★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 6 年(陽申)●03月 宝卯 // 移 動 祝 祭 日 |
■03月分一覧 (2016年●目次) |
一色伸幸●LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うことに感動する(2016_0301) |
天沢夏月●そして、君のいない九月がくるの夢の中(2016_0305) |
川口俊和●コーヒーが冷めないうちに人生を確認する(2016_0308) |
マツオヒロミ●空想百貨店の背景にある哀しい毒(2016_0311) |
樹林伸●ドクター・ホワイトの明かされぬ真実(2016_0315) |
遠田志帆●子の運をもらう絶好調絵師の未来(2016_0315) |
澤見彰●ヤマユリワラシ 遠野供養絵異聞の勇気と偉業(2016_0322) |
長月イチカ●ひとりぼっちの勇者たちの嘘っぱち(2016_0329) |
■2016年03月01日(火)海午 |
一色伸幸○LIVE! LOVE! SING! 生きて愛して歌うことに感動する |
○15年(草未)03月10日(草酉)の「草」重なりに、 NHK総合放送において22:00〜23:14の間に、 「ガールズ・ステップ」と「ソロモンの偽証」で、 第58回ブルーリボン賞新人賞を受賞した(不謹慎を承知で表現すれば) 土性天干一気で、まさに地震の象徴のような 女優の石井杏奈(98-0711/畑未)主演で放送された 特集ドラマ『 LIVE! LOVE! SING!〜生きて愛して歌うこと〜 』が、 同作の脚本家である一色伸幸(60-0224/海午)の手により ノベライズ化され12月30日(鉄辰)のDNA「龍」日に上梓された。 (劇場版映画としても16年01月23日/木辰に一般公開された) 同作は、東日本大震災で散り散りになった仲間達が、 福島の母校を目指すロードムービーが、下敷きになっており、 神戸で避難生活を送るといっても、 夏は日傘をさすような習慣のある優雅な女子校に通い、 音楽教師と表面的で健全な交際をしている少女が、 小学校の校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こすため、 同級生や教師を巻き込んで福島の立入禁止区域へ向かう冒険話。 福島出身であることを隠して、今は神戸に暮らす女子高生の主人公。 そして彼女のかつての同級生であり、 福島に留まりつづけていた、真面目な少年。 散り散りになったかつての同級生たちへの、 彼からの呼びかけでその旅は始まった。 同級生18人の中で賛同したのは、発起人をのぞくとわずか三名。 両親が津波に流され孤児となり同じく関西地方の加古川の親戚に預けられ、 片時の音楽を離さない寡黙な少年、 看護師になると意気込みながら高校をやめて、 「親に言えないとごで働いている」少女の居場所は横浜の夜の街だ。 そしてひょんなことから彼らの旅に同行することになった、 阪神淡路大震災で一歳年上の兄を亡くした神戸出身の新任音楽教師。 水素爆発まで起きてしまったという設定で、 福島県浪江町と想定される故郷を目指し、 各駅停車を乗り継ぎ、長い旅の果てにたどり着いた福島で、 ゲートからは入れず、獣道から侵入した彼らが遭遇したのは、 今なお夫の帰還を信じ、避難しない老婆。 かつてはライブハウスを経営していた彼女の手引きで、 目指した場所で手にしたものは、あの時の記憶に感動。 そして、埋められていたのではなく、学校の倉庫に保存されていた 「あの時」と「いま」を繋ぐために・・・ 神戸と福島を繋ぐ希望の物語というフレコミで、 快活だがどこか陰のある少女を石井が好演していたのが目に浮かぶ。 よくあるこの手の映画にある暗さは微塵もなく、 さすがに「私をスキーに連れてって」「病院へ行こう」 「波の数だけ抱きしめて」「お受験」「ショムニ」 「彼女が死んじゃった」「大人の夏休み」などを 手がけた一色だけあって、あくまでも美しい映像を連想させる小説本も、 爽やかにさえ思えた。生きている証しがあるから。 東京都出身で神奈川県鎌倉市周辺で育ったとみられ、 現在も神奈川県鎌倉市在住で、その経験が作品にも効果的に反映されている、 青山学院大学文学部英米文学科を中退の一色は、 DNA「鳳」主導の味のある表現者。 「鳳+石」は、常識的部分は必ず余白に残す。 だから、(引率みたいに)教師がついてくるし、 その教師も阪神で肉親を亡くした被災者。 もちろん交際しているといっても、デートするくらいで、 不適切な関係ではなく、合唱部の音楽教師をからかっているという風情。 むろん才能は「鳳」で、徹底的に洒落て洗練された文章を書く。 「鳳+牽」は、温厚誠実もお天気屋ながら、 見ず知らずの若者達に、立ち食いそばまで振る舞う。 「鳳+龍」は、内面の葛藤は激しく、芸術的なエネルギーを産みだす。 福島への思いは、それぞれ複雑だが、みな必死に消化しようとしているのだ。 「鳳+車」は、大衆的で気負った部分は一切なし。 だから、映像がそのまま思い浮かぶような言葉がでてくるのだ。 「海+鳳+寅月」は、論理的ではなく、ひらめきで産みだす才能。 「子」年生まれ「海午」は、狭視で異性理解不能。 だから一色の描く少女達はズレている部分もあるのだが、 かえって大勢に代表されるようなものではない、少数派の際だった感性を、 ひょいとつまんでくるみたいにセットできるに違いない。 宿命の特長は、早春午前四時頃の大きな「山」に面した「海」で、 辺りはまだ暗いく、陽光は未だ昇っては来ないし、灯台の明かりも心許ない。 なので主導DNAの「鳳」を使った工夫をして、 少しでも暗さを隠すための努力を怠らない。 むろん主役は自分だと確信しているので、 暗い「海」を少しでも目だたせるために、 総エネルギー168点の実は軽い身の上としては、かなりのものである。 またその原動力は、月干「山」→年干「鉄」→日干「海」と、 順次助けるふりをして、攻め抜いてくる、落ち着きのない何らかの力。 なのに、創造力の金性がもっとも少ないので、 単純明快のわかりやすさが、うれしい。 年干支の「鉄子」は、ナルシストで自尊心の塊。 なので、汚染を嫌い、あくまでも美しい姿を前面にだす。 月干支の「山寅」は、お世辞や飾りごとをいわない本音の本音。 そして日干支の「海午」は、戦場の奉仕者で、 落ち着きのないなかにも、ひるまずに前進して成果をだす。 干支番号構成は、37-15-29で西方-東方-南方で暗部はなし。 後天運は、初旬「3歳畑亥」は、DNA「牽」の制約を加えられ、 不格好ではなく、格好の良い発信を行うようになる。 2旬「13歳鉄辰」は、DNA「龍」の改善10年運で、 年干支「鉄子」が大半会されたので、大学を中退し、 松竹シナリオ研究所でシナリオを学び、82年(海戌)の大半会三合会局に、 脚本家デビューできたのは、裏方とはいえ、 後天運の後押しを努力で、さらに使い勝手良くしたもの。 3旬「23歳宝巳」は、DNA「玉」でひとつの流れを極め、 4旬「33歳海午」は、DNA「貫」の律音で集中力をいかんなく発揮し、 自分のスタイルを確立したといっていいが、集中しすぎて鬱病をわずらう。 これには伏線があって、89年(畑巳)に携わった「病院へ行こう」で、 陰の気を現場で受けすぎたためと思われる。 そして、92年(海申)と93年(雨酉)の条件なし天冲殺の夢の中で、 頑張りすぎで、特に93年には「僕らはみんな生きている」で、 日本アカデミー賞優秀脚本賞、ヨコハマ映画祭脚本賞、 おおさか映画祭脚本賞などを受賞したにもかかわらず感謝がなかったから、 明けて、94年(木戌)から二年間鬱病で休業しているが、 これはDNA「鳳」年と「調」年の二年間で、垂れ流し。 5旬「43歳雨未」は、DNA「石」の薄まる。 どちらかというと忌み神月干の「山」が、 干合で「陽」化され、目的や目下が変化すれば、 10年運は「灯未」的となり干合支合。 00年(鉄辰)のDNA「龍」の改良改革年に漫画原作として、 「ビジネスジャンプ」に連載されて、 04年(木申)に長瀬智也(78-1107/雨酉)が主演した ドラマ「彼女が死んじゃった」は、 一色の主導DNA「鳳」の条件なし天冲殺の夢の中ながら 木性ゼロ(DNA鳳/調なし)の長瀬の出世作であったのは間違いない。 現在の6旬「53歳木申」は、主導DNA「鳳」の10年運天冲殺で、 さらに才能の「鳳」なので、未開の領域にまで踏みこむ絶好調時期。 この後の7旬「63歳草酉」は、DNA「調」の独創的10年運天冲殺で、 「草」は年干「鉄」と干合すれば「宝」にもなるので、 弱体化した金性を補充しつつ、感謝の念を表せば相応。 8旬「73歳陽戌」の守護神火性の三合会局は、DNA「禄」の奉仕に放出。 貯めこまずに、発信し続けていくことが出来れば、 後進のために役立つような作品づくりがなされるはずである。 さて映画にはなったが、まるで実話と言われても納得してしまう話だ。 そして作中にもあるように、例えば今年(16年/陽申)に、 産まれた子供にとっては311は、明治維新と同じ、 歴史的事件の一行にすぎない。書き出しにもどそう。 「私の通う女子高には掟がある。一年生は不可。 二年生はイケてる子のみ可。三年生は自由。これは日傘をさす権利だ。」 この三行だけで、もう頭の中に文章と映像を提供してくれる。 これが一色の才能だろう。 そして2015年(草未)が阪神淡路大震災から20年というのも、 象徴的な登場人物の合唱部の顧問の音楽教師と その母親の経営する喫茶店という小道具も。全部わかりやすくていい。 そして、先生が教え子に手をだしたのではなく、 生徒が先生をからめとった格好というのも、笑える。 これで何故神戸なのかは、説明不用となる。 神戸は復興の象徴だが、福島は帰還困難地域もふくめ、 仮に20年たっても復興できないのだ。それが現実。でも悲愴感はない。 若者には未来があるから。それを一色はさらりと書いている。 「LIVE! LOVE! SING!」は、避難地域で密かに営業を続けている 老婆のライブハウスの店名だ。未だ帰らぬ夫を待って。 少女の実家の用品店は見る影もなく荒れているが、 家が流されて天涯孤独になった少年とでは雲泥の差で、 タイムカプセルに入れておいた写真でしか、もう家族の顔を確認できない。 ところで、一色は長野県出身の夫人と結婚し、二男をもうけているが、 次男の一色洋平(91-0806/山申)は、親がかりなうえに、 どうやら二世帯住宅みたいで、結婚しており、 オヤジ殿と同じ事務所に所属している売れない役者である。 共通干は「山」なのだが、一色の月干支「山寅」と 次男の日干支「山申」は納音しており、 どら息子がオヤジの立場を悪くしているようなもの。 あえて命式を披露するほどのこともないが、 結婚が85年(草丑)のDNA「調」の害年では、やむなしか。 犬との交流にしろ、ただの親バカペットバカさが浮かび情けない。 話を本に戻そう。福島にでかけたあの日から教師とは疎遠になった少女は、 卒業式の日に合唱部が歌う曲目を、教師が主張する「さくら」から、 避難者特権を使って、しれっと震災復興の唄に変えさせた。 そして、誰もいないのに行われる祭りの意味を考えた。 あの福島でみた、幻想の夜だ。 「こんなの映画のノベライズだろ」と言うなかれ。 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ♪ |
■2016年03月05日(土)陽戌 |
天沢夏月○そして、君のいない九月がくるの夢の中 |
○干合年だった12年(海辰)の10月11日(陽午)のDNA「石」の 屈辱妥協的(大賞ではないので)天冲殺日に、 第19回電撃大賞で、選考委員奨励賞(正賞と副賞 5万円)を 「サマーランサー」で受賞した天沢夏月(90-0122/灯亥)の 『そして君のいない九月がくる』が、 昨年(15年/草未)のDNA「龍」の守護神天冲殺年の 10月24日(雨酉)の年支「巳」と月支「丑」のからむ DNA「車」の三合会局日に上梓されているので解説する。 同作の舞台はおそらく神奈川県の片田舎で、家庭内不和により両親が離婚し、 父親と暮らす高校二年生の少年が、山で滑落して死んだ。 その場所はもうすぐやってくる夏休みに、 男女仲良し五人組でキャンプをしにいく予定の場所だった。 友達の死から始まった苦い夏休み。 そこに、死んだはずの少年のドッペルゲンガー(幽霊みたいな分身)が もっとも長い付き合いのある幼馴染みの少女のもとに現れ、 四人(男女二人ずつ)を彼が死んだ場所に誘い、 あることを解決してほしいと願う。 半信半疑の彼らが、幽霊は電車で移動できないし、 少年も徒歩で向かったのだからと、電車の線路ぞいに。 まるで「スタンド・バイ・ミーだね」と言いあいながら、 途中、漫画喫茶で少年が宿泊した事実をつきとめたり、 一人ではなかったという証言をえながら。 その場所へ向かい、目にしたものは・・・・。 皆の彼への秘めた想い。嘘。嫉妬。後悔。恋心。 そして旅の終わりに待つ、意外な結末は、 途中である程度は想像はつくのだが、 最後の最後まで一気に読んでしまう、若き青春ミステリである。 受賞時は東京都内の実家にいて、現在は小田急線を利用する 神奈川県相模原市に住んでいる以外は詳細不詳の天沢は、 学生時代はテニスサークルで青春を謳歌した DNA「鳳」主導で、ひとつのことにこだわりをもちながら、 伝えたい気持ちを、念をこめて発信する。 冬生まれのため、寒さを極度に嫌うためか、 夏限定の物語を描くというのは好感がもてるが、 八月は初秋であっても、夏休みには違いない(笑)から良しとする。 とてつもなくラーメン好きなのは、 冬生まれが手っ取り早く、エンジンをかけるには好都合も、 劣化促進は否めずも、やむなしか。 「鳳+石」は、一見普通の人で細やかな気づかいはなく、 がさつなり、テキトーである。 「鳳+牽」は、温厚誠実もお天気屋で、マニュアル重視。 才能は、この「牽」で独特のスタイルを崩すことなく 栄誉に向けて歩む姿だが、権威を得るには、 血の滲むような努力が求められ、挫折すると年上の異性頼りとなる。 「鳳+鳳」は、きさくで粘り強い。 「鳳+貫」は、時代の波に乗るのは苦手で、 いささか流行遅れの感ありも、そこがまた新鮮と思えば救われる。 「灯+鳳+丑月」は、しぶとい。 だから、ロードムービーみたいな文章を、手を変え品を変え、 精力的に積み重ねていく。 死期を迎えても、なかなか死ねず往生際に問題があり、 納得するまで死なないため、 今作のようなストーリーを編み出したのに違いないが、 「巳」年生まれ「灯亥」は、まとめ下手の傾向もあり、最後が薄まる様相。 宿命の特長は、晩冬丑三つ時の都会の街灯。 または深夜も稼働するビニールハウスの照明。 異なった二種類の光を放つので、ひとつがLEDなら、ひとつは白熱球だが、 守護神の「木」と、伴星「玉」の生涯勉強を加味すれば、 やや旧型が勝っているので、白熱球の蛍光灯が勝つ。 総エネルギー217点中、自身の火性は土性と共に強く(双方58点)。 発信力はあるのだが、創造力の木性が23点と弱く、 あれもこれも出来ないので、青春者限定で、 なおかつ午未天冲殺なので、夢みたいなお話しが得意。 そうはいっても常軌は逸せずで、品のない脱線はしない。 ある意味、真っ当なので、ライトノベルの枠から、はみだすことはない。 年干支の「畑巳」は、田舎の村長なり長老で、集団内の起爆剤であり、 毒素であり、白蟻で。長い時間をかけて、組織を蝕む傾向。 月干支の「灯丑」は、家系のなし得なかった野望を完成させる。 日干支の「灯亥」は、念の入った感性で、喜怒哀楽激しく、 見えないものが見えるようになったり、他人への干渉は人一倍なれど、 自分の内側はなるべくさらさぬように努める。 干支番号構成は、06-14-24と東方と南方で形成され、健全な前進力。 後天運は初旬「6歳陽子」がDNA「石」の北方方三位完成で、 厳しい冬なり暗い夜の時間を有効的にかつ社交的に過ごすよう形成されたが、 特別に稼働する条件はない。 2旬「16歳草亥」は、DNA「龍」の庶民的な改善を促される守護神で、 異常な環境に身を置くことにより、突如際立った動きをする10年運天冲殺。 「家出」というキーワードはここからでているが、 本人は午未天冲殺なのに、一人暮らしをするという矛盾を抱える。 「家出はしたことがない」は優等生だが(笑)、 旅みたいなものだと捉えているのが微笑ましい。 今年(16年/陽申)から始まる3旬「26歳木戌」は、 DNA「玉」の伝統回帰がテーマの特別条件付10年運天冲殺。 より旧いものに関わったり、幼い時代に立ち返る。 実家なり東京にふたたび戻るかもしれないし、さらに青春を燃焼するはずだ。 いずれにしろ異常な環境に身をおいておくことが大切であり、 普通に生きていて、稼働するものではないが、 一応作家なのだから、習得本能強化の一環としては上等。 あとは徹底的にこの運を使いきっただけではなく、 それに見合った感謝をするばかりなり。 4旬「36歳雨酉」は、年支「巳」と月支「丑」のからむ三合会局で、 水性と金性が異様に強くなり、DNA「車」は金銭物質のため多忙となるが、 消耗してしまう暗黒の入口の10年間にもなりかねない。 そして5旬「46歳海申」はDNA「牽」の干合支害で、 不名誉な事案か、異性に翻弄されるなど、 その気になればろくでもない、少々な暗黒の20年目。 徹底的に落ちるところまで落ちねば良いが・・・。 6旬「56歳宝未」は、DNA「禄」の感謝と奉仕の10年運天冲殺半会で、 前の20年の落ち込みの反省があれば、天まで昇る勢い。 7旬「66歳鉄午」は、DNA「司」の地道な10年運天冲殺で堅実さを取り戻す。 むろん、懲りているから感謝と奉仕はさすがに忘れない。 8旬「76歳畑巳」は、DNA「鳳」の主導DNAで、ようやく自己確立。 さすがに晩年なので、風流で優雅な晩年を送るであろう。 少女の16年間のうち、ほとんどを過ごした幼馴染みの少年。 家が近くなので、いつも遅くまで彼女の家に上がり込み、 彼の両親については、ほとんど知らず、色々な行事もふくめ、 彼女の家で面倒をみていたほど、仲良かったという伏線。 突如、ドッペルゲンガーが登場したところで、 あらかた何が待ち受けるのかは、おおむね理解してしまうので、 結末は意外でも何でもないのだが、そこまでの過程を飽きさせずに 丁寧に描いてくれるのが好ましいが、 ならばもう少し装画にも凝って欲しかったのが本音。 作家に発言権などないのだろうから、 メディアワークス文庫の担当編集者にはお願いしたい。 天沢が条件なし天冲殺の夢の中で抵抗不能だったので、 ある意味消化とも思えるので、頑張れ天沢! この妥協の害年(16年/陽申)さえ乗り切れば光明だから☆ |
■2016年03月08日(火)畑丑 |
川口俊和○コーヒーが冷めないうちに人生を確認する |
○00年(鉄辰)から12年(海辰)まで活動してきた 「劇団音速かたつむり」をたたんだあとは、 舞台周辺関連の仕事に、かかわってきたと思われる 川口俊和(71-0403/山午)が、 年支「亥」月支「卯」のからむ三合会局年に加え 主導DNA「牽」年ということもあり、作家に転身して 『コ ー ヒ ー が 冷 め な い う ち に』を、 昨年(15年/草未)の12月06日(陽辰)のDNA「龍」の改善日に上梓した。 同書は「4回泣ける」というフレコミで、 川口が主催していた劇団が上演していた戯曲の作品化で、 言われてみれば、設定は地下にある喫茶店の空間だけという異質なものだが、 作者のブレることのない慈愛と人が生きる役割とは何だろうと 考えさせてくれる丁寧な作品に仕上がっている。 舞台は、とある街の、とある喫茶店で、1874年(木戌)オープンで、 空調がないのに、いつもひんやりとしている。 繁華街ではなく、とりあえず街中のどこにでもありそうな、 しかし、こだわりがあるため、特定の馴染み客しか足を運ばぬ店。 そして、とある座席には不思議な都市伝説があった その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという ただし、そこにはめんどくさい・・・否、非常にめんどくさいルールがあった。 1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない。 2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない。 3.過去に戻れる席には先客がいる。 その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。 4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない。 5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、 そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。 それを忘れてしまうと、先客のように幽霊になってしまう。 めんどくさいルールはこれだけではないが、 いったい誰がつくったのか、とんでもない自然界だね。 にもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる。 喫茶店の名は、なぜか「フニクリフニクラ」。 そうイタリアはナポリのケーブルカーのCMソングを冠した店。 (なんでも世界最古のCMソングらしい〜妙なノリだね) これだけのルールを聞かされても、 それでも過去に戻りたいと思うだろうか!? この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった心温まる四つの奇跡で、 第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話。 第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話。 第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話。 第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話。 あの日のあの場所に戻れたら、あなたは誰に会いに行くだろうか。 お願いします、あの日に戻らせてください―。 「ここに来れば、過去に戻れるって、ほんとうですか?」 不思議な噂のある喫茶店「フニクリフニクラ」を訪れた 4人の女性たちが紡ぐ、家族と、愛と、後悔の物語は、 とてもよくできた、嫌味のない、品の良い落語のような本当に泣ける美しい話。 特に、第4話の「親子」は、心臓疾患をかかえる喫茶店主の妻が主人公で、 出産をとるか母胎を守るかという話で、 未来から一瞬母親に会いに来た娘らしき人物と、 未来に娘に会いにいった母親の話は手に汗握りながら、 僅か、コーヒーが覚める間に打ち解けて話ができるのかなど、 やきもきさせられたし、過去に生きる者の都合などお構いなく 未来が待ちわびてくれていないなど、 もどかしかったが、是非お薦めしたい佳品である。 大阪府茨木市出身で、高槻南高等学校の同級生で、 同じ演劇部には、辺見えみり(76-1216/海寅)の元夫が在籍し、 高校卒業後に貧しい生活から脱却すべき、 19歳で漫画家をめざし上京したという川口は、 東京都小金井市に居住と思われDNA「牽」主導は、 独自独特なスタイルにこだわり、役目役割を果たして行く。 「牽+禄」は、折り目正しいサラリーマン的様相。 「牽+玉」は、伝統は踏襲しながらも、小さな工夫を懲らせていく。 才能は、この「玉」でオヤジさん的オッカさん的発想。 生きていくことに対する、静かながら強い志。 「牽+調」は、大胆な発想で周囲の度肝を抜く。 「山+牽+卯月」は、やや物事のまとまりに欠ける傾向で、 「亥」年生まれ「山午」は、上がって落ちるである。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の丘陵地帯で、 特別な装飾を施された装置の中に 開花するのだか、しないのだか不明な花の蕾を隠しもつ。 生き方次第で、雑であれば石ころになるだろうし、 立派に整形されていけば、王家の旗印にもなる。 とはいえ子丑天冲殺ながら、総エネルギー141点の軽さは、 男性としては、少々心許なく、やや信頼感に欠ける様相。 このあたりが善し悪し別に持続力に欠ける感覚だが、 どっしりと構え、熱き知恵を使っていなければならぬのは、 小高い丘陵とはいえ、陽の土性の特性だ。 そこが身にしみるから、変化球の人情話になる。 そして重圧に耐えられぬと「それがルールだから」で収める(笑)。 年干支の「宝亥」は、直感力の鋭い人。 月干支の「宝卯」は、小商い。 そして日干支の「山午」は、最強の子丑天冲殺で、 決断力に優れるが、諦めも早く、個人利益より集団を大切にする。 なので、過去より未来を重要視し、より健全で持続性のある事案を優先する。 年干支と月干支は、どちらかというと弱く、 日干支のみ最強という矛盾ある宿命は、 干支番号構成48-28-55と南方と北方を結ぶ狭い地帯で、 あれもこれもと器用にできるものではない。 後天運は、初旬「9歳鉄寅」は、善も悪をも学んだ DNA「鳳」の半会で、とはいえ少年らしい表現力。 だから、漫画という、ある意味短絡的な発想。 これといった稼働力はなく、見栄えも何もないごく普通の姿。 また、子丑天冲殺が誕生するくらいなので、父親が他界。 2旬「19歳畑丑」は、DNA「石」の和合性で仲間と協調しながらも、 顔色をうがいながら、上がり下がりのある10年運天冲殺の害。 屈辱的な姿をさらし、赤貧のどん底を経験したという。 3旬「29歳山子」は、DNA「貫」の納音で、 思いはそのままに、過去の因縁を徹底的に破壊して独立。 「劇団音速かたつむり」を旗揚げし、その名を知らしめるも、 変剋律もあるため、苦悩しながら才能を伸ばす10年運天冲殺の納音。 現在の4旬「39歳灯亥」は、DNA「玉」の守護神も、 王道を極める手法で、時に衝突しながらも成長してゆく。 10年運天冲殺は抜けてしまい、劇団に見切りをつけ、 個人演出家を標榜するが、じきにやりくり出来なくなり、 看板の演目を小説化することで作家デビュー。 生きていくために、静かな才能を使い、何だろうとやる時期。 5旬「49歳陽戌」は、DNA「龍」の守護神半会で、さらに、新たな挑戦。 年干と月干の「宝」が干合で「雨」になるため、 方向性も何もかも作家であることもやめ、 何もかもごちゃ混ぜにするような気配となると、 干合年干と干合月干の「雨」が日干「山」とさらに干合し、 年干と月干が「灯」に、日干は「陽」の火性天干一気が成立し、派手に目立つ。 異性かお金が要因で大いに炎上するなり、稼働するかである。 6旬「59歳草酉」のDNA「牽」で、名誉か不名誉。 主導DNAでもあるので、自己確立して何とか踏ん張る。 7旬「69歳木申」のDNA「車」で、多忙か危険。 8旬「79歳雨未」はDNA「司」の地味な生活。 日干「山」を干合させると日干は「陽」となり、 これが年干と月干と二次干合すると、 年干と月干は「雨」、日干は「海」の干合水性天干一気化し、 一気に「山」が崩れさるような、壮絶な最期を遂げるに違いない。 13年(雨巳)の干合年には、本作のもととなった舞台で、 第10回杉並演劇祭大賞受賞をしている川口だが、 よく宿命を眺めると、本体土性の38点を上回る45点の木性を所有するが、 それらは年支「亥」内「木」と月支「卯」内「草」の地中に埋もれた成分。 従って、噛めば噛むほど味わいなりがある人物で、 外見は地味でも、実に深い文章を提供してくれる。 また、守護神になる日支内「灯」にあたる母親思いの側面は、 「おとんが他界してからは、おかんが女手一つで育ててくれた。 貧乏で『大学には行かせてあげれんけど』と言いながら、 高校だけは出してくれた。 僕が東京に出て来て、借金で首が回らなくなった時も 『お金で助けてあげれんくてごめんね』と泣かれたこともある。 本当に心配ばかりかけてきた」としながら、 本作の出版により、母親をいくばくか安心させることができたのであろう。 検索をかければ、川口とよく似た顔の母親が 書店で並ぶ姿を拝めることが可能。 さすがに「灯」から表出される「玉」の母親には、熱いものがこみ上げる。 さて、会いたい時に、会いたい人はいない。 そして、過去に戻れるのも一回きり。 その逆に未来へも一回きりだけ行くことが出来る。 (厳密にいえば、過去か未来に一度だけ行ける) しかし、いずれも「フニクリフニクラ」なる喫茶店に、 会いたい人物がいなければ話しにはならない。 過去ならばともかく、未来にこの店がある保証はなく、 そして会いたい人物がいるとも限らないうえに、 現実は何ひとつ変わることがない。 不条理だが、こんなに素晴らしいことがあるだろうか。否である。 しかし、それでも未来に行くことを決断したのは、 病の治療と出産のどちらかを優先せねばならない。この店の主人の若き妻。 未来からやってきた娘(らしき少女)と記念写真をとった、その人である。 そう、これ以上は書かない、いや書けない。でも、とってもいい話。 ルールがあるから、素晴らしい。ルールがあるから、過去にも未来にも行ける。 行ってしまえば、驚愕の事実も知ることになる。 それを淡々と受け入れることが出来るから、 この人達は、この喫茶店でコーヒーをいれているのだ。 そして未来からきた娘も、それを手伝っている。 「産んでくれてありがとう」「元気に育ってくれてありがとう」 舞台という制約がなかろうと、まるでそこにいる観客みたいに、 涼しい顔で、小説として成立させてしまったのは、 川口の技術ではなく、彼の母親への感謝ではなかったか。 そう思えてならない☆ |
■2016年03月12日(土)雨巳 |
マツオヒロミ○空想百貨店の背景にある哀しい毒 |
○WEBを中心に注目を集める美麗絵師である マツオヒロミ(80-1204/宝亥)の商業初単行本『百貨店ワルツ』が、 01月28日(畑酉)の守護神DNA「龍」の改善日に上梓された。 島根県松江市出身で、99年(畑卯)のDNA「龍」の 条件なし守護神天冲殺半会年に、 大学入学のため神戸に在住し、古本屋、デザイナー勤務の後、 10年(鉄寅)のDNA「石」の条件なし天冲殺宿命害切れ年に、 フリーランスになり、13年(雨巳)のDNA「鳳」の対冲年には、 結婚をして岡山県に移住したマツオは、 DNA「調」主導で、守護神が年支「申」内「山」の「玉」のため、 徹底したレトロの少女趣味に浸る独創的感性。 「調+石」は、仲間におだてながら自尊心を強くしていく。 「調+調」は、現実を超越したどこか哲学的様相。 「調+車」は、仕事熱心で反骨心旺盛で、奇矯な振る舞い。 「宝+調+亥月」は、常人では理解できない遊び心。 「申」年生まれ「宝亥」は、正直者なのに、 年支「申」VS月支+日支「亥」の害があり、 表裏ありで持続力はいまひとつ。 なので、我慢しきれず夢の中で動きすぎて、弾けたりない。 月干支「灯亥」も日干支の「宝亥」も芸術性溢れる優れた器だが、 それが「鉄申」との衝突により、破調の美となっていることは見逃せない。 複雑な初旬条件はあるものの、また害持ちとはいえ、 現在の10年運「29歳木申」は、DNA「司」の害で、 とてつもない売りには結びつかず。 旧い街並みが好きというように、「玉」の和心は守護神だが、 総エネルギー214点中土性は僅かの6点では心許ないどころか、 よほどの努力をしないと、薄く軽くなりかねない。 それでも、儚いのは宿命害が悲哀を演出しているため。 自身の金性64点、表現力の水性93点と立派でも、 生活の糧となる木性は38点に、名誉の火性は13点と弱いものの、 今年(16年/陽申)は害持ちの60年に一度の干合支害年で、 大振りをして一生懸命目立てば、思わぬ需要もありか。 本書は、二十世紀初頭、ある地方都市にある 虚構のデパート「三紅百貨店」が舞台で、壮麗な建物の屋上には巨大観覧車。 華やかで近代的な店内装飾に囲まれた各売場には モダンとロマンチックが散りばめられ、 一階から六階、そして屋上までも、各売場の様子、 そこにいる人々や商品を漫画とイラストで紹介。 ひとつひとつにこだわりをもって描かれた ディテールには思わず見とれる美しさ。 鮮やかな色づかいと繊細な筆致で描かれた 東洋と西洋が混ざりあう近代浪漫を楽しめる。 ちなみに、目次は下記。 ■一階……服飾品部・雑貨部イラスト、漫画「売場迷宮」 ■二階……美粧部・化粧品部イラスト、漫画「遠つ国の花の香は」 ■三階……呉服部イラスト、漫画「秋をそぞろ歩けば」 ■四階……婦人服部、漫画「初めての洋装」 ■五階……紳士服部・文具部・喫茶室 ■六階……大食堂、漫画「商いに就いて」 ■屋上……屋上庭園 ※各階にミニコラム付き ■宣伝部資料室……三紅百貨店のPR誌やポスターを展示。 過去を耽溺しているだけとは言わない。妙で病的な浪漫を感じるから、 さすがの毒に威力は美麗で、ときめかざるをえない。 人は、毒に魅力を感じ、その虜になり、 害を蝕んでいくのでいくのだろうね。 ちなみに、この生年月日はモデルの森貴美子と同一。 これだけの作品を産みだしているマツオは素晴らしい☆ |
■2016年03月15日(火)陽申 |
樹林伸○ドクター・ホワイトの明かされぬ真実 |
遠田志帆○子の運をもらう絶好調絵師の未来 |
○漫画原作者、小説家、脚本家として単独で活動しているほか、 実姉でノンフィクション作家でもある 樹林ゆう子(58-1010/鉄申)と2人でユニットを組み、 亜樹直(あぎただし)をはじめ数々のペンネームで活動し、 代表作に「金田一少年の事件簿」、「探偵学園Q」、 「サイコメトラーEIJI」、「クニミツの政」、「シバトラ」、 「神の雫」などがある樹林伸(62-0722/宝酉)が、 「小説 野性時代」に、14年(木午)から15年(草未)にかけて連載した 『ド ク タ ー・ホ ワ イ ト』を、 昨年(15年/草未)10月30日(畑卯)の 主導DNA「龍」の対冲日に上梓したので解説する。 両親を交通事故で亡くし、妹と暮らしている編集者をしている主人公は、 早朝の井の頭公園で白衣のみを纏った謎の美少女・白夜と出会う。 自らの素性を全く明かさない彼女だったが、 突然、主人公の持病である胃痛の原因をさらりと言い当てる。 さらに、(主人公の)幼なじみが内科部長をしている病院に匿われた彼女は、 そこで見過ごされていた数多くの誤診を次々に指摘していく。 彼女は一体何者なのか。 医学界の常識を打ち破る「診断」をする白夜に対して、 余命いくばくもない癌と向き合う病院長と、それを支える娘の内科部長や 度重なる医療事故等で存続も危うい病院を 乗っ取ろうとする副院長らの勢力に、 さらに白夜の存在の裏に、消息不明の院長の息子や、 白夜を20年余り監禁しながら医療知識を学ばせていた組織が見え隠れする。 彼女は現代のカスパー・ハウザーなのか。 様々な思惑が絡み合い「rh Null」がヒントになっていそうな 最先端医療小説を愉しんでほしい。 東京都武蔵野市出身で、早稲田大学政治経済学部を卒業。 87年(灯卯)のDNA「車」の対冲年に、講談社に入社。 「週刊少年マガジン」編集部で漫画編集に携わる。 「MMR マガジンミステリー調査班」の 主人公「キバヤシ隊長」のモデルとなり、 担当作品に「シュート!」「GTO」などがあり、原作クレジットが無くとも 原作者並みに、ストーリーに関わりながら腕を磨き、 99年(畑卯)の主導DNA「龍」の対冲年に講談社を退社し、 原作者として独立した樹林は、DNA「龍」主導で創造力の源。 表からだけではなく裏から観察する能力あり。 才能は主導するだけに、この「龍」であり、 あれもこれも知りたがる博識で庶民的な知恵。 「龍+司」は、家庭や仲間を基本とした、存外用心深い出処進退で、 だからこそ姉との共同作業であったり、本作でも基本になっているのは、 二家族の兄妹の存在が核になっているが、 親子の問題は超えられない壁を、感じるものがある。 「龍+貫」は、子丑天冲殺と特別意識に支えられた忍耐力。 「龍+調」は、簡単には納得しない探究心であり、 向上心ある生き方には、諦めは微塵もなし。 「龍+車」は、 ひらめき的にも見えるが上質な発想。 ようは、天性の目の付け所の良さが光る刺激的な人である。 「宝+龍+未月」は、理屈っぽい部分があるが、静かな明るさを所有する。 「寅」年生まれ「宝酉」は、揉め事が起きると補佐。その際矢面は姉であろう。 通常の何も憂いがない場合は、本人が先頭に立って進む。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の「海」というより「湾」内の、 総エネルギー200点中61点もある火性の灯台に付帯する特殊装置。 非常時に使用するため、通常はあってもなくても意識されないが、 しっかりと存在感は示しつつも、けたましい音が鳴るだけの警報か。 ただし、そのわりに豪勢なつくりはなんらかの意図や日頃の努力を感じる。 場合によっては、由緒ある灯台の史料館ともとれ、 その価値は悪気なくとも、少々派手に見受けられる。 年干支の「海寅」は、芸術肌で誰にも負けない自負心あり。 月干支の「灯未」は、外見クールも中身は熱く一家言あり。 そして日干支の「宝酉」は、学究肌でこつこつと理屈を積みあげる。 頭が良く攻撃性も兼ね備える子丑天冲殺なので、 才気で他者を圧倒するのは、白夜そのもの。 干支番号構成は、39-44-58と西方と北方のみで、 充実はしているが、少々盛りを過ぎた感は否めない。 後天運は、初旬「6歳山申」は、DNA「玉」の思慮深さを付加。 年干支「海寅」を天剋地冲するので、後天稼働運型も、 親の場を脅かしている子丑天冲殺なので、 実際は資産家の家に生まれながらも、苦難あり。 月支「未」と日支「酉」の間を埋める変則方三位で、それなり。 2旬「16歳畑酉」は、主導DNA「龍」の自己確立と内側の刑。 大学4年生(85年/草丑)のとき、出版社や広告代理店、テレビ局など 約30社の入社試験にすべて落ちたのは、条件なし天冲殺の夢の影響。 浪人して留年したからこそ、天冲殺の社会参加を回避できたのは良かった。 留年する際「小説を書く」と周囲に宣言し、 380枚の原稿を書いて江戸川乱歩賞に応募し、 受賞は逃したものの、翌年、講談社に入社したとき 「5年ぐらいしたら、作家として独立する」と宣言したというが、 留年したからこそ、今があるのだから、満更遠回りとも言えず。 3旬「26歳鉄戌」は、DNA「石」の害。 年支「寅」の半会はあるものの、勤め人ながら裏では力を発揮する。 4旬「36歳宝亥」の、月支「未」の半会のある DNA「貫」の独立独歩で、99年(畑卯)は、 主導DNA「龍」の対冲で、子丑天冲殺の意志は硬く、 害明けの勢い(害中での会社へのご奉公)でやむなしか。 現在の5旬「46歳海子」は、月干「灯」を干合させ、 何らかの方向性の変化をきたせば、 守護神として効果的な10年運天冲殺で、DNA「調」。 他人が踏み込めない独創的な発想で世界を拡げる。 水性は守護神になるので、ここからターボ運 (子丑天冲殺と水性旺地の海子と雨丑の10年運)が始動。 活動内容が濃くなり、何をしても目立つようになる。 社会への問題提議なり、特別なテーマに対し、綿密な取材を行い仕上げて行く。 この後の6旬「56歳雨丑」は、DNA「鳳」の半会10年運天冲殺。 何でもありの幅広い対応だが、前旬で成功しすぎて、 のんびり趣味に浸ろうなどというような思いが強くなると、 それまでの疲労が一気にでて、緩みっぱなしに注意したい。 7旬「66歳木寅」は、DNA「司」の堅実。 宿命には所有する成分には違いないが、 これまでの著者とはおそらく、大幅に生き方が異なるはず。 派手さのない環境にしていかねばならぬが、それが出来るか否か。 8旬「76歳草卯」はDNA「禄」の天剋地冲。 これまでつちかってきた過去の大逆転。 さらなる上昇か下降かは、感謝ありき、生き方ひとつだが、 融合する関係が宿命とはなく、少々危険な状態になるので、 生き方を極端に変えぬ方が賢明であるが、 さすがに晩年を迎えるので、冒険はしないはずだ。 ところで、樹林は生まれも育ちも吉祥寺。 なので今作で登場するのは井の頭公園であったり、 その上手に存在する高級住宅街。武蔵野市の水道は今も昔も井戸水だし、 様々な舞台設定は、樹林の勝手知ったるもの。 また、最後はふくみをもたせたというよりは、 明らかに「続きをご期待ください」という終わり方なのが、狡い(笑)。 ちなみに共同作業者の姉も子丑天冲殺で、 姉弟が子丑というような親の結婚では、10億の借金もできるだろうし、 姉の配偶者も、新聞社を辞めて学習塾を経営したりと、賑やか。 姉が「鉄」で、弟が「宝」の関係には、主従を感じるが、 それが窮屈でないのは、姉の月干支「海戌」が、 弟の年干支「海寅」を大半会し、姉が弟の社会性を応援しているため。 しかし、姉は木性ゼロ(DNA禄/司なし)で配偶者成分皆無。 なので、夫は若い時分に単身赴任であったし、 本作とは無縁なので、細部には触れぬがDNA構成からいっても、 基本は強欲に出来ているので、稼いだ金をワイン収集につぎ込んだり、 普通の感覚とはいえず、そのあたりには時代整合性はなく、 二人とも結婚しているようだが、子が親を盛り立てる雰囲気は感じられぬ。 才能ある者は極端だということだろう。 なお、今回はもう一人、眞鍋かをりみたいな表紙のイラストを書いている 装画者の遠田志帆(79-1208/畑酉)にも触れておきたい。 秋田県由利本荘市出身で、秋田大学教育文化学部卒業。 3年間の教職生活の後、結婚を機に埼玉県に移住し、 イラストレーターとしての活動を開始し、 鮮やかで深い色使いと風合いで、存在感ある少女画を描かれる遠田は、 「禄」主導の自分が目立ちたい気持ちが、 年支「未」VS月支「子」の害で、屈折したため奇妙な引力本能となっており、 魔物が筆致に宿っていると言えよう。 「禄+龍」は、教養に探究心ありも、ややワンパターン。 「禄+鳳」は、類い希な引力本能。 「禄+貫」は、計算された画法。 「禄+玉」は、家庭的で考え抜かれた作風で、 才能は「玉」で和的なものが根本にあり、絵の世界に足を踏み入れたのも、 誕生から三年間くらいの母親を介した絵本との触れあい。 冬生まれの「畑」は深夜の社交場だが、ありえない陽光が輝いており、 冬の時代最後の最後には重宝される。 初旬「10歳灯丑」は、年干支「畑未」と納音的だし、 日干支「畑酉」とは大半会的(初旬のみ灯と畑は同格扱い)で、 トリプル成功運型で、さらには10年運天冲殺が 「20歳山寅/30歳畑卯」とあり、今は我が世の春。 また年運もこの二年の木性年(14年/木午・15年/草未)と 今年(16年/陽申)と来年(17年/灯酉)は、 創造力がひときわ光る守護神年で、言うことなし。 また、遠田には年干支「畑未」を大半会する 月干支「畑亥」と日干支「畑卯」を持つ(三合会局も完成) 第一子男児(11-1120/畑卯)がいる。 相互冲殺の関係だし、出産は遠田の条件なし天冲殺の夢の中なので、 極めて高級とは言えぬが、 この男児は火性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人なのに、 この二年(16年/陽申・17年/灯酉)が条件なし天冲殺の夢の中とはいえ、 ありえない火性の守護神天冲殺で、 この生涯に一度か二度(次は60年後)しかない 好機を親がもらえるのだから、子には感謝である。 おそらくは、出がらしとは言わぬが、子も相当疲れるであろうが、 「牽」主導の名誉までもらえる予定なので、充分ケアしてもらいたい☆ |
■2016年03月22日(火)雨卯 |
澤見彰○ヤマユリワラシ 遠野供養絵異聞の勇気と偉業 |
○05年(草酉)の納音年に、「KAPPA-ONE登龍門」の選考を通過し、 架空歴史ロマン「時を編む者」でデビューした澤見彰(78-0423/草卯)の 『ヤ マ ユ リ ワ ラ シ 遠野供養絵異聞』が、 01月25日(陽午)のDNA「調」の独創日に上梓された。 同作は、嘉永三年(1850年/鉄戌)南部藩一万二千石、遠野。 城下に住まう外川市五郎は出世や武道よりも、 絵を好む、風変わりで孤独な青年。 三男だったが、次男が他家を継ぎ、 長男が世をはかなんで家族を巻き込み死を選んだがために、 厭世的とまではいかぬまでも、体制には懐疑的な姿勢ながら 亡き父親の嗜んだ絵画の世界にのめりこんでゆき、 非番の日は、日がな画帳と絵筆をもって城下を散策する日々。 なかでも、良く立ち寄る神社では、 彼にしか見えない化け狐との象徴的な掛け合いがあり。 そして、ある日、深紅の山百合を探して迷い込んだ山里で、 彼は座敷童のような少女、桂香と出会う。 やがて少女を引き取った彼は、流行病や貧苦で世を去った人々に、 「ありえたかもしれない幸福」を刻んだ板絵を生み出していく。 後世に「供養絵額」と呼ばれる死者たちの肖像を遺した 絵師・外川仕候を描いた歴史ファンタジーだが、 最後は抑圧された百姓達に策を授け、 首謀者として、唯一人武士としての責任をとり処刑されてしまう。 「死者を描け、生者のように幸せに」 孤独な絵師は山百合の童女にその役割を継承し、 彼女は亡き人々の肖像、供養絵師を後世に伝えていったもの。 時代考証もなされた、実話であっても疑わぬような筆致は、 時代小説好きでなくても、のめりこめる濃さである。 埼玉県生まれで、DNA「牽」年の方三位年だった10年(鉄寅)には、 東京農工大学満倉研究室の秘書を務めながら 作家活動をしている記述があったが、 現在は何をしているのか皆目不明な澤見は、 DNA「司」主導で、地味で何か依存するものがないと、 生きていくのが困難な人で、真面目ともいう。 その意味では正業があっての作家という図式はあっている。 「司+禄」は、人と人をとりもつ、秘書としての才覚あり。 「司+貫」は、焦りのない強い意志力は、主人公の絵師にも通ず。 才能は、この「貫」であり、頑固なまでに何かひとつの事を追究する。 「司+司」は、現実性が強いので、一見何を考えているかわかりづらく、 まさか副業で作家をやっているとは思わせず。 とはいえ近しい人物には、お役目後の同僚とつるんで一杯引っかけるよりは、 寄り道をして画帳を拡げる主人公のように、 付き合いの悪い変人と一目置かれているのかもしれぬ。 「司+調」は、その道で他人に遅れをとるのを快しとはしない。 「草+司+辰月」は、口は達者で生意気に見えることもあり、 「午」年生まれ「草卯」は、仲介者。 一揆衆と役人の間にたって、摩擦を和らげるわけだ。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の山間の頂上付近から麓にかけ力強く咲く花。 強い陽光を浴び、一見頑丈なのだが、 月支「辰」VS日支「卯」の害を所有するため、 本来は食用にもなるはずなのに、原則口にはできない。 方三位の「寅」や変則方三位になる「巳」というような 調味料さえ加えれば、それも可能で、 その合図としては、本作のように赤色になったりするなど、 鮮やかに色を変えてくれるのだろう。 総エネルギー239点で子丑天冲殺で根っこも強く、 球根は木性90点もあるので、それなりの迫力。 守護神火性が52点と、一風変わった表現力もなかなかのもので、 雄大な土性は81点と養分を蓄えている。 ただし、金性ゼロ(DNA車/牽なし)は、制約のない自由なさまで、 咲きたい時に咲くのだろうが、名誉や配偶者成分皆無で、 権威のある賞を受賞したり、結婚もしづらい。 主人公が独身で、好きなことに打ち込んでいたのにも通じる。 水性16点と脆弱なのは、創造力にそこまで長けているとはいえず、 ややワンパターンな感は否めないが、地下水脈の証し。 金性がないので、水性過多であれば、山崩れを誘発しやすいので、 かえって恵まれていると考えたい。 年干支の「山午」は、どこか達観した面がある帝王。 月干支の「陽辰」は、表面温厚なのに中は辛辣。 そして日干支の「草卯」は、努力家だがどこか鈍さを拭えず。 堅実着実、石橋を叩いてようやく渡る部分は、用意周到な主人公そのもの。 干支番号構成は、55-53-52の全身子丑天冲殺で、 北方領域の極めて狭い範囲での活動。あれこれ手をださぬほうべきか。 後天運は、初旬「6歳草卯」が日干支と律音のため成功運型。 DNA「貫」は集中力を発揮し、何かひとつに打ち込めば、 才能DNAでもあり、相応の稼働が見込める種子となったが、 扱いづらい子供であったには、違いない。 2旬「16歳木寅」は、DNA「石」の仲間を意識。 下手をすれば屈辱であり妥協でもあるのだが、 月支「辰」VS日支「卯」の害を和らげる春の方三位でもあるため、 現実的には騒々しく賑やか。 3旬「26歳雨丑」は、DNA「龍」の改良改革の10年運天冲殺で、 初旬の刺激も効いてきて、突如大きなうねりに動かされるように、 その圧倒的存在感もありデビュー。 年干支「山午」の干合支害もあったため、 愉快なことばかりではなかったろうが、 新鮮な水で害も目立たなくなったのか、新たな挑戦を行った。 現在の4旬「36歳海子」は、DNA「玉」の旧きに縁ある10年運天冲殺で、 歴史物に傾倒すればするほど良さがでるもので、 年干支「山午」の天剋地冲は、作風の変化もあったろうが、 月支「辰」の半会があり、自信に揺らぎはなく堂々とした風情。 今後の5旬「46歳宝亥」は、進み行く方向性が変化してゆくと、 宿命にない金性成分なので、時間はかかるものの、 編集者ばかりか読者の評価もより好意的になり、 DNA「車」は、ありえないほどの多忙となる。 6旬「56歳鉄戌」は、DNA「牽」の干合支合。 ありえない金性成分ばかりか、宿命の月支「辰」VS日支「卯」の害が切れ、 DNA「牽」は名誉になるので、味わったことのないような栄誉に縁あり。 7旬「66歳畑酉」は、DNA「禄」の天剋地冲。 蓄財をせず、世のため人のために感謝をしていくと、 前旬に続き、宿命の月支「辰」VS日支「卯」の害が切れ、 これまでの人生が180度変わっていくような感覚を憶える。 8旬「76歳山申」は、主導DNA「司」の遅まきながら自己確立。 自分とは何かを問いながら、集大成を迎える。 家につく座敷童子は、逃げだされると災禍がやってきて、 住みつかれると縁起がよくなるという。 主人公は赤い山百合を探す過程で、童女を発見し、 共に絵筆をふるいながら、次元をあげていった。 最後は奉公人の実家に童女を託し、後継者として残した。 童女が名乗った名前も、正体は不明ながら史実であることから、 ここまで話を拡げたのは感服するとしか言いようがない。 この集中力は素晴らしいと共に、ともすれば暗くなりがちな題材を 明るい未来につなげたことも、澤見の度量の深さに違いない。 江戸時代から、明治大正を経て昭和初期まであったという 「供養絵額」とは便宜上、現在の学術員が名付けたようだが、 それに着目する澤見の守護神は「陽」は、 DNA「調」の独創性で童女もそのモチーフ。 さらに、伴星の「雨」の「龍」は、庶民性と情報収集。 足踏みすることのない話の展開は、読者を引きつけ離さない。見事だ☆ |
■2016年03月29日(火)鉄戌 |
長月イチカ○ひとりぼっちの勇者たちの嘘っぱち |
○「小説家になろう」サイトなど、複数の場所で活動し、 小説を書いたり読んだり、ときどきイラスト描いたりニコニコしつつ、 趣味に生きて、マンガやアニメがすき。 子育て奮闘中という長月イチカ(81-0905/陽戌)の 『ひ と り ぼ っ ち の 勇 者 た ち』が、 01月28日(畑酉)のDNA「調」の害日に上梓された。 同作は、母親は看護師で元教師の父親は数年前に病気で他界した 母子家庭で六人姉弟の貧乏大家族の長女という設定の月子が、 奨学金制度をうけて、特待生として著名な小中高一貫校の高校に入学するも、 入学式の日に理不尽な難癖をつけている女性グループから、 同学年と思われる女子生徒をかばったために、 かえって、その連中からイジメの標的にされ、クラスで孤立していた。 一方、三人兄弟の末っ子の陽太は医者の息子だが、 髪の色の色素が抜けているのか金髪みたいだという理由で、 こちらは小学生からずっと登校拒否を繰り返し、 学校に行くのは暗くなってからで、 それも、同級生に呼び出されて、金をせびられる時だけ。 そんな二人が、ある日屋上へつながる階段で衝突して、 肉体はそのままなのに、心が入れ替わってしまう。 (実際にはそんなことは小説の中だけの話です。 良い子の皆さんは、真似をしても無駄です) 貧乏だが結束力のある月子の家族達ばかりか、 裕福だが心の通わぬ陽太の家族達にも、それぞれ抱えている闇があるため、 その矛盾をつかれてイジメの標的に遭うのだろうが、 厄介なのは、陽太が逃げようとすると入れ替わり、 落ち着いて一晩なり寝てしまえば元に戻るという、 わかりやすいというか、ヒネリも何もない、愛と絆の七日間の物語なのだが、 エピローグまでいれて386頁というのは、 かなり忍耐がないと付き合えない分量。 それも、六日目までは、そこまでに至った説明やらちょっとした 事件やらで、暗いばかりか少し退屈。 ところが最終章の大団円だけは、一応お約束みたいに、 ありえないような意外なヒーローがでてきて、 とりあえず今風に、イジメの場面を保護者達に実況で見せたり、 インターネットの動画サイトに流したりして、悪を退治する。 その者は「ヒマツブシ」とかいいながらも、もっと悪なのかもね(笑)。 ともかく、目出度し目出度しとなるのだが、 身体はそのままで中身だけ入れ替わるという設定は、 古今東西(大袈裟か)、あまりにも使い古された手法だし、 そこに時代遅れのステレオタイプのイジメでは、 水戸黄門だって(とっくにやってないか・・・)使わない手ではないのか。 まして裕福な子弟が通う学校という設定なのに、 校内の描写はどこか寂しいというかショボくてありえない。 ボーイミーツガールとしては王道というか、 安心出来る設定だし、泣き虫な男子がしっかり者の女子のために、 なんとか強くなろうという姿には、涙するものだが、 さすがに13年(雨巳)から日本国は陽の時代に入り、 この手のお話には食傷気味のところに、世間の支持は受けづらいものがある。 月子と陽太は幾度となく互いの体を行き来する奇妙な日々と言われても、 実際にはありえないことなので、ファンタジーでも何でもないし、 運命共同体とか言われても、なんだか汗臭い話は、天然記念物モノであり、 その意味では笑えるのではないかと思われる。 また無国籍な風景は、かえって感情移入をしづらく、 もう少し情景が浮かぶようであると、読みやすい。 埼玉県在住ということ以外は、全くフェイスシートがない長月は、 DNA「禄」主導で、権力と愛情が同居した人。 「禄+司」は、現実にとらわれ先が見えない。 「禄+鳳」は、口がうまい遊び人。 「禄+貫」は、素直さがまるでなく、何でも計算してしまう。 「陽+禄+申月」は、浪費家で気分屋で感覚的。 さらには、「酉」年生まれ「陽戌」は、わがままで甘ったれである。 性格でいえば、主人公をイジメる側に、より近いから、 残忍性も堂に入っている。 宿命の特長は、初秋午後四時頃の太陽で、 本来なら美しい夕陽の始まりなのだが、月干に同じ「陽」があるため、 この世のもとも思えない光景となり、直視できない。 醜悪なのではなく、目が潰れるというような意味である。 また、配偶者成分である年干「宝」を、月干と争って奪い合う図式は、 みていてハラハラするが、これが干合して水性一気格になると、 そんな気持ちは一気になくなり、まるで友人同士みたいに水に流してしまうが、 目上に可愛がられねばならない午未天冲殺としては、 理詰めで目上や周囲が洪水のようでは、近づいたら最後、為す術もないので、 まともな議論はしないほうが無難。 また、月干支「宝酉」と日干支「陽戌」は、 干合支害の関係で、究極の表裏人間となり、 持続力もいまひとつで、なかなか信用ならない。 これを良い方向に解釈すれば、作家として法螺を吹くのは許されるので、 ある意味、創造者向きと解釈は可能だ。 ただし害とは言え、月支「申」年支「酉」日支「戌」とならべてみれば、 これは秋の方三位となり、勇敢に闘う意味にもなるので、 いじめられっ子が同盟を結んで、必死になるのも悪くない。 総エネルギー222点は、それなりだが、木性ゼロ(DNA龍/玉なし)は、 目上縁なく午未天冲殺としては救いなく厳しい。 原則頭の中身もカラッポだが、裏をかえせば無限大の学習能力がはたらき、 時にとてつもない働きの良い頭脳は、東大に入学するような破壊力にもなる。 異様なのは金性が130点もあり、火性の本人から金性は、異性か金銭物質。 その意味で文章を書いているのは、悪くないのだが、 普通の主婦とかを真面目にやっていたら、 かえって相手が窒息してしまうような関係なので、良しとするしかない。 年干支の「宝酉」は、学究肌だが毒にも薬にもならず、世渡り下手。 月干支の「陽申」は、権力指向で自己中心。 直感力に優れ、ひらめきで世間を渡る。 そして日干支の「陽戌」は、高等教育受けたり 気品ある結婚をすると異常となる。 庶民的で商いなどを地道にするのが、似合う。 干支番号構成は、58-33-23と北方西方南方をカバーしそれなりだが、 木性なしの実態なしには、あまり範囲を拡げるのは辛いだろう。 後天運は、初旬「1歳灯酉」は、DNA「石」の害。 これは他人とうまく接することが出来ない害なので、 文字通りイジメを受けるまでいかなくとも、 皆で楽しい学園生活とはならなかったろう。 2旬「11歳山戌」は変剋律付のDNA「鳳」。 豊かに発信することや、正確に伝達することに苦悩を感じることで、 才能が磨かれるが、伸び伸び出来たかは疑問だ。 3旬「21歳畑亥」は、DNA「調」の変剋律で、独創的人生。 女性特有の不安を抱えながらも、繊細な感性を活かす。 現在の4旬「31歳鉄子」は、主導DNA「禄」の変剋律で、 愛情奉仕や金銭物質に関する苦悩があれば才能は開花する。 デビューした背景のひとつは、これが理由である。 この後は、5旬「41歳宝丑」が、DNA「司」の干合。 年干支「宝酉」の大半会はあるので、 対社会性は大きく伸びる勢いがあるが、 月干と日干の「陽」は干合で「海」になってしまい、 水性天干一気は破格となり、集中力に陰りがでる。 これは目下や子供の問題にあわせ、自分も変化してしまうからで、 一概に善し悪しは言えぬが、怪しさも勢いも削がれる可能性あり。 6旬「51歳海寅」は、DNA「車」の多忙で守護神半会で、 何をやっていようと、気分良く動き回っているはず。 7旬「61歳雨卯」は、宿命害切れのDNA「牽」で、 名誉であったり不名誉であったり。 8旬「71歳木辰」は、同じく宿命害切れのDNA「玉」で、 初の木性注入で、晩年になって、年老いても、 ようやく落ち着いた文章が書けるようになる予定。 さて、癖のあるどころか、ありすぎる宿命の長月だが、 配偶者については一切不明でも、第一子男児(14-0130/宝丑)を出産している。 日干が干合するので、溺愛に近いかもしれぬが、 この子の日干支「宝丑」が長月の年干支「宝酉」を大半会するため、 出産により、長月の社会性が応援されたので、出版へと漕ぎ着けたとみる。 むろん、これは条件なし天冲殺(14年/木午・15年/草未)の夢の中だから、 より強い引力本能がはたらいたわけだが、 あれよあれよと出版になったのは、生年冲殺で親の犠牲にもなる 男児のおかげであることは間違いないので、男児に感謝するばかりだが、 長月にとっては条件なし天冲殺の夢の中であることに、 何らかわりないので、実は明けてしまえば藻屑の可能性大。 歌手や芸人で言えば、一発屋みたいな現象が長月に起きたのだ。 とはいえ、場合によってはヒット曲印税で一生暮らせたり、 一発芸で営業の仕事にありつつける芸人とは違い、 作家はそうはいかぬ、つぶしがきかないものなので、 よほどの努力がなければ先にはつながらない。 最も「趣味に生きている」ならばそれで良いわけで、 ならば、良い想い出が出来たと息子に感謝することであろう。 とろで、長月が小説を書くのが好きなのは理解したが、 「陽戌」はあまり精神的な生き方をしてしまうと、心を病む傾向にある。 本来なら、小商いの道に進めば、 相応の成功は収められたと思われるのに残念である。 夢の中はあくまでも夢の中。 立春で明けて、そろそろゆっくり目覚めている頃だとは思うが、 今一度考え直すのも良いだろう☆ |
第一子男児○14-0130 |
宝草雨山 丑丑巳-8 鳳禄龍龍牽(龍主導) 木性(23)火性(23)土性(67)金性(61)水性(69)/総合243 辰巳生年冲殺/天冲殺(78歳灯巳/88歳陽辰) ターボ運(18歳〜)/大半会(38歳宝酉) 害(68歳山午)/木性脆弱/火性脆弱 -8歳木子/18歳雨亥/28歳海戌/38歳宝酉/48歳鉄申/58歳畑未/68歳山午/78歳灯巳〜 |
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