とはいえマギーは遊びを全力で芸に変え、家庭まで持っているが、 中村は、孤独にしか見えない。だったら、もっと仕事しろよ〜(笑)。 さて、蟻塚の話に戻ろう。 上司も部下も、それなりに仕事ができる女性の描き方は絶妙だし、 根底に流れる考え方も賛同できるものだ。 かつて元気な頃の養父に言わせている。 「蟻っていうのはな、こんなに小さくても、 この地上で大切な役割を担っているんだ。 もし蟻がいなくなったら、この世界は生き物の死骸だらけになる。 それだけじゃない。色々な生き物の生き死ににもかかわっているんだ」と、 これは刑事、否人間としての心構え。 世のため人のために役立つのが公僕だし、 「司」主導の真骨頂ということであろう。 正義に立ち向かう刑事ドラマに憧れて警察官になる者も多いだろう。 「悪者は許さない」と言いながら身内の不祥事には目をつむる。 そんな無数の国家権力を笠に着た白蟻のなかにあっても 勤勉な黒蟻になれと、中村は冷静に結論を導く。 とはいえ、そここそは中村にも通じる。 いくら「鳳」×3もあろうと、多趣味では、 磨くことが望まれる「宝」でも脱線気味。 文章を編むという伝達する行為を生業としている限り、 若くはないのだから、これからはそこのみに生きてほしい。 そう願うばかりだ★ |
■2017年09月09日(土)畑亥 |
西村健○バスを待つ男で味をだす |
○96年(陽子)のDNA「調」の支合年に「ビンゴ」で、 第15回日本冒険小説協会大賞(特別部門大賞)受賞、 05年(草酉)のDNA「貫」の大半会三合会局年に「劫火」で、 第24回日本冒険小説協会大賞(国内部門)受賞、 10年(鉄寅)のDNA「牽」年に「残火」で、 第29回日本冒険小説協会大賞(国内部門)受賞、 11年(宝卯)のDNA「車」年に「地の底のヤマ」で、 第30回日本冒険小説協会大賞(国内部門)受賞、 そして第33回吉川英治文学新人賞受賞、 14年(木午)のDNA「石」の害年には「ヤマの疾風」で、 第16回大藪春彦賞受賞するなど、近年目覚ましい活動をしている 西村健(65-0711/草丑※)の『バスを待つ男』が、 02月10日(山辰)のDNA「司」日に上梓され、 主導DNA「鳳」年らしく(10年運も鳳)、好評だ。 元警視庁捜査第一課刑事の主人公は、定年退職して10年。 数年前には交通安全協会も辞め、悠々自適のはずだが、 仕事が趣味のような人間には、それが苦痛でならない。 一人娘を10歳で交通事故で亡くして孫もおらず、時間はありあまるほどある。 妻はかつての悲劇から立ち直り、 近所の主婦をあつめた料理教室が好調で、男には居場所がない。 そんな折り、妻に薦められたのが、東京都シルバーパスを使ったバス旅。 都電と都営地下鉄は例外として、最寄り駅の錦糸町バスターミナルから バスだけを使って、あちこちを移動する。 それは在職中に仕事で歩き回った場所だったり、 娘をひき殺した男の居場所だったり、 迷宮入りした事件の現場巡りだったりする。 錦糸町から赤羽、池袋、北品川、青梅、三鷹など東京の各地を巡りながら、 謎と事件を追う展開になるのだが、 バス停で何かを待つ男、神社の狐の前掛けの意味、 和菓子屋に通う謎の外国人、女子高生に届けられる花の意味、 殺人鬼が逃げた理由、ミステリー作家の死の真相等々。 これだけは種明かしをお許し願いたいが、 解決するのは、家で待つ麗しき賢い妻。 それは、ホームズにワトソンなんていうものではなく、 出来すぎだよ〜という、100%完全解決する書斎派の巨匠、 あるいは完全無欠のクイズ番組の回答者みたいな出来栄え(笑)。 迷宮入りした事件なんぞは、当時から相談しろよとも 思わずツッコミたくなるが、そんな捜査情報は妻にも明かせぬわけか。 出だしは、あまりにもスローな展開に、眠くなりかけたが、 頁を追う事に、作家の技ともいうべきか、 妻の聡明さに息も付けないほどになり、 男の愚かさを浮き彫りにするかのようにみえて、 女と男の人間としての役割の違いに唖然とする。 謎解きの面白さと手軽な旅の魅力が融合した、 大人のための散歩ミステリーともいうべき軽快なのに重厚な話。 途中、知り合った同好の士や、元同僚に、 実際事件を解決しているのは妻だとなかなか打ち明けられぬまま、 老引退刑事がプライドも捨てて悩み抜くのが滑稽でもあるが、 計算されながらも風流で癖のない文章にも好感がもてる良品。 新しい夫婦愛の形を見たことにしておきたい。 福岡県福岡市生まれ。父親は開業医で、71年(宝亥)のDNA「車」年よりは、 三池炭鉱のある福岡県大牟田市で育ち、 DNA「車」の条件なし天冲殺の夢の中での移住だったので、 学校では虐められ、家で本を読んでばかりだったという。 真面目な上に、勉強は守護神方向なものだから、 ラ・サール高等学校を経て、東京大学工学部を卒業。 大学在学中より、新宿ゴールデン街で、守護神にあたる 故.内藤陳(36-0918/雨卯)が経営する酒場「深夜プラス1」に通い始め、 卒業後、労働省(現・厚生労働省)に入省するも、 92年(海申)に4年で退職してフリーライターになった西村は、 DNA「鳳」の豊かな趣味を冷静に料理可能な人物。 人情はあっても、一切偏ることなく、淡々とした生き方。 「鳳+司」は、夏の暑さにも刑事の過酷な捜査にも堪え忍ぶ。 実際、内藤にも手厳しく育てられたらしい。 「鳳+龍」は、内面の葛藤が激しく、新たな道を開拓する人。 才能は、この「龍」で、まさに探究心。 庶民的な創造力で、フットワークに良く、裏読みもする。 刑事には向くのかもしれない。 「鳳+貫」は、見たように表面温厚で、焦ることなく時代の波に乗るのも下手。 「草+鳳+未月」は、子供のような汚れていない発想。 子煩悩でも子はいなかったりと矛盾もあり、 「巳」年生まれ「草丑」は、スケールの大きな人生である。 伴星は「牽」で、自分に厳しく、裏方裏技を駆使。 洩星は「龍」で、故郷離れて一人で、 (器用ではないのを見抜かれ父親からは兼業医師を禁じられた) 導星は「司」で、自分の意志。なんだかんだといって、 刑事も妻の助言ありきとはいえ、自分の意志で事件を解決したわけだ。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の草花で、 雨または川や霧の恵みさえあれば、美しい花を咲かすので、 月干にその「雨」がある上格。これはDNA「龍」なので、学びの精神。 向学心こそが守護神なので、東京大学に行けたと見る。 特に未来に何をするか、目標は何かがあると強味を発揮するが、 この「雨」が干合される「山」が嫌気となり、 その心はDNA「司」なので、地味なりケチなりは似合わない。 真面目に仕事をするのはともかく、味のないものでは、 「雨」が土砂に埋もれ、自身も枯れ果てる。 年干と日干の同一ばかりか大半会になっているので、 本来は社会と一定の関わりを持ちながら、人生経験を積んでの 兼業作家が似合うのだが、それを良しとしなかったのは、 生来の怠け癖かもしれない(笑)。 ただ、これは後述する後天運にもよるものもあり、 宿命冲殺ではなく、一概に否定はできない。 総エネルギー270点は、それなりで申し分ないだろうが、 木性63点で自身も夏生まれのわりには群生してこその身強。 だからこその「深夜プラス1」なのだろうが、 あいにく主導するとはいえ、DNA「鳳」の遊興・趣味の酒は、 夏生まれにとっては忌み神方向。 作品内でも、とりあえず男同士で一杯というシーンも 度々でてくくるが、そんなことより料理や甘味好きの女性陣のほうが、 事件を解決してしまうのだから、情けない(笑)。 年干支の「草巳」は、究極の恋愛体質だったり完全無欠主義者。 あるいは理想の相手と一緒になりたいと願う心。 月干支の「雨未」は、生真面目にもなるが、 異性への興味は人並み以上で、色恋で躓きやすい。 とはいえ日干支の「草丑」は、派手な冒険を好まない真面目人間で、 良き人柄が、西村からも作中人物からもしのばれる。 原則は性善説なのであろう。 干支番号構成は、42-20-02で、西方南方東方を結ぶそれなりの領域。 北方欠けだけに、力強さは感じないものの、悪くはない。 後天運は、初旬「1歳海午」が、DNA「玉」の害。 守護神なので、ありがた迷惑。 父親には「おまえは医者に向かない。なるな。 愛想が悪いから、患者さんに受けない」と言われたり、 はたまた、幼稚園でも小学校でも、害の影響でイジメられ、 家に逃げ帰るようにして読書にふけったのは、 静かな環境に救いを求めたということだし、 勉強が出来れば、そういう次元とは違うところで生きられると、 勉強にも精が出たはずだ。 2旬「11歳宝巳」は、DNA「車」の半会。 まるでスポーツにたしなむように、単純な理由で勉学に励み、 東大に進学も、学生時代の作家デビューは、 「鳳」主導だけに、忌み神の酒に明け暮れ挫折。 3旬「21歳鉄辰」は、DNA「牽」で労働省(現在は厚生労働省)入省も、 国会対応に追われ小説どころではなく、 (草が鉄の10年運に追い回されたからね) 4年後の92年(海申)のDNA「玉」年に辞めてしまい フリーライターに転じ小説を書く。 4旬「31歳畑卯」のDNA「禄」の引力本能年で、デビュー。 大半会を持ち合う守護神方向の師匠の内藤陳を喜ばせた。 5旬「41歳山寅」は、DNA「司」の実績づくり。 それこそ精力的に「山」のように一生懸命頑張った。 進み行く方向である月干が、干合で「灯」にもなり、 救いは失せたが、熱く濃い主導DNA方向なのに、 より風流さも醸しだすようになる。 現在の6旬「51歳灯丑」は、主導DNA「灯」は自己確立で、 我が意を得たりで、本当の自分の持ち味を知り、 作家西村の完成へと向かっている。 今後は7旬「61歳陽子」が、DNA「調」の支合。 いよいよ主人公は女性か、はたまた老婦人(笑)。 いずれにしても独創的な女性の登場は間違いない。 8旬「71歳草亥」は、DNA「貫」の守るはずなのに、 晩年でも一筋縄で行かぬも上がり下がりがあるが、 流れに乗ってしまえば、一気に著作のグレードが上がるようになる。 そして感謝を避けられるの時期になる。 さて、子供を失ったリタイア刑事が、 あらためて妻の聡明さに気づく話だったが、 子供が事故の犠牲になったということは、 むろん夫婦の出会いなり、相性にも問題はありそうだが、 それにはあえて触れていないので謎。 しかし、事故や事件の被害者家族になるということは、 自分や先祖が、やむを得ない事情だろうと、 一般人に何らかの過失を与えてしまった因縁かもしれない。 なぜ、子供が一人だったのか、あるいはもう一度作ろうとは思わなかったのか、 刑事という職業上、恵まれぬ子供をもらい受けるなりの 社会貢献は出来なかったのかななど疑問は多々湧いてくるが、 そういう設定なのだからとされてしまえば、 初旬害を経験している西村なので妙に納得しまう。 「警察にだって苛めはあった。普段は正義の味方面しているが裏を返せば、 人間は弱い。だから自分より弱い者を探す・・・」に、 娘が第三者に抹殺されてしまうような原因は、あったろう。 とはいえ、都バスについては、ただ乗るだけの愚にもつかない 学者もどきの駄作を読まされたので、口直しには悪くなかったが、 青梅行きのバスは、現在は花小金井始発でも、 その昔は阿佐ヶ谷からでていたことくらいは、 調べればわかるだろうに、それだけが残念☆ |
■2017年09月12日(火)海寅 |
沼田真佑○影裏には薄汚れた雑草根性の開き直り |
○第122回文學界新人賞(17-0315/宝丑)ばかりか、 第157回芥川龍之介賞(17-0719/灯未)を巷の予想とは別に、 番狂わせのような雰囲気のなかで、まんまと受賞し、 07月30日(山午)の主導DNA「司」の害日にそれらしく上梓された 沼田真佑(78-1030/草丑)の『影 裏』を解説したい。 受賞作は、30代らしき医薬品を扱う企業の岩手支店に勤める 独身一人住まい会社員男性の目を通し、 元同僚といえども立場は出向者である本人と、 現地採用者である友人(性同一性障害者)と感じていた 男性のもうひとつ別の姿を描く。 初めて会話した内容はおろか、その印象すら忘れてしまっている 釣り仲間で心を通じ合っていた友人と思っていた相手が、 何の前触れもなく転職してしまい、人が変わったようになってしまった。 東日本大震災をきっかけに、友人の意外な一面が明らかになってくるのだが、 「だからそれがどうなのだ」という著者の強烈なメッセージはなく、 老成したやるせなさには、覇気のなさしか感じず、 これをして「品格があり、達意の文章だ。」とか、 「新人にしては相当に達者な文章で綴られる清冽な風景と魅力的な釣りの描写」 「派手さは皆無だが、行間を読ませる術に長けている。」 という選評以前に、なぜ3.11かという意味が 見いだせない陳腐極まりない話で、共感できる部分はいささか乏しい。 北海道小樽市出身で、西南学院大学商学部を卒業後は、 塾講師になり、12年(海辰)の月干支「海戌」の納音年だった DNA「玉」年から、樹木が豊富な実家のある岩手県盛岡市在住で、 こちらでも塾講師をしているという沼田は、 DNA「司」冲殺主導で、一見地味そうに見えるが、 地道さはなく、一般的には不真面目で、 ひとつの仕事など持続出来ない堪え性なし。 「司冲+鳳」は、一人または少人数で集い遊興に浸る。 「司冲+禄」は、自制心ばかり働かせ燃焼効率が優れず。 「司冲+司」は、どんよりして殆ど心の奥底を他人に見せないが、 限定された手法で伝えようとはする。 「司冲+玉」は、生活のためには少々窮屈な生き方をする。 気が進まなくても、楽ならば実家にも舞い戻る。 そのあたりは「草」の利点でもありか。 才能は、この「玉」で静かな老人クサさ。 飽きっぽいくせに凝り性で、あれもこれもできずに、 静かな環境に、自己をおいておきたい性癖。 「草+司冲+戌月」は、妙な計画はあるが金で失敗。 「午」年生まれ「草丑」は、スケールだけは大きくなる人生。 伴星は「龍」で、常に変化を求める。作家に見切りだってつけるかも。 洩星は「鳳」で、なし崩し。 洩星は「司」で、自分の気持ち次第。 宿命の特長は、晩秋午後八時頃の海岸沿いにそびえ立つ山に、 はびこる下草で、塩水の脅威にさらされながら、地熱の暖気で辛うじて棲息。 山が険しいぶん、そうそう目立つことはなく、 ごくたまにしか花を咲かせることもなく、 酔狂な通行人も多くはないので、普段は気配を消している。 年支「午」VS日支「丑」の害は、どこか病的で表裏あり。 持続力もないので、日常的にへらへらと笑ったふりをしているしかない。 とはいっても、年支「午」VS月支「戌」の半会は、 守護神火性の威力を増強し、妙な自信が芽生え、 やる気だけはあるのだが、信用するには値しない。 年干支「山午」は、無言で不気味。諦めも見極めもよく迷いなし。 月干支「海戌」は、挑戦する気持ちが強い冒険者も、好調期はせいぜい三年。 そして日干支の「草丑」は、物事に淡々と向かう慎重真面目人間。 干支番号構成は、55-59-02と北方と東方のごく限られた領域で、 幅広い活躍を望まれるのは、少々酷かも知れず。 後天運は、初旬「3歳雨亥」がDNA「龍」の10年運天冲殺で、 年干「山」を干合させれば、守護神「陽」になり、 10年運は「灯」にもなるので、親の仕事や考え次第で、 恵まれることもその逆もあったろうが、落ち着かないことで、 かえって探究心は植えつけられた模様。 2旬「13歳木子」は、DNA「石」の並行移動もあるが、 年支「午」VS日支「子」の害切れで、 妥協だろうと何だろうと動きたいから動いた。 父親の転勤により福岡へというものだろう。 3旬「23歳草丑」は、律音でDNA「貫」の守り。 この10年は集中することにより濃密になる節目。 年支「午」の害で、なかなか前進出来ず。 正業につかず塾講師で糊口をしのぐも、 この時分から小説を書き始めていたという。 現在の4旬「33歳陽寅」は、年支「午」と月支「戌」のからむ DNA「調」の独創的生き方奨励の守護神三合会局で、 救いが一気に増えてきたところで、東日本大震災以後、 両親が移り住んだ盛岡に、陰の木性らしく寄生し小説を書き上げ、 処女作とも言える作品にもかかわらず芥川賞を受賞した。 この後の5旬「43歳灯卯」は、DNA「鳳」の守護神ながら、 前旬ほどの勢いはなくなっているが救いはあり。 とはいえ、忌み神月干「海」が干合により「木」になれば、 旧い土地なり両親との同居は解消したりなどあろうと、 目的なり方向性の変化が生じれば、 月干が「木」に、10年運は「草」になり、埋もれてしまう可能性もあり。 あまり密着せず距離を置いて使用しないと後半は厳しい。 6旬「53歳山辰」は、DNA「司」の主導DNAで自己確立。 とはいえ生真面目に生きるわけではなく、 地味ながら浪費したりしすぎれば、 芥川賞作家の栄光は瓦解する(月干支の天剋地冲は立場なし)。 7旬「63歳畑巳」は、DNA「禄」の感謝と奉仕の結果。 過去の名声を切り売りできるなら何でもやれば、 相応の評価がくだされようが、話題というほどでもなし。 7旬「73歳鉄午」は、干合支害でDNA「牽」の不名誉。 芥川賞作家としての権威を失墜させかねない 事件に巻き込まれたり、何かの騒動を起こして恥ずかしい晩年。 さて、あの受賞から少々の時間が経過し、地味なDNA成分だけあり、 いくら純文学だからと呪文のように唱えても、 すっかり熱も冷めてしまい、改めて解説する元気が失せるほど、 感動も感銘も意義も見いだせぬ作品だった。 今一度記すが、本当に東日本大震災を関連づけて評価する必然などあるものか。 しかも、それこそ唐突に性同一性障害適合手術後の相手の声が 電話口から聞こえてきたりして、不潔ではないが、清潔感はない。 そんな旧知が被災していったんは消えた。 残ったのは偽造した経歴と、縁をきったはずの父親。 そして、営業休止した銀行のATM犯人達の写真。 選考委員は最もらしく喧嘩のような経緯だったような発言も聞こえてきたが、 ようは、沼田も今村も同じく、年支VS日支害持ちの表裏人間で、明るくない。 だからレベルの低い争いだったかというと微妙で、 NONSTYLEの石田明と同一生年月日で、恐ろしく危うい クセのある子丑天冲殺の今村より、 一見素直そうに見える戌亥天冲殺の沼田の違いと、 今村の後天運が「35歳木戌」の際だった動きをせねば稼働しない 特別条件付10年運天冲殺だったのに比して、 沼田は守護神三合会局10年運を生月冲殺が加速させたのと、 当日の「灯」月「灯」日「灯」日のトリプル「灯」重なりが、 今村の守護神半会日の真っ当な成果になるものを、 沼田の守護神害切れ対冲日という毒がかえって弾けたほうを応援しただけ。 受賞までは今村の生年月日は判明しており、順当ならと予測できたが、 受賞後に沼田のデータが明かされてしまえば、それはそれで納得したが、 巷間に伝わるほどの熱気は実際はなく 沼田はこの先、輝かしく売れ続けたりはしない。 なのにDNA「石」日だった08月25日(木申)の授賞式では、 「自分は絵に描いたような若輩者ですが、方針が一つだけあります。 それは、(今後も)『質素に暮らす』ということです」と 宣言していたが、だって売れないからね。 でも、表裏あり害持ちの生月冲殺の発言なんて信用できん。 リップサービスだからさ。 それより、あの日だけ、委員が浮かれさせられただけなのかも☆ |
■2017年09月14日(木)木辰 |
佐野徹夜○君は月夜に光り輝くの圧倒的濃厚青春力 |
○16年(陽申)のDNA「禄」の守護神年の 10月07日(海戌)のDNA「貫」の天冲殺日に、4.878作品のなかから、 二作同時受賞ながら、第23回「電撃小説大賞」を受賞した (選考に関わる全ての人の心を震わせた) 佐野徹夜(87-0123/海申)の、死に直面した高校の同級生の話である 『君 は 月 夜 に 光 り 輝 く』が、 02月25日(雨未)のDNA「石」日に上梓され、 02月(海寅)の読者メーターでは、「読みたい本ランキング文庫部門」で 「日間・週間・月間」のトリプル第一位を獲得し、 09月(畑酉)の主導DNA「牽」月を迎えて 新宿駅には次回作『この世界にiをこめて』と共に 電飾広告が掲載されるなど いまなお、注目され続けている(異例の20万部突破)ので解説する。 15歳で車に轢かれてこの世を去った大切な姉の死から、 どこかなげやりに生きてる僕。 高校生になった僕のクラスには「発光病」で入院したままの少女がいた。 月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、 死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。 ひょんなことからクラス代表でお見舞いに行くことになった僕は、 余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知ってしまう。 「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」。 けっこうな額の入った預金通帳とキャッシュカードを渡され (お年玉が貯まりに貯まったらしい) 最初は「アーモンドクラッシュのポッキー」を買ってくることだったが、 その後は、もう無茶ぶりの修行のようなもの。 一人でTDLみたいなテーマパークに行かされたかと思えば、 ガラケー使用の彼女の代わりに最新のスマホを手に入れるため徹夜で並び、 バンジージャンプを体験し、メイド喫茶でバイトし(幸い厨房だったけど)、 亀を飼育したり、バッティングセンターでホームランを打ち、 クラブで踊り、文化祭の出し物で、女装のジュリエット役をさせられ、 (ロミオとジュリエットの)3時間かけて、彼女の父親に会いに行く。 (借金をかかえているのに、彼女の治療費を捻出するため偽装離婚中らしい) この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた――。 もちろん最後は、恋人にまでなる。 「好き」と言って、その14日後に彼女は亡くなってしまうけど。 今を生きる全ての人に届けたいと、著者が語る 心に染みわたる、純粋で美しい限りの愛の物語で、 じわじわと気づいたら泣けてしまう作者の青春の記憶だ。 姉と同じように死んでしまうのではないかと心配する親を尻目に、 始めは因縁ある同級生に代役を頼まれただけだったのに、 (姉の恋人の弟だけど、往年の日活映画の兄弟みたいに見える・・・) いつしか二人は恋に落ちていた。姉は何故死なねばならなかったのか。 残された僕に課せられた役割は・・・・。 火性年から土性年の感動の出会いは、これで決まり。 京都府内の出身で、同志社大学文学部を卒業。 一時は東京で会社勤めをしていたが、寮住まいで自堕落な生活を送り、 どうしても小説を書きたくて一念発起して退職をして、 見事に専業作家の道を手に入れた。(大丈夫だろうか・・) よく徹夜しているからというペンネームなのだが (健康に悪いので)最近は「早寝早起きに直したい」と 発信している佐野はDNA「牽」主導で、形から入る人で、まず発光病ありき。 自己陶酔しやすく、変化球を好む。 また、京都人なのに、全編京都を感じさせず、 そこは全国区を意識しており、ローカル色を感じさせない 無国籍な場所は格好つけしいなんだろう。 「牽+鳳」は、理知的で誠実も気分屋である。 才能は表に見せている、この「鳳」で豊かなで重厚な表現力。 「牽+龍」は、芸術世界で小技を繰り出す。 「牽+禄」は、折り目正しく社会常識あり。サラリーマンとして充分機能する。 「牽+玉」は、用心深いくせに、時に無謀な冒険もしたい。 「海+牽+丑月」は、本人なりのマニュアル的発想。 「寅」年生まれ「海申」は、生きることに矛盾なし。 伴星は「玉」で、勉強熱心。 洩星は「禄」で、誰かにそそのかされる。書くことを薦めた人がいる。 導星は「龍」で、次の作品の構想は練っている。 宿命の特長は、晩冬深夜二時頃の「海」ながら、 まるで白夜だったかのように、陽光が輝いているように見えるが、 それも束の間、目を凝らしてみれば、冷たい「雨」が降り、 その向こう側には、時折光は見えるが、表向きは似たような「海」がある景色。 集中すれば、年干「陽」と月干「宝」の干合により、 年干は「海」に月干は「雨」になる水性天干一気になるが、 さすがに何でもありの知識の宝庫になっても、 肝心要の暖かみは一瞬にして失せて、良さを見いだせなくなる。 雪だって降るかもしれないから、そりゃスノードームだって似合う。 編集者やファンなどに左右されすぎると、 救いが失せるので、緩い気持ちで創作に励むべきだし、 年干支「陽寅」VS日干支「海申」の天剋地冲は、仕事をしている限り、 迷惑をかけたり脚を引っ張られる懸念大なので、 大変なことはあろうが、専業宣言などせずに、 本業を持ちながら、世を忍ぶ仮の姿で、作家でいたほうが安全には違いない。 総エネルギー232点中自身の水性61点に、 想像力の金性59点、稼働力の土性52点は評価出来ても、 木性22点の表現力はおぼつかないし、火性38点も経済が立ち行かぬ恐れ。 「仕事はその人が選択することの出来る問題です」と 言いながらも、ようは京都生まれのハミダシ運の戌亥天冲殺が、 実家住まいで、デビュー作は大成功も、このまま順調にとはいくまい。 退職したのは後悔するに違いない。 ちなみに守護神は、光輝く「陽光」で年干にあり仕事なのだが、 上記天剋地冲の関係でもあり、身を細めることにもなる。 しかし「光る病」とは、この人らしい設定であるのは間違いなく、 ことさら美しくしているのは、それが守護神だからだ。 年干支の「陽寅」は、ぬかりのない性分で器用貧乏の恐れ。 月干支の「宝丑」は、飾り気ないユーモアは人をなごます質も、 金銭物質にこだわり、成功もあるが失敗もしやすい。 そして日干支の「海申」は、お気楽。 尻に火がつかないと動けないのか、 社会にでて様々な体験しながら創造力を発揮するが、 向上心あっても遅咲きでエンジンのかかりが遅い。 干支番号構成は、03-38-09で東方2点と西方を結ぶ存外鋭角的な領域。 そこまで振り幅は期待できぬかも知れない。 後天運は初旬「4歳海寅」は、DNA「貫」の殻に閉じこもる。 日干支「海申」は納音され、月干支と干合した年干支「海寅」は律音なので、 ダブルで初旬条件が発生し、稼働すれば通常人の3倍ほどの成功運型となる。 もちろん干合水性天干一気も強化され、深い「海」にはなっている。 2旬「14歳雨卯」は、DNA「石」で年支「寅」と月支「丑」の 隙間を埋める変則方三位で、妥協しながら情けない大学生活。 ロクに就活もしなかったわりには、 おそらくは年運の守護神天冲殺の勢いと舌先三寸で就職。 3旬「24歳木辰」は、DNA「鳳」の半会で、邪な気持ち潰えて、 仕事を持続させることなく、色々理由をつけて失速。 集中して執筆したいは方便。 デビューは出来たが、フリーターの身で実家依存が、 戌亥天冲殺にありがたいとはいえず、 一過性の楽を使用しても、この先持続していくことは難あり。 今後は4旬「34歳草巳」は、DNA「調」の偏り。 年支「寅」の害もあり、なかなか進めず。フリーターに逆戻りとは言わぬが、 よほどの独創的感性で異彩を放たねばもたない。 5旬「44歳陽午」は、年干支「陽寅」の大半会を伴う DNA「禄」の守護神も、月干支「宝丑」の干合支害で、 方向性を著しく変化させたり、母親の介入などで苦難。 6旬「54歳灯未」は、月干支「宝丑」の天剋地冲を伴う干合で、 DNA「司」は、さすがに大真面目に生きないと、立ち行かず。 7旬「64歳山申」は、DNA「車」で忙しなく働かされる。 8旬「74歳畑酉」は、DNA「牽」の主導DNAで、ようやく自己確立。 さて、京都生まれ京都在住ながら、 京都を全く感じさせない作風は、売る分には楽かもしれない。 そこは戌亥天冲殺らしく、動機はともかくとして、 大学卒業後に上京して、東京の企業に勤務経験があるからだろう。 そして、存分に遊び尽くし、それは今作にも活かされている。 では、なぜ今京都の実家にいるか。 テキトーな就職をし世間をなめてかかり自堕落な生活を送っていたが、 ある日かつては自分が救われた親友が自死し、 救えなかったことに失望して、小説を書くことを決意したから。 もちろん退職後、貯金を取り崩し失業保険で一年間は東京にいたらしいが、 さすがに続かず、自宅に戻ったことになる。 これは、主人公の母親が死んだ姉のように、 主人公も死ぬのではないかと思われたこと。 中原中也(1907-0429/山申)の「春日狂想」の 「愛するものが死んだ時には、自殺しなきゃあなりません・・・」が、 効果的に引用されているのだが、(今年は中也生誕110年!) 「海」である佐野の「陽申」年生まれの母親(56-XXXX)成分は金性の「宝」。 これは月干という近いところにあり、何かとお節介な関係で、 息子の交際相手に自分の婚約記念宝飾品を気軽に渡してしまうような人(笑)。 また、「鉄寅」年生まれの父親(50-XXXX)は、 息子が自分と同じ「同志社中学校を転校したくない」と言ったため、 (その後苛めにあったので本人は後悔しているようだ。 DNA「龍」年の自己発揮だからね) 00年(鉄辰)には、ある会社の東京栄転を断っているのだが、 (その後TV制作会社の技術職勤務となる)、 母親が「宝」なので、この干合成分は「陽」になるので、 これは年干に輝く守護神。 つまり、年干に父親成分、月干に母親成分があるため、 すんなり溺愛されていたようなので、ごく自然な流れ。 それで、干合が効けば、水性天干一気という目立つ宿命にはなるのだが、 作家になるとかいいながらフリーターをやっていた時期もあり、 親にとってはとんでもない存在。 むろん、親と一体化してしまえば、年干の守護神「陽」も使いづらく、 創作意欲の「宝」も同様に迷惑なものになるので、 京都府下と思われる風景の実家に、いつまでもいては、 作家として末永く成功など出来ないのだ。 そんな佐野も、10年運「14歳雨卯」の妥協・屈辱という背景だったのに、 実家にいるのが息苦しくなり一人暮らしをしている。 それが、こともあろうに、守護神とはいえ07年(灯亥)の 60年に一度の干合支害天冲殺なんだから、始末に終えない。 しかもそこには伏線があり、これまた06年(陽戌)の守護神条件なし天冲殺に、 留学してきた5歳年上の韓国人と日本人のハーフで 英語日本語が堪能のミョンちゃんとかいう女性と知り合い、 一人暮らしを始めた07年(灯亥)から交際し、散々振りまわされるのだが、 むろん60年に一度異性に騙される夢の中なので、 本人にとっては苦しく煩わしいだけで、どうにもならず、 しかも、夢からさめているのに、主導DNA「牽」年だった09年(畑丑)からは、 東京へ行った彼女を追って、就職を(東京で)したのだから話にならない。 その後も事あるごとに、酷い目に遭い、 実家に戻っても押しかけられたりと、ただのおバカ(笑)。 そんななか、かつて自分を苛めから救ってくれた親友ともいえる 浪人して未だ大学生だった友人が自死したのに、 「社会に出たら小林秀雄なんて無意味だ。お前も就職したらわかるよ」と 軽い対応で死なせてしまったことを悔やんでいる。 会社を辞める時も「いつも明るくて毎日生きてるの楽しそうですよね」と 同僚女性に言われているが、そこはお気楽な「海申」の憎めないところ。 とはいえ、ろくでもない女性に費やした時間は相応に長く、 それがデビューを遅らせた原因のひとつ。 そんな佐野も、来年(18年/山戌)とさ来年(19年/畑亥)は、 今度は稼働力が制御される夢の中を迎える。 しかもさ来年は主導DNA「牽」の害年でもあり、不名誉。 あまりにも調子に乗りすぎて、また落とし穴に落ちれば、 今の10年運「24歳木辰」は、DNA「鳳」の遊び。 豊かな創造力を活かせるなら良いが、これまでの生き方を鑑みれば怪しい。 10月25日(草酉)のDNA「調」日には、 新刊『この世界にiをこめて』がでると、はしゃいでいるが、 中途半端に売れて、エラソーになってふんぞり返るのは危険。 佐野は「この世界は、理不尽で、辛くて、酷いことに満ち溢れています」 なんて書いているが、自然界に応援されて、試されている時に、 無茶をせねば、満更でもないぞ。 でも、また痛い目に遭えば、それは作家活動の肥やしにはなるが、 さて芸人でもないのだから、本来は避けてとおりたいところだ。試されるね☆ |
■2017年09月16日(土)陽午 |
北大路公子○流されるにもホドがある キミコ流行漂流記の無謀 |
○北海道札幌市を拠点にフリーライターとして活動し、 90年(鉄午)のDNA「牽」の干合年に応募し、 ありえない火性のDNA「鳳」の守護神半会日に決定した 学研主宰の女流文学新人賞第3回フェミナ賞(91-0117/灯亥)を 「上正路理砂」名義の「やがて伝説がうまれる」で受賞。 その後10年の沈黙後の01年(宝巳)の主導DNA「車」年より、 「モヘジ」のハンドルネームでウェブ日記「なにがなにやら」を書き始め、 地方都市で両親と実家暮らしの、酒好きの独身女性という立場からの おかしみのある筆致が評判を呼び、05年(草酉)の納音年に 「枕もとに靴 ああ無情の泥酔日記」でデビュー。 またそれにあたって「北大路」は本名のニュアンスを残し、 「公子」は当時北海道に移転してきたばかりだった 北海道日本ハムファイターズに由来する筆名を与えられ、 06年(陽戌)のありえない守護神支合年より 「サンデー毎日」でエッセイを連載し 注目を浴びるようになり史上最弱昼酒ライターを自称する 北大路公子(63-0909/草卯)の 『流されるにもホドがあるキミコ流行漂流記』が、 06月15日(雨酉)のDNA「龍」の対冲日に上梓された。 同作は、WEBマガジン「ジェイ・ノベル プラス」の 14年(木午)の06月16日(山午)から17年(灯酉)02月14日(海申)に配信された 連載「このページは現在作成中です」に、 「つづき」や「その後」が、加筆修正された文庫オリジナル版で、 好きなものは、おビールとお相撲とウニ蟹で、 平和と安定のみを好むはずのキミコが、 まったく興味のない「流行」に挑まされたあげく、のたうちまわる。 人気アプリに触発された感涙の人情話「縁側日記」、某流行ランキングに従い、 北陸新幹線に乗り金沢を目指す旅行記「いい日カニたち」、 かの名作に想を得た物語「走れハロウィン」、 北海道の土産についての考察と試食レポ「道産子土産考」など。 多彩な筆致を堪能できる抱腹絶倒モノで、既に読み終えた人にも、 改めて読ませる努力を惜しみなくかけた力作は、 時期が時期だけに、当然のように、 流されるようで流されないが売りのキミコ節が冴えわたっている。 北海道札幌市白石区生まれ在住で、奈良女子大学文学部で日本文学を専攻し、 卒業後数年で帰郷して、父母と祖母の介護をしながら暮らす北大路は、 DNA「車」主導で、難しいことは考えない単純で危険がいっぱいな人。 体脂肪率が40%だとか言うわりには、反撃は素早く、 ザルでしかない呑兵衛であるのは間違いないが、 正否は別にして、いまどき介護に明け暮れようとする立派な心がけの、 犠牲的本質で、子供時代に偉人伝を読んで 「世の中にはこんなに頑張っている人がたくさんいるのだから、 私は頑張らなくてもいいや」とかいいながら、頑張っている(爆)。 才能も主導するだけに「車」で、一体感のない浮浪者ながら、 さすがに住まいがあれば、楽して冒険が出来ると思い込んでいる 時代整合性はともかく、本能のまま生きられる自由人。 「車+貫」は、気が短くおおむね正直であり、雑だが一本気。 「車」×2、「貫」×2の融通効かぬ頑固体質で不器用の極み。 「車+龍」は、行き当たりばったりで、法則も哲学もなし。 その時その時の気分次第なので、わかりやすくとも予測は不能。 肉親の温情は、何の取り柄にもならぬので、 瞬間的には面白可笑しくても、未来への保証なし。 伴星は「司」で、家庭一丸となってなので、いずれは妹頼りか。 張り合いすぎて難しいかもしれぬが・・・。 洩星は「車」で、わかりやすいゼロ出発。 導星は「貫」で、そうはいっても、たった一人。 長命だと「そして誰もいなくなった」になりかねない。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の雑草(本人は毒花のような愛を持つと吹聴)。 霧にむせぶ特別な一角にはびこるが、時折、花があるように錯覚させられるも、 それは魔術であり幻影だと本人が一番知っている。 本来、故郷に縁のない初代運の子丑天冲殺にもかかわらず、 総エネルギー117点と身弱ばかりか、 土性ゼロ(DNA禄/司なし)の根無し草のうえ、 火性ゼロ(DNA鳳/調なし)の野人のため、 (小学校三年の通知表には投げやりで覇気なしと書かれる始末) とりあえず寝食を確保するために、 甘んじて生地生家に寄生するのは、何とも思わず。 そりゃ「骨以外全部脂肪」みたいな体脂肪率42%にもなるよね。 とはいえ木性の比率は69点と約半分を占めるため 慣れると面白いだろうが、野放図とも言えなくもない変人奇人の類。 (そうはいっても、スマホだろうと猫集めなどやっているようでは気が濁る) 年支と日支の同一(共に卯)は、表裏なく親と同居に対し、 何の抵抗も感じない浅ましさなので、誰も意見は出来ぬだが、 月干支「宝酉」VS日干支「草卯」の天剋地冲は、 存在じたいが誰かに迷惑をかけたり、 生きていくために、犠牲になったり犠牲にしたりしつつ、 実は弱まっていくのだが、いちいち気にする素振りも見せられず。 年干支の「雨卯」は、泡沫で頼りのない依存者。 月干支の「宝酉」は、その気になれば研究熱心も、 実は毒にも薬にもならないわりには、鼻持ちならない面あり。 そして日干支の「草卯」は、鈍くて真面目な部分もあるが、 どこか異性を軽んじるところがあり、眼中にないため、 あえて結婚に対する興味もなく、周囲にその影すら感じなくなる。 干支番号構成は、40-58-53で西方と北方の狭い範囲に棲息し、 流れていくこともあるが、まるで機械のように、元に戻る習性。 狭いから差別化がはかれるのだが、 瞬間的にうける一発芸を繰り出し続けるようでないと、 実際は時代整合性はないので、危うい。 もっとも、それに本人が気づいたら、かえって終わりに近づくので、 黙って観察しておいたほうが良いのかも知れない。 後天運は初旬「10歳海戌」が、DNA「玉」の支合。 忌み神塩濁水ながら、その心は母系に色濃く影響され、 気づいたら生地が自分にとっての聖地というもので、 染みついたものは、拭えないというよりは、 あえて人生そのものを危険にするより、 安全地帯を確保したうえで、冒険に身を投じるという 陰の木性らしい、寄生の魂の洗礼を受けたと思うしかない。 とはいえ「龍」持ちらしくか、 主導DNA「車」年に、関西にまで出ていけたのだろう。 2旬「20歳雨亥」は、年干支「雨卯」の大半会を伴う、 DNA「龍」の半会で、就職なり何らかの居残りはしたものの、 落ち着かない気持ちが強くなったのか、 89年(畑巳)のありえないDNA「禄」年には、地元に舞い戻るも、 前述どおり91年(実質90年/鉄午)に、フェミナ賞受賞もしばし沈黙。 3旬「30歳木子」は、DNA「石」の突如訪れた10年運天冲殺で、 横拡がりで、奇妙な交流が拡がり、なんだかんだでデビュー。 60年に一度のありえない火性の支合年だった06年(陽戌)には、 突如「サンデー毎日」の目にとまり、運良くメジャーへの道。 火の気のないところだけに、かえって燃焼も早く、 長澤まさみ(87-0603/雨未)が、羅状で二大半会をもつため、 彼女に応援されて、ブレークの道へ歩むのだから、 さすが目下に持ちあげられる子丑天冲殺である。 寄生とはいかねども、足がかりにはなったか。 4旬「40歳草丑」は、頑固さもさらに際立つDNA「貫」の10年運天冲殺。 奉仕はともかく、さすがに感謝はあったろうから、 飛躍的に認知され、月支「酉」の半会もあり、自信満々で、 雑草界の女王ケメコの確固たる地位確立である。 「丑」は、しめっていようと、ありえない冬の土性のため、 いくらか酒代は稼いだであろうが、全部自分のものや、 少々家に入れるくらいでは、そもそも子丑天冲殺が家にへばりついているので、 この夢のような生活もどこまで持続するか。 現在の5旬「50歳陽寅」は、DNA「調」の細やかで丁寧な。 そして、ありえない野人返上の火性のぬくもり。 皆がよってたかって助けてくれる見込みも、 月干「宝」と一体化してしまえば、進み行く道を間違えれば、 初旬条件のない10年運天冲殺20年を、ただ消費しただけになり、 揺り戻しもいつかはある覚悟。 だからといって、今さら海胆や蟹を供養しても、 おいつかずなわけで、自己宣伝になろうと 感謝や奉仕のパフォーマンスが出来るかで、 生き延びれるかどうかといったところか。 6旬「60歳灯卯」もDNA「鳳」の冷静中庸なありえない火性で、直火。 前旬のような干合変化のお試しがないだけ、 わかりやすいが、本物の熱気の濃さに恐れおののけば、 同様に終わりになってもおかしくない。 7旬「70歳山辰」は、DNA「司」の害、親族イザコザで胃も痛む。 8旬「80歳畑巳」は、DNA「禄」の放出で覚悟か。 さて、母親と父親は同い歳年のようだが。 申酉天冲殺で親を支える妹と父親は、 共通干(父の月干と妹の年干が「海」)があっても、 姉である北大路とは、親剋しの子丑天冲殺なばかりか 共通干支すらない父親の介護と称しての実家暮らしはありえない。 まして「人生ゲームでも結婚しない」とボヤこうと、 これでは自ら犠牲になっているようなもので、誉められたもんではない。 (仕事ではそれなりだから文句は半ばポーズだろうが) 50代60代のありえない守護神廻りで相応に活躍し楽になり、 70代80代にはありえない土性で財を廻しても、ありえないだけとりだせば、 存外わかりやすい挫折も見えなくもない。 親の面倒を見るというのは、理由付けとしてはわかりやすくとも、 身内へのそれは、奉仕とは言えない。 なので、世のため人のための感謝も希薄で、目に見える何かがなければ、 はびこりすぎて、どこかで一気に刈り取られるかもしれぬが、 「だ、大丈夫なのか」は余計なお世話で、 それも、「車」主導のこの人には本望かもなあ☆ |
北大路公子○63-0909 |
草宝雨陽 卯酉卯※+10 龍車貫車貫(車主導) 木性(69)火性(00)土性(00)金性(26)水性(22)/総合117 子丑天冲殺/天冲殺(30歳木子/40歳草丑)/害(70歳山辰) 月干支VS日干支天剋地冲 木性過多/火性ゼロ(野人)/土性ゼロ/金性脆弱/水性脆弱 +10歳海戌/20歳雨亥/30歳木子/40歳草丑/50歳陽寅/60歳灯卯/70歳山辰/80歳畑巳〜 |
■2017年09月20日(水)鉄戌 |
岬鷺宮○僕らが明日に踏み出す方法のあっけなさ |
○12年(海辰)のDNA「石」年の、うまいことやった年の、 守護神改良改革月の10月(鉄戌)の10日(木辰)の、 DNA「調」の「辰」重なりに、第19回電撃小説大賞にて、 「失恋探偵ももせ」が、電撃文庫MAGAZINE賞を受賞。 同作は13年(雨巳)の納音年に、「電撃文庫MAGAZINE」に連載され、 作家デビュー後は、精力的な活動をしている岬鷺宮(84-0728/雨亥)の 『僕らが明日に踏み出す方法』が、 06月24日(海午)のDNA「石」日に上梓された。 同作は、廻り続ける青春から、明日に踏み出そうとする ポップでせつない青春恋愛小説。 始めは「またループかよ(笑)」とガッカリするかもしれぬが、 そこには計算され尽くされた新規の味付けがあり、 諦めずに読んでみれば、最後に素敵な気分になるはずだ。 「納得できるまで、今日をやりなおせたら・・・。」 そう思ったことは、ないだろうか。 ピアノコンクールを一週間後に控えた少年と、 同じく一週間後に告白の返事を待たせている少女。 二人はある日、同じ一日をループしている自分に気づく。 (都電荒川線とみられる車内という渋い出会いだけどね) 次の日へと進むための条件は「『最善の一日』と思える一日を過ごす」こと。 目の前にいるキミの、本当の願いはどこ? わたし達が出逢った理由は? 廻る毎日に二人が見つける「明日に踏み出す方法」が、わかった時。 ようやく明日を迎えられた。 新たなループに関する犯罪的利用法には舌を巻いたが、 予想を派手に裏切ってくれる経過と結末は、 読み手の心の中を見透かしたような 工夫を凝らした意地の悪さ(笑)を体験できるはずだ。 静岡県浜松市出身、地元の大学に入学し、 13年(雨巳)に納音年から専業作家になるため上京し、現在は東京都在住 (InterFMが流れている西友の利用者)ながら、 意図的に多量の情報が、SNSから削除されているので、 詳細はほぼ不明の岬は、DNA「車」主導らしく素早い反撃で、 さすがに高校時代には吹奏楽部にいたらしく機敏。 恋愛そのものより失恋の重みも好む、犠牲的本質。 なので異性とも連帯感を持ちつつも、相手の恋愛を後押しできる。 才能はこの「車」で、危険な単独行動。 そうでもなければ、とてつもなく疲れるのに、何度もループはしまい。 平均睡眠時間が3時間でも、やっていける丈夫で元気な人なのだろう。 「車+貫」は、脚をもつれさせながらも一本気。 「車+石」は、目的達成のためには何でも犠牲にする。 「車+調」は、常に刺激が欲しい。それも納得ずくの。 「車+龍」は、ひらめきを大切にする。 「雨+車+未月」は、自分を追い込むタイプで、 「子」年生まれ「雨亥」は他力運のため、 本作のように担当編集者と作り込んでいくスタイルが似合う。 伴星は「車」で、主導DNAに重なる単独行動。 洩星は「車」で、同じく何もないところから始める。 導星は「調」で、自分の好みであり自己中心。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の霧雨。 一見ひ弱でも根幹はしっかりした樹木のある林に降る雷雨なり、 特別な光を放つ水源から湧きでる勢いの良い白糸の滝。 総エネルギー191点なので、とてつもない迫力はなかろうとも、 自己満足に近いと清涼感があるので、遠目には麗しい。 とはいえ、年支「子」VS月支「未」の害は、 出だしは躓きやすく、下半身にも難あり。 表向きは樹木(木)に意図的な飾り(宝)が、かけられていたり、 湧き水から滝になる寸前の流出経路が、 苔などでぬめっていたり、一般的には馴染みのない毒物が付着し 近づきがたい人物にも思える。 とはいえ、月支「未」VS日支「亥」の半会は、 地下の見えぬ部分に豊かな木性の経路(水路)があり、 滝とは別に、しみ出てくるような水を確認できる。 守護神の月干「宝」が、表として使用されれば薄汚く 裏として創作に使用される時は活き活きとしている。 創造力を磨くために、あるいは突拍子もないアイデアをだすには、 野人でもないのに「巨大な肉を買ってきて じっくり焼いた上で野蛮にむさぼり食う」のは、 夏生まれの「雨」で金性の守護神なので間違いないが、 使い易いのは、宿命にない「鉄」のDNA「玉」ではなく、 月干に輝いている「宝」なので、そこは牛より豚であろうね。 (ローストビーフなんか焼いている場合か ・・・体重増やしている場合じゃないぞ) 過去にこだわらず、旧いものには目もくれず、 時には故郷のことはすっかり忘れて、常に清新な気分で、 日々改良改革していく志が全てにおいて明るい人生につながるので、 完璧にこなしたい気持ちは理解できぬわけではないが、 未来へのブレーキは、かけないでほしい。 結果は大事だけど、一発勝負で前進していくのが、本当は好ましいはずだよ。 年干支の「木子」は、常に夢やロマンを追い求める淋しがり屋で、 表に立つより裏にひきこもる、やや年寄りくさい地味な性癖。 賑やかな生活ではなく、静かな環境を好む。 月干支の「宝未」は、用心深さや懐疑の念を生まれつき所有し、 自分について多くを語らぬ不言実行単独行動。 度をすぎた慎重さが開運の邪魔をすることもあるので、 実際はループなんて、とんでもないかも。 そして日干支の「雨亥」は、人目のつかない場所で本領を発揮する。 自分のテリトリーに相手を引きこんだ上で勝負する。 忍耐強いが、用心深い小心者の面もあり、情報収集が最大の武器となる。 干支番号構成は、01-08-60で東方と北方の狭い領域なので、 得意分野ではなく冒険する時には、編集者なりの充分なサポートが不可欠だ。 後天運は、初旬「3歳鉄申」は、DNA「玉」の害。 「鉄」は守護神であり、母親や学びの場の裏切り。 とはいっても有り難迷惑のようなものだが、 宿命も害持ちなので、窮屈な濁り方をしたはず。 それが、幼少時から物語りの世界に入りこんだ理由で、 「作文の用紙にお話を書き、 先生に見せたりしていたような記憶があります」とは本人の弁。 ここから42歳までは、何をしても目立つターボ運(子丑天冲殺廻り)なので、 自分を大きく派手に見せることも可能になっている。 2旬「13歳宝酉」は、DNA「龍」の改善守護神。 宿命に所有する守護神で順調に推移。 音楽ばかりか、大学の時にはラジオドラマの脚本コンクールに投稿し、 最終選考に残ったりもした経験もあるそうだ。 初めての小説投稿は05年(草酉)のDNA「鳳」という表現力の時。 3旬「23歳海戌」は、DNA「石」の和合性で ひとまず社会参加をしたのだろうが、 日支「亥」と年支「子」のからむ変則方三位で、 デビューのとっかかりをつけたのは、 さすがに子丑天冲殺であり「雨亥」の底力なのだろう。 本気を出せば叶うものだね。 今年(17年/灯酉)から始まった4旬「33歳雨亥」は、律音。 集中すれば、宿命の倍使いが出来たり、 重装備で武装して、ひ弱さを払拭できる充実期なので、 さらなる飛躍をせねばならない。 DNA「貫」は、自分の本性を守り、やりたいことをやる。 今後は5旬「43歳木子」は、DNA「調」の10年運天冲殺で、 若い女性をことさら意識した、独創的感性の流れに乗り切るもの。 感謝と奉仕さえあれば、他人とはひと味違った世界を体感できるのだが、 疑り深かったり、売れても感謝がなく、自分の能力を過信すれば落ちかねない。 6旬「53歳草丑」は、日支「亥」と年支「子」のからむ 冬の方三位完成で、よりクールで冷静なDNA「鳳」の10年運天冲殺。 趣味の良い、全方位に愛想も振るまえる至福の時。 むろん感謝や社会貢献さえあれば、より高みにいけるはずであろう。 7旬「63歳陽寅」は、守護神月干「宝」が、 方向性の変化なので自身と同じ「雨」となり、 爆発的上昇もあった10年運天冲殺も抜けているので、 若い人と張り合いたい気分は失わないが衝突したら終わり。 DNA「司」は地味すぎたり、お金の計算をしても陰りでる。 8旬「73歳灯卯」は、月支「未」と日支「亥」のからむ DNA「禄」の三合会局で、似合わぬ大散財は身を滅ぼす。 生き残りをかけたければ、感謝と奉仕を思いだすだけだ。 さて、当初はループをSFどころか完全にホラーと感じた少年。 ほどなく「納得いくまで、今日を何度も繰り返したい」。 そして余命幾ばくもない恩師を前にコンクールで優勝したい一心で、 毎日を励むことになるのだが、偶然同じようにループしながら、 その状況を楽しむ少女と遭遇する。 苦しんでいる自分とは対照的な彼女の願いを叶えれば、 自分も一歩また一歩と目標に近づけると確信して、 彼女に近づき(ナンパではないのだが)協力しあうという青春物語は、 無駄のない日々を送りたいという著者の願いでもあるのだが、 ループを統合して、より強固なものにしたのは興味深いものの、 「どれだけおいしいものを食べても欲しいものを買っても、 ループさえすればお金は戻ってくるんだよ」は如何なものか(笑)。 またループが発生するのは「夜明け頃」であり、 不思議な巻き戻しが行われるのだが、これは、おおむね午前4時前後を境に、 気が変わるわけだから納得する。 そして「髪の毛一本一本がひっぱられる感覚で、 独特の気持ちよさがある」そうだなんていうのはともかく いくらなんでも、先生のお見舞いに行かなすぎなのは納得できん。 とはいえ、最後の子供時代の記憶が一瞬甦り、 少年と少女の立場が逆転した話の展開はお見事。 これぞ岬がこれから、大変身する姿を示唆している。 「君に会うため、わたしはこのループをはじめたんだよ」 つまり青春は青春でも、ダイレクトに高校生時代だけではなく もっと若い時の伏線がそこにはあったのだ。 だからこそ、実は男のほうが子供で幼稚なんだという 逆転現象を読者は見せつけられるわけで、 岬は「いままでの僕らしさも残しつつ、 新しい一面もある自信作に仕上がりました」になったのだ。 昨年(16年/陽申)のDNA「禄」の害年で、 過去のSNSを思い切って削除しただけのことはある(また失恋したんだろ?)。 これからの新しい岬鷺宮の勢いは見せられた気がしたが、 本人の好みでお願いしたイラストレータの表紙は、 ちょっとストーリーに比べて軽すぎはしないか。 高校生だけに向けていたら限度あり。 大人だって読めるのだから、一考の価値ありとしておきたい☆ |
■2017年09月23日(土)雨丑 |
浜口倫太郎○神様ドライブの不穏な毒素に騙されるな |
○10年(鉄寅)の守護神害年の、11月01日(草卯)のDNA「龍」日に、 1.285作品が応募した第5回ポプラ社小説大賞で大賞受賞者が、 歌い手のヒモみたいな輩の、活動休止中の俳優で、 小説も一発屋で終わった、トホホな男なもんだから 賞のレベルが信頼されたものだったが、ともかく話題にだけにはなった祭典で、 特別賞を「アゲイン」で受賞した浜口倫太郎(79-0219/灯巳)の 『神様ドライブ』が、02月21日(畑卯)のDNA「鳳」日に上梓されている。 同作は、ある理由から就職活動に挫折し、大学も休学中の主人公が、 (関東人が主人公なのに一回生という言い方には違和感あり) 親友の自宅で洗面所を借りようとしてでてきた、 (親友の)父親の知人とおぼしき30代半ばくらいの男から、 住まいが近かったせいもあり、その日のうちにSNSで連絡があり、 (新宿、中野、高田馬場まで歩いて行ける東中野居住という設定) 食事をともにすることになったが、 唐突に予想を遥か斜め上の方向へと裏切るように 「俺と一緒に神様を見に行かないか」 「神社を巡る旅にでないか」などと誘われる。 その男の風貌が亡き父親に似ていることから興味を持ち、 (全国神社詣でが父親の夢でもあったからだ) 調達したハイエースに乗り込み、 男二人に中途から加わった看護師の三人がドタバタしながら、 鹿島神宮を皮切りに、全国の神社を廻り、 最後は伊勢神宮にまでたどり着くロードノベル。 そこで思いがけない事件に遭遇するものの、 種明かしをすれば、主人公の実家は神奈川県内の小さな神社で、 幼い時に賽銭泥棒が多発したおり、(主人公が)親のいいつけを聞かずに、 夜中に賽銭泥棒と捕まえようとしたところ、 彼には内緒でバックアップしていた父親が 泥棒に刺されて命を落としてしまったという暗い過去あり。 そんな父親に似た男は、ある出来事がきっかけで、 会社を休職中で、どうしても主人公との車中旅を希望し、 悩みながらも、なんとなく同行することになってしまう。 神社の数は全国に8万以上で、コンビニの数より多い。 ではその神社は何のためにあり、どんな神を祀っているのか。 お参りの仕方から鳥居の形の由来まで、 この一冊を読めば神社のことがわかるという優れ物で、 その代表的な神社達を、日本列島を北上し南下し、 さらに最後は、伊勢神宮近くの男の出生地にある神社が終着点となっている。 最後の結末はここでは紹介できないが、あまりにも、呆気ない結末に脱力し、 血まなぐさくはならんで良かったなあというものだが、 主人公が神社の息子なので、うんちくが結構語られ ガイドブック的になっているのは、 好きな人にはたまらない逸品としておきたい。 奈良県奈良市西大寺出身。現在は大阪府在住の放送作家で、 「なるトモ!」(読売テレビ)、「ビーバップハイヒール」(ABCテレビ)、 「クイズ!紳助くん」(ABCテレビ)、「たかじん胸いっぱい」(関西テレビ) などを手がけたという浜口は、DNA「玉」主導で、 旧いものを好む性癖なので、神社が舞台になる作品は、お手の物か。 生き方を変えられない、旧いタイプで価値観も昭和的だが、 闘う男ではないために、どちらかと言えば温和しい。 「玉+鳳」は、自己を棚上げ。「鳳」×2でもあり緩い客観性。 「玉+石」は、「石」×2で旧いもの好きの利点を活かし、 理屈っぽいメッセージを発信するが、裏にはしたたかな計算あって、 底に流れるのは、友人との妥協やら衝突も半端ではない。 曖昧な部分は多いが、意外と頑固で自己のペースは曲げない。 「灯+玉+寅月」は、純粋だが吉凶内包の人。 「未」年生まれ「灯巳」は、人と人を結びつける仲介者である。 伴星は「玉」で、生涯勉強で好きなことには博識。 洩星は「玉」で、身内の協力。 そして導星は「鳳」で趣味のような人生。 宿命の特長は、初春午前四時頃の賑やかな街の陽が昇っているのに 前夜から騒いでいる酒場みたいなもので、 月支「寅」VS日支「巳」の害は、友人知人との軋轢で、本作にも関係する。 「暗い、無口、無愛想、冷血、人見知り」等は主人公に通じ、 クレーム処理の天才にもなることは付け加えておこう(笑)。 丈夫なはずの子丑天冲殺が、優柔不断な方向の毒で弱まっているが、 総エネルギー301点の鬱陶しいばかりの火性は、夜が明けようとして 朝日が前夜から輝く灯火を牽制している図式。 一般人の倍ほどのパワーを有し、バケモノなみ。 火性132点土性104点の濃い存在感も、燃料源の木性は45点で奪い合い、 金性20点に優しさを感じず、水性ゼロ(DNA車/牽なし)は、 就活を放りだしたり、情けない理由で休業中そのままで 配偶者成分も皆無なので、実生活では結婚し女児二人がいるようだが、 家庭を顧みないというか、内側害の影響もあり、 あまりに傾きすぎると危うくなるので、仕事に偏るのは吉。 年干支の「畑未」は、開拓者の上に都合良くすわる傍若無人で、 小作人を搾取する庄屋タイプ。 月干支の「陽寅」は、なんでもソツなくこなすが、 ある意味器用貧乏みたいなところあり。 そして日干支の「灯巳」は、内面は頑固でも、人当たりは良し。 なかなか他人任せができず、最初から最後まで仕切る傾向があり。 本来はひとつのことのみを極めるのが得策。 干支番号構成は、56-03-54と北方二点と東方の一部を結んだ 極めて狭い範囲で、毒の濃度を薄めることなく吐くもので、 持て余し気味なところあり。全国各地のいいところどりを囓った本作は、 満足できる部分と物足りなさが同居し不思議さに誤魔化されている感あり(笑)。 後天運初旬「5歳草丑」は、DNA「龍」半会10年運天冲殺で、 落ち尽きなく動き回る性分は飽きっぽさも見えかくれするが、 実際は年干支「畑未」を天剋地冲する初旬条件ありとはいえ、 身強の子丑天冲殺が誕生した親の結婚は相当波乱含み。 生地生家からでれば成功運型も、出るまでは窮屈であったに違いない。 少々誤解を与えやすい側面もあり。 2旬「15歳木子」は、主導DNA「玉」の10年運天冲殺で、 年干支「畑未」は干合支害の為、いよいよ親は危うい。 本人も本来なら東京あたりまで出られれば良かったが、 せいぜい奈良から大阪という、旧さからは脱却できなかった模様。 とはいえ、大いに自己確立したはずだ。 3旬「25歳雨亥」は、DNA「車」の多忙に元気。 何をしても目立つターボ運(子丑天冲殺廻り)の始まりで、 ありえない水性の出現ばかりか、 月支「寅」VS日支「巳」の害が切られて本格稼働。 デビューもこの時期だが、害持ちらしく守護神害年(10年/鉄寅)というのが、 いかにもな有り難迷惑感がついてまわり、何処か不穏。 現在の4旬「35歳海戌」は、DNA「牽」の名誉。 20年(鉄子)21年(宝丑)の守護神天冲殺へ向け、 着々と実績は積み重ねているが、「玉」主導の変わり映えしない安心感を 吉とするか否とするかで評価もわかれる。 今後は5旬「45歳宝酉」は、DNA「禄」の守護神で、 入れ替わり立ち替わり、ネタを繰り出し財力がつき、 6旬「55歳鉄申」は、宿命害切れのDNA「司」の守護神支合を迎えるが、 あまりに蓄財に走り過ぎると、面白味に欠ける懸念あり。 7旬「65歳畑未」は、DNA「鳳」で雑然としやすく、 8旬「75歳山午」は、DNA「調」の偏り激しい方三位だが、 熱気ばかりが増強し、身体を壊しやすいといっても さすがの老体で、現役は諦めている。 ところで、浜口は「どこの街にでもある小さな神社こそが大事なんだ。 近所にあって毎日訪れられるような神社が、 誰しも神様を近くに感じられる。そんな素晴らしいことはないだろう」と 30代男性に言わせる。 これは浜口の出生地近くに寺社が多かった経験からだが、 もっともな話で、わざわざ名のある神社に出かけ、 自分の住所も名前すら名乗らない粗忽者には聞かせたい話。 ただ、行けば良いということではないし、 お願いばかりで感謝もなければ意味もない。 さらに、行き当たりばったりではなく、 自分なりの定期性があるのが好ましいのは事実だ。 さて、少々ネタばらしになって申し訳ないが、 テーマは友人と友人達であるのは、浜口の宿命ばかりか、 本作の執筆が16年(陽申)のDNA「石」の害切れで、 友人知人に煮え湯を飲まされた経験が、執筆の原動力。 「辛い過去を体験しているからこそ、 同じような辛い目に遭っている人を助けられる」も、誠であろう。 また、夫婦に自然と子供が出来るのと出来ないのは何が違うかといえば、 当然のように、子供が授かるのが良き相性であったり、 自然界がその子供を通じて親が成長できるかを試しているもの。 なので子供をほったらかして、 親として評価できない生き方をすれば怒りを買うであろうし、 その逆に細かな相性を探るまでもなく、 一緒になっても子供が誕生しない夫婦は、自然界から認められていない証しだ。 なのに無理に努力をして作れば、さらに困難な枷で身動きがとれなくなる。 友人知人が介在する害毒を所有する浜口にとって、 そこに家族の複雑な関係を持ち込むのは得意技。 恐らくは自身の過去も投影されているのだろう。 また、かつては小まめに更新していたであろう blogやtwitterは全て削除しているのは内側害持ちの定め。 無防備にさらけだした過去を恥るのは、 水性ゼロ(DNA車/牽なし)としては似合わないが、 潔くないのは、そのまんまである。 でも神様は案外近くにいる。それは確かだと思う☆ |
■2017年09月26日(火)陽辰 |
内澤旬子○捨てる女に限界あり |
○大学卒業時(90年/鉄午)が、ありえない忌み神年だったため、 編集者を志望したが出版社に合格せず、 8ヶ月遅れでかつては神奈川県横浜市南区吉野町内にあった、 二部上場のシャッター会社に就職し、営業経理を行うも性に合わず (ありえない金性年で、あえていえば二重帳簿づくりではね〜) 大学の恩師である鎌田東二(51-0320/畑未)から 92年(海申)の条件なし天冲殺の夢の中にも関わらず、 雑誌のイラストの仕事を頼まれたのを機に、 フリーランスでイラストやルポの仕事を始めた 内澤旬子(67-0316/畑卯)の13年(雨巳)のDNA「禄」年に出版した 本人の集大成みたいな「捨てる女」が加筆訂正のうえ、 解説に酒井順子(66-0915/灯丑)を迎える最強版として 文庫本『捨てる女』となり、年干支「灯未」を大半会する 04月30日(灯亥)のDNA「龍」の半会日に刊行された。 同書は05年(草酉)の天剋地冲天冲殺年に乳癌と診断され、 その後、ありえない金性(DNA鳳/調)年に出版された 「身体のいいなり」で第27回講談社エッセイ賞受賞をした後日譚で、 乳癌治療の果てに、突然著者は何もない部屋に住みたくなり、 生活道具や家具、長年蒐集してきたお宝本、 ついには配偶者まで捨ててしまうことの顛末というか言い訳であり、 40年の人生で溜め込んだすべてのものを切り捨てまくった、 捨て暮らしエッセイである。 例により慌ただしいがリズムのある文体で書かれた作品は、 全編自虐ながら、希望に満ちあふれた新天地をみつけたものでもあり、 当初は資料の置き場所や執筆スペースの確保だったものが、 別居して豚を飼うルポに挑戦するところからおかしくなりはじめ、 身軽になった彼女の喜びを綴っていったものだが、 その善し悪しを検証していきたい。 神奈川県鎌倉市大船に誕生し、國學院大學文学部哲学科を卒業。 生活してゆくためにギャラを独占したいという思いからか、 イラストルポばかりか装丁まで引き受ける何でも屋になった内澤は、 DNA「車」主導で、一言で言えば元気。 単純で犠牲的本質で、配偶者がいようが一体感を求めない。 「車+車」は本能で動き、緩急自在。 なんといっても「車」×3は、捨てる以前に端々で潔い行動力。 とはいっても、瞬時であろうと計算はしているようで、侮れず。 無責任なところはあるけどね。 「車+龍」は、ひらめきで判断する力が秀逸。 「車+禄」は、礼儀礼節に縛られるような歩調に我慢ならず。 「畑+車+卯月」は、じつは大風呂敷。 壮大な夢目的は描いても、なかなか実現出来ず。 「未」年生まれ「畑卯」はまとめ下手なので、 放置すれば塵芥ゴミの類も増殖するばかり。 伴星は「司」で家族一丸となって。 なのでレンタル倉庫を借りるはずも、実家に世話になる。 洩星は「禄」で誰かにかつがれる。だから装丁家の大先輩の助言で、 原画展や収集品の展示即売会までやってしまう。一挙両得の究極の捨て方。 導星は「龍」で終了したら次があるから小豆島に移住。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の霧雨降る朝に街路灯に照らされた街並みか、 根菜類を中心にした野菜を育てるハウス栽培の忙しない出荷前風景。 総エネルギーは179点の身弱とは言い難いが、 うち木性過多の84点は稼働力は他人を圧倒するばかりか、 年支「未」と月支と日支の「卯」の半会で、 さらに木性が生成されるので、薄利多売(笑)。 行動力は半端のないものがあるが、労多くして功少なしの典型。 とはいえ強くはない火性の後詰めの木性が豊富なのでガス欠はなし。 金性ゼロ(DNA鳳/調なし)は、遊びなしで労働するのみで、 公平な「畑」としては上格の部類。 しかも身弱的な分、フットワークも軽いのだから言うことなし。 また、冷静中庸な判断は出来ぬので、文章なりイラストであろうと、 豊かな表現力というよりは、小気味良い風合いが売りも、薄い。 原則、趣味やら遊びやらのなさが売りだが、 ある意味、中身はあってないようなもので、 空っぽの人だから、捨てることに、ためらいなし。 年干支の「灯未」は、外見は穏やかでクールでも、 内に秘めたものは熱いが、本心をなかなか見せることなく、 ストレートな口調はしばしば誤解されるが、深謀遠慮あり。 月干支の「雨卯」は、責任感あり几帳面な模範生でいい人。 地道に平均的な人生を歩もうとするが、似合わぬ場合もあり。 そして日干支の「畑卯」は、荒野を耕す開拓者。 働き者で庶民的、単独行動の自由人となりやすい。 干支番号構成は、44-40-16で、西方2点から南方へ伸びる狭い領域で、 あれこれやっているようで、まとまりは芳しくなく、 なんでも受けるよりは、得意分野で濃い仕事をするのが得策。 後天運は、初旬「7歳木辰」は干合支害で、不名誉。 日居冲殺でもあり、DNA「牽」は、 「47歳山申」の10年運天冲殺が開始されるまでは、 役割の犠牲、規則の犠牲、異性の犠牲なってしまうわけで、 保育園は途中退園し、幼稚園を登園拒否という伏線はあったものの、 小学校にもあまり行きたくはなかったのも、これが理由。 異性運はもうひとつで、結婚生活が持続しづらい環境を与えられてしまった。 栄誉も歪な感じがついてまわるという人生になりやすい。 一見ありがた迷惑とも思える習性は一生もので、 それを逆手にとって開き直って生きるのが得策。 ストカーに狙われやすい要素は、この初旬干合支害の影響。 2旬「17歳草巳」は、DNA「車」の主導DNAで自己確立。 自分らしさを知り、活かしきろうと努力する。 行動力に磨きがかかり、実家をでて六角橋の賄い付アパートに住んだり、 管理人みたいなことをしながら、簡素でも場を確保した時期。 とはいえ、生活感がしみつき、深みがないと思われたか、 就職活動は思うようにいかず。 3旬「27歳陽午」は、DNA「玉」のひとつの流れを極める。 結婚もして西日暮里の長屋に引っ越したが、 荷物が多く足の踏み場もなく、仕事を優先しすぎた感もあり。 4旬「37歳灯未」は、DNA「龍」の半会で改良改革。 気持ちのゆとりがないところに、無理に稼働力を上げすぎて、 癌を発症し、その後05年(草酉)の天剋地冲天冲殺年の夢の中で、 配偶者と大喧嘩し家をでで、文京区千駄木へ移転。 07年(灯亥)の「灯」重なりには、捨てる生活に舵を切り、 ありえない金性の11年(宝卯)に、ようやく離婚。 現在の5旬「47歳山申」は、DNA「石」の和合妥協に友人知人の影響。 突如上がり下がりの激しい10年運天冲殺に突入し、 月干「雨」が干合により、守護神「灯」に変化したため、 進み行く方向性が大変化して香川県小豆島町に移住。 今後は6旬「57歳畑酉」がDNA「貫」の納音10年運天冲殺で、 過去の崩壊なので、小豆島の暮らしは清算する見込みだが、 何もかも壊しすぎぬようにしないと、 全てを失うような事件や事故にも遭いかねないので、充分な注意をはらいたい。 って言っても、この人は危険回避能力なり 危険そのものへの認識もないので無理か(笑)。 特にこの20年間で、さらに運気を上げてしまい、 自己消費に明け暮れ感謝も奉仕もなければ、身も蓋もなくなりかねない。 7旬「67歳鉄戌」はDNA「調」の支合。 前旬を首尾良く抜けたとしても、ありえない金性の重しで体調は疑問。 あるいは若い女性と共に反逆的な集団に参加するなど、 思う存分体制と敵対することに喜びを覚える。 8旬「77歳宝亥」は、年支「未」に、月支「卯」と日支「卯」のからむ DNA「鳳」のありえない特別意識の強い金性の三合会局で、 気が抜けて、力が入らなくなるなど、脱け殻と化しかねない時期。 むろん次元が上がっていれば、冷静で風流な日々だが、 さすがに高齢すぎて、そうにもならぬ可能性大。 さて、内澤はイラストを担当した98年(山寅)の「印刷に恋して」の 担当編集者で、古書評論を得意とする 南陀楼綾繁を名乗る河上進(67-0415/畑酉)と、 99年(畑卯)の、自身の人生折り返し地点で律音年ながら、 河上の納音天冲殺に結婚するという大失態をおかしている。 学年は違おうと、年干支が共通するのだが、 日干は「畑」同士で、単に仲間や同級生でしかない 納音と相互冲殺の関係では、感動も何もないところに、 月支も害の仲では、そもそも住む世界も血脈の流れも異なるため、 いつまでも二人で仲良く生活などできるものではない。 また河上の日干支「畑酉」は、内澤の月干支「雨卯」とも天剋地冲関係にあり、 彼女の立場を悪くするような存在だった。 しかも、河上の条件なし天冲殺妥協年の遭遇では、 未来永劫持続するわけもなく、程なく内澤の主導DNA条件なし天冲殺で、 自然界から働き過ぎを諫められたにも関わらず、 無理に無理を重ねたため、癌を発症。 それでも引っ張って引っ張って、内澤のありえない金性年で、 回り回って川上のDNA「鳳」の気が抜ける夢の中だった 11年(宝卯)にようやく解散したのだから罪作り。 本当に賢いならば、若くして病に倒れたのが、 宿命の偏りばかりか、私生活にあると感じるはずなのだが、 そこは内澤の、鋭敏に見せて単純でしかないどうしようもない鈍感さなのだ。 互いに失うことの多すぎた12年間があってこそ「捨てる」になったのだが、 人間としては上等ではなく恥すべき行為ではないか。 なお、この生年月日は、85年(草丑)デビューで、 「両手いっぱいのジョニー」や「跳べないブルーバード」などの ヒット曲がある小比類巻かほると同一である。 ところで、「人間座して半畳寝て半畳」が座右の銘だった内澤は、 かの装丁家の大先輩を頼って、 14年(木午)の干合年から小豆島に暮らしているという。 それがちょうど「47歳山申」の仲間頼りの10年運天冲殺入りと同時。 月干干合もありDNA「龍」成分が充満してきたのはわかるが、 老後の暮らしと称して(稼いでいるんだねえ)、小豆島に移住してしまったのだ。 それで、かわいいヤギ五頭と暮らしているって、 「空が見たいから」とかいって、ただ単に逃げたんじゃないの(笑)。 「未来はだれにもわからない。 ただがむしゃらに、前を向いて突き進むしかない」とも発言しているが、 それって環境は随分健康的に見えるけど、 都会にいて犬猫飼育しているのと、何も変わらんのだよ。 月干干合でその場が守護神になったのなら、 最も賢い社会貢献は、目下を持ちあげ育てていくこと。 なら、小豆島に行くのは自由だけど、 厚生労働省が提唱する里親制度に着目して、 恵まれぬ子を引き取るなどをすれば次元があがるのにね。 形ある物を捨てるのは良かったけれど、精神的に成長できるのは、 ない方向の金性を活かしきってこそ。最大級に次元を上げてほしいのは、 解説をお書きになった、ご盟友も同じと思うよ。 それが成功した人に課せられた運命の法なんだけどね☆ |
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