★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 3 年(雨巳)●02月 木寅 // 移 動 祝 祭 日 |
■02月分一覧 (2013年●目次) |
椰月美智子●シロシロクビハダの薄い毒(2013_0201) |
蛭田亜紗子●自縄自縛の私と平田薫の限界(2013_0210) |
歌野晶午●コモリと子守りと舞田ひとみは持続する(2013_0215) |
新庄耕●狭小邸宅の狙いと残酷な逃げ道(2013_0224) |
■2013年02月01日(金)山戌 |
椰月美智子○シロシロクビハダの薄い毒 |
○化粧品メーカーの研究部に勤める27歳の主人公のOLの肩には、 目に見えないゆでだこの「タコリ」が乗っている。 子供の頃世の中とうまく折り合えなかった彼女を いつも助けてくれたタコリが、17年ぶりに再来したのだ。 それとともに、平和だった彼女の家族と仕事に波乱が生じはじめて・・・。 なぜか完璧な白塗り化粧で素顔を隠しつづける祖母、 裸族で奔放なライターの姉、熱血漢の弟と脚に障害をもつSEの恋人、 そしてやはり白塗りのその母親。 化粧品開発に賭ける同僚ら個性豊かな登場人物の織り成すドラマを、 天然色、不思議ちゃん、エキセントリック、電波系の主人公を軸に、 温かく、時に切なく描いた椰月美智子(70-0424/木戌)の 『シロシロクビハダ』が、昨年(12年/海辰)11月27日(海辰)の、 「海」重なりのDNA「龍」の対冲日に上梓された。 01年(宝巳)のDNA「牽」年に「十二歳」で、 第42回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。 06年(陽戌)の守護神「戌」重なりにだした「しずかな日々」で、 07年(灯亥)の守護神年に、第45回野間児童文芸賞を受賞。 さらに同作で08年(山子)の主導DNA「禄」年に、 第23回坪田譲治文学賞をダブル受賞した椰月は、 神奈川県小田原市出身で、「木」らしく同市にずっと住む。 「禄」主導は、年月を重ねるごとに、抱えるものが増えてくる。 成長小説作家らしさは、本質である。 あれこれ人のために役立とうとするのは、自分が目立ちたいがため。 「禄+禄」は、世渡りは上手とは言えず不器用だが、 時間をかけながら信用を得ていく。 「禄+車」は、束縛を嫌い天然。 「木+禄+辰月」は、地道に実績を積み上げていくが、 晩年にかけての家庭内トラブルで崩壊しやすい型。 「戌」×2もあり、渋さばかりか子供っぽい部分もあり。 「戌」年生まれ「木戌」は、孤立しやすく孤独を好む傾向。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の「木」で、 周囲は鉄壁(コンクリート?)に囲まれており、 総エネルギー256点と存在感はそこそこだが、 うち木性は40点しかなく、根っこも月支「辰」内「草」のみなので、 華やかさに欠ける街並みのほっそりした街路樹。 この宿命を考慮すると、ずっと生地に住むのは納得できるし、 最初は短大を出て、普通の会社勤務をしていたのも自然。 守護神火性の「灯」は、DNA「調」の独創的な少女性。 年干支「鉄戌」VS月干支「鉄辰」の納音は、 表向きは肝心の自分をさらけださず。 さらに、月干支「鉄辰」VS日干支「木戌」の天剋地冲は、 自己犠牲なのか内側の誰かを犠牲にする。 一見地味な印象だが、そこは日座冲殺「木戌」ばかりか、年支も「戌」。 究極のさげ●●で異性を真綿で締めつけて亡きものにしやすい性癖は、 実生活でも、自身も相手も再婚者というもの。 ガミガミ女は「木戌」を言い表すには的確であろうし、 そういう人の相手になるのは、スーダラ男でないと務まらぬのだろう。 心配は男児二人の母親であることで、 仕事を持てば、その毒素も薄まろうとはいえ いつか犠牲に直面するのではないかと、他人事ながら心が痛む。 年干支の「鉄戌」は、退却上手。野暮ったい上に図々しい。 月干支の「鉄辰」は、進撃上手。 勝手気ままで後ろを振り向くことなく前進。なんだいこりゃである。 逃げ腰なのに、いけいけどんどんという、えらく効率の悪さ。 どちらかではなく、どちらもあるという秘密めいた「からくり」。 そして日干支「木戌」は、 感受性豊かなロマンチストも、理に適ったことしかしない。 異性に対する興味が多いと、身を滅ぼしたり、 相手を骨抜きにし、場合によっては死に至らしめることもある魔性の人。 無理に結婚をし、子供をもうけると、一家の最も弱い部分に犠牲者をだす、 典型的な才能と不運が同居したもので、近寄りがたい。 干支番号構成は、47-17-11で東方・南方・西方をカバーするも、 時代整合性ある水性の使用は慎重にならざるをえず、未知数。 後天運は、初旬「6歳畑卯」はDNA「司」の干合支合で、 一見地道な歩みを見せるも、成功運型。 本はほとんど読まないような少女であったという。 2旬「16歳山寅」は、主導DNA「禄」の半会で、自己確立。 異性に対する興味は、前旬より濃厚になったであろう。 3旬「26歳灯丑」は、熱いDNA「調」の守護神刑。 小説を書き出すきっかけも、デビューもこの時期。 「調」は少女だから、大人の目線でも「木戌」らしく、 手を抜かない育てていく目線で描かれた。 現在の4旬「36歳陽子」は、緩やかなDNA「鳳」の守護神。 男の子を意味するため、男児二人の母親としての自覚もあり。 この後は5旬「46歳草亥」が、DNA「石」の特別条件付10年運天冲殺。 6旬「56歳木戌」が、DNA「貫」の律音特別条件付10年運天冲殺。 7旬「66歳雨酉」が、DNA「玉」の害を伴う10年運天冲殺。 8旬「75歳海申」が、DNA「龍」の10年運天冲殺と、 実に40年間の10年運天冲殺に入るわけだが、 5旬6旬は木性強化の特別条件付なので、環境異変により、脱落せねば、 かなりレベルの高い活動が期待できるだろうが、 7旬は害があるうえに、8旬の塩濁は晩年なのであまりにも新しい潮流に 押し流されぬかという懸念もあり。 いずれにしろ、突発的大化けが可能な作家であることは間違いない。 ところで作品を書き始めることになった99年(畑卯)の、 60年に一度の干合支合年は、「元カレと飲む機会があって、 その頃お互いに仕事がうまくいっていなくて、愚痴を言い合っていたんです。 そのときに『こうなったら小説家にでもなろうかな』と、 ひとこと言ったら『あ、なれるんじゃない?』って言われて。 そのときは、世の中に一冊でも本が出れば 一生食べていけると思っていたんです。 だから『小説家にでもなろうかな』というのも、 『宝くじでも買おうかな』みたいな喩えだったんですが、 『なれるんじゃない?』と言われたら『ああそうか、なれるんだ』って、 やけに納得しちゃって(笑)。それまで本なんて、 ろくに読んでもいなかったのに(笑)。それで書いて、応募しました」 だそうである。 世の中には億単位の借金を返すために 直木賞作家になった強者もいるのだから、不思議ではないのだが、 元カレと飲むところが後ろ向きで、不純な動機(笑)。 その後はおそらく「木戌」らしく修羅場もあり、 下品で下ネタ的世界に住まう男と一緒になったのだろうが、 そんな遠回りしてなければ、 とっくに椰月はとてつもない売れっ子だったかもな。 もっとPCの前に向かっって精進してもらいたい。 『シロシロクビハダ』は、執筆は11年(宝卯)も、 単行本化は、DNA「龍」の対冲年の影響で、実験的。 発想など随所に椰月カラーはあったけれど、 「毒」のような「木戌」の怖い迫力は表紙を見ただけでも薄れていた。 今年(13年/雨巳)は「玉」なので、白塗りのご婦人登場は、 何かの遠いヒントになっているのかも知れない。 母は強いが、家庭をもたぬ「木戌」はもっと強い。 乗りこえて行く物は多いが、その気になれば成功運型で活かすだけだよ☆ |
■2013年02月10日(日)灯未 |
蛭田亜紗子○自縄自縛の私と平田薫の限界 |
○08年(山子)に第7回R-18文学賞大賞を受賞した 蛭田亜紗子(79-1128/畑亥)の、 10年(鉄寅)に上梓した『自縄自縛の私』が、 竹中直人(56-0320/陽戌)の映画監督七作目として、 02月02日(畑亥)の蛭田の律音日にR-18指定で公開された。 同作は、学生時代に偶然ネットで見つけた 自縛の世界に興味をもった女性が、純朴な交際相手に知られ破局、 一度は封印したものの、その五年後、仕事に希望を見いだせなくなり、 ストレス解消のためにふたたび自縛の世界に ひたりこんでいく倒錯世界を描いたもの。 北海道札幌市出身で、高校を卒業し一旦上京。 大妻女子大学日本文学科を卒業後、 札幌市内の広告代理店に勤務経験がある蛭田は、 「司」主導で、何でもありの真剣さも、本質地味で明るさなし。 陰の引力本能は、まず自己の場所を確保しコツコツと積み上げ、 確証がないと生きて行けない性癖だが、冬の「畑」に不可欠とはいえず。 「司+貫」は、意思は強いものの鈍い。 「司+司」は、現実最優先で暖かな夢なし。まるで海の底。その砂。 「司+車」は、猪突猛進の刺激。 「畑+司+亥月」は、中身は激しいがユニセックスで陰陽は希薄。 「未」年生まれ「畑亥」は、視野が狭いうえに異性理解不能。 だからこそ、 自縄自縛も納得。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の野菜畑。冬枯れの寂しい街並みとも言えるが、 地中に根菜類があるとはいえ、貯蔵しているだけで、 売りにくい在庫を抱えた施設とも読み取れる。 それを冷やさぬように熱風を送るのが、年支「未」内の守護神「灯」。 これはDNA「龍」の現実的改良で肥料の役割。 総エネルギー186点中、僅か16点のこの「灯」は一見弱そうだが、 後詰めの木性が66点もあるため、困難はきたさない。 (灯はDNA玉の)母親・故郷の成分であるところから、 現実優先の辰巳天冲殺であることも加速して、 せっかく上京したのに、就職で地元に戻ってしまった。 「亥」内「木」の名誉は表出していないうえ、 塩水に浸かったものなので、さして使用出来ず。 木性過多で異性に対する興味はギラギラしたものもあるが、 そこは「司」主導で、おっかなびっくりで多大な期待は困難。 月干「草」の刺激は、正式ではない異性成分の呪縛。 原則受け身の縛りは「畑」には望むところなのだろう。 また年干と日干の同一は両天秤で、大半会まであるため、 異性を値踏みしやすく、純粋さは微塵もなし。 金性ゼロ(DNA鳳/調なし)は、「畑」としては上質も、 伝達本能がないため、異性は意識するものの、 遊びには出来ず、さらに前述異性理解不能のため、 男性には恐ろしく厄介な存在にもなってしまう。 むろん妙な遊びという意味も介在する。 全てが体験とは言えぬものの主人公は刺激大好きの蛭田の化身には違いない。 年干支「畑未」は、男を上から目線で見る「じゃじゃ馬」。 月干支「草亥」は、寄生植物で毒ある日座冲殺で、さげ●●体質。 感性は鋭くも、内側に犠牲はつきものである。 そして日干支「畑亥」は、神がかり的な身体的霊力。 むろん自ら縛ることなど、お手の物。 創作であろうと、度胸はあるので実践ずみ。 干支番号構成は、56-12-36で相応の領域。 時代整合性ある冬生まれであり、文句は言えまい。 後天運は、初旬「3歳陽子」がDNA「玉」の守護神も、 年支「未」は害の洗礼を受け、中途半端。 出身地への思いが強くなったのは、ここにも要因あり。 2旬「13歳灯丑」は、DNA「龍」の使い易い守護神の改良改革とはいえ、 年支「未」は対冲されており、伸びはなし。 「いちばん最初に書いたのは中学生の時でした。 三十枚くらいのファンタジーっぽいもの。 雑誌に応募したのですが結果は出ず、 それからは小説を書くことをやめていました」は納得がいく。 社会にでた3旬「23歳山寅」は、DNA「石」の妥協。 札幌に舞い戻っての社会参加は、里心がついたばかりではなく、 そうでなければ(就職が)叶わなかったという事情かも。 とはいえ、月支と日支の「亥」は支合で安定しており、 07年(灯亥)のDNA「龍」の守護神年には会社を辞め、創作活動に入った。 月支も日支も(共に亥)刑なので、確執もあったはずだったが、清算。 この妥協の最終であった11年(宝卯)には、 年支「未」と月支と日支「亥」のからむ 宿命にない金性の三合会局ということで、結婚。 現在の4旬「33歳畑卯」は、DNA「貫」の守備本能強化。 年干支「畑未」と日干支「畑亥」が からむ大半会三合会局で、月支「亥」も半会で、崩れておらず、 昨年(12年/海辰)は、条件なし天冲殺とはいえ、 主導DNA「司」年もあり、映画化決定。 今年(13年/雨巳)は、同じく条件なし天冲殺ながら、天剋地冲現象があり話題。 感謝があれば、自動運転でさらに上昇も可能だが、 そこは「司」主導だけに、未知数_____(笑)。 この後は5旬「43歳鉄辰」がDNA「調」で、宿命にない金性の10年運天冲殺。 6旬「53歳宝巳」もDNA「鳳」で、宿命にない金性の10年運天冲殺。 これからやってくる初旬条件のない20年間は、 流れに乗れば相応の金銭物質を得ることも可能だが、 期待出来るかどうかは、遊ばずに頭を使って発信可能か否か。 金性がないだけに、かえってありえない方向の芸能ネタ好き。 7旬「63歳海午」は、主導DNA「司」で主導DNAで自己確立。 8旬「73歳雨未」は。DNA「禄」の半会で感謝と奉仕。 蛭田は、結婚と同時に、これまた金性方向の猫を飼いだし、現在はSNS三昧。 調子に乗るのは創作世界であり、垂れ流しではないだろうにと、心配。 また「魔がさした」という言い訳でもするのか(失笑)。 「縄が肌に食い込む。躰の芯がざわつく。 縄はどんな抱擁よりもきつく、私の躰と心を抱きとめる。 そう、縄さえあれば、私はひとりで生きていける――。 閉鎖されたなかでどんどん奥に進んでいく 様子を書いてみたいと思って、そのひとつの形として 自縛というモチーフを使いました。 自縛を通して、誰もが心の中に持っているものを書きたかったんです。 働いている女性に向けて、その人の中で抑え切れないものが、 小説を読んでもらって少しでも救われればと思います」だそうだが、 それだけでは、次の展望が見えないし、 人間は人と人の間に生きているものであり、これからは明るい希望もほしい。 さて、「55歳灯酉」の10年運害の竹中に多大な待は出来ないので、 主演でアミューズ所属の平田薫(89-1215/畑酉)にも触れておきたい。 宮城県仙台市出身で、03年(雨未)の主導DNA「禄」年に、 雑誌「CANDy」の第12回モデルオーディションでグランプリに輝きデビュー。 ドラマに映画にCMに相応に露出しているが印象がいまひとつなのは、 時代整合性ある冬生まれとはいえ「禄」主導が、 自己顕示欲が強すぎて冷たいから。 「禄+調」は、ワンパターンの発信力と少女性の強い苛立ち。 「禄+鳳」は、変わった趣味。 「禄+貫」は、腹が据わった背伸び。 「禄+玉」は、計算尽くの緩いパフォーマンス。 「畑+禄+子月」は、忙しない普通の人で、 「巳」年生まれ「畑酉」は、受け身。 月干「陽」が守護神だが、木性ゼロ(DNA車/牽なし)は自尊心皆無。 蛭田と同じ「畑」だから縛りは望むというより、 プライド皆無でやれと言われればやる。 配偶者成分皆無は、異性がなくても大丈夫か貪欲だが、魅力希薄。 外見はそれなりも内容を求めてはいけない「畑酉」は、 花がない整備された花壇であり、作物がない常に準備態勢の「畑」。 年干支「畑巳」に日干支も「畑酉」の倒柱・白蟻体質は、 まさに映画のように、崩落の元凶。 それでも露出出来るのは、初旬「7歳灯丑」の三合会局と、 前述年干支と日干支の大半会的(初旬のみ灯と畑は同格)な初旬条件と、 「17歳山寅/27歳畑卯」の10年運天冲殺のおかげ。 目立ったのは、10年(鉄寅)と11年(宝卯)の条件なし天冲殺だし、 そして、今年(13年/雨巳)の主導DNA「禄」年。 それだけのことだが、冬生まれは時代整合性あるといっても、 そもそも演技力の金性は忌み神方向で、そこまで上手くもない。 普通の人だけに、起用されたというのが正解で、 「今までにないくらいフラットな状態で、作品に入っていけました。 でも(縛っても)何の感情も生まれなかった」は正直だが、 だからだろう。縄で縛って出勤する平田に、何の魅力もない。 つまり、そこが普通のところであり「畑酉」。 赤い縄で縛られたキューピー人形のグッズは堪えられないから、 見所は振られた相手が干合支合関係の ピースの綾部祐二(77-1213/木辰)としておく(笑)が、 平田の年干支「畑巳」は、蛭田の月干支「草亥」に天剋地冲されているし、 (同じく蛭田の)日干支「畑亥」にも納音されており、大ブレーキ。 だから、それ以上でもそれ以下でもない、残念☆ |
蛭田亜紗子○79-1128 |
畑草畑灯 亥亥未+3 貫車司司貫(司主導) 木性(66)火性(16)土性(48)金性(00)水性(56)/総合186 辰巳天冲殺/天冲殺(43歳鉄辰/53歳宝巳) 大半会三合会局(33歳畑卯)/主導DNA(63歳海午)/異性理解不能 木性過多/火性脆弱/金性ゼロ/水性過多 +3歳陽子/13歳灯丑/23歳山寅/33歳畑卯/43歳鉄辰/53歳宝巳/63歳海午/73歳雨未〜 |
■2013年02月15日(金)海子 |
歌野晶午○コモリと子守りと舞田ひとみは持続する |
○10年(鉄寅)07月のシリーズ第一作 『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』、 同10月の第二作 『舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵』から、 二年を経た昨年(12年/海辰)の12月15日(鉄戌)に第三作ながら、 舞田ひとみの名が入らぬ第三作となる歌野晶午(61-0926/海戌)の 『コモリと子守り』が上梓された。 ネタバレせぬ程度に触れると、舞台は静岡あたり。 父親は東大を出た地元大学の准教授。 母親は幼い時に病死したことになっているが、 実は生き別れの在京キー局知名度抜群の美人アナ(今作ではフリーの設定)。 祖母に育てられるも、数年前に病死。 叔父はあか抜けない地元警察署の刑事で、 度々この叔父が姪っ子の的確な推理により、 事件を解決していくというストーリーだったが、 11歳では叔父目線、14歳は女性の友人目線、 今作17歳では、小学校時代の同級生の引きこもり男子の目線となっている。 成長した舞田ひとみが、この時代の高校生なみに成長した姿で、 誘拐事件を解決していくのだが、人間の能力は平等ではない。 生まれながらに聡明で頭脳明晰ならば、 ゲームをやろうがダンスに興じようが、勉強する時は勉強し、 父が再婚したため産まれた歳が離れた弟の面倒も バイトと称して世話をするわけである。 福岡県福岡市出身で、東京農工大学農学部環境保護学科を卒業後、 編集プロダクションで働く傍ら、小説を執筆。 島田荘司(48-1012/宝丑)のエッセイを参考に島田宅を訪れ、 それをきっかけに島田の推薦により 88年(山辰)に「長い家の殺人」でデビュー。 ペンネームの「晶午」は島田が考案したという。 03年(雨未)に発表した 「葉桜の季節に君を想うということ」は、 翌04年(木申)の「このミステリーがすごい!」、 「本格ミステリ・ベスト10」の各1位に選ばれ、 第57回日本推理作家協会賞と、第4回本格ミステリ大賞を受賞。 10年(鉄寅)にも「密室殺人ゲーム2.0」で、 第10回本格ミステリ大賞を受賞した歌野は、 「玉」主導で、特別意識の際だった伝統的思考。 ひとつのことをジックリ掘りさげ、 都会的な中に旧き良きものをみつける努力を怠らず。 「玉+牽」は、用心深いものの、王道に軸足をおいた 通俗性のある少しだけ派手な冒険心。 「玉+車」は、確証さえあれば、考えたことを実行に移すとてつもない行動力。 「玉+玉」は、無理をしているようで無理をせず。 それなりのわきまえというような常識あり。 「玉+司」は、地味ながら熱く巧妙な仕掛け。 「海+玉+酉月」は、精神性の強い放浪癖。 「丑」年生まれ「海戌」は、自分が一番可愛い人。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の「海」。 総エネルギー228点中水性は47点と、子丑であることを差し引いても、 入り江程度だが、しかし、生年冲殺とはいえ年干「宝」は、 特別な輝きを放つうえに、夕暮れには有り難い月干「灯」も美しく照らす。 金性108点は満潮を意味するが、頭の良さは特筆もので、 創作作業には揺るぎないものがあろうが、 木性ゼロ(DNA鳳/調なし)のため、遊びはなくいつでも真剣勝負。 洒落た面は期待してはいけないうえに、 月干支「灯酉」VS日干支「海戌」の干合支害持ちなので、 内側の世界は恵まれているとはいえず、 その気になって結果を求めれば、挫折しやすい。 投資や異性との関わりは御法度となり、 描き出す世界の家庭も、一般的な幸福とは縁遠くなっている。 遅筆なのは、害持ち優柔不断さが理由。 この反面、年支「丑」VS月支「酉」の半会は、 仕事に価値を見出せば、とてつもなく稼働力は拡がり、 冲殺されているのが年支「丑」内「牽」のため、 賞取りレースを意識しないところに、活路あり。 年干支「宝丑」は、マイペースながら飾り気のないユーモアセンス。 月干支「灯酉」は、周囲を引き込む怖い物知らずの人情家。 そして日干支「海戌」は、言動粗野もチャレンジ精神旺盛。 逆境を切り拓いて、我が道を行く、どちらかというと古風。 干支番号構成は、38-34-59で西方北方領域で、 水性の「海」という質からも、時代整合性あり。 後天運は初旬「6歳陽申」は、守護神DNA「禄」の引力本能。 宿命害が緩和される秋の方三位完成も、 攻撃力より知恵を使った和合性が強調されるも、これといった動きなし。 家には本がたくさんあったそうだが、 小学校の課題の読書感想文は苦手という反抗もあった。 2旬「16歳草未」は、宿命にない木性のDNA「調」の刑。 年干支「宝丑」の天剋地冲もあり、 身体を痛めスポーツを禁じられたことから、漫画研究部に所属するも、 男は文化活動せずという気持ちもあったという。 3旬「26歳木午」は、同様に宿命にない木性のDNA「鳳」の豊かな表現力。 年支「丑」の害はあろうと、日支の半会があったので、 ありえない成果の結果として、 60年に一度の87年(灯卯)の干合支合の宿命害切れを契機に、 88年(山辰)の日干支天剋地冲を伴う宿命害切れでデビュー。 93年(雨酉)の屈辱DNA「石」の害年前後は、 宿命害が重厚になったのか、しばしの断筆。 自己矛盾なのか、人間関係によるものかはともかく、 子丑が何もかも恵まれすぎというのも伸びないので、悪くない経験。 4旬「36歳雨巳」は、年支「丑」と月支「酉」がからむ三合会局で、 04年(木申)の宿命にない木性の方三位年もあり、前述の賞取り。 現在の5旬「46歳海辰」は、月干支「灯酉」の干合支合を伴う DNA「貫」の守るべき物の変化だが守護神消滅の危機もあり。 しかし、堅実さを廃すれば、変化後の月干「草」はありえない木性。 10年運環境も「海」→「木」になれば、それはそれで使うのみ。 そもそも自身の「海」成分は強くないのだが、 納音と宿命害切れを伴っているので、 看板は同じでも、内面では新たに再構築が行われている模様。 晩年まで強い子丑なので、 気がついたら中身はガラガラポンで蘇生。 今後は6旬「56歳宝卯」が主導DNA「玉」の害切れ支合。 自己確立なので、より深味を帯びた王道トリックを極めるに違いない。 そして7旬「66歳鉄寅」は、DNA「龍」の半会で新たな成果。 8旬「77歳畑丑」は、DNA「牽」の10年運天冲殺で晩年の栄誉。 本作は、シリーズ最新作なのに「舞田ひとみ」の冠なし。 これが昨年(12年/海辰)の「海」重なり。 「舞田ひとみ17歳 コモリと子守り」では、何だかわからないからな。 ところで、主人公の小学校中学校時代は、携帯がないから、頭が柔軟。 母親がいないから、創造力を発揮と、頭を鍛えられていたが、 さすが高校生にもなれば、スマホ使いに変貌。 そのあたりは歌野も柔軟(笑)。死人が出ても、どこかおぞましくなく 怖くもない歌野作品は読みやすいが、さすがの害持ちとはいえ、 1作目2作目が緻密に計算された短編の集合体だったのに、 今作は長くて疲れるところに、干合支害持ちの優れない部分あり。 さらに、長いエピローグも次作 (主人公20歳の大学生あたりか)への期待を抱かせるが、 「海」らしいゴール前の怒濤の追い込みがなく、 勝つには勝ったけれど、鼻差の判定勝ち。 どこかスッキリしないイメージなのが少々残念。 舞田ひとみも大人になりすぎたのか、受験を見据えて忙しいのであろうな。 さて、歌野の生年月日は杉作J太郎と光石研と同じ。 最も早く世に出た光石は16歳の宿命にない木性10年運内の干合年(77年/灯巳)。 杉作にしても82年(海戌)の律音の人生の折り返し地点であるから、 歌野が最も遅い。生年冲殺としては、あれこれやりすぎの杉作は論外として、 素材として活かされる受け身の役者一筋という光石に軍配が上がるが、 木性ゼロ(DNA鳳/調なし)の作家は苦悩も半端ではないが、 そこはありあまる創造力を糧にするのだから、未来も輝かしい。 私生活は謎だが、順風ではあるまい。 今年(13年/雨巳)はともかく、来年(14年/木午)とさ来年(15年/草未)の 宿命にない木性年に期待をつなげ、 その後は20年(鉄子)と21年(宝丑)の創造力の 創造力強調と主導DNAの天冲殺に期待をつなげたい☆ |
■2013年02月24日(日)宝酉 |
新庄耕○狭小邸宅の狙いと残酷な逃げ道 |
○昨年(12年/海辰)の09月05日(畑巳)に決定した第36回すばる文学賞受賞作の 新庄耕(83-0925/陽辰)の『狭小邸宅』が、 02月05日(海寅)の守護神日に上梓された。 同作は毎日上役に罵声を浴びせられながら、 戸建住宅を売るために駆けずり回る営業マンの物語。 タイトルの「狭小邸宅」は、間口が狭く細長い、 いわゆる「ペンシルハウス」で、過酷なノルマを課せられた 売り手のより良い物件を手にしたい買い手の 人間模様がリアルに描かれている、少々息苦しさのある物語。 京都府京都市出身で、慶應義塾大学環境情報学部を卒業。 大手広告会社に営業として就職後、ベンチャー企業を立ち上げながら挫折し、 また会社員に戻ったという新庄は、神奈川県川崎市麻生区在住で、 「司」主導は、特別な物にのみ執着を感じる地味な人。 「司+車」は、目前の役割に忠実な働き者。 「司+鳳」は、息抜きの対象さえあれば、忍耐力あり。 才能は「鳳」は、仕事より趣味。 「司+牽」は、苦難を容認し、どこか諦めた部分あり。 「司+司」は、現実性極めて強く、本性を見せたがらない。 「陽+司+酉月」は、財を築いても失い、さらにまた求めるという葛藤。 「亥」年生まれ「陽辰」は、孤軍奮闘。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の強い雨にかき消されそうな夕陽。 さして役にたちそうもない立場を守るために、 他人の忠告には耳を貸さず、自己が体験しないと信じることもない。 月干支と日干支が干合支合するため、 仕事命というよりは、内側の人間形成に重きをおき、 干合月干「雨」と干合日干「海」は、年干「雨」をふくめ、 干合水性天干一気が成立するので、理屈っぽくなり、扱いづらい人物。 総エネルギー僅か172点中自身の火性13点と、さほど強くない子丑天冲殺で、 動かされやすい面が、有利不利にもはたらく。 年干支「雨亥」は、耐久力あるが小心者。 自己のテリトリーに周囲を引き込むのが得手。 月干支「宝酉」は、温和しい自我で、毒にも薬にもならずも、 融通効かずも努力はする。 そして日干支「陽辰」は、表面温厚も中身は辛辣。 段階的に進むものの、挫折を経験しないと成長せず。 干支番号構成は、60-58-53の全身子丑天冲殺で、 破壊力はあるが、行動範囲は広いとは言えず。 売りは、時代整合性ありの水性偏りのみ。 後天運は、初旬「6歳鉄申」がDNA「禄」の半会。 ターボ運(子丑天冲殺廻り)があるので、ほぼ一生目立つが、 夕立に見舞われたなりの引力本能。 年支「亥」の害が成立し、さほど前進力もなし。 2旬「16歳畑未」は、DNA「調」の偏りも、 年支「亥」の半会はあり、そこそこ拓けた。 現在の3旬「26歳山午」は、主導DNA「鳳」の自己確立。 年干「雨」は干合で「灯」化し、仕事は不安定も、 水性天干一気破格なのだが、 かえって攻撃力が弱まり、軽さを活かせる風情。 この後の4旬「36歳灯巳」は、年干支「雨亥」の天剋地冲で、 DNA「石」は、屈辱もあるが、月支「酉」は半会で、心の揺るぎなし。 5旬「46歳陽辰」はDNA「貫」の律音で、超強気。 月干の干合で方向性の変化。 6旬「56歳草卯」は年支「亥」の半会で木性強化も日支は害。 月干支「宝酉」の天剋地冲は立場なくも、 DNA「玉」は過去の案件とありがた迷惑。 7旬「66歳木寅」はDNA「龍」の改良改革で、ようやく蘇生か。 本作は初の小説だそうである。それが主導DNA「鳳」の10年運内の 守護神年(12年/海辰)で輝いたもの。 これはおそらく08年(山子)の年干「雨」の干合を伴う 主導DNA「鳳」の才能天冲殺の夢の中で頓挫し、 11年(宝卯)の60年に一度の干合支害年で落ち込み、 そこから紆余曲折し、ようやく立ち直ったご褒美。 従って、それ以上でも以下でもなく、 あくまでも趣味の延長が、たまたま形になったのであろう。 推奨出来る生き方ではないが、 今後も才能「鳳」を活かした趣味という逃げ道ならば、 底力のある子丑天冲殺なので対応可能。 その積み重ねが「司」主導らしいし、 妙に真剣勝負をしようとは思わなければ、ありえないことではない☆ |
移 動 祝 祭 日● 2 0 1 3 年// 雨 巳 |
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