★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 7 年(灯酉)●07月 灯未 // 移 動 祝 祭 日 |
■07月分一覧 (2017年●目次) |
柴田勝家●ゴーストケース 心霊科学捜査官の心地良き明解と散り際(2017_0701) |
霜島けい●憑きものさがし 九十九字ふしぎ屋 商い中の夢の続き(2017_0703) |
黒木渚●本性の暗くて薄い汚さの行く末(2017_0707) |
又井健太●アムステルダム・ヘブンの似合わぬ夢模様(2017_0709) |
澁川祐子●オムライスの秘密 メロンパンの謎はお腹が空く(2017_0711) |
朝霧カフカ●ギルドレがつきつける最弱救世主の正体(2017_0717) |
今村夏子●星の子が芥川賞受賞に相応しいかもしれない理由(2017_0719) |
天野純希●信長嫌いの嘘ばっかり(2017_0721) |
藤田貴大●おんなのこはもりのなかに透明感などなし(2017_0725) |
和泉桂●スープ屋かまくら来客簿は少年の味(2017_0729) |
■2017年07月01日(土)畑丑 |
柴田勝家○ゴーストケース 心霊科学捜査官の心地良き明解と散り際 |
○14年(木午)のDNA「石」の天冲殺年に、投稿作「ニルヤの島」が 第2回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、作家デビュー。 受賞を機に、ペンネームを編集部の意向で 一度本名の綿谷翔太に一度改名したものの、 後に応募時の柴田勝家に戻した経緯がある その風貌や話しぶりからその名前を名乗ったと言われる 柴田勝家(87-1003/草酉)の『ゴーストケース心霊科学捜査官』が、 01月18日(草巳)の大半会日に、上梓されている。 地下アイドルの奏歌(かなう)のCDが誘発する、 ある特定の条件をみたしたファンの連続自殺事件(殉死)。 このCDの呪いを科学的に解明せよ。 ミッションを託されたのは陰陽師にして 高知県の山奥から東京に出てきたばかりの 心霊科学捜査官の御陵清太郎(みささぎせいたろう)と、 警視庁捜査零課の刑事、音名井高潔(おとないたかきよ)のバディ。 鍵となるのは人間の意識の主体である「霊子(りょうし)」と、 人間が死後に発する精神毒素である「怨素(おんそ)」。 ようは、死後でも犯罪が行われるという 前提の近未来が舞台になっている。相手は幽霊みたいなものだ。 奏歌のライブに立ち会った御陵と音名井は、 奏歌もまた「自殺したアイドル」に祟られているという噂を知る。 地下アイドルの光と影に直面した二人が 導き出す「呪いの構造」とは、いったい何だったのか。 読者は意外な裏切りに遭遇するし、外道な仕掛けにも惑わされる。 「筋良し、キャラ良し、テンポ良し。意外性抜群のラストで落涙。 圧倒的な面白さで、読み出したら止まらない、 王道エンタメの傑作!」という異能さが売りのようだが、 ようは意識下のお話し。 心霊科学捜査官の根城が、聖地みたいな中野にあったり、 幽霊が煙草のニオイを嫌うからといって、 嫌煙家なのに、無理に煙草を吸ったり、 担当捜査課を、上にも下にも行かない暇な部署で、 怪談と隣り合わせとして「踊り場」という蔑称で呼ばせたり、 メイド喫茶が冥土喫茶で、売りが初七日コースだったりと、 ほとんど冗談みたいな内容を肯定したうえで、 柴田のスピード感に乗せられたふりをしないと、 ついていけない内容だが、慣れればそんなものか、 読み進めながら、薄々気づいていく、 事件のからくりも、全く無理はないのだが、これまでの作風から、 若者の熱気を取り組むが苦手ということだったが、 やれば出来るではないかと思わせる(ほとんど地のようだが)、 ある意味新境地で、07月20日(山申)のDNA「司」日には、 「デッドマンズショウ 心霊科学捜査官」という 続編もでるので期待する。 東京都内の総武線沿線(墨田区または江東区または江戸川区)に生まれ在住で、 成城大学大学院文学研究科日本常民文化専攻を この03月24日(鉄戌)の干合支害日に卒業したあとは専業作家ながらも、 二次元のゲームアイドル「成宮由愛」のアイマスを気取り、 秋葉原の戦国メイドカフェに通うのが日常としか感じられない柴田は、 DNA「車」主導で、反撃素早く、単独行動で、 小難しい理屈をこねるより、白黒わかりやすい危険そのものな人物(笑)。 アイドルファンなのに、物騒な話にしているしね。 「車+貫」は、いわゆる短気。 「車+車」は、本能で戦局を判断する名人とはいえ、 たとえば、煙草を吸うか吸わないかを判断するのが「刑事の勘」とするが、 近づけばわかるだろうにという程度のもの(笑)。 「車+鳳」は、大衆的。 「車+禄」は、組織に向かず、たとえ組織にいても、はぐれ者。 「草+車+酉月」は、勝ち目がなかろうと、 とりあえずジタバタしてみる。 往生際は悪いものの、根に持つタイプではなく、 天下をとるというよりは、いずれ非業の死を遂げる 柴田勝家は似合わぬでもない。 伴星は「玉」で、生涯勉強で、実際年寄りくさい。 洩星は「貫」で、単独行動。 導星は「車」で、全てが亡くなっても良しとする。 宿命の特長は、仲秋夕刻六時頃の枯草。 燻製をつくるような要領の半端な火が、 乾ききった土の上に横たえた野菜類を燃やすBBQ状態。 特別に育成された、肉類と焼かれているので、 食欲をそそるイメージもあるが、 水性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人なみの姿は、 髭面も堂に入るが、いわゆるジューシーさはないので、 飲み物を自前で調達しないと作品とは向き合えない。 燃やしきってしまえば元も子もないが、 火性は着火装置としての守護神で、遊び心がないと生きてはいけず。 総エネルギーは、僅か116点しかないので、 こけおどし的な風貌も、良く見れば愛嬌があり恐怖なし。 あれもこれもクビを突っ込むわけにはいかず。 年干支の「灯卯」は、動きだすまでは時間を有するが、 その気になれば一気に解決へと向かう瞬発力あり。 月干支の「畑酉」は、整備された公園のような風情。 そして日干支の「草酉」は、盆栽のように、 あらかじめ完成されているので、 リニューアルが困難も、いつも変わらぬ愛想あり。 干支番号構成は、04-46-22で、東方北方南方と多岐にわたる領域で、 その気になれば、あちこちに出没するが、疲労度も激しいに違いない。 後天運は、初旬「8歳山申」は、DNA「司」の どちらかと言えば、派手さのない少年時代で、 おそらくは作家になるなどとは思っていなかったに違いない。 2旬「18歳灯未」は、突如やってきた遊び心満喫する DNA「鳳」の10年運天冲殺で、 発信力に火がつき、大物に見えるようになった。 突入時の05年(草酉)が、律音で人生の折返し地点になっていたので、 いわゆる大学デビューで、大きく変貌を遂げた悦楽期。 年干支「灯卯」が大半会されているので、発信力が桁外れに成長して、 まさかの作家デビューに至ったのだが、 その気になれば「車」主導だけに、小気味よい仕事ができたはず。 現在の3旬「28歳陽午」は、DNA「調」。 独創的世界観を構築する10年運天冲殺。 若い女性に縁がでてくるので、そのまんま地下アイドルが素材なのは、 さすがにわかりやすい性癖で、これも納得。 これからは、若い人を意識しつつ、老獪な年寄り的着想も使いつつ、 ブレーキをかけることなく、万人うけせずとも上昇する。 この後は4旬「38歳草巳」が、DNA「貫」の大半会で、 何が起きるかはともかく、大事件の連発。 我が道を極めるのか、競争相手と切磋琢磨していくかはともかく、 衝突を繰り返しながら、あらたな道筋を見つけていくものだが、 作家の道に興味がなくなり、異質な世界へと行く可能性もあり。 5旬「48歳木辰」は、進み行く方向性ががらり変化しすぎると、 組織や集団を頼ろうとしたり、政治的な動きを見せるDNA「石」。 6旬「58歳雨卯」は、ありえない水性のDNA「龍」の対冲で、 その時代の最先端に触れることにより、全く違う世界に生きる。 過去から積み上げてきたものは、 思いっきり破壊してしまう可能性も捨てきれず。 7旬「68歳海寅」は、DNA「玉」のありえない水性ながら塩水のため、 前旬ほどの精彩はないが、過去に立ち戻るなり、 ふらつきかねないが、そこに居場所があるかは別。 8旬「78歳宝丑」は、DNA「車」の自己確立。 ようやく自分らしさを認めるが、老境のため何ができるかは別の話である。 さて、柴田が作品を書き出し、応募して受賞したのは、 10年運天冲殺という、自然界の力がはたらいた、 突如ありえない幸運が与えられたものだが、 そこに対する感謝や、奉仕活動があったか否か。 実際年運の14年(木午)は、妥協も見受けられ、 筆名にだめ出しをくらっているが、 明けて16年(陽申)からは、少しずつ本作のように、 軽やかなフットワークが強調され、 わかりやすい作風を、前面にだしてきていると理解する。 とはいえ、何か異質な感覚が残っているため、 作家を世を忍ぶ仮の姿と思い切れば、 あっさり10年運より早く、異質な世界へ行ってしまう可能性あり。 ありえない作家生活に疑問を持ちだしたら、そこで終わりだが、 ひとまず来年(18年/山戌)は、DNA「司」の害年。 夢の中でこの世界に入れば、毒をもって試されるのが関の山。 秋葉原や仮想空間で遊興している暇なし。 本来は一度普通の就職をして、 浮き世との関わりを濃厚に持つべきだったとも思うが、 それも来年にしくじりやすいことを思えば、「酉」×2を持つ身としては、 この「灯」重なりあたりがラストチャンス(戦国メイドカフェのボーイでも可)。 もちろん何をするのも、個人の自由には違いないが、 なすすべもなく、普通の道を意識していくのか、 あるいは物事を真面目に考えすぎて、立ち止まるのか、 いわゆる正気に戻ったら、別の道もあることを忘れないことだ。 深刻になってからでは遅いのだけどね☆ |
柴田勝家○87-1003 |
草畑灯灯 酉酉卯-8 鳳禄車車貫(車主導) 木性(26)火性(22)土性(22)金性(46)水性(00)/総合116 午未天冲殺/天冲殺(18歳灯未/28歳陽午) 大半会(38歳草巳)/主導DNA(78歳宝丑) 木性脆弱/火性脆弱/土性脆弱/金性過多/水性ゼロ -8歳山申/18歳灯未/28歳陽午/38歳草巳/48歳木辰/58歳雨卯/68歳海寅/78歳宝丑〜 |
■2017年07月03日(月)宝卯 |
霜島けい○憑きものさがし 九十九字ふしぎ屋 商い中の夢の続き |
○いわゆるバブル期の先駆けにOL生活を満喫し後退社して、 英国に渡り、のちにスペインへ移住という、がらにもない生活を送り、 帰国後、経緯は不明も90年(鉄午)の夢の真っ直中に、 「出てこい!ユーレイ三兄弟」でデビュー後、 ファンタジーとホラーのジャンルで、精力的に活動している 霜島けい(63-0418/宝卯)が、昨年(16年/陽申)の干合年の09月08日(雨巳)の DNA「鳳」日に刊行した新シリーズ 「ぬり壁のむすめ 九十九字ふしぎ屋 商い中」の 『憑きものさがし 九十九字ふしぎ屋 商い中』が、 03月20日(陽午)の干合天冲殺日に上梓された。 同作は、古道具で買った枕が、夜な夜な赤子のように大声で泣き喚く。 八幡様の祭りの絵に描かれた人物がいつの間にか増えていた―――。 用のある人にしか見えない、「不思議」を売買する九十九字屋には、 今日も怪しい品々が持ち込まれて・・・。 母を早くに亡くし、左官をしていた父もぽっくり逝き、 天涯孤独の身の主人公少女は、 ふと入った路地で見つけた「働き手を求む」の貼り紙が縁で、 この世ならぬ者(幽霊ともいう)が見えるという特技を活かし、 愛想なし、つっけんどん、威張りんぼ、大目に見て変わり者の でも悪い人じゃない、眼鏡を外せば端正な美男子にも見える もののけや動物とも意思の疎通がはかれる30過ぎの店主に雇われ、 店番となり、憑きものの正体を求め、 気はいいがちょっと迷惑な「ぬりかべ」の父親らとともに奔走する。 切なくてほっこりとあたたかい、新感覚時代小説シリーズ第二弾である。 大阪府生まれながら、東京女子大学短期大学部を卒業し、 現在は東京都府中市内在住の霜島は、「玉」主導で旧いものに縁あり。 だから、今作のような時代小説がよく似合う。 高校も東京都立神代高校という、それらしい名前で、 かつてのナンバースクール出身である。 気分転換が得手ではなく、環境を変化させるのは向かない。 また、ひとつのものを掘り下げる質なので、シリーズものを得意とする。 「玉+禄」は、家族単位で物事を考える。計画性もあり。 目上運が極めて強い午未天冲殺らしく、妹が遠方なので、 二親介護というお試しも乗りこえてきている。 「禄」×2あるため、不器用で頑固者だが、奉仕の人でもある。 「玉+鳳」は、客観的に物事を考える特筆だが、それは他人のことであり、 身の回りのことになると、情けないほど取り乱すこともあり。 才能は、この「鳳」で豊かな趣味的人生。 特別なものを伝える伝達力であり、偏りのない優しさが特筆。 「玉+牽」は、挑戦する気迫はあるもの用心深い。 英国の物価が高ければ、スペインにだって流れる。 実際は、食べ物が不味くて逃げだしたんではないか(笑)。 思いつきは良いが、あくまでも精神論になる。 「宝+玉+辰月」は、他人とは脳波の構造が異なるため、 作家としての懐古趣味的直感が働く。 もとよりセンスはあるのだが、着想力という発火装置もはたらく。 夢で見たことが作品に活かされるなど、尋常ではない感性あり。 「卯」年生まれ「宝卯」は、他者を束縛しやすいので孤立しやすい。 同作の主人公少女も、孤児という設定だが、 死して塗り壁になった父親には守られている。 伴星は「玉」で主導する学び。資料をあたって勉強しながらの執筆が似合う。 洩星は「鳳」で、なしくずし。デビューもそんなところか。 そして導星は「玉」で、午未天冲殺ながら目下と終わる。 この時期の作品の主人公が、うら若き女性というのも良いものだ。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の標識、あるいは案内板。 特別な場所を示しているが、多くの客を呼ぶものではないので、 そうそう目立つ必要はなく、恐ろしく変わった草花が群生する 花壇のようなものの中に、紛れている宝石みたいなものなので、 探し当てた時の喜びはひとしおだが、時に雨模様になると、 同化してしまい、全く見えなくもなる。よって、晴れ間が必須になるが、 月干「陽」と日干「宝」が密接(干合)すると、 月干は「海」に日干は「雨」に変異してしまうので、 年干の「雨」を加え、水性の天干一気が成立してしまうと、流されてしまう。 夢のようなことばかり言い始めたり、 生き方を簡単に変えたり、目下に心を奪われると失敗しやすい。 仕事をやめて、英国やスペインへ渡ったのはこれが理由だが、 短期ならばともかく長期に渡ると劣化する。 外国の古都にはいくばくか縁があろうと、本質「玉」主導は、国内に縁があり、 奈良なり京都なり、あるいは地方の小京都ならばともかく、 さすがに海外は骨折り損のくたびれもうけではなかったか。 年支と日支の「卯」の同一は、表裏なしだが、 月干支「陽辰」VS日干支「宝卯」の干合支害は、 ずっと同じ姿勢でいるのは苦手になり、 異性に騙されたり、本来結婚しづらい相手と縁ができてしまうため、 なかなか持続しづらい面があるので、午未天冲殺でもあり、 結婚に失敗した過去のある異性に関わったり、 自分がその原因にもなったりするので性悪女と揶揄されることもあり。 干合とはいえ、天干一気もあるため、害も効いてくるだろうから、 親との同居は好ましくなく、近くに住んでいるのは真っ当な判断。 「卯×辰」の害は双方向にあるため、どこか根暗で胃が丈夫ではないだろう。 本作も根っこにあるのは、江戸市中の人々の困りごとを解決するため。 幼い時分からの許嫁の男女が本当は好き合ってるのに、素直になれず、 おなごは遊び人の子を宿すも祝言をあげ、 おとこは夭逝してしまうなんていう哀しい話も、人情話に変えてしまう。 歪んだ性情があるからこそ、できる腕前ではないのか。 自然界と俗世間が重なり合う境界線に棲息するのである。 総エネルギー199点は重厚感はなく、自身の金性が僅か7点しかない身弱のため、 体力があるとは言い難く、ハードな仕事は難しく、 就職しても、ある程度の蓄えが出来てしまえば、 続けていこうとする気力がなく、辞めてしまっている。 ひ弱で希少価値のあるブランド品と解釈したい。 木性は96点もあり、金に目がないのか、稼いでも使いようがないのか、 おそらくは、二親の介護に相当つぎ込まれているに違いない。 悪い事ではないが、もうひとつ上を目指すのであれば、 見返りのない奉仕を徹底しないと、売れても財に押しつぶされ やがて財も入りづらくなる印象。 年干支の「雨卯」は、長雨の象徴で時間がかかるため、 弱くてもそれなりのスタイルを持っているので、耐久力あり。 責任感あり几帳面な模範生。 月干支の「陽辰」は、失敗しても立ちなおる根性の持ち主。 表面的には明るく温厚でも、深く交わると辛らつな言動で相手を傷つける。 そして日干支の「宝卯」は、邪気なく争いを好まない天性の善人ながら、 行きすぎた善意や異性問題でトラブル必至。 宿命内の干合支害を加味すると、とんでもない歪んだ根性もあり。 干支番号構成は、40-53-28で西方北方に南方。 東方が欠けており、全力で前進するような領域ではないが、 あまりに強い人ではないので、落ち着きなく様々な物語をつむぐより これからは本作のような、旧いものに特化していくのが安全かもしれない。 後天運は、初旬「6歳灯巳」は、年支と日支の「卯」と月支「辰」から 未来へとはばたく変則方三位であり、 75歳までは何をやっても目立つターボ運(子丑天冲殺廻り)であり、 宿命内の干合水性天干一気と干合支害の不敵で異様な宿命に、 DNA「車」の男っぽさが付加され、相応の迫力あるスタート。 2旬「16歳山午」は、DNA「玉」の主導DNA10年運天冲殺が始まる。 また年干の干合により、干合水性天干一気は破格となっても、 「雨」は「灯」の稼働力、10年運「山」は「陽」の名誉の強化にもなり、 進学から社会にでる際にも、弱さを覆い隠すような 元来の軽さが良きように作用し、派手な流れに一気に乗った。 国内での落ち着いた深みのある恩恵を存分に受けたことになる。 3旬「26歳畑未」の10年運天冲殺半会は、DNA「龍」の放浪と新たな創造。 縁のないはずの海外へも出かけ、窮屈からは解放されたかに思え、 帰国後のデビューにつなげた。 4旬「36歳鉄申」は、DNA「石」の交際交渉術。 持ち前の軽いババくささが功を奏し、編集者と上手に交流した。 現在の5旬「46歳宝酉」は、DNA「貫」の納音で、 月干「陽」が干合で「海」になるため、干合水性天干一気は破格になろうと、 ありえない「海」のDNA「調」の守護神的水性の出現により、 進み行く方向性の変化があり、なおかつ「卯辰」の害も切れて、 全体的に気合いに満ちた様相は、過去の陰鬱な作品群から決別して、 あらたな独創的世界を構築し、すなわち作家としての完成期に入った。 今後は6旬「56歳海戌」は、前旬で壊した過去はキレイさっぱりなくなり、 DNA「調」の支合で、害切れ状態に不整合性が見られず、 霜島なりとはいえ、さらに上の環境へと昇りつめて行く。 偏りながらも守護神の恩恵は存分に受け、 午未天冲殺であろうと、より若い女性のために、尽力できるようになる。 7旬「66歳雨亥」は、年干支「雨卯」の大半会を伴う DNA「鳳」の守護神半会で、年齢的には老境なのだが、 衰えることのない創作意欲に導かれて、 また水性天干一気も強化となり、半端ではない成果を期待する。 8旬「76歳木子」は、DNA「司」の刑で、金銭物質関連での災いあり。 ここまでの感謝と奉仕次第で、晩年の評価も決まるに違いない。 なお、あえて霜島の問題点をあげれば、 デビューが90年(鉄午)の条件なし天冲殺の夢の中だったこと。 そのわりに、30年近い作家生活を送っているのには称賛に値する。 さすがに、人当たりの良い、そして身強ではなく、目立つだけの午未天冲殺は、 そうそう人に嫌われることがないのだろう。 そこはあえて強調しておくが、ドジでもババくさくても、 この人の売りであることは間違いない。 だから、14年(木午)15年(草未)の引力本能天冲殺で、 二親が同時に倒れても、編集者の理解は得られ応援されたのである。 午未天冲殺は、何があろうとモメずに、 謙虚になり編集者に応援されていれば良いのである。 だから親の問題が出てきても、自己発揮ではなく、お願いになり、 理解賛同を得られたのであり、(午未天冲殺なのに)強欲だったり、 意識が高すぎたり、協調性なく金銭物資に執着を見せるようなところが 一切なかったのだろう。夢で始めようと、生き方ひとつで応援もされる。 持続こそが美徳であることを忘れないでもらいたい。見習いたいものである。 ところで、先に少し触れたが、霜島は干合支害持ちで、 結婚は不向きだし、ろくでもない相手にしか縁なし。 かえって当たり前の結婚などしようものなら、 相手が精神的におかしくなったり、病気になったりするのだから、 離婚経験者なのか、不倫はしようと独身なのかはとりあえず不明だ。 また、午未天冲殺で親の面倒を見るのは好ましいとして、 同居はやはり推奨できないのだが、関わりが深いと見えて二親同時に 夢の中で倒れるというお試しを受けている。 また、外側ばかりか内側も汚れやすいので、余計なものは所有せず、 簡素な生活が好ましいのに、猫を飼育しているのは誉められたものではない。 気が濁るばかりか、余計な時間を消費し、 本来仕事や介護に使える時間も目減りするばかりか、 なにより、そこにある時間は消費だけで未来なし。 午未天冲殺であろうと、後天運には成長の余地があるので、 ぜひ、一刻も早く邪気からの呪縛より、目覚めてほしいものだ。 さて、この生年月日は男女の違いこそあれ、 ギャグ漫画家の上野顕太郎と同一である。 上野は、東京都町田市出身ながら、 京都精華大学でマンガに関する授業を行っている。 霜島も「玉」主導なのだから、本来教えることは得意。 執筆に忙しくないとは言わぬが、今後はそういう流れがあれば、 どんな場所であろうと担うべきだし、 既にそのような役割についているのであれば、 それはそれで、より自分自身を深めていくことになり、役立つはずだ。 なお、今後の傾向としては、午未天冲殺で年長者受け。 または、自身が若い女性になったつもりで、 塗り壁のおとっつあんも、訳ありの店主も悪くはないが、 母親目線での方向性も良いはず。 その流れでは、まるであやかしのような、 店主に協力する、姐さんの存在は今後も注力に値する☆ |
■2017年07月07日(金)草未 |
黒木渚○本性の暗くて薄い汚れの行く末 |
○10年(鉄寅)のDNA「玉」の害年に、 学生時代の軽音研究会でギターに出会った流れで、 自らの名前を冠したバンド「黒木渚」を結成し福岡県内で活動するも、 13年(雨巳)の律音年暮れ解散後は、ソロになり、14年(木午)15年(草未)の 条件なし天冲殺の夢の中で目一杯活動したためか、 昨年(16年/陽申)の「陽申」重なりの08月22日(陽子)の「陽」重なりに、 咽頭ジストニア治療のため音楽活動休止を発表した (毒を活かさず、きゃんきゃん吠えすぎたからね) 黒木渚(86-0419/雨巳)が、明けて17年(灯酉)のDNA「禄」の半会年を迎え、 小説『本 性』を04月19日(陽子)のDNA「司」日に上梓した。 同作は「小説現代」16年09月号に掲載された「超不自然主義」と 同じく17年02月号の「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」に、 書き下ろしの「東京回遊」が加えられた三編からなっており、 「超不自然主義」は、「あなた、一年後に死ぬわよ」と 占い師に言われてから二年。その女性は生きている。 その日がきっかけとなり、何も分からないまま占い師の仕事をしている女性。 そして同居する友人の女性は無機質のモノしか愛せない女。 今は旦那と別れるといってうちひしがれている。 その旦那とは、人間ではなく地蔵なのだ。 こじらせてしまっている二人の女の行き着く先はどこなのかといいながら、 盗んできたものを深夜に捨てに行く女子二人の姿は、おぞましい。 「ぱんぱかぱーんとぴーひゃらら」は、 その日暮らしをしている初老の男ははある日、パチンコで大勝ちした。 そんな男に「お祝いに抜いてあげようか」と声をかけてきた風俗嬢の女がいた。 二人は一緒に住むようになるが、まともに愛し合っていられたのは束の間。 二人の愛は奈落の底へ転げ落ちていくというか、女は逃げた。 「東京回遊」は、夫との生活に不満を持つ女性は、 出会い系サイトで知り合った男に会うために東京へ向かった。 だが、男とは思ったようにはいかず、 飛び乗ったタクシーであてのない放浪をはじめる。 結婚前女優になることを夢見ていた女性は、 気のいい運転手との会話のなかだけで大女優になった自分を演じるが、 その運転手も実は曲者でという具合に、寂しい人々の話だが、 ことごとく表現は美しくないどころか、反吐がでそうになるほど、 汚い言葉ばかりで、テーマも何もかも、夢も希望もなくなった粗末。 「結婚生活って一番大切なことって何だと思いますか?」に 「相手の欠点を愛することです」はない。 自然界に導かれた完全無欠に近い結婚をすることだからね。 (共通干支または大半会があり、日干同士が守護神または干合の関係で、 子丑天冲殺は年上と、午未天冲殺は年下と一緒にならないことが原則) 宮崎県日向市出身で、全寮制の宮崎第一中学高等学校を卒業後は、 福岡大学人文学部に入学し、 同大学院人文科学研究科英語学英米文学専攻に進み、 近代英米文学におけるポストモダン文学を研究、 当時は大学教授になることを目指していたが、 留学経験が条件であったため金銭的理由で断念し、福岡県古賀市役所に勤め、 土地の登記や市の財政管理、市営住宅の管理に従事するも、 バンド活動が市役所側に知られてしまい 上司から自重するようにと求められたのをきっかけに、 一年で退職して音楽活動に専念した黒木は、 13年(雨巳)の律音年という人生の折返し地点で上京し、 現在は田園都市線沿線の東京都世田谷区内に居住していると思われ、 DNA「牽」主導で、自己愛の象徴で妥協せず。 自尊心が強いため、周囲に受け入れぬなら、退いてしまう。 音楽活動などの欲得がなければ、公務員には向くものの、 上手に振る舞えずに失敗しやすくなっている。 「牽+司」は、素の印象は、一見地味であり、評論家気質である。 「牽+玉」は、日本舞踊をやっていた祖母の影響を受けるなど 旧きものを愛でたりもするが、伝統の中に新たなものを見つける努力を怠らず。 商売人にはならぬので、通俗的な生き方が出来ず、大衆に受けることはない。 「牽+石」は、全てにおいて懐疑的で素直になれず。 才能は、この「石」。同行の志を持つ人々との関係を重視する。 いわば人たらしであり、妙な世界観で出会った相手を虜にする。 なので(かえって) 「他人の未来なんて本当はみんなどうでもいい」なのだ。 冗談ではないけれどね。 「雨+牽+辰月」は、子供っぽいプライドの持ち主も嫌味にはならず。 「寅」年生まれ「雨巳」は、スケールの大きい人生になるはずだ。 伴星は「龍」で、常に変化を求め、落ち着きなし。 洩星は「司」で、努力の積み重ね。 導星は「石」で、一人では終わらず巻き込む。 だから地蔵も一緒に捨てにいく(笑)。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の海に注ぐ川で汽水域。 塩水でもなく真水でもない不可思議な液体は、濁っている。 なので文章は徹底して汚い。 まるで、パチンコで大勝ちしたおっさんが書いたみたい(爆)。 総エネルギー290点は存在感はあるものの、 創造力になる金性は僅か16点なので、およそ男性的な文章に偏るのだろうが、 浄化されづらく、汽水域を良くみたてて発泡水としても、 どう転んでも飲料水にはならず、 ごく限られた人々にしか受け入れられぬ可能性あり。 これに輪をかけるのが、年支「寅」VS日支「巳」の害で、 これが表裏ありで、表は地味なのにで(司)、裏では企んでいる(玉)図式。 汽水域で浄化装置がさしてはたらかず、 なおかつ宿命に毒があるのだから、それは個性にはなるが、 万人に受け入れられるためには、毒は隠し、 一見世のため人のために生きる公務員ながら、 実は仮面の下は音楽家みたいなのを徹底できれば それもまた魅力になったろうが、 うっかり洩らしたために、それが叶わずブレてしまった感が強い。 持続力がないのが特長なのは、一貫性がなくなる恐れもあり、 私生活と公的な顔は明確にわける必要があるのだが、 黒木は、まだそれに慣れていないのではないか。 才能が「石」。すなわち「海」。やむを得ず汽水域としているだけで、 本当は人たらしは才能になっても、友人や仲間は忌み神扱いで汚れのもと。 どう考えても真水は塩水に分が悪いのだから。 そこは、タクシーに運転手みたいに、 演じきられるだけの経験と度胸を養うべきではないか。 自身の水性42点より、表現力は52点で、頑張れねばならないし、 金銭物質の火性は90点、ファンの土性も90点と、 自分の力以上のものを相手にしていかねばならぬので、 喉をやられたのではないか。 普通人より、自家中毒の毒はまわりやすいのだから要注意だ。 年干支の「陽寅」は、そつなくこなすが器用貧乏に注意したい。 月干支の「海辰」は、頭の回転早く冷めており、 芸能芸術センス溢れる。 制約が多いほど成功者となり、平穏な環境では凡庸になりかねない。 そして日干支の「雨巳」は、穏やかそうに見え、内面は陰湿で猜疑心の塊。 疑いの念を抱くと執拗に相手を責めるが、恨みが人生の原動力となる。 多芸多才は感性を活かす職業に抜群の適性といえよう。 干支番号構成は、03-29-30で当方から西方へ伸びる 鋭角的で極めて狭い領域で認知される。 通好みと言えるかは微妙も大衆的に非ず。 後天運は、初旬「5歳宝卯」は、DNA「龍」の別れに改善。 年支「寅」と月支の隙間を埋める方三位。日支「巳」までつながる完成形だが、 同時に年干「陽」が干合で「海」になるため、水性の天干一気が完成する。 勉学に関することで午未天冲殺にも関わらず、 否、締めくくり運だからこそなのか、 親や目上を吹き飛ばすほどの勢いがあったため、 両親が離婚をしたため、(モメている時期から)全寮制の中高一貫校。 母親成分の「鉄」が日支「巳」内で、 その配偶者成分である父親の「草」は月支「辰」内で、 正式の親は認められるが、害の影響は受けており、 親を乗り越えて行く宿命であることは間違いない。 2旬「15歳鉄寅」は、DNA「玉」の害。親も害だが、教育も害。 進路も害になるから、望んだ道にはすんなりいかず。 だからといって就職をしても続かない。 就職もダブル害年(10年/鉄寅)だったため、 害持ちだって害の10年運はさすがに厳しいから、総崩れ。 現在の3旬「25歳畑丑」は、DNA「車」の半会で危険がいっぱい。 ただでさえ土性過多なところに、無計画な土砂が注ぎ込まれるわけだから、 安全なことはないし、それこそロックンロールだし、 「ふざけんな世界、ふざけろよ」では、すませてしまうし、 「君が私をダメにする」なのだ。交友関係もまともにはならない。 今後は4旬「35歳山子」は、主導DNA「牽」の自己確立。 栄誉や役目役割について苦悩すれば、 少しでも見栄えを良くしようとすれば、才能が磨かれる変剋律。 自信はあるのに、なかなかさまにならず。 日干は「灯」になるので、月干「海」と干合してしまう。 つまり友達みたいでしかない異性を本物と思い込んでしまう過ち。 5旬「45歳灯亥」は、月干干合で進み行く 方向性を変化させることで、前旬の見直しが行われ、 それを経験することで才能は磨かれる変剋律。 DNA「禄」は、愛情や奉仕の方向性の変化。 この時、10年運は「草亥」になるので、特別条件付10年運天冲殺的。 一般人とは異なる環境にいれば、一気に水位が上がったり下がったりと、 制御不能状態になるが、それを上手に使えれば注目に値する。 宿命の害も切れて、スイッチが入れば吉。 6旬「55歳陽戌」は、年干支「陽寅」の大半会を伴う、 DNA「司」の変剋律。 堅実さとの板挟みになったり、商いに徹すると苦悩しながら、 才能は磨かれるが、自分でも何が何だかわからなくなる恐れ。 7旬「65歳草酉」は、DNA「鳳」の半会で、年老いて緩み。 8旬「75歳木申」は、DNA「調」の害切れ刑支合で、 少々恥ずかしい揉め事に遭遇し、気持ちはシャンとするが、 高齢でもあり現実の動きが伴わず、尖るだけ尖って、 かえって精神的には辛くなる恐れ。 さて、黒木の宿命をいまいちど振り返ってみれば、 年干の「陽」は守護神ながら、年支と日支は害なので、 人生そのものが、有り難迷惑的に流れる人。 表も裏もあるのに、それを外に出し切らねば病的な魅力をとおりこし、 病気そのものが待っているだろうし、 徹底的に毒を吐かねば、魅力も拡散されない。 もうひとつ、真水の「雨」のはずなのに、月干の「海」が塩水で、薄汚れ。 だから毒を吐いても、ストレートに魅力にならず汚い。妙齢の女性がそれは、 喜ぶ男や仲間として認める同性もいるにはいるだろうが、 そんなものは実際には美しくも意味も何もなく、 ただのどぶ川が化粧をほどこしているだけだ。 本人は「渚」という名前も気に入っているようだが、 名は体を表しており、そのまんまでしかない。 もう一度いう。近くに集まってくる友人や仲間は、 (その人達の人間性は別にして) 黒木にとってはクズであり、汚れを加速するものでしかない。 これを少しでも防ぐには、生きていることじたい世を忍ぶ仮の姿と心得、 表の顔と裏の顔を明確にわけて、いきたい。その手段のひとつとして、 音楽以外に小説という手法を用いるようになったのだろうが、 その音楽性も暗くて旧くて汚れたそのまんま。 だから意外性も何もなく、これは編集者のミスだ。 黒木の音楽的世界観の一部を小説で表現させてはならない。 全く違う環境で、同じ人物とは思えない別世界を描かせねば意味がないだろう。 手ぬるいのは、中途半端な害持ちで、有り難迷惑な人生だからだろうが、 稼働力があるうちに、なんとか出来ぬと、 早生の午未天冲殺、目上に活かされてこそ(特に女性)の 彼女の良さは、でてこないで、薄汚れたままで終わる予定だ☆ |
■2017年07月09日(日)灯酉 |
又井健太○アムステルダム・ヘブンの似合わぬ夢模様 |
○07年(灯亥)のDNA「鳳」年に、 本名(高橋ケン)で「ホスト裏物語」を発表。 08年(山子)のDNA「司」年には 「ザ・ドロップアウト 偏差値70からの転落」を、 09年(畑丑)のDNA「禄」年には 「正社員からの転落―下流ライフ残酷物語」を、 自業自得の果てに出版。 年支「未」と日支「亥」のからむ DNA「車」の慌ただしい三合会局年だった11年(宝卯)の 05月(雨巳)のDNA「龍」の対冲月だった 05月12日(灯卯)に、「新小岩パラダイス」で、 角川春樹小説賞を受賞し、正式にデビューした又井健太(79-0905/草亥)の 『ア ム ス テ ル ダ ム ・ ヘ ブ ン』が、 05月30日(灯巳)のDNA「鳳」の対冲日に上梓されたので解説する。 同作は、LGBT、AV強制出演、ブラック企業、鬱病・・・ 人生に絶望した者たちが集い、究極のホワイト企業を起ち上げた 夢のような物語で、色々妨害を受けながらも、 なんだかんだと成功しました、シャンシャンという話で、 おおむねの著者の体験が織り込まれた物語。 始まりは、一橋大学法学部に合格するも、 司法試験に合格出来ず、小太りで自殺志願のモテない男が、 06年(陽戌)の04月13日(海申)に、適当な木にロープをかけたその時、 「やめてー!!」という声に我にかえる。 振り向いた先には下着姿の女子が!? そして再び響き渡る「カーット!!」の大きな声。 絶賛人生に絶望中の男は、AVの撮影現場に遭遇してしまったのだ。 「自殺するくらいなら」とAVの出演を依頼された男だったが、 まったく役に立たないまま撮影現場をあとにする。 だが、そこで知り合った、さげ●●を自称する AV女優との出会いが大きく運命を変えていく―。 始めは「一緒に死のう」だった。 やがて、彼女に信頼され、未来を託された3.500万円で、 社員が明るく悩まず楽しく働ける会社をオランダにつくってしまう。 (一人あたりのGDPが日本より多いらしい) もっとも、最初は違法すれすれの会員制の裏物AVの会社。 そこでしこたま潤ったところで、トンカツを主体とした揚げ物屋に転業。 世界各地に拠点をつくって、働きやすい会社をつくったという それこそ最後に「カーット!!」とでも聞こえそうなものだが、 時折、文章表現中に女性や子供に限らず常識ある大人が不快になるような、 必然性のない、汚い言葉や表現がでてくるのは閉口するが、 それを除けば、それなりに馬鹿話的でも楽しいものであるが、 司法試験から逃げ、ブラック企業から逃げ、自殺から逃げ、 日本社会から逃げ・・・。逃げてばかりのマヌケな男の物語である。 北海道札幌市出身で、推薦で入学した慶應義塾大学商学部を卒業。 大手映像関連企業を退社後、テレビドラマのAD、 PCコールセンター、AV男優、外国人ゲストハウスの管理人、 バーテンダー等20種近くの職業を経験し、 海外を旅するも、すぐに事件に巻き込まれて有り金を奪われたりする。 本作同様アムステルダムの日系のエロサイトに就職したこともあり、 現在は実家に舞い戻っていると思われる又井は DNA「牽」冲殺主導で、争いごとに巻き込まれる不名誉な人。 あるいは、中傷される標的にされ、何かあれば真っ先に犠牲にされる弱者。 「牽冲+禄」は、組織のために役立とうという自覚が全くなく、 無責任極まりないので、信用されず。 「牽冲+玉」は、発想だけは面白くても実行力なく、 ひとつのことを掘り下げていく気力なし。 「禄」×2、「玉」×2と周囲に控えるので、 自分以外の人は、独特な引力本能や頑固さをもった人に思われ、 かえって自分が一般人とは違うのだと思い込む。 「草+牽冲+申月」は、持続力なく理屈っぽさだけは一人前なので、 ノイローゼ気味。不安定なので、体重も20キロほど増減もする。 さすが、生月冲殺の害持ちだ。 「未」年生まれ「草亥」は、上がって落ちる。 一見良さそうな話に引っかかるが、すぐに騙される。 伴星は「石」で、人と人の間を渡り歩き、 冒険しながら人脈だけは、その場その場限りでも拡がる。 洩星は「禄」で、おだてにのりやすく、他人にかつがれる。 導星は「玉」で、若者を巻き込む。 すなわち「アムステルダム・ヘブン」そのままである。 宿命の特長は、初秋午後四時頃の海沿いのさして肥沃とはいえぬ「畑」の 雑草に近い寄生植物で、出荷しようとしても形が整わないため、 あえて売られるとしたら、無人販売所や、せいぜい道の駅の見切り品コーナー。 それも、年支「未」VS日支「亥」の半会があるので、 すぐに買われないと、月支「申」VS日支「亥」の害で痛みやすく、 生月冲殺でもあり、表面的に偽装したり、 なんらかの加工製品として姿を化けさせねば、腐るばかり。 総エネルギー213点とそれなりで、水性78点は瑞々しくも感じるが、 その正体は塩水なので、しごく簡単な漬物か。 また害は、クセになる毒のようなものとすれば、 妙な味付けで、一部マニアにだけ喜ばれるとも思われる。 自身の木性は37点なのに土性53点は、 土というよりは泥がついたままの状態。 日持ちはせずに、食中毒を起こしかねないので、食するには向かず、 細々と異性や組織に寄生して毒を注入しながら、本体を不幸に陥れるものだが、 たいがいにしないと、自分も生きて行けないので、 その都度寄生先を変えねばならず、それが職を転々とした言い訳。 年干支の「畑未」は、怠け者の略奪者も理性より感情で行動し、 周囲の理解はなかなか得られない。 月干支の「海申」は、気楽すぎて、なかなか本物にならぬが、 社会にでて体験しながら学びの姿勢を発揮する、 そして日干支の「草亥」は、世渡り巧みなうえ話題も豊富、 あらゆる情報に敏感で吸収するのが上手。 度胸の良さは天下一品、どこか持病を持ちながらも 感性鋭く一芸に秀でる特質ありだが、 異性を不幸にしたり、自分が異性により不吉な目に遭う、 いわゆる軽やかなさげ▼▼の代表で、 見ている分には面白いが、近づいてはいけない変人奇人の類で、 株式会社宇宙人の代表取締役UFOを自認している。 干支番号構成は、56-09-12で北方と東方の限定された地域。 あちこち放浪しても希薄になるばかりだし、 だからこそ現地滞在でもしないと書けたもんではない。 後天運は、初旬「9歳宝未」が、DNA「車」の半会で、危険。 強迫神経症、赤面恐怖症、迷信崇拝などを経験。 極度の心配性になり、時間割をチェックするのに毎日2時間。 一日15時間勉強し、一年で千回自殺を考えた等破滅的ながら、 「玉」×2の学習能力だけは際立ち、東大も狙うも変節し、 推薦で慶應大学に入学。 2旬「19歳鉄午」は、DNA「牽」の主導DNAで自己確立。 とはいっても、少年時代と異なり刺激が多く、 形が歪になるばかりで、定着不能。 現在の3旬「29歳畑巳」は、DNA「禄」の引力本能と、 月支「申」VS日支「亥」の害切れで、 それでもいくらか気合いが入って、デビューもする。 来年(18年/山戌)から始まる4旬「39歳山辰」は、 DNA「司」の地味で、前旬ほど毒も目立たぬようになり、 派手な人生とは疎遠になるが、いわゆる真面目になる訳ではない。 5旬「49歳灯卯」は、年支「未」と日支「亥」のからむ三合会局で、 忌み神月干「海」が干合で「木」になるため、方向性の変化。 目下との政治的交流が強くなったり、 仲間といくらかは長続きする商売を考えたりもする。 DNA「鳳」の守護神の半会なので、明るく熱くなれば、 作家であろうと、華やかさを得るようになる。 6旬「59歳陽寅」は、DNA「調」の守護神の独創的世界観。 月支「申」VS日支「亥」の害も3旬以来ふたたびきれて、 今度は守護神支合でもあり、いくらか形がマシになる。 なにをやっても、おおむね順調な10年になる。 7旬「69歳草丑」は、DNA「貫」もひっそり。 8旬「79年木子」も、DNA「石」で昔に還ったような 依存体質の復活。晩年は輝けるかは不明だ。 さて、又井の今作はこれまでの「新小岩」や「阿佐ヶ谷」という街に 少しでも根ざしたわけなく、この2年(16年/陽申・17年/灯酉)が、 60年に2年だけある守護神条件あり天冲殺だったためか、 思いっきり羽を伸ばし、ほぼご自分のたどった道を、 かなり美化脚色して小説じたてにした代表作ながら、 品性の欠片はなく、同性であろうと積極的に読んでも、感動するものではない。 何故か。それは本人が海外へ行く度に酷い目に遭っているにもかかわらず、 懲りずに出かけていって、最後は空振りになったのを、 作品の上だけでは、なんとか格好をつけようと無理したものだから。 そもそも宿命に海外を示す、DNA「龍」の真水の「雨」はなく、 塩水の「玉」がふたつもあるのだから、どうしても変化球の国内が似合う。 生月冲殺で家系の犠牲になるばかりか、身内に毒をばらまく日座冲殺なので、 北海道に舞い戻っても、良いことなど何ひとつなく 似合うには、伝統はない下町のような旧さで、新小岩は経験ずみなので、 いまだ著作が平積みになっていることに感謝しているはず。 そういうどこか落ち着ける国内の地味な場所に定着できれば それなりの成果もあげられることを強調しておきたい。 「逃げろ逃げろ!世界へ逃げろ!人は逃げ続ける限り、 いつかどこかでこの世の天国に巡り合えるのだ」は、方便でしかない。 だって、逃げないのが生月冲殺の消化であり、蘇生だもの。 もちろんボロボロになって絶えていきたいなら自由だけどね☆ |
■2017年07月11日(火)畑亥 |
澁川祐子○オムライスの秘密 メロンパンの謎はお腹が空く |
○13年(雨巳)の大半会年に澁川祐子(74-0601/雨酉)が、 彩流社から刊行した「ニッポン定番メニュー事始め」を原型として 加筆訂正改題された『オムライスの秘密 メロンパンの謎』が、 新潮文庫から02月01日(鉄申)のDNA「玉」に刊行された。 本書の最大特徴は 「文献によって出来るだけ事実を明らかにしよう」という姿勢で、 いわゆる元祖○○の店の話は聞きにいってはいないというところ。 その理由は直接の証言を得たら、 その話に引きずられて客観判断をしづらいからだそうである。 それこそ中身が似たり寄ったりの伝統の語りがネット上にもたくさんあり、 まるでリピート再生だからという。 本書は、食卓の定番、コロッケやナポリタンのルーツは、本当はどこの国? カレーはなぜ国民食になったのか。肉じゃがは海軍発祥というけれど。 からあげは「唐揚げ」か「空揚げ」か。 ハヤシライス誕生をめぐる尽きせぬ不思議・・・。 あなたが大好きな料理は、いったいどうして定番になりえたのだろう。 埋もれた真実に迫りつつ、好奇心と食欲を刺激するおいしいコラム集。 ともかく誠実に丁寧にあたっているのは、脱帽ものなで、 いちいちごもっともなので、細かな説明は野暮というものだし、 なによりも、一行読んだだけでも、お腹がすくのだから、 深夜には決して手にとってはならないことだけは、明確に助言しておきたい。 神奈川県相模原市生まれ東京都町田市育ちと思われ、 東京都立大学人文学部を卒業後、フリーライターとして活動するかたわら、 「民藝」の編集にも携わり、近年は食や工芸のテーマを中心に執筆。 編集や執筆を手がけた書籍に 「最高に美しいうつわ」「スリップウェア」などがあり、 現在は如何にもな風情の東京都目黒区自由が丘住まいと思われる 澁川は「司」主導で、なんでも資料収集。 コツコツとデータを集めて集めて、さらに集めて結論をださなないと、 納得がいかない用意周到さ。一言で言えば真面目人。 「司+調」は、負けず嫌いなので納得するまで調べる。 「調」×2もあり、細部にわたり丁寧に、執拗に調べる。 「司+龍」は、用心深いから慎重に調べる。 才能はこの「龍」で、庶民性だから、高級料理ではなく、 一般人に溶け込んだばかりか、成長する料理を調べるような探究心。 「司+車」は、感情では動かず資料を徹底的にあたる。 猪突猛進のような行動力もあり。 「雨+司+巳月」は、見てくれより中身の激しさに定評あり。 「寅」年生まれ「雨酉」は、自己の行動に矛盾を感じない。 なので本書では、元祖を称する店の詐称まで暴いてくれる。 伴星は「車」で、単独行動で納得いくまで調べる。 洩星は「車」で、何もないところから始める。 導星は「龍」で、終了したら新たなテーマに挑むので、終わりなし。 宿命の特長は、初夏午前十時頃の変わった作物を栽培している、 (仕事熱心だからか)近づきがたい畑の農業用水路。 あるいは、出しっ放しは出来ぬような、勢いのある給水のためのシャワー装置。 常に自分では持て余すほどの担当があるので、 空から降って、川となり、海に流れ行くまで時間がかかるように、 時間をかけて物事を明解にしてゆく心がけ。 総エネルギー199点しかないのに立派なことで、 それを可能にしているのが、夏の雨水が人々に好まれるためで、 取材先に何度も脚を運んでも、嫌われることなく、お得な存在だ。 とはいえ、土性67点は凄まじい行動力にもなるし、 異性受けも悪くないので協力者も少なくない。 独身のようだが、(土性過多で)その心は決め手に欠けるほど、 仕事にドップリつかっているためか。 夏の身弱な水性ほど、貴重なのだから、重宝されるが、 一歩間違えると好色になってしまうのが怖い。 とはいえ、これは年干支「木寅」VS月干支「畑巳」の干合支害も、 影響してるようで、どこか不安なのかというより、 何か特別な引き出しを隠しもっているようにみえるのだから、 それはそれで謎めいて良いのだろう ともかく高級素材も、畑次第(料理人や客)になっているし、 本人はおそらく内臓などに弱い部分を抱えているので、 うかつなことは言えぬが、楽しそうでもと思ったほうが気が楽だろう。 年干支の「木寅」は、自己の利益は別として、 人と人の間にたち、仲を取りもつ能力に優れる。 月干支の「畑巳」は、深く悩むかと思えば開きなおりの変幻自在。 キモがすわっているが、つねに自己矛盾を抱える苦悩の大バーゲン。 まさに威圧さなしの庶民的指導者の代表だが、 専業主婦や自営業だと、配偶者の運気を劣化させやすい。 そして日干支の「雨酉」は、頭脳明晰で世渡りの知恵にすぐれるが、 記憶力と頭の回転だけで、品性に欠けるため、 友人を大切にすることで養う気づかいが必要。 如才なく不快感を与えないが、基本は裏方が似あう。 干支番号構成は、51-06-10で、北方と東方の限定された地域で、 専門外をやるよりは、得意分野に特化したほうが正解だろう。 後天運は、初旬「9歳山辰」は、DNA「牽」の干合支合で、 初旬後天稼働運型となり、社会にでる頃に相当な質の良い働きをする。 自尊心は強く、自分の役割は何かと常に意識しながら、 どうしたら、自分なりの社会貢献が出来るかを 常に考える責任感のある人物。 2旬「19歳灯卯」は、DNA「禄」の天剋地冲で、 引力本能は強化されるも、その質は忌み神で天剋地冲もあったので、 自由人として生き方を心に刻み、 それまでの人生をガラリ一変させるような事件にも遭遇。 3旬「29歳陽寅」は、主導DNA「司」の自己確立。 すなわち、社会に存在を認められる時期であった。 現在の4旬「39歳草丑」は、DNA「鳳」の半会で、 豊かで冷静で、それでいて客観的な発信力が強化され、 成果もでてくる絶賛順調な時代。 今後は5旬「49歳木子」が、DNA「調」の独創性やら 芸術性の追究になっていくので、さらに専門家になっている可能性大。 むろん月干「畑」との干合があるのだから、 進み行く方向や、目下の変化によるものも大きいが、 えてして、それも引力本能になっていくので困ることはない。 6旬「59歳雨亥」は、DNA「貫」の10年運天冲殺で、 年支「寅」VS月支「巳」の害も切れるので、 それまでの実績が相当評価されて、あれよあれよとその道の大家か。 7旬「69歳海戌」は、DNA「石」の10年運天冲殺ばかりか害で、 友人知人周囲の人物の裏切りも想定されるが、 仕事運そのものは年支「寅」の半会もあり、伸びは止まらず。 ただし、政治的発言や政治活動に気持ちが向けば、 「雨」が「海」の塩水に汚染され、潰える可能性もあり。 8旬「79歳宝酉」は、DNA「龍」の守護神刑。 多少の騒動は残ろうが、原則は蘇生へ向かうが、 さすがに高齢でもあり、大きな期待を寄せることは出来ぬだろう。 さて、文学的香りがするわけでもなく、むろんライトな小説でもないが、 なぜ取りあげたといえば、ご本人はいたって真面目に頑張られて 執筆されたのであろうが、読み手として「楽しい!」からに他ならない。 「焼肉」発祥も朝鮮半島ではなく、ショートケーキは我が国独自の商品等々。 文献ばかりか、幻のケーキ「シベリア」の項では、 もちろん映画「風立ちぬ」にもあたっている。 事典ではないが、手軽に近くにぜひぜひ置いておきたい一冊だから。 私生活は、なかなか大変な人かもしれないが、 「食べることが好きな」人に、悪い印象はないし、 これだけは面白いので良いのではないか。 初出が11年(宝卯)と6年前なのに、行間はまるで色あせていない。 だから推奨したいと思う☆ |
■2017年07月17日(月)草巳 |
朝霧カフカ○ギルドレがつきつける最弱救世主の正体 |
○14年(木午)のDNA「禄」の半会年には、 「文豪ストレイドッグス・太宰治の入社試験」で、 小説家デビューしている朝霧カフカ(84-0317/鉄戌)が、 「ヤングマガジンサード」に14年(木午)から16年(陽申)まで連載していた 『 ギ ル ド レ 世界最弱の救世主 』を、 昨年(16年/陽申)の11月21日(陽子)の「車」重なり守護神日に上梓し、 その続編『 ギ ル ド レ 滅亡都市 』が、 03月22日(山申)のDNA「龍」日に刊行されているので、解説する。 同作は、近未来の地球は正体不明の異星人の敵(エネミーズ)の前に、 絶望的な戦局を強いられていた。 月落下作戦。今にも地球に落下しそうで、裏側まで見せるようになった 月の落下をくいとめ、人類滅亡確実と思われたその最終局面から 世界を救ったのは、たった一人の少年・神代カイルだった。 世界最弱の救世主(ミニマム・ワン)と呼ばれ人類の希望となったその少年は、 量子力学による波動関数の収束を利用した、 「あらゆる可能性を選び取る力」を持っていたのだが、 少年はその日以降、人類の前から姿を消した。 それから3年。世界に残された唯一の戦闘要塞都市・アラヤシキに、 記憶を失ったカイルが姿を現す。 紆余曲折ののち、彼はギルドレと呼ばれる弱小部隊に所属し、 エネミーズに対抗する力を持つ、ドローンパイロットと呼ばれる 生体メカ兵器を使う少年少女たちとともに、 再び戦いに身を投じることになるが、 果たして人類は生きのびることが出来るのだろうか。 新たな謎は、救世主の正体。人類の敵なのか味方なのか、 そもそも自分が誰だかもわかっていない。 救世主は死んでいるのか。生き抜いていたのか。 世界の謎が加速する残酷な物語は、私たちに警告を与えてくれるのだが、 もとはといえば、漫画原作といえども、漫画どころか、 果てしなく不可思議なものだったが、 一作目だけなら荒唐無稽なSFとして片付けてしまえばすんだのに、 二作目の『 ギ ル ド レ 滅亡都市 』になると、 記憶喪失になった主人公が死んだ証拠が提示され、 姉妹都市に唯一人残された生存者の救出に成功するも、 救世主(とされる主人公は)は拘禁されてしまったり、 ライバルの位置付けの少年の意外な人間関係が描かれるなど、 味付けが濃厚になってきたので、 思わず身を乗り出して物語に引き込まれてしまい、 執筆中の三作目が待ち遠しくなるが、 裏切り者は決して許されないという展開を、この時代らしく期待しておこう。 (疑問なのは一作目から二作目までの時間の経過はさしてないのに、 少年少女の陣容が変化していることである) 愛媛県出身で、関西または中京地区の学校をでたあとは、 トヨタ自動車でマネジメント関係の仕事をしており、 仲間からは「(大手を辞めるなんて)おかしい」と言われながら、 11年(宝卯)のDNA「石」年の最後の最後に、 シナリオライターになりたくて、大いなる自己発揮(勝負)のうえ、 苦労して(?)入社した職を辞し、 12年(海辰)の守護神月干「灯」が消滅したものの 主導DNA方向の「草」となり引力本能が強化され、 ニコニコ動画に動画を投稿していたところを (朝霧かっちゃん/朝霧カイト名義)、角川エース編集部から声がかかり、 「文豪ストレイドッグス」で漫画原作デビュー。 昨年(16年/陽申)の年支「子」の半会を伴う守護神年に テレビアニメ化もされたこの「文豪ストレイドッグス」とは、 主人公扱いの中島敦が所属する「武装探偵社」を相手に、 太宰治や芥川龍之介ら文豪がイケメンキャラクターとして登場し、 「人間失格」や「羅生門」と名付けられた異能の能力で暴れまわる作品。 現在も愛知県名古屋市内に在住のようで、 おそらく独身で、「司」冲殺主導の朝霧は、 一見律儀に感じられるも、その実態は、いい加減で適当。 むしろ不真面目だからこそ、とてつもない妙な発想をする。 組織力はトヨタで身につけたのかもしれないが、 少々ズルイ引力本能にもなるので、 作品の質を向上させるシナリオづくりのために、合宿もする。皆、家族(笑)。 生月冲殺なのに、寅卯天冲殺なので、しばしば実家にも帰る。 朝霧にかかれば、 「文豪ストレイドッグス 外伝 京極夏彦VS綾辻行人」というように、 京極夏彦(63-0326/山辰)も綾辻行人(60-1223/草酉)も家族同然なのだ。 「司冲+調」は、妙に負けず嫌い。他者と差別化をはかりたいのだろうが、 作者の性癖は主人公より、好敵手のほうに違いない。 才能も表に見えるだけに「調」で、繊細かつ独善的な発想力。 でも、子供じみてるけどね。 「司冲+牽」は、客観的な立場にいながら、大袈裟な感動。 そうでもなければ、ドローンパイロットによる戦闘は描き切れぬ。 むろん、主人公を含めた彼らの異能力は、 「牽」×2もあり徹底してスタイリッシュであり、 ヒーロやヒロインは、やたらめったら強い。 「司冲+禄」は、遠い未来はともかく 画一的になった近未来の荒廃した都市の姿は見てきたように書く。 現実にとらわれずに、それも都合良くだ。 想念の中で選択する行為が、未来を決定する。 「科学とは説明できるかできないものかを試すのではなく、 ただそこにあるものを法則化したものだから。 あとはどんな手品も使わず確率の選定を行うだけ」だそうで、 最弱の救世主は、まるでゲームのように、目前に迫り来る攻撃をかわす 選択をしたりするだけで、戦闘はしないのだ。なので超能力でもない。 「鉄+司冲+卯月」は、存外理屈っぽく、精神的疲労を感じやすいので、 スタッフなり編集者次第で活き活きもするだろうし、 死んだ魚のような目にもなる。 「子」年生まれ「鉄戌」は、自己矛盾なし。 伴星は「玉」で、生涯学習ありき。文豪登場は似合う。 洩星は「調」で、離別。大会社も辞めないと始まらない。 導星は「牽」で、どんな形態か別にして、名を残す。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の乗り物。 その気になれば、空をも飛ぶ生月冲殺なので、 ドローンをさらに予測のつかない神出鬼没な物体にしたそのもの。 なにしろ兵器ともいえる「鉄戌」なのに、 総エネルギーは僅か143点しかない軽快さなので、間違いない。 重厚ではなく、ライトノベルであり漫画原作で良いのだ。 稼働力になる守護神「灯」が僅か22点と心許ないため、 弱点を抱えているのは明白で、燃料を制御出来ぬのに、 月支「卯」VS日支「戌」は支合で、妙につながっており、 扱うには、それなりに技能が必要。守護神の場所は若者であり、 「16歳以下でないと身体改造をした戦闘員になれない」も納得。 年干「木」の引力本能は42点をつけているため、 目立つことは目立つし、魅力も冲殺されているだけに 不安定であろうと本体「鉄」の33点からみたら充分すぎるほど。 とはいえ、創造力の方向の土性は、脆弱も脆弱の15点。 心許ないので、ワンパターンがまかり通る。世界最弱は納得のいくところだ。 だって敵は、サイだの水牛だの猿だのカマキリだのお化けで、 言い訳もあろうが、これが宇宙からの侵略者も何もないよな。 本作に習えば「出来損ない」とでもしておくが、 胴体以外は作り物の最強戦士だって登場するのだから、恐ろしい。 もちろん家族のようなものだし、 家族と言えば、二作目がより家族を意識しだしたので、 そのあたりは、工夫してきたというよりは、生月冲殺らしい思いつきだろう。 おどろおどろしい敵の表現も、この創造力の貧弱さであり、 近未来なのに、まるで稚拙な漫画(漫画には違いないのだが)。 かといえば、小難しい物理学の講釈までしてもらえる。 とりあえず独身としたが、やたらtwitterは発信するくせに、 私生活が見えないのは、冲殺者としては悪くない。 また、エネルギー点数を無視すれば、年干に引力本能、月干に守護神という 恵まれた形であることは言うまでもない。 それが、とりあえず上手くいっている証しだ。 年干支の「木子」は、リセット・隠居・丸坊主・初心に還る。 打たれ弱く、へなちょこな戦闘員もいれば、 そもそも救世主に腕力は備わっていないのだ。 月干支の「灯卯」は、観察に時間をかけ、すぐには行動しないが、 その気になれば、素早く動く。考える時間が必要なのは、じれったいが、 そこが物語の肝にもなっている。 そして、日干支の「鉄戌」は、ヤボったく、ずうずうしい。 人の心に土足で踏みこめる類まれな能力。 内面に強烈な闘争心ありも普段はおだやかで、いちど火がつくと驚異の爆発力。 危険察知がたくみで退却上手だが、さすがに生月冲殺なので、 時に格好良く散ろうともする。 休日などあるわけもなく、怪我や大病で身体を痛めると、 交換条件のように運があがる質もあり、そこは自分を良く知っている。 恐らく、祖父の代が悲惨な戦争経験者で、功成り名を遂げた人物がいるかも。 干支番号構成は、01-04-47で東方と北方のごく限られたエリア。 人々が棲息するのも限定される都市が舞台なのは納得できる。 後天運は、初旬「5歳山辰」が、DNA「龍」の対冲 年支「子」の半会を伴うが、特に成功稼働条件はなかろうと、 生月冲殺には刺激になったろうし、守護神成分ではないが、 DNA成分にない創造力が修学前に出ているので、 内容は別にして、男児としてはそれなりに早熟であったろう。 2旬「15歳畑巳」は、年干「木」が干合されると「山」になりDNA「龍」で、 生月冲殺らしく、そこは生地生家よりでる方向。 とはいえDNA「玉」の背景で、勉学の素地は伝統性方向。 なので東京には出ず、関西地区に落ち着いた模様。 「鉄」に土性はそこまで歓迎できるものではないが、 この20年間でさして多いとはいえない土性が充分補填されたので、 それはそれで社会に出る前なので良好とする。 現在の3旬「25歳鉄午」は、年干支「木子」の天剋地冲を伴う DNA「貫」の大半会で、独立して大成果をだすだが、 朝霧は徹底して成功したと言えるので結果オーライだが、 本来、生月冲殺が方向性も定まっていないのに仕事を辞めるのは自殺行為で、 誰かにのせられて(彼の場合は編集者)ならば良いが、 このツケは以後支払うことになるはずだ。 今後は4旬「35歳宝未」が、年支「子」の害を伴うDNA「石」の足踏み。 手を抜いてしまえば、雑になればなるほど前進力に陰りでる。 仲間や編集者の裏切りにも遭いやすい。 月支「卯」は半会なので妙な自信はあるだろうが、 ここは感謝と奉仕で忍従せねば厳しいかもしれない。 5旬「45歳海申」は、年支「子」の半会を伴う DNA「鳳」で、復調をみるが、守護神月干「灯」は「草」になり、 経済優先でちまちまとした活動ではさまにならず。 6旬「55歳雨酉」は、守護神月干支「灯卯」の天剋地冲を伴う DNA「調」の害で、反発反抗であり不遇を嘆きかえって不調を招く。 体調にも陰りがでやすくなり、苦難の時。 しかし「だってこの世は楽園じゃないし、 それでも前に進まなくちゃならないんだもの」だからね。 7旬「65歳木戌」は、DNA「禄」の特別条件付10年運天冲殺。 感謝に基づいた投資が可能なら、一気に異なるフィールドで蘇生するも、 それだけの力が残っているかは疑問で放出だけになる可能性もあり。 8旬「75歳草亥」は、DNA「司」の主導DNA特別条件付10年運天冲殺。 いわゆる自己確立になるが、ここで過去を悔やんでも無意味というか、 遅すぎてどうにもならないのが実情だろう。 さて、実在の文豪たちが闘う斬新な設定をしてみたかと思えば、 近未来の悲愴を、残虐かつあっさりと描いてしまう朝霧の、 圧倒的な着想は、「司」冲殺主導が、良く出た模様。 とはいえ、いくら面白くても、エンジンもシャーシーも軽いわけだから、 (トヨタ出身だけに)一般道は走行できないF1カーみたいとも言える。 大技をくりだしても、現実味に乏しく、 二次元の枠からはどうしても踏みだしづらい。 視野も広くないところに、生活感もないので、 花粉症を風邪と勘違いしたりもする(笑)。 このあたりは、虚飾の工業製品でしかなく 稼働力をあげて、休みなく作品を繰り出せるかにかかわってくる。 「(サイン会では)トークに時間かけすぎてるので、 もう少し巻きでと編集さんに言われるのですが、 今回も反省しません。いっぱい喋ります」も、 もちろん制動不能の証しだが生月冲殺としては許されぬ行為。 そして、SNSで味がないのは、総エネルギー143点の軽さ。 発想は誉められたものだが、本人の先行きは不透明。 やはり会社は辞めずに、趣味にやっておくべきだったと後悔するのは嫌だろう。 そして今年(17年/灯酉)は、守護神月干支の納音を伴う DNA「牽」の不名誉で、ありがた迷惑。 どこということではなく、なんとなく体調もいまひとつだろうし、 ここでもそこまで誉められない。 やはり自身の器を飛び超え、果てしなくやっていくためには、 作家の場合は編集者ありき。上手に踊らされるかは難しいのだが、 期待がありすぎると空振りも否定できず。 最先端の研究都市でさえ負けたのだからね。 それに主人公の能力のいいところは「バレにくい」だが、 「観測効果による波動関数の選択的収束」とかいいながら、 目立ってしまうのが生月冲殺。ある意味、ないものねだりであろう。 なお、この話は2020年(鉄子)06月(海午)24日(山戌)頃の話から、 2022年(海寅)あたりの日本国らしき未来の荒廃を描いている。 今後の朝霧のお手並み拝見だ☆ |
朝霧カフカ○84-0317 |
鉄灯木灯 戌卯子+5 禄牽牽司調(司冲殺主導) 木性(42)火性(22)土性(15)金性(33)水性(28)/総合143 寅卯生月冲殺/生日冲殺/天冲殺(65歳木戌/75歳草亥) 大半会(25歳鉄午)/害(55歳雨酉) 木性過多/火性脆弱/土性脆弱/水性脆弱 +5歳山辰/15歳畑巳/25歳鉄午/35歳宝未/45歳海申/55歳雨酉/65歳木戌/75歳草亥〜 |
■2017年07月19日(水)灯未 |
今村夏子○星の子が芥川賞受賞に相応しいかもしれない理由 |
○09年(畑丑)の条件なし天冲殺のDNA「玉」月(06月/鉄午)に、 翌日のアルバイトが休みと宣告され、 突如一週間もあれば書けるだろうと思い立って執筆開始。 始めは手書きも、08月(海申)の害月にはPCを購入、 完成は守護神天冲殺主導DNA月の12月(陽子)。 そして、結果がでたのは、10年(鉄寅)の天冲殺明けのスッキリした DNA「玉」年の05月10日(鉄申)のDNA「玉」の害日の 「あたらしい娘」で、太宰治賞を受賞するも、タイトルにダメだしされ、 翌年01月の10日のDNA「鳳」の天冲殺重なり日に、 同作を「こちらあみ子」と改題して作家デビューし、 同作は06月24日(鉄戌)のDNA「玉」日には、 三島由紀夫賞をも受賞した今村夏子(80-0220/雨亥)だったが 、 長い沈黙のあと、守護神害年だった昨年(16年/陽申)の、 11月21日(灯未)の守護神半会日に上梓した「あひる」が、 今年(17年/灯酉)の05月24日(宝亥)のDNA「龍」の刑日には、 第5回河合隼雄物語賞を受賞し、06月13日(宝未)のDNA「龍」の半会日には 『星 の 子』が上梓され、同作が「灯」重なりに行われる象徴的な 第157回芥川賞(17-0719/灯未)の候補にあがり、有力視されているので解説する。 同作の主人公・林ちひろは中学三年生。 出生直後から病弱だったちひろを救いたい一心で、 両親は「あやしい宗教」にのめり込んでいき、 その信仰が少しずつ家族を崩壊させていくことを、 じわじわとまるで首を絞めるように語っていった話で、 5歳違いの姉は、とっくに逃げだしている。 両親や兄と別れるつらい経験を経て 祖母と暮らす少女の思いをつづった「こちらあみ子」や、 家族と暮らしながらも、資格試験に挑戦しながらも、 二階から階下の模様を眺め、不良だった弟にあらゆることに先を越された 姉の淡々とした思いを描いた「あひる」と同一視線にあるような 屈折した感情を深く描きだしているもので、覚めきった諦めにも似た 明るいのだか暗いのだかわからない部分は、 ただ一言不気味であり、乱暴に言い放てば、 未来は勝手に自分たちでやってくれという陰気が隠されている。 エンタテインメントではないから明るさなし。 もはや時代を先取りしているとは言い難い この時代の芥川賞には相応しいのかもしれない。 広島県広島市安佐南区出身で、大阪市内の大学に進学し、 デビュー当時は大阪市東住吉区在住のアルバイトで、 13年(雨巳)の納音年に結婚をしたという記述があるものの 娘が一人いる以外、詳細はいまのところ不明な今村は、 DNA「調」主導で、少女の気持ちを淡々と丁寧に表現する。 本質的に屈折しており、偏りがないと落ち着かない。 だから幸運か不運かのどちらかしかない。 才能も「調」で尖った感性を丁寧にたたんでいて、 その時がきたら一気に爆発させようと虎視眈々した状態。 「調+玉」は、一見落ち着いたわけしり顔だが、 実際は世間知らずで、一般的な生活不適合者。 「玉」は都会にでてきても旧い感覚が損なわれず、 お祖母さんのような風合いで、時代の先端には追いつかないし、 追いつくつもりもないだろう。 「玉」×2もあり、それなりに頑丈で無理をせず。迎合はしないのだ。 「調+石」は、自尊心は極めて強いが、生きるためには妥協もいとわず。 「調+牽」は、折り目正しく見せるが、形だけとはいえ、 制御されている状態が落ち着いていると感じている。 「雨+調+寅月」は、成長しきれない未完成な青さ。 「申」年生まれ「雨亥」は、浮き世離れ。 伴星は「鳳」で、人生そのものは趣味。 洩星は「牽」で、目上の引き立て。受賞は励みになる。 そして導星は「調」で、自分のスタイルは崩さない。 宿命の特長は、初春午前四時頃の「雨川」で、 水源地の山脈の岩場から濁流が勢いよく湧き出している状態。 総エネルギー199点は存在感はあまり感じないものの そこは頑丈な子丑天冲殺なので気だけは強い。 守護神火性は月支「寅」内にあるため使いづらく野人扱い。 しかも僅か14点なので、暖かみも華やかさもなし。 配偶者成分の土性は月干支の「山寅」で、 すぐに手が届く場所にあり、干合支合するため、 どんな人物かは別にして、近くにいたはず。 とはいえ、この宿命の最大特徴は、年支「申」VS日支「亥」の害持ちで、 持続力がない表裏人間であること。だから、寡作。 一生懸命になりすぎると壊れてしまうので、限界を知っている。 普通の仕事は続かない。否、むしろ続けてしまえば災禍が増殖する。 結婚しているならばなおさらで、ちんまりと騒がずに構えているのが得策だ。 なので本来は注目されたくないはず。 名誉は似合うのだが、あまり注目されすぎると、 干合月干支は「陽寅」になり、年干支「鉄申」と天剋地冲が成立するので、 夫の立場や結婚状態そのものが危うくなる。 時折文章でも書いていなければ、精神異常をきたす恐れあり。 本来は専業主婦で、内側で静かにしていなければ、 水流が一気に毒を伴い拡散するので厄介な人物だ。 本来、水は澄んでいるものだが、 雪解け水のような春の季節で土砂で汚れているばかりか、 飲み水には適さない有毒物質を含んでいるので、 それを小出しにしてきたのが、これまでなのだ。 年干支の「鉄申」は、面白味がさほどなくマニュアル重視の公務員体質。 月干支の「山寅」は、お世辞や飾りごとが苦手で、 恥をかいてまで生きたくないという美意識の持ち主。 そして日干支の「雨亥」は、自分のテリトリーに他者を引きこむ。 忍耐強いが、用心深い小心者で、情報収集出来ないと動けず、 他人を上手に利用して生きていく賢さあり。 干支番号構成は、58-15-60で北方と東方と南方の境目あたりの 鋭角的な領域で、さほど広い視野は期待しないほうが良い反面、 得意分野で不吉な話を平静を装って語る。 後天運は、初旬「5歳灯丑」がDNA「禄」の引力本能強化の 守護神10年運天冲殺。勉学を真面目にしていれば、 相応の成績は収められたであろうが、人付き合いは良くはなかったろう。 今作の主人公の少女時代は重ならなくはない。 2旬「15歳陽子」は、年支「申」の半会を伴うDNA「司」の10年運天冲殺。 広島から大阪へと順調に進んできたが、 一時はそれなりに就職もしたかもしれない。 3旬「25歳草亥」は、DNA「鳳」の特別条件付き10年運天冲殺。 たががはずれたのか、緩みがでたのか、環境が普通でないほうが伸びるので、 とうに勤めはやめてアルバイト生活。 いったんはデビューするも、学生時代から知り合いだったか、 仕事先で偶然しりあった相手と結婚し、 その生活にひたっていたために、活動が鈍る。 現在の4旬「35歳木戌」は、同じく特別条件付き10年運天冲殺だが、 DNA「調」の主導DNAでもあり、活動を再開して一気に濃度をあげ、 世間の注目も浴びていくであろう時期。 今後は5旬「45歳雨酉」は、DNA「鳳」。 月干「山」の干合で、何か別な何かに夫をとられたり、 進み行く方向が変化することにより、 40年間の10年運天冲殺は抜けようと、ゆっくりと抜けだす。 6旬「55歳海申」は、DNA「石」の屈辱で汚れきる害で、 体調不良も視野に入るが、仲間に裏切られることもあるだろう。 7旬「65歳宝未」は、DNA「龍」の改善。 8旬「75歳鉄午」は、DNA「玉」の昔の話題。 晩年はさしもの子丑天冲殺でも、すっかり普通の人かもしれない。 さて、今年(17年/灯酉)は、DNA「禄」の守護神引力本能年。 07月(灯未)は、同じくDNA「禄」の守護神半会月。 そして発表当日の19日は「灯未」で同じくDNA「禄」の守護神半会日で、 いわゆる「灯」重なりの熱い時で、昨年(16年/陽申)の有り難迷惑年とは異なり、 全てが好転し、自然界の加護が得られる絶頂期だ。 普通に考えれば受賞の可能性が極めて高いが、 仮に逃した場合は、底流にある生き方(結婚が該当)が 余程応援されるものではなく、かえって災禍が押し寄せかねないので 遠慮しろということなのだろう。 正直申し上げてテーマに共感できることは何もないが、 文章には前述のごとく、毒に磨きがかかった感もあり、 そこに初春の水流の勢いにも似たテンポの良さもうかがわれる。 こんな日常は恐ろしくて近寄りがたいが、文学の世界では別なのだろう。 最後にこの生年月日は、男女の違いこそあれ(10年運の流れが逆)、 NON STYLEの石田明と全く同じ。 毒を暴発させている癖のある芸風にたどりつくまでは、 かなり病んだあとがある。それは今村もいくらか痕跡があるのだが、 石田はそれを全開させているうえに、結婚までしているから、 相方の井上裕介(80-0301/雨酉)に当て逃げ事故を起こさせて、 謹慎させてしまう程度の威力はあり。 なので今村も夫を犠牲にするのは間違いないのだが、 その覚悟があれば受賞は出来るのだし、 何も意識していなければ、それこそ自然界が判断するので、 これからの人生におおいに参考には出来るはずだ☆ |
■2017年07月21日(金)畑酉 |
天野純希○信長嫌いの嘘ばっかり |
○07年(灯亥)のDNA「龍」年の09月27日(木子)の干合支合日に、 「桃山ビート・トライブ」で、 第20回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。 13年(雨巳)のDNA「禄」の半会年には、 「破天の剣」で第19回中山義秀文学賞を受賞した 天野純希(79-0919/畑丑)が、13年(雨巳)から15年(草未)まで「 小説新潮」に発表した七編をまとめ『信長嫌い』として、 05月20日(灯未)のDNA「龍」の天冲殺対冲日に上梓した。 本書は、織田信長に人生を翻弄された実在人物を主人公に、 まるでその場に居合わせたように、 臨場感溢れる無念の七人の男の壮絶な心情がつづられている。 信長さえいなければ・・・。 怪物によってすべてを狂わされた男達は、どのように挫折をしたのだろうか。 今川義元、三好義継、伊賀流上忍の百地丹波、 朝倉家家臣、六角承禎、織田家宿老、そして信長の孫の織田秀信。 ああ、こういう解釈もあったのか。 否、これが史実ではないかと思わせる巧みな筆致。 まるで当人が乗り移ったかのごとくの科白。 負け犬には負け犬なりの理由があった。 それが、またすこぶる面白いに尽きるのだが、 信長の周辺を描くことにより、信長そのものを照射しつつ、 その影響力を惜しみなく描ききった、素晴らしい語り。 これでは、信長嫌いどころか、そういう人でも、益々好きになってしまう 技ありの切れ味鋭い、鮮やかな短編集である。 愛知県名古屋市出身で、愛知大学文学部史学科を卒業し、 デビュー当時はフリーターであった天野は、 DNA「鳳」主導で、特別意識の強い冷静な表現者。 「鳳+車」は、大衆的で売れることを念頭に置く。 才能は「車」だが、生年冲殺で冲殺されているため、 単純構造ではなく、世間の好みにあわせるような柔軟さがありながら、 孤軍奮闘する侍でも凜々しいのではなく、どこかとぼけた部分が秀逸。 「鳳+鳳」は、重量感ある無欲な人生。 「鳳+貫」は、温厚にみせて、なかなかの頑固者。 現代の風情についていくのは苦手なので、歴史に題材を探る。 「鳳+禄」は、お人好しながら、説得力のある物言いが可能。 「畑+鳳+酉月」は、穏やかな常識のある人。 「未」年生まれ「畑丑」は、他力運。 すなわち無から創り出すのではなく、歴史上の人物を描く。 伴星は「牽」で、自分に厳しく誰かを表にだす手助け。本書は正にその典型。 洩星は「貫」で、自分一人の努力。 伴星は「車」で、マイペース。最後はなかったことにしかねない。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の川縁の街並み。 向こう岸もこちら側も同じような造りだが、棲息する者の質が違う。 あえて言えば向こう岸には、この時刻に人がいるのに、 こちら側は無人。すなわち仕事場と生活の場の違いなのだが、 パッと見にはよくわからないの景色。 一応、両天秤と言えるので、兼業作家も似合わないわかではないが、 年干支「畑未」VS日干支「畑丑」の納音もあり、 実際のところは私生活もふくめて、あえて表に出さぬ秘密主義。 見通しの悪さは、総エネルギー223点中土性96点の壁を 50点の金性が内側から支え、稼働力で才能でもある木性15点は僅かなため。 働きたい時に働くわけだから、フリーターで良かったのだろうが、 親縁希薄、親の犠牲、親と同居は苦しみの倍速送りにもなる 生日冲殺付の互換冲殺なので、本来は真っ当な職につきながらが 似合う生年冲殺であろうとも、一筋縄でいかぬ苦しみとともに、 あっさりした感情が底に横たわっているに違いない。 とはいえ、それを感じさせぬのが、年寄り受けのいい午未天冲殺で、 敵さえ作らねば、それなりに生きのびる。 年干支の「畑未」は、開拓者ながら、尻馬に乗る傾向。 よそが使わぬネタなら、堂々と頂くのもお手の物。 存外、不遜で強情かもしれぬ。 月干支の「雨酉」は、頭脳明晰世渡り巧みで、 そうそう不快感を与えぬが、品性には欠けるものがある。 キミの髭は似合わんよ(笑)。野人でもないのに。 そして日干支の「畑丑」は、我が道を行く。 自身が感じているほど、波乱は少ないため、 尾張の織田信長や実は出自不明の豊臣秀吉というよりは、 三河の徳川家康が似合う。 干支番号構成は、56-10-26で北方東方南方で、 そこそこの領域を所有するため、取材さえ丹念にこなせば無理はない。 後天運は、初旬「4歳海申」が、DNA「司」の地味。 年支「未」と月支「酉」の間を埋める 変則方三位となるのありえない忌み神塩水で、地道な印象。 売りは生年冲殺なので、ハマれば仕事人間ということは、 幼い時から、何かに没頭する性癖はあったろう。 それが父親の書棚にあった歴史小説だったようだ。 2旬「14歳宝未」は、主導DNA「鳳」で、自己確立を伴う 10年運天冲殺で、突如川が氾濫したような状態で、 気持ちが萎えながらも、辛うじて生きながらえた。 自身の内側も崩壊してしまい、満足な就職にも縁がなかったか、 しても持続出来なかった可能性大だが、 本音は就活が面倒なので、小説家になったという動機は雑。 3旬「24歳鉄午」は、DNA「調」の苛立ちを味わいながら、 健康状態もそこまで芳しくないながら、 他人とは違う生き方で踏ん張ったもので、 頼みの年支「未」の支合という、表向きの救いだけながら、 さらにその年支が半会される新たな一歩を踏みだすという意味の 07年(灯亥)の改良改革年に、デビュー。 現在の4旬「34歳畑巳」は、DNA「貫」の作風を確立させる 大半会三合会局で、大きな評価がくだされる何もかも充実した時期。 読み手としても、安心していられるはずである。 次旬5旬「44歳山辰」は、DNA「石」の文壇内の付き合いやら、 選評者としての立場。これは周囲の薦めにより変化すれば、 月干「雨」が準守護神的創造力の「灯酉」になり、 10年運も「陽辰」的になれば、DNA「玉」が極まり、 さらに旧い世界で生きやすくなるだろうし、年長者の応援も得やすくなる。 6旬「54歳灯卯」は、年支「未」の半会を伴うDNA「龍」の熱気。 新たな試みもまたそれなり。 7旬「64歳陽寅」は、DNA「玉」の穏やかな暖気。揺るがぬ業界内での評価。 8旬「74歳草丑」は、DNA「車」の才能強化行動力で、 老いても衰えることなし。 ところで、この生年月日は、「ハイスコアガール」が 代表作の漫画家で、お騒がせな事件にも巻き込まれた押切蓮介と、 芸人でフテネコというイラストも描く パップコーンの芦沢統人と同一。 贔屓目なしにして、天野が一歩抜きんでた生き方であることは間違いないが、 天野は13年(雨巳)のDNA「禄」の三合会局年の 中山義秀文学賞を受賞した11月09日(畑卯)に、結婚式をあげている。 ちょうど10年運「34歳畑巳」の大半会三合会局に 切り替わったところ(接運)だが、交際時期を考えると、 仕事はともかく私的には危うい害の時期に交際を始めている。 しかも、生年冲殺だけに結婚相手は 仕事上で知り合った編集者や書店員などの業界関係者であるのが理想なのに、 どうやら普通の会社員である公算大。 となるとフリーター時代なり学生時代に知り合って、 害の10年運で交際を深めて行ったのは間違いなく、 喰えない時代を支えてきた女性という図式であろう。 ただし、午未天冲殺なので、相手が年上でなければ、彼の良さは引きだされず、 もしも仮に僅かでも年下であるならば、 よほど覚悟をもって生きていかねば、今後が難しい。 本作を読む限りは、今のところ才気に陰りなしなので、 そんな心配は杞憂であると思いたいが、 今年(17年/灯酉)がDNA「龍」の半会年で、ひとまずのピークで あることは間違いなく、この後は、お相手次第としておきたい☆ |
■2017年07月25日(火)雨丑 |
藤田貴大○おんなのこはもりのなかに透明感などなし |
○07年(灯亥)のDNA「鳳」の半会年に、 「劇団マームとジプシー」を旗揚げ。 書店でアルバイトをしながらも、12年(海辰)のDNA「玉」の天冲殺年の、 03月05日(草丑)の納音日に、 「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」で、 演劇界の芥川賞とも言われる第56回岸田國士戯曲賞を受賞した (ただし三人同時受賞で目出度くもない)藤田貴大(85-0427/草未※)が、 13年(雨巳)から15年(草未)あたりに雑誌「an・an」に連載していたエッセイを、 『おんなのこ は もりのなか』として、 04月13日(鉄午)のDNA「牽」の干合支合日に単行本として刊行した。 同作は生月冲殺の藤田が編集部に、 「なにか書きませんか、女子のことなんかどうでしょう」とか 言われてその気になって、思うがままに言葉にした女子に対する 不可解なからだ、きおく、におい、あるいは、そのすべて。 「(女子に)振り回されること自体が、気持ちいいのはなぜだろう。 振り回されて、豊かな気持ちになるのはなぜだろう」 日々、悶々と女子たちを傍観して生きる男の 日常が明かされる妄想系エッセイの最高傑作という売りだが、 慣れないことを無理にやらされている感がみなぎり、重苦しいだけで、 何も得るものはないファンサービスみたいなものだと思うしかない。 群馬県前橋市生まれで、北海道伊達市育ち。 95年(草亥)の大半会年に、伊達市の市民劇団パラムに 子役として入団し、高校卒業まで所属。 在学中に演出としてつくった「りんごの木」が 全国高等学校演劇大会ベスト4を獲得。 その審査員を務めていた干合関係の 平田オリザ(62-1108/鉄戌)から評価を受け、 当時、平田が教鞭をとっていた桜美林大学文学部総合文化学科に進学。 在学中に劇団「マームとジプシー」を立ち上げた藤田は、 中央線沿線に住んでいるとみられ、DNA「司」冲殺主導は、家庭に波あり。 金銭感覚なく、真面目さなし。 造形大で講師をしているようだが、朝早い授業もご苦労なことだが、 教えられるほうは、もっと災難。向いていない人だけにね。 「司冲+禄」は、ブレーキのない引力本能で、 現実無視で感覚的に人と人を融合させる。 「禄」×2もあり、妙に人に好かれる。 「司冲+貫」は、急いで焦って自爆したように見せかける。 才能は「貫」で、表面的な頑固さ。適当なのに強靱。 「司冲+牽」は、危機察知能力皆無も、何かに寄生したり、誰かに守られたり、 なのにどこか覚めているため癖のある感動を演出する。 「草+司冲+辰月」は、最初が波乱で口は達者。 「丑」年生まれ「草未」は、呪縛意識が濃厚なため、結果孤立しやすい。 女子にも距離を置かれ、置いてきぼり。 伴星は「牽」で、人を活かす。 洩星は「司」で、それなりには努力する。 導星は「牽」で、名を残すが悪名かも知れず。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の朝の通勤通学ラッシュ時の 電車の線路脇の花または雑草。何かのついでに目をつけられるが、 そこには連続性堅実性のない生月冲殺特有の伸び縮みがあるため、 注意深く観察していれば、面白く感じる場合もあり。 年干と日干は共に「草」なので両天秤。 なので、書店員をしながら芝居をやり、芝居をしながら随筆も書くのだが、 年干支「草丑」VS日干支「草未」の納音は、内密にしておきたいものあり。 月干「鉄」が配偶者成分なので、異性を巡って争ったり、 結婚している女性に目が行ったり、ライバルがいるとその気になるが、 寛大な女性は両天秤を楽しみ、やがて皆友達になってしまうため、 いずれ感動はなくなり、別方向に興味が移る。 「難解な女子に興味があり頭が腐っている」のは間違いではない。 工事現場が好きなのは、重機である「鉄」に目が行くため。 春という季節がろくでもなく好きではないのは、 その生まれの冲殺者だからだが、感謝が足りない。 年支「丑」は冬の土性。月支「辰」は春の土性。 日支「未」は夏の土性になる四土格で、 秋の土性の「戌」がくると四土格入格になり、 ただでさえ慌ただしいのに、さらに何でもありの確変状態に突入するので、 「戌」年が肝。動いているのは「亥」になるが、決意やきっかけは「戌」。 なので毎年10月になると、騒々しくなるようだ。 また干合金性天干一気は、その気になって集中すれば、衝突を繰り返したり、 目上を暴力的(言葉であろうと)にやりこめることあり。 従って、年上は天敵になりやすい。 レールなりホームなりをはさんで競争している図式は、 ハラハラドキドキもするが、好き嫌いは分かれる。 総エネルギー271点はかなり目立つ群生で、木性96点は晩春生まれでも身強。 木性でも「木」ではなく「草」なのでフットワークは軽めで脚腰は確か。 とはいえ伝達本能の火性は僅か23点しかないので、 実をつけても有り難いか否かは別で、救いになりにくい。 せいぜい種のようなものなので、鳥の餌のようであり、 その鳥が遠くへ運んでくれることも織り込み済み。 火性は弱いので、他人を動かす芝居は成功することもあろうが、 文章には味はない。 年干支の「草丑」は、忍耐力が人一倍強く、 持久戦に持ちこむのを得意とし、マニュアル的な動きをする。 月干支の「鉄辰」は、無神経で自分勝手。前進するだけで後退なし。 そして日干支の「草未」は、気分転換は得手でなくストレスの蓄積が原動力。 皆に可愛がられ常に誰かに寄りそい生きる性癖で、群れが必須か。 干支番号構成は、02-17-32で東方南方西方で北方欠け。 それなりの行動力があるので、電車がなくなれば歩きもする。 後天運は初旬「7歳畑卯」は、DNA「禄」の引力本能強化の半会で、 子役をやってそれなりの魅力を発揮する。 2旬「17歳山寅」は、DNA「司」の主導DNAで自己確立。 自分らしい芝居の道に進む。 現在の3旬「27歳灯丑」は、DNA「鳳」の対冲で、 宿命に不足してる火性の恩恵が、それまでの過去を払拭し 熱い舞台に露出して、逆転の時代。 今後は4旬「37歳陽子」が、DNA「調」の害。 若い女性の反目もあるが、有り難迷惑的様相なので、 追いかけ回されるばかりか、何らかの不利益をこうむるのに、 そこは受け身の生月冲殺らしく、てんで気がつかず墓穴を掘る恐れ。 むろん生き方次第では、孤独を存分に味わうことにもなり、 宿命に「陽」は存在しないので、ありえない屈辱もないわけではない。 良いのか悪いのか両極端になるので、真価が問われるだろう。 5旬「47歳草亥」は、DNA「貫」の才能強化の大半会10年運天冲殺。 新たなお仲間がでてきて、反撃が一気に叶う。 6旬「57歳木戌」は、DNA「石」の四土格入格の10年運天冲殺で、 突如政治的な動きを見せる。 7旬「67歳雨酉」は、DNA「龍」の新たな世界に挑戦も、さすがに出がらし。 8旬「77歳海申」は、DNA「玉」で、完全に過去の遺物という晩年か。 さて、「司」冲殺主導なのに、SNSには家族やら祖父母やら 弟のことが頻繁に登場する。 気持ちはわかるが、最低でも十年は生地生家と距離をおかねば、 藤田が大きく大きく成功することはない。 はみ出し運の辰巳天冲殺で、いったんは家とは断絶するくらいではないと、 そもそも天干一気は、家族にとって不都合な存在だ。 そういう里心が完全に消失した時が藤田の至福の時になる。 いまは又吉直樹(80-0602/陽午)なんかに、 「透きとおった変態性と切なさが最高でした。」なんて言わせているが、 それは藤田の月干支「鉄辰」が 又吉の年干支「鉄申」を大半会してお礼のようなもので、 いったいどこに透明感があるのか(笑)。 又吉は木性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人だから、 木性の藤田の恐ろしい部分に気づいていないだけで、 確かに変わっているだろうが、透明感など微塵もない胡散臭さだよ(笑)。 ところで、表現力の火性は乏しいとした。 なので、このエッセイは雑誌の中にあるのならばともかく 単体では勝負にならず、面白くもなんともなく、飽きる。 これといったトキメキのような味がないので、 旧くなったガムをいつまでも噛まされたようで、 出版の意図は、単に守護神DNA「鳳」年のご褒美でしかない。 とはいえ、四土格の藤田としては、 来年(18年/山戌)は60年に一度の主導DNA四土格入格で、 かなりの仕事が舞いこみ、生月冲殺らしく舞い上がっていくはずだ。 その意味で黒歴史になるのか、品揃えになるかはともかく、 とりあえず今頃になったけど出せて良かったねになっている。 でも、本質の本質は地味なので、この装丁も想定内(笑)☆ |
■2017年07月29日(土)灯巳 |
和泉桂○スープ屋かまくら来客簿は少年の味 |
○神奈川県横浜市金沢区出身で、近年は神奈川県鎌倉市内に仕事場を確保し、 ボーイズラブ作家ばかりか、すっかり鎌倉ラブ作家として定評がある 和泉桂(76-1224/鉄戌)の 『スープ屋かまくら来客簿 あやかしに効く春野菜の夕焼け色スープ』が、 年支「辰」と月支「子」のからむ04月15日(海申)のDNA「鳳」の 三合会局日に上梓されたので解説する。 同作は「鎌倉のあやかしは、彼らがお世話します。」が謳い文句の、 北鎌倉の路地裏にある「スープ屋かまくら」のお話。 今は亡き親が呉服屋を営んでいた跡地に三兄弟が構えるお店は、 SNSで赤丸急上昇中の鎌倉野菜を使った、メニューは週替わりのスープのみ。 長兄は修行放浪中で、人付き合いは下手だが料理の腕は確かという 次兄が腕をふるい人当たりの良い末っ子が給仕係、 揃いも揃ってイケメンという和泉ならではの設定は、 期待を裏切らない感触。カウンターで隔てられたオープンキッチンスタイルで、 テーブルは四つ。カウンターは予備席という小さな小さなお店も、愛嬌あり。 そして、実は店主のつくるスープには、あやかしを癒やす力があって、 彼らを頼って店を訪れるお客様は、古都らしい付喪神たちで、 彼らの仕事は「鎌倉のあやかしお世話係」。 不思議なモノたちが今も生まれる鎌倉で、傷ついた彼らをスープで癒やしたり、 時には荒ぶる彼らを鎮めたり。兄弟を頼り、今日も店にあやかしたちが訪れる。 物を粗末にしてはいけないというメッセージと 温かなスープのレシピ付という良品。 ちなみに目次という品書きは、「夕焼け色スープと思い出の少女」 「キャベツ畑スープは赤ちゃんの香り」「優しい嘘つきと友情のピリ辛スープ」 「淋しい君に贈る海の味のスープ」の四品である。 大学在学中(大学名不明)の95年(草亥)のDNA「司」の干合年に、 若杉桂名義で、竹書房のボーイズラブ小説アンソロジー「A-sh!」の、 守護神DNA「牽」の害日だった11月02日(灯酉)号に掲載の 「犬とロマンチスト」でデビュー。 翌96年(陽子)はDNA「車」の守護神年で大学院に進んだものの 97年(灯丑)の守護神DNA「牽」年の07月(灯未)の「灯」重なりに、 初の単行本「キスが届かない」が出版されたため、 大学院を休学後に中退して、専業作家になり精力的に活動し、 小説家ユニット「UnitVanilla」のメンバーてもある和泉は、 「調」主導で、クールで偏りのある感性で、 通常は、丁寧かつ無駄に(笑)、愛の描写を行う。 才能も「調」で、何が何でも独創的な耽美主義。 まだ悦びに目覚めていない受けを、攻めが覚醒へと導いていく流れになる。 仲間がいようと孤独で、その状況を愉しむ。 「調+龍」は、おっかなびっくりな欲求不満で、 抑えて抑えて爆発させるので、上手くいく時は濃厚。 「龍」×2ありで、焼きたてチーズタルトなんかも 好物でもあるが、妙に庶民的なこだわりも感じる。 「調+車」は、常に刺激を受けていないと満足できぬ強欲ぶり。 反骨的で周囲と歩調をとらずに張り合うことが少なくない。 「調+貫」は、恩義とは無縁の世界に生きる。 「鉄+調+子月」は、悪意はないが崇高な欲望の持ち主で、 気分屋なわりには格好を気にしすぎるきらいあり。 「辰」年生まれ「鉄戌」は、待ち運なため、 日頃から努力をしていれば、自然な助けがやってくる。 伴星は「石」で、冒険好きで人脈だけは豊か。 洩星は「車」で、ゼロから始める。 導星は「調」で、自己中心で孤独に落ち着く。 なので、都合の悪いtweetは後で削除してしまう。 宿命の特長は仲冬深夜零時頃の最終列車で、煌々と灯りがともる車内は 妙な空気で、人だまりがあるかと思えば、妙に空いていたりと、 そこにいる人の浮かれ具合、酔いしれ具合により揺れる。 何らかの都合で遅れを取り戻すために、急いだかと思えば、 緊急停車をしたりと、落ち着かぬ乗客を乗せている。 総エネルギー194点は、さほど重厚には非ず。 あとは車庫に入るだけといっても、暖房を切るわけにはいかず、 さりとて金属の冷徹さが無理をしないため、 熱気は感じても、どこか覚めている。 年干支の「陽辰」は、常に若いエネルギーと一本気な気持ちが、 危険区域に平気で侵入し、失敗しても立ちなおる根性の持ち主。 とはいえ、アップダウン激しく、肝心なところで裏切りに遭いやすい。 月干支の「鉄子」は、とりこし苦労の多い極度の心配症で、 悟りの境地で、裏社会で活路を拓く。 そして日干支の「鉄戌」は、ずうずうしく他人の心に土足で踏みこめる 類まれな能力の持ち主である。 干支番号構成は、53-37-47で西方と北方の、 冷静だろうが、明るさは感じられない領域。 後天運は、初旬「6歳畑亥」は、宿命には存在しない DNA「玉」の変則方三位で、やや旧いものや、落ち着いた品、 伝統性なり古都にも縁あり。だから住まいは横浜市でも、 遊んでいるうちに越境して鎌倉市に迷い込むのだ。 世間からズレた趣味や、書く事への興味は持ち始めたようだ。 2旬「16歳山戌」は、勝手知ったるDNA「龍」で、 勉学に励むばかりか、怒濤の創造力で、デビューにもこぎつける。 3旬「26歳灯酉」は、DNA「牽」の熱き守護神の害。 有り難迷惑なので、大学院に進んだにもかかわらず、 デビューしたがために、両天秤とはいかず、作品を描くが、 私生活は充実とはいえず、その屈折がまた創作の原動力になった。 現在の4旬「36歳陽申」は、害明けの守護神DNA「車」。 年干支「陽辰」は大半会で仕事世界は大きく拡がるうえに、 月支「子」を巻き込めば、三合会局が成立し、水性過多になる部分は、 本作にもあるような様々な変化球ありの表現力。 あまりふらついて、流れすぎは推奨できないが、 前旬の縛りから抜けだせば、絶好調期といっても過言に非ず。 この後は5旬「46歳草未」は、DNA「司」の干合で家族を意識。 方向性の変化により自身も変わろうとする意欲もあれば、 結婚という選択肢も見えてくる。 6旬「56歳木午」は、DNA「禄」の半会で感謝と奉仕。 経済も相当好転して、その道での売れっ子状態。 7旬「66歳雨巳」は、DNA「調」の主導DNAで自己確立。 遅まきながら、ようやく自分の正体の本質に気付く。 8旬「76歳海辰」は、DNA「鳳」の対冲で、 さすがに息切れ状態になっているだろう。 さて、作家が深夜みたいな夜の女王の生まれなのか。 本作舞台の店は夜は営業せず、観光客相手に昼間だけで、 そこそこ繁盛しているが、お客様を送りだしたあとこそが、 戦略会議の場であったり、特別な付喪神様へのご奉仕に当てられるという 大変都合の良い設定になっている。 それこそが首都圏から日帰りが可能な観光地の抱える問題だと、 和泉は警鐘もならしているが、「龍」×2なので、提供するのはスープだけだし、 「調」主導なので、メニュー表もなく、一品だけのおもてなし。 そして人間に尽くしてきた道具を、旧くなったり使えなくなったりとして、 簡単に壊したり捨てたりすることへの警告も発している。 もちろん「調」主導なので、他人とは違い 見えないはずの神様も見えたりするし、 週に一度しかメニューが変わらないので毎日訪れる客はなく、 どちらかというと一見さんばかりだ。 そして何より事故や怪我などで運気が上昇する「鉄戌」らしく、 両親が交通事故で亡くなったという設定で 兄弟が助け合いながら、生きていく姿は和泉の耽溺するもの。 ボーイズラブ鎌倉ラブの和泉が満を持して送りだした作品は、 本人は「(鎌倉を舞台にするなんて)十年早い」と思っていたが、 さすがに今年(17年/灯酉)は、守護神年ながら害。 すなわち60年に一度訪れる有り難迷惑なもので、 和泉としては存分に力を出しきってないと感じているのではないか。 ほとんど登場しないに等しい長兄の存在や、 いくらでも続編が出来そうな流れは、かえって出し惜しみ感あり(笑)。 また当初は「妖怪退治する兄弟の話」だったようだが、 そこは「退治しちゃうのは可哀想です」と編集者の介入があったのも、 同様に守護神害年らしいものだが、 それは3旬で体験しているので、不自由には思うまいし、 それが和泉風と感じているのだろう。 とはいえ本人も四話というバランスの悪さは感じているようで、 なぜ兄弟がこの道に入ったかを省かれているのは、消化不良気味。 毒の年にだすものは、変化球にはなるが、不満も残るということなのだが、 そこは、かえってお行儀良い作品になったので、 読者の裾野は拡がるとみて歓迎とするしかない。 それよりも「ザ・害年」みたいに残念なのは表紙の装画。 付喪神が縫いぐるみみたいなのでは、 子供だましにしか見えんが仕方がないか(笑)☆ |
移 動 祝 祭 日● 2 0 1 7 年/ 灯 酉 |
17年●01月分 17年●02月分 17年●03月分 17年●04月分 17年●05月分 17年●06月分 17年●07月分 17年●08月分 17年●09月分 17年●10月分 17年●11月分 17年●12月分 |
コラム総合○目次/茶房会館(1 9 9 6 年〜) |
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