★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 6 年(陽申)●05月 雨巳 // 移 動 祝 祭 日 |
■05月分一覧 (2016年●目次) |
長嶋有●愛のようだの偽装寂寥(2016_0501) |
近本洋一●嵯峨野あやつり異聞の暗黒(2016_0504) |
蓮見恭子●襷を、君に。は花火の如く美しい(2016_0507) |
瀬川コウ●謎好き乙女と偽りの恋心の冷めた巧妙(2016_0510) |
白倉由美●僕らの惜春という夢の名残り(2016_0517) |
前川知大●太陽という盛大な分岐点と未来への道(2016_0523) |
■2016年05月01日(日)雨未 |
長嶋有○愛のようだの偽装寂寥 |
○名誉が際立つ01年(宝巳)の主導DNA「牽」年に、 「文學界」に送った「サイドカーに犬」が、 第92回文學界新人賞を受賞し、小説家デビュー。 同作で第125回芥川賞候補となり、翌02年(海午)のDNA「龍」年の対冲年に、 「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞。 07年(灯亥)の60年に2年だけある、ありえない火性の天冲殺年には、 「夕子ちゃんの近道」で第1回大江健三郎賞を受賞。 作品は映画化されることも多く、別名義での漫画批評の活動も活発で、 10年(鉄寅)からは、小学館漫画賞、 12年(海辰)から手塚治虫文化賞の選考委員も務める ブルボン小林こと長嶋有(72-0930/木子)の 『愛 の よ う だ』が、昨年(15年/草未)11月25日(草巳)の 「草」重なりに上梓されたので解説する。 同作は、親の介護などの問題で否応なしに、 作家本人が12年(海辰)のDNA「龍」の改良改革半会年の 「海」重なりの12月(海子)の守護神三合会局日に、 実際に自動車免許(12-1221/陽辰)を取得した経緯が下敷きになったもので、 40歳にして車の免許をとったという設定のフリーの漫画関連ライターが、 友人とその恋人でガン患者の彼女を乗せて、 伊勢神宮へ願掛けのドライブに出かけるロードノベルで、 (行き帰りの車中の会話が殆どで、伊勢神宮も何も描写されていない) 漫画評論家としてのブルボン小林が色濃く投影されている作品。 仲間と共に仕事に出かける車中話を含む4話とエピローグで構成されるが、 全編、80〜90年代のマンガやポップスが彩るボーイズトークで、 会話はかなり専門的な要素もあり好き嫌いは分かれるところがあり。 アイテムは、キン肉マン、くるまにポピー、トラック野郎、 しるこサンド、北斗の拳、奥田民生「さすらい」、 あの頃ペニー・レインと、グーニーズ、聖飢魔IIなどで、 わかる人にしかわからないが、それでも、とりとめのない会話の端々から、 しまいには、彼女に心をよせていることに気づくという 横恋慕には絶対ならない、切なくも情けない男の悲哀は充分に、 観察のしがいがあり、本書は、著者初の書き下ろし恋愛小説で、 車中で交わすとりとめのないおしゃべり、流れる景色、 ひととき同じ目的地があり、音楽が流れる瞬間に愛に気づく・・・・。 大切なものを失う悲しみを、まっすぐに描いた感動作だそうで、 最初で最後の「泣ける」というフレコミだが、 後部座席でそっと盗み聞きするような罪悪感を感じながらも、 そこはかとなく、可笑しみを感じるのだから、侮れない(笑)。 埼玉県草加市の生まれで、親の離婚に伴い母親に育てられ、 北海道登別市・室蘭市育ちで、東洋大学2部文学部国文学科を卒業し、 90年代半ばからASAHIネットのパソコン通信に出入りし、 97年(灯丑)にシヤチハタに就職し、結婚。 (結婚するなら定職につくという発想だろう) ネットで知り合った仲間と俳句の同人に参加するようになり、 98年(山寅)に「ブルボン小林のインテリ大作戦」と いうウェブサイトを立ち上げ、 投稿作品が予選通過や佳作を取るようになったため、 99年(畑卯)の干合年に会社を辞し、作品執筆に専念。 00年(鉄辰)のDNA「車」年に、 フリーライターとして活動を開始したという経緯で、 現在は東京都渋谷区在住の長嶋は、DNA「牽」主導で、 自己愛の強い仄かな責任感を持つ。 「牽+玉」は、基本を重視しながらも、新たな試み。 だから、伊勢神宮なのだが、その場所がどうこうではなく行き帰りが重要。 用心深い冒険心は、40歳にして初めての免許という発想。 一見は物静かも、内面では心の格好良さを自分なりに演出。 「牽+龍」は、放浪癖は否定しないが、必ず目的があり、 そこに、心憎い工夫や努力の欠片もあり。 「牽+司」は、一歩退いた評論家的な立ち位置で、 感動は控えめで、保身もはたらく。 才能は、この「司」であり、何でも積み重ね。 知識や情報のひきだしが多く、その分野においては真面目。 遊びがないぶん、技巧に長けていると判断する。 「木+牽+酉月」は、機敏だが持続力を補うために、 あれもこれもと興味の対象を拡げる。 「子」年生まれ「木子」は、待ち運。 急くよりは、機が熟するのを待てば、何でも良好。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の海沿いの痩せた土地で 収穫する予定の果実だが、火性ゼロ(DNA鳳/調なし)の野人のため、 待って待って待って、努力の積み重ねにより、成果を得る。 とはいえ野蛮まではいかぬが、品性の欠片はなく、 華やかさもなく、遊興なく地味な印象かと思えば、 つくりものの派手さ(アニメなど)や、動物的な表現力で全てを乗り切るが、 総エネルギー140点中、自身の木性は僅か17点と 打たれ弱さもあるため、いわゆるオタクなのだろう。 日干「木」に対して、すぐ隣の月干が「畑」のため、 手を伸ばせば異性はいるが、僅か11点でか弱く心許ない存在。 まるで植木鉢が水に流されていくようだ。 年干支「海子」は、知恵者だが怒ると運気が落ちる。 月干支「畑酉」は、表面を美しくきらびやかに飾る。 そして日干支の「木子」は、いつでも初心に還る、寂しい人。 干支番号構成は、49-46-01で北方から僅かに東方にせり出した領域は、 極めて狭く、専門領域には詳しくても、拡がりはなし。 後天運は、初旬「3歳鉄戌」はDNA「車」の10年運天冲殺。 北海道まで流され試され、慌ただしく消化。 危険な遊びも男子としては存分に活かせた時代。 2旬「17歳宝亥」は、主導DNA「牽」の10年運天冲殺。 上京してこれを消化し自己確立。 黎明期のPC通信の世界にも足を踏み入れた。 3旬「27歳海子」は、DNA「龍」の改良改革。 年干支「海子」の律音でもあり使い勝手良好。 10年運天冲殺も明け、伸び伸びと想像力を発揮し、デビュー。 4旬「33歳雨丑」は、DNA「玉」の支合は、 ひとつの流れを極めて、順調。 現在の5旬「43歳木寅」よりはターボ運(子丑天冲殺廻り)が効き、 何をやっても、目立つようになり、 DNA「貫」の木性強化で脚腰が強くなってくる。 今後の6旬「53歳草卯」も、DNA「石」の木性の仲間頼り。 刑もあるため、少々のいざこざは免れぬが、それなり。 7旬「63歳陽辰」は、老いてDNA「鳳」のありえない火性が廻り、 年支も日支(共に子)も半会だし、月支(酉)も支合で、 何も壊れぬので、勘違いして遊び呆けることがなければ、 極上の果実を得ることが可能。 8旬「73歳灯巳」は、同じくありえない火性のDNA「調」の独創性。 晩年であろうと、新しい世界を構築出来る可能性あり。 ところで、主人公が買った車は、00年(鉄辰)に製造を終えた 日産のラシーンで、当時のキャッチコピーの一つが、 「新・ぼくたちのどこでもドア。RUN!RUN!ラシーン新発進。」。 また、車体色のブルーカラーは「ドラえもんブルー」と称され、 中古市場で高い支持を集めるという、 アニメファン垂涎のアイテムを登場させるなど遊び心はあり。 また表題になった「愛のようだ」は、癌に冒された女性の話ではなく、 別の仕事仲間が、交際女性との間に子供ができて、 (彼女の)実家の旅館に、息子に対面にいったあと、 スマートフォンの画面を主人公に見せて 「これがさあ、かわいいんだよ」と自分としたことがと苦笑いし、 「DNA鑑定の必要ないよなあ、これは」と 子供と瓜二つの顔を見せて笑ったあとに発せられた言葉である。 主人公は「(ライターやめて)旅館の番頭だね」とからかわない程大人なのだ。 さて長嶋の現在の10年運「43歳木寅」は木性強化で、 いくらか芯も強くなった感はあるが、彼の根幹は柳のような風情で、 昨年(15年/草未)は、DNA「石」の害のため、仲間うちの馬鹿話でさえも、 作品にしてしまうしたたかさを発揮した。 とはいえ毒がらみなので、後年まで評価されるかどうかは別の話。 結論がなくて、途中を切り取ったばかりで、 本人なりに格好つけてるのは充分わかるが、 未来があるようで、ほとんどなくて寂しい。 過去に浸りすぎのきらいがあるような気もする☆ |
長嶋有(ブルボン小林)○72-0930 |
木畑海陽 子酉子※+3 龍司玉牽玉(牽主導) 木性(17)火性(00)土性(11)金性(29)水性(83)/総合140 戌亥天冲殺/天冲殺(3歳鉄戌/13歳宝亥) 主導DNA(13歳宝亥)/ターボ運(43歳〜) 木性脆弱/火性ゼロ(野人)/土性脆弱/金性脆弱/水性過多 +3歳鉄戌/13歳宝亥/23歳海子/33歳雨丑/43歳木寅/53歳草卯/63歳陽辰/73歳灯巳〜 |
■2016年05月04日(水)陽戌 |
近本洋一○嵯峨野あやつり異聞の暗黒 |
○13年(雨巳)の主導DNA「鳳」の三合会局年という 絶好のタイミングで「黄金の蛇、緑の草原」が、 第48回メフィスト賞を受賞し、同年05月23日(畑丑)の守護神天冲殺半会日に、 「愛の徴―天国の方角―」としてデビューした 近本洋一(75-0115/宝酉)のデビュー後第一作 『嵯峨野あやつり異聞 浄瑠璃グラン=ギニョル』が、 昨年(15年/草未)の12月16日(陽寅)の干合日に上梓されたので解説する。 同作は、京は嵯峨野の高級リゾート「嵯峨野倶楽部」に 併設された芝居小屋・嵯峨大黒座が舞台。 古浄瑠璃「阿弥陀胸割」を上演中、舞台上に現れた美しくも禍々しい死体。 そこで(死体の弟で)主役の主遣いをつとめる元アイドルの若手国際派俳優は、 華やかで才能に溢れた経歴を持ちながら、 何故かいつも死の影を感じさせていた。 閉ざされた空間で浮き彫りにされる人々の内と外。 元外科医で「東雲流」五代目、人形遣いの東雲蔵一が見極める事件の本質とは。 人形浄瑠璃を題材に描く彷徨する魂たちの物語は、 前作が17世紀フランスと近未来の沖縄を舞台にした 壮大な物語であったのに対し、今作は古都の奥座敷を舞台にした静の物語。 表面は静かでも心の振り幅は大きく、表と裏虚と実が万華鏡のように展開する。 嘘を嘘として暴くだとか、一般的でない人形浄瑠璃を使ったり、 場所も嵯峨野といういわくありげなところで、 難解に見せすぎているところが、少々気になるが、 贅肉をそいでスリムになれば、シリーズ化も充分に視野に入る設定であるが、 暗いのがなんとかなるといいのだけど。 (理由は不明も)義務教育は受けてないが、神奈川出身らしく、 現在は沖縄県中頭郡読谷村に居住して丁度20年たち、 沖縄生まれの娘(03-11XX)がひとりいるという近本は、 主導DNA「鳳」冲殺主導で、ひねった表現力の持ち主で、妙に冷静。 才能も主導するだけに「鳳」で、ゆとり。 「鳳冲+牽」は、一見温厚で真面目だが一癖も二癖もあり。 乱暴な発想もあるから、心臓移植のトリックも思いつく。 「鳳冲+貫」は、自分なりの時流を作るが錯覚になり身代わり発想もあり。 「鳳冲+司」は、忍耐力が一見あるように見えて、 家庭の呪縛あり。そして、逃げる時は逃げ、逃げ足も速い。 「鳳冲+車」は、誰しもに理解されるわけではなく、 自分なりに譲れぬような大衆性に酔いしれるが、 時にそれが目立ちすぎて、浮き足立つように見える。 「宝+鳳冲+丑月」は、親縁はないが他人に子供のように可愛がられたり、 その逆に子供らしくないと疎んじられ、 「寅」年生まれ「宝酉」は、平時は前向きも、 非常時は隠れたり裏へ回りやすい。 このあたりは、主人公の性癖に投影されているものである。 宿命の特長は、晩冬深夜二時頃の点滅式信号機。 通過しようとする車輌がない場合には、 人為的にプログラムされ黄色に点滅しているが、 何かが近づいたり、その必要性が遠隔的に認められれば、 赤にも緑にもなるが、通行量がほとんどないので、あってないようなもの。 準備は怠らぬのだろうが、その必要性を認識されているかどうかは疑問。 ただし、それでも設置されることに意義があるので、 そこに存在するという、少々面倒なもの。 下手にお金がかかっているだけに、無碍にもできず、 やむをえず、風雨にさらされながらも耐えている。 年干支の「木寅」は、場つなぎのムードメーカー。 月干支の「灯丑」は、執念深く先祖のなしえなかった何かに挑戦する。 そして日干支の「宝酉」は、学究肌で博識をひけらかそうとしたり、 そのために勉強をするのも好き。原則世渡り下手努力の人。 干支番号構成は、51-14-58で北方基軸で東方に少々前進といった、 冷たく理知的な世界と一致する。 後天運は、初旬「7歳山寅」がDNA「玉」の守護神だが、 子丑の生月ということで、母親以外の縁がでたのか、 あるいは母親の溺愛による失敗か、故郷出自に縁なし。 義務教育すら受けていないのは、飛び抜けて異質だが、 子丑の生月冲殺なのだから、驚いてはいけない。 2旬「17歳畑卯」は、DNA「龍」の対冲。放浪し過去を壊し、生きのびた。 3旬「27歳鉄辰」は、DNA「石」の協調性和合性。 現在の4旬「37歳宝巳」は、DNA「貫」。 月支「丑」と日支「酉」のからむ大半会三合会局で、デビューを勝ち取る。 今後は5旬「47歳海午」は、DNA「調」の偏り。 もとより、ついたり消えたりする照明装置の「灯」がなくなるのだが、 これは、目的の変化により、商業的になるなどで良し悪しは別。 6旬「57歳雨未」は、主導DNA「鳳」で、自己確立。 遊興に走らねば、豊かな気分で存在を誇示できるはず。 7旬「67歳木申」はDNA「司」の堅実さ。 8旬「77歳草酉」はDNA「禄」の感謝と奉仕だが、 総エネルギー195点で晩年までフル回転は困難かもしれない。 ところで、近本は決して多くはないフォロワー相手に、 毎日twitterに140文字の物語をアップしている。 内容はかなり得体が知れぬものもあるのだが、 生月冲殺としては持続させることが大切で、立派なことだ。 (時々、数日をまとめてあげているがね・・・) これが、いつか大きく結実していくだろう。 でも、もう少しわかりやすいといいなと思う。 あれもこれもつまってるという感じで重いから。軽やかにいきたいね☆ |
近本洋一○75-0115 |
宝灯木山 酉丑寅+7 司車貫鳳牽(鳳冲殺主導) 木性(48)火性(33)土性(33)金性(60)水性(21)/総合195 子丑生月冲殺/変則方三位(17歳畑卯) 大半会三合会局(37歳宝巳)/主導DNA(57歳雨未) 木性過多/金性過多/水性脆弱 +7歳山寅/17歳畑卯/27歳鉄辰/37歳宝巳/47歳海午/57歳雨未/67歳木申/77歳草酉〜 |
■2016年05月07日(土)畑丑 |
蓮見恭子○襷を、君に。は花火の如く美しい |
○08年(山子)のDNA「調」年に「巫病の島」で、 第18回鮎川哲也賞の最終候補に残るも落選。 10年(鉄寅)のDNA「司」年に「女騎手」で、 第30回横溝正史ミステリ大賞の優秀賞を受賞した 蓮見恭子(65-1109/灯卯)の『襷 を、君 に。』が、 02月20日(海申)のDNA「牽」日に上梓された。 同書は、駅伝に興味がなくとも、熱くて、泣けるのは間違いない! 疾走する女子高生たちの絆を描いた、青春駅伝小説だ。 そんなに、走るのがすきなの? 「好きです。大好きです!」 福岡を舞台に、奇跡的に出会った二人の少女が 全国高等学校駅伝大会出場を目指す。 胸を熱くさせる、エピソード溢れる青春の軌跡で、 圧倒的な才能を持ちながら、周囲の期待に押し潰され、 陸上をやめてしまった瑞希。 瑞希の美しい走りに魅せられ、「あの子のように走りたい」その一心で、 当初は「歩く」とまで酷評されていたのに、陸上を始めた歩。 二人の奇跡的な出会いが、新たな風を紡ぎだし、 背景にある彼女たちの出自を揺さぶりながら、 少女たちの葛藤と成長を描く、疾走感が半端でない。 もちろん、途中に影のあるエピソードがでてこようと。 最後はハッピーエンド。これぞ、ザ・女子の部活で、 爽やかな高校生らしい香水のような熱くて前向きになれる物語は必読。 大阪府堺市出身で在住。大阪芸術大学美術学科を卒業し、 印刷会社の入力オペレーターとして、「大阪スポーツ」の制作に携わり、 そこで出会った夫と結婚し、98年(山寅)のDNA「調」年に女児を出産。 その後、病院事務員をしながら、02年(海午)の干合年より小説を書き始め、 08年(山子)、09年(畑丑)と伝奇もので鮎川哲也賞の最終候補。 10年(鉄寅)の04月(鉄辰)の「鉄」重なりに、それまでの努力が実って、 「薔薇という名の馬」(現題・女騎手)で、 第30回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞した蓮見は、 DNA「玉」冲殺主導で、親や組織の災禍の肩代わりあり。 旧きものに縁があるが、それも少々ピントがずれたり、 母親目線でも、変化球を用いる。 なので、本作にも登場する母親像は、少々異質だし、 自身も結婚し子供がいようと、仕事があるので いわゆる母親らしいことは、丁寧に出来なかったかもしれぬ。 「玉冲+調」は、得意分野に特化した知識の豊富さ。 いわゆる一般常識には疎いはず。 才能は、この「調」の独創性で、女性賛美。 少女や若い女性が頑張る姿が好きで、少女趣味に長けている。 (JRAの新人女性ジョッキー藤田菜々子も応援しているであろうな) 老成が早いものの、若い女性に対する気持ちや描写は 少しも陰りを見せることはない。 「玉冲+龍」は、誤解されやすいが、慣れっこである。 本作にしても、amazonのレビューでは酷評だが、 そういう見当違いな中傷を受けるが、気にしていてははじまらない。 「玉冲+貫」は、一見その場限りに見せて、 それなりの未来を考えられる人。 「灯+玉冲+亥月」は、理屈っぽすぎることもあり、 本人の力量はあるのに正当評価はなされづらいのは残念だが、 「巳」年生まれ「灯卯」は、困ったらじたばたしないのが正解。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の若々しく華やかな庭園を照らす街灯。 月干も「灯」なので、後ろに控える日干の「灯」は、 後詰め、控えの印象が強いが、月干支「灯亥」は、主導する「玉」。 すなわち「木」の濃いエネルギーがあるが、 冲殺されているため、いまひとつ信頼感は乏しいうえに、 配偶者成分の「海」まで冲殺されているため、 いっそう頼りがいの無さは感じるが、日支「卯」内にも守護神木性があり、 年干「草」も守護神木性なので、仕事は好きだろうし、 総エネルギー171点という身弱にしては、 自身の火性57点に対し、木性65点に支えられる姿は、 随時燃料補給可能な、きらびやかな街灯ということで、 人々に安心感を与えてくれるのだ。 年干支の「草巳」は、完璧なる恋愛を求める生真面目体質。 月干支の「灯亥」は、念の入った感性で、霊力ありも喜怒哀楽激しい。 そして日干支の「灯卯」は、極度の心配症だが、 その気になれば一気に燃えさかる火花。 後天運は、初旬「9歳山子」が、DNA「調」の才能強化10年運で、 孤独な一人遊びや、独創的表現力を磨いたが、これといって稼働条件なし。 2旬「19歳畑丑」は、DNA「鳳」で、活発で男性的な思考。 3旬「29歳鉄寅」は、DNA「司」で、家庭を意識。 4旬「39歳宝卯」は、DNA「禄」の、強い引力本能で作家デビュー。 現在の5旬「49歳海辰」は、DNA「牽」の干合支害。 月干と日干が干合されると「草」になるため、 年干の「草」を入れて、木性の天干一気が成立し、 雑草魂みたいな、仲間の強さを強調するため、 才能「調」の助けもあって女子駅伝なのだが、成果を求めすぎると、日支は害。 異性の裏切りもあるだろうが、いわゆる不名誉なムード。 だからだろう。amazonレビューも心ない訳だ。 この後の6旬「59歳雨巳」は、DNA「車」で少々の危険も伴う多忙。 7旬「69歳木午」は、DNA「玉」で主導DNAの自己確立で懐古。 創作には適した落ち着いた環境。 8旬「79歳草未」は、DNA「龍」の新しい風。清新な木性がさらに増え、 月支「亥」と日支「卯」の三合会局もあり、 木性の根っこが張り巡らされ、脚腰の強い老境であるはずだ。 さて、本作には双子が登場する。親の立場としては同じ学校に通学し、 同じ駅伝選手、しかも双子のという形容つきで活躍できれば うれしいに違いないが、さすがに蓮見はその矛盾に気づいているようで、 双子は陰陽だから、選ばれし者と敗者に分かれる。 性格も違うのではなく、陰陽だということも、 それなりに描かれているのは良かった。 そしてレベルの高い人の練習を真似すれば、 上達するのは何もスポーツだけに限ったものではない。 そして、信頼感がないところに競技どころか、人生はなりたたんからね。 もちろん関西人だからって、ノリが良いとは限らないも真実なり(笑)。 また、スタート前に余計な情報をいれてはならないなんて、 生きていくことの一丁目一番地だが、 こちらは最後がハッピーエンドになったから、言うまい。 (優勝したか否かは別だけどね)「がんばるっちゃー!」は、いいよね。 ところで蓮見の宿命は、冬生まれの火性としては、 大変恵まれた宿命で、後天運の破壊力ある稼働条件こそないが、 惚れ惚れするものである。 それだけに、生まれてこのかたずっと大阪は堺というのが、 伸びを見せられない理由になる。 下手に恵まれると、なかなか環境を変えられないのは常。 20代30代ならいざしらず、いまさら難しい。 なので、その意味では創作世界でどれだけ、 若い女性のために元気を与えられることが重要で(才能「調」)、 今作は、お好きな競馬の世界(最も若い女性騎手が主人公だったが)ではなく、 ややプロに近い高校生の部活の話だが、 これからもこの路線で是非、努力してもらいたいと思う☆ |
蓮見恭子○65-1109 |
灯灯草草 卯亥巳+9 龍貫龍玉調(玉冲殺主導) 木性(65)火性(57)土性(19)金性(16)水性(14)/総合171 戌亥生月冲殺/変則方三位干合木性天干一気干合支害(49歳海辰) 主導DNA(69歳木午)/三合会局(79歳草未) 木性過多/土性脆弱/金性脆弱/水性脆弱 +9歳山子/19歳畑丑/29歳鉄寅/39歳宝卯/49歳海辰/59歳雨巳/69歳木午/79歳草未〜 |
■2016年05月10日(火)海辰 |
瀬川コウ○謎好き乙女と偽りの恋心の冷めた巧妙 |
○13年(雨巳)の主導DNA「鳳」の守護神水性半会年に、 鍛錬投稿室(小説投稿室)でスカウトされ、翌14年(木午)の、DNA「司」年に、 「完全彼女とステルス潜航する僕等」でデビューし、 同年08月29日(海申)のDNA「調」の守護神日に 「青春ミステリ」が、スマホ小説大賞新潮文庫賞大賞を受賞。 本格的に認知され、DNA「牽」の干合年を迎えたこの春(16年/陽申)の 03月25日(陽午)の干合重なり日に、東北大学工学部を卒業し、 現在は大学院生と思われる瀬川コウ(92-0415/宝酉)の 『謎 好 き 乙 女 と 偽 り の 恋 心』が、 02月01日(雨丑)の主導DNA「鳳」の、守護神天冲殺半会日に上梓されている。 同書は、高校生の生徒会という限られた空間で起きた 事件めいたものを、机上で推察していく、ミステリ。 高校一の美少女である早伊原(さいばら)樹里は恋愛に興味がない。 友情にも興味がない。もちろん、部活にも。 彼女が愛してやまないこと、それは日常に潜む謎を解くこと。 そんな樹里の思惑で、どういう訳か偽装恋人関係を結ばされた 生徒会役員の主人公(春一/ハルイチ)は、 樹里の姉で、生徒会長の葉月の発言に耳を疑った。 「生徒会長、辞めるね――。」 あまりに突然の告白に、生徒会の皆が言葉を失った。 真面目で、責任感の強い会長が、なぜ? 疑念を拭えない主人公は、辞任の真相を調べ出すとともに、 会長との日々を回想し、その妹の風変わりな趣味に付き合う。 花火大会、肝試し、そして、自身が生徒会に入る契機となった事件。 恋愛(ファンタジー)と青春(ミステリ)、どちらが好きですか? 青春と恋愛とがせめぎ合う、健全で苦くて賢い青春ミステリ。 著者には失礼なので、多くを語れぬのは残念だが、 大人のセリフだったら、少し恥ずかしいような洒落たやりとりが 随所にちりばめられた、清潔で洗練された 時に棒読みのようでコントめいた 高校生の会話と事件への取り組みを、ぜひ味わってもらいたい。 山梨県北杜市出身で、不覚にも最近まで地元の信玄餅を知らなかったという 瀬川は、DNA「鳳」主導で特別意識の強い、豊かで冷静な質の良い趣味人。 全身全霊で洒落た会話を楽しむ。 「鳳+調」は、一見繊細な顔を見せるが、その実内面は気さく。 柔軟な感性で衝突をうまく回避する質。なので、生徒会の役員の中でも、 何でも屋を担うが、孤独であることも、楽しめる。 「鳳+貫」は、時代に無理に合わせようとせずに、 大切なことは変えることのない意志の強さ。 「鳳+司」は、艱難辛苦に耐えることに意味を見いだす。 癖のある美少女下級生(生徒会長の実妹)に下僕なみに仕え、謎を解く。 基本に忠実な真面目人間なのだ。 伴星「車」は、単独行動で独創的な生き方が似合う。 「宝+鳳+辰月」は、簡単には諦めない執念のようなもの持つ。 そのこだわりこそが、生きる原動力。 「申」年生まれ「宝酉」は、他力運。なんでも人の力を介して答えを出す。 なので、投稿サイトで発掘されたし、 生徒会の問題も時間の経過と共に全貌を理解する。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の観光地の碑。 あるいは豪華絢爛な観光案内板。洗練された印象を受けるうえに、 守護神水性は、年干「海」に年支「申」内「海」、 そして月支「辰」内「雨」と豊富にあるばかりか、 年支「申」VS月支「辰」の半会で水が生成されるうえに、 月支「辰」VS日支「酉」の支合も水源地を確保しているので、 表現力は心地良いほどふんだんに湧きでてくる。 遊興のみに傾いてもおかしくないところだが、 大変質の良い趣味の持ち主になったのは、 DNA成分としては表出していないが、 土性の「山」の「玉」の学習能力も備わっているからだろう。 総エネルギー197点はそれだけでは身弱の部類だが、 自身の金性が85点もある子丑天冲殺なら、軽輩ともいえまい。 とはいえ火性ゼロ(DNA車/牽なし)は、体裁は良いのに、利用客はほぼなし。 否、体裁ばかりにこだわったからか、 しゃかりきになって働く気持ちはないので、ひとまず大学院に進むわけだし、 名誉成分はないので、技術はあっても、なかなか賞には縁遠く 配偶者成分皆無でもあるため、異性にがつがつしたところがなく、冷めている。 それが女性相手でも洒落た会話を楽しむような感じになり、 爽やかで洗練された青春を感じさせるのだから、 自身の活かしかたは心得ている。 恋愛よりミステリというセリフは納得だ。 とはいえ、目上剋しの子丑天冲殺が、 卒業式にまで両親を呼んだのは愛嬌か。 このあたりは、宿命内に対冲も害もなく、 半会と支合で構成されるという破壊現象なしの宿命がそうさせるのだろう。 年干支「海申」は、お気楽で悩まないのが吉。 月干支「木辰」は、落ち着いて、自己主張強いが真面目。 そして日干支の「宝酉」は、毒にも薬にもならぬ自我だが、 学究肌で研究熱心で、頼りがいあり。 干支番号構成は、09-41-58と東方、西方、北方で南方欠け。 後天運は、初旬「7歳草巳」は、DNA「禄」の感謝であり奉仕。 引力本能も強化されるが、日居冲殺であるので、 自身の10年運天冲殺までは、権力などの犠牲になる予感もあり。 とはいえ、子丑天冲殺が制御されるのだから、程良いとも言える。 初旬稼働条件はないので、とりあえずは全て自力。 現在の2旬「17歳陽午」は、ありえない火性のDNA「牽」。 権威なので国立大学だし、デビューもした。 ありえない異性にも縁がないとはいえない楽しい時期。 それだけ、光があたり、注目される。 震災で一浪するも、素晴らしい友人に出会う。 何もかもありえない幸運は一過性にならぬよう、努力で持続させるべきだ。 今後の3旬「27歳灯未」は、DNA「車」の、ありえない多忙。 どのような道を選ぼうと、最も稼働力があがり、馬車馬のように働く。 4旬「37歳山申」は、DNA「玉」の落ち着いて静かな研究をする。 作風も派手さはなく、古風になる。 5旬「47歳畑酉」は、DNA「龍」の刑。 進み行く方向の変化があると、内側で衝突がある恐れ。 6旬「57歳鉄戌」は、DNA「石」の害。 協調性和合性に陰りがでて、仲間と争ったあげく敗退したり、 その気になりすぎると叩かれたり、 信じてきた同僚や編集者などからの裏切り。 7旬「67歳宝亥」は、DNA「貫」。 意固地になりやすく、頑固さばかりが強く印象に残りやすい。 8旬「77歳海子」は、DNA「調」。 年干支「海申」の大半会を伴う晩年の守護神10年運天冲殺で、 体力次第だが、突如の復調。 深い感謝があればあるほど、極端な成功を収める可能性大。 爽やかな若さを感じる文章だが、とても大学生の書いたものとは思えぬほど、 良い意味で計算しつくされた、大人の落ち着きは相当書き慣れているのだろう。 また、慌ただしくなく、全体的に落ち着いた印象は、好感度。 図書館なり、静かな環境で読むのに適している。 むろん、ライトノベルとは思えぬ丁寧な技法には恐れ入るものだ。 「嘘や偽りは全て悪で、人を傷つけます。 そこには価値は一ミリもなくて、劣悪で、薄汚い、軽蔑すべきものです」 などと、生臭い部分の一切ない、青春の格好良さ、 アイロニーを堪能してもらいたい☆ |
■2016年05月17日(火)畑亥 |
白倉由美○僕らの惜春という夢の名残り |
○ありえない水性年だった83年(雨亥)に、漫画雑誌「プチアップル・パイ」で、 「魚座生まれのロンリーキャット」にて漫画家デビュー。 その後、ラジオ番組のプロデューサーを経て、 97年(灯丑)のDNA「車」の天冲殺年に、 「夢から、さめない」を刊行し小説家としての道を歩み始め、 03年(雨未)のDNA「鳳」年には 「きみを守るためにぼくは夢をみる」で 児童文学の世界にも挑戦した白倉由美(65-0308/宝酉)の 『僕 ら の 惜 春』が、 02月26日(山寅)のDNA「玉」の過去を懐古する日に上梓された。 同作は、80年代初めに東京は吉祥寺駅近くにあるという設定の 都立武蔵野高校(都立高校じたい吉祥寺駅周辺にはない)に、 地方から転校してきた風采のあがらないオタク気質の 成績も普通の高校生が漫画家の道を目指し、 一目惚れの彼女と一緒になるという夢のようなお話し。 両親が自慢する歳の離れた兄は精神科医で、彼とは大違い。 そんなライナスの毛布を手放せないような自分自身に馴染めず、 漫画とアニメとSF小説が好きな高校生が、 戦後民主主義の第一世代と思われる親の転勤を機会に、 自分を変えようと努力するが、結局は、学校にも居場所がなかったという設定。 そして、いつのまにか新宿にある漫画愛好家達が たむろする場所に出入りするようになり、 そこでは、彼の漫画への興味を支えられたり、応援されたりしながら、 どういうわけか同じ趣向を持った同級生(生徒会長)と出会い、 初めて友達と呼べる存在を感じたり、 プロはだしの女子高生(白倉本人がモデルだろう)と出会い、 紆余曲折をしながら、漫画家を目指すもの。 また、転校してきたその日から、好きになった同級生の真の姿を知り、 彼女と結婚し、相応の成功をおさめたかのような妄想物語で、 なかには、白倉らしいモデルもいれば、 白倉と二人三脚で、オタク世界をリードしていった人も見受けられ、 往事を知る人には、記憶をたどりながら楽しく読める、 いかにもなシンデレラストーリーで、 あの時代と吉祥寺が好きな人には、たまらない本だろう。 千葉県出身で、現在は東京都西東京市在住。 武蔵野女子大学文学部の日本語・日本文学科を卒業。 (00年入学04年卒業)の白倉は、DNA「禄」主導で、 ともかく自分が目立ちたいが一心で、そのために生きる。 感謝や奉仕の念もなきにしもあらずだが、それは二次的。 「禄+玉」は、大袈裟で昭和の母親目線で、計算しつくす。 「禄+貫」は、素直ではないが、腹は据わる。 才能はこの「貫」で、好き嫌い激しく、攻撃に対しては全て反撃するも、 状況に応じて変化するため、漫画家だったのにラジオをやったり、 作家になったかと思えば、家庭人にもなる。 衝突しながらも、自己のアイデンティティを失わない。 「禄+禄」は、不器用で実は世渡り下手。だからこそ、演出家がいないと辛い。 「禄+龍」は、視野の狭い感覚で、何でもやみくも。 論理的より感覚的な世界観の持ち主だ。 「宝+禄+卯月」は、異性に裏切られやすい脆さがあるが、 普通の主婦感覚は持ち合わせる。 「巳」年生まれ「宝酉」は、平時は温和しいが、 いざ揉め事が起きれば、とてつもない力を発揮する。 これが、主人公やその周辺の青い部分として効果的に描かれているようだ。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の「畑」の作物を収穫するための 繊細な道具であり、商品を傷つけないようにするばかりか、 出荷のためのパッケージ化から、生産者名のラベル付まで担う 特別にあつらえた機械で、取扱注意。 均一化していない作物を、独創的手法で包み込む。 まさに売らんがための魂をふきこむ。 とはいえ総エネルギー155点に重厚さはなく、 水性ゼロ(DNA鳳/調なし)の野人には、風流さやゆとりなどなく、 恋焦がれる女性が、主人公の漫画のスケッチを 教室の黒板にはりだしたのは、この獰猛さが要因。 もっとも、ないからこそ集中してその方向を使えば、 漫画であろうとラジオ制作であろうと作家活動であろうと成立する。 無限大に集中すれば、疲れはするだろうが、名をなすのだ。 年干支の「草巳」は徹底した恋愛体質であり、 恋に生きるだけの下品な者もおれば、 完璧を求めるために異性を知ろうとする、芸術家もいる。 実際主人公の想い人は、母親の代理ミュンヒハウゼン症候群の犠牲者だった。 (この極端な描写は水性ゼロ野人に通ずるが、 母親は年支VS日支の干合支害持ちあたりだろう) 月干支の「畑卯」は、軽快で如才なく人間関係良好も、 パートナーが危機にあえば、死にものぐるいで闘う。 これは純愛という単純構造のなせるもの。 そして日干支の「宝酉」は、毒にも薬にもならぬが、 博識であり、自我強くも温和しく、頼りがいあり。 干支番号構成は、42-16-58で西方南方北方と相応だが、 存在感こそあれ前進力は未知数の領域だ。 後天運は、初旬「9歳鉄辰」がDNA「石」の調整能力や 人付き合いの巧みさを与えたが、月支「卯」の害は立場が不安定であり、 ともすれば、屈辱や妥協の人生になりかねず。 年干「草」の干合は、親の変節や本人の表に見せる顔の変化で、 干合で「草」が「宝」化すれば、 干合年干支「宝巳」と日干支「宝酉」は、大半会になるので、 両天秤であったり、同時に複数の顔を持てるようになる。 学生と漫画家、創作者と女などであるが、 これといって後天稼働運型ではないが、 「辰」内「雨」の潤いで、ないはずの水性が使えるようになったと見る。 実際、デビューはこの初旬10年運の最後の最後の水性年(83年雨亥)であった。 2旬「19歳宝巳」は、DNA「貫」の大半会。 競争する相手はいようと、本人なりの大きな成果は得たはず。 3旬「29歳海午」は、待望のありえない水性まわりで、DNA「調」。 ラジオ番組の制作を通じ、独創的な少女たちを売りだしていった。 さらに作家としての活動も始めた。 そして、住まいの近隣にあった武蔵野大学に入学し卒業したのも、この時期。 4旬「39歳雨未」も、ありえない水性まわりで、DNA「鳳」はのんびり。 だからだろう。散発的に小説作品を発表するだけであった。 現在の5旬「49歳木申」は、DNA「司」で地味ながら蓄積。 「申」内「海」の水分を使って、本作を刊行したが、 他では、さほど派手さのない日常となる。 今後は6旬「59歳草酉」がDNA「禄」の主導DNAで自己確立。 7旬「69歳陽戌」が、DNA「牽」の変剋律付の干合支害で、 異性の裏切りや役割の変質と挫折があるが、 ここから30年は変剋律で、苦悩すれば才能は磨かれるのだが、 耐えられるかだけではなく、何かの動きがあるかもしれない。 8旬「79歳灯亥」はDNA「車」の危険。年老いて暴走する気配もあり。 ところで、作中にもでてくる編集者は、 明かに白倉の配偶者または実質婚の相手である 大塚英志(58-0828/灯丑)に間違いない。 主人公達が住んだのも武蔵野市のはずれだし、 実際、大塚の住まいは西東京市で隣接しており、 吉祥寺はホームグランドだろうし、白倉もそこに住んでいるからこそ、 徒歩圏内にある武蔵野大学に通ったはずだ。 ここで、その大塚についても触れておけば、申酉の生月冲殺で気分次第で進む。 同じく偏りありだが、木性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人で、品性欠落。 「司」冲殺主導で、堅実な家庭に縁なし。 建設的な未来もないので、子供も作らなかったわけだが、 共通干支はなく、相互冲殺の仲では、何が哀しくて、一緒にいるのであろうか。 まるで外国人と暮らしているみたいだから、 刺激にはなっても、喜びや落ち着きはないはずだし、 そもそも子丑天冲殺(の白倉は)は年下相手が好ましいのに、 才能を買って仕事を斡旋してくれる大塚が全てだと思ってしまったのだろう。 だからこの回想記みたいな作品は、若者がナウく(笑)見せる為になっていて、 「いつか君と行った映画がまたくる」という 歌の歌詞が理解できる人や、携帯電話もSNSもなく、 駅の伝言板に行き違いなきように託した話は、 その時代を知りたいという人のために書かれたものだろう。 主人公は高校を卒業し、漫画家で成功するという設定で、 そして、エンディングでは主人公と結婚した思い人の女性が、 英検をとって大学へ行き、 おりからのカフェブームにのって成功するという薔薇色の展開。 多くの女性が短大へ行って、二〜三年勤めたら、 上司の紹介あたりで結婚した時代にあっては、画期的な結末だ。 そこには、主人公の尽力や彼女の感謝が潜んでいるはずだし、 どのような漫画家になったかも、あえて書かれていないのは、 どこか主人公の妄想と思わせる切なさもあり。 東京へ行けば何とかなるだろうという人は多かった。 (主人公も他力的ながら、その端くれだった)しかし、東京に住んでいる者、 あるいは中途からでも住んだ者にとっては、それが一番難しかった。 そこを描きたかったのが、惜春なのだろう。 寂しくなったから、書いたんだろうね☆ |
大塚英志○58-0828 |
灯鉄山木 丑申戌※+4 調司鳳司調(司冲殺主導) 木性(00)火性(36)土性(63)金性(104)水性(47)/総合250 申酉生月冲殺/天冲殺(4歳宝酉)/ターボ運(〜33歳) 木性ゼロ(野人)/火性脆弱/土性過多/金性過多/水性脆弱 +4歳宝酉/14歳海戌/24歳雨亥/34歳木子/44歳草丑/54歳陽寅/64歳灯卯/74歳山辰〜 |
■2016年05月23日(月)草巳 |
前川知大○太陽という盛大な分岐点と未来への道 |
○超常的な世界観で、身近な生活と隣り合わせに現れる異界を描き、 空間と時間を同時に編集するシームレスな演出を特徴とする 劇団「イキウメ」を03年(雨未)から主宰する 前川知大(74-0601/雨酉)が、 11年(宝卯)の守護神対冲年に舞台にあげた『太 陽』を、 小説化し15年(草未)から「小説野性時代」に連載していたものが、 02月29日(宝巳)の守護神半会日に上梓された。 また映画は、神木隆之介(93-0519/鉄子)と門脇麦(92-0810/山午)の W主演で、04月23日(草亥)から公開中である。 同作は、21世紀の初め、未知のウイルスの爆発的感染により、 世界の人口は激減し、感染を克服して生き残り、 ウイルスのキャリアとなった新人類 (約1%で都市規模では数百人で全員が30歳以下)は、奇妙な体質に変異していた。 細胞が太陽光に異常に弱く、活動できるのは夜のみ。 一方で、頭脳は明晰になり、 肉体は究極のアンチエイジングがほどこされたように、強靱に変異していた。 彼らは自分たちのことを「ノクス」と名づけた。 感染せずに生き残った旧人類は、「キュリオ」(骨董品)と呼ばれ、 貧しい生活を余儀なくされ、次第に人口比は拮抗し、 かつて日本と呼ばれた国の人類も、二つに分かれて暮らすことになった。 ノクスは次第にキュリオを支配していき、やがて文明を担うようになるが、 当然反発は強く、ある時、キュリオの住む長野県松本市郊外の村・長野八区で、 キュリオの男がノクスの駐在員を惨殺する事件が起こる。 結果、村はノクスによって経済封鎖されてしまった――。 そして10年後。村に住む若者達は、 村での生活に閉塞感を抱えながら、毎日を過ごしていたが、 一部の少年少女は、ノクスの存在を憎みながらも、 村を立て直したいと前向きに暮らしていた。 そんなある日、突如、封鎖が解かれ、村にノクスが現れる。 羨望、絶望、希望。その先にあるかもしれない「未来」とは何だったか。 陰陽の世界なのに、陰から陽へと選ばれし者は、 陽の世界へ行くことが出来るが、 昼夜逆転や不老以外に直面する問題をかかえる。 陽には、陰が存在せねばならぬ別の理由があったのだ。 数々の演劇賞を受賞した「戯曲太陽」の待望の小説化は、 最後は希望に満ちている(はずだ)。 骨太で感動のるつぼとなっている21世紀に暮らす人類必読の書だ。 新潟県柏崎市出身で、東洋大学文学部哲学科を卒業。 DNA「牽」の名誉がテーマの干合年だった 08年(山子)の「表と裏と、その向こう」で、 読売演劇大賞優秀作品賞、優秀演出家賞。 09年(畑丑)の三合会局年の 「関数ドミノ」「奇ッ怪〜小泉八雲から聞いた話」で、 紀伊國屋演劇賞個人賞、芸術選奨新人賞ほかを受賞。 10年(鉄寅)には「プランクトンの踊り場」で、鶴屋南北戯曲賞を受賞。 11年(宝卯)のDNA「龍」の守護神対冲年の「太陽」で、 第63回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞。 「奇ッ怪 其ノ弍」「太陽」で、 第19回読売演劇大賞グランプリ、最優秀演出家賞を受賞。 13年(雨巳)の大半会年には、別組織のカタルシツを立ち上げ、 「地下室の手記」「片鱗」の演出で、第21回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞。 「片鱗」で同賞優秀作品賞を受賞。 14年(木午)には、四代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎II「空ヲ刻ム者」で、 初めて歌舞伎を作・演出など勢いのある前川は、 DNA「司」主導で、地道で純粋な思いを着実に積み重ねる。 都会的な切り口もあるが、根底にあるのは村であり、 その村をなんとか再生しようとする試み。 「司+調」は、他者とは異なる衝突と競争。 才能はこの「調」で、繊細で女性的な表現手段を、 一見おどろおどろしく見せるが、それが人を誘う罠。 「司+龍」は、用心深い冒険心で、テリトリーを限定させることにより、 自由な発想が可能になり、それが舞台であり村となる。 「司+車」は、思い立ったら真っ直ぐで、他が見えなくなるが、 それがあるからこそ、10年もの間水道以外の ライフラインを断ち切ることも可能。 「雨+司+巳月」は、見た目より中身は激しい。 「寅」年生まれ「雨酉」は、自己矛盾なし。 宿命の特長は、初夏午前十時頃の高原のいわくありげな耕作地の用水。 土壌が汚染されているのか、実験的な耕作地なのか、 年干支「木寅」VS月干支「畑巳」の干合支害は、 作物が歪で、うっかり目を離すと、すぐに枯れて肥料になってしまう。 妖怪やら、少々変なものに興味をもつのは、このあたりが起源。 干合年干「山」は、日干「雨」と二次干合すると、 年干は「陽」、日干は「灯」になり、焼き畑化するので、 監視の目を怠らず、なるべく宿命内干合をおこさずに、 出荷できれば、希少種として価値があり。 それを司るのだが、誰にでも好かれる存在が、夏の水の特長だ。 しかし、総エネルギー199点中自身の水性は僅か14点しかなく、 人に好かれようと身弱であり、知恵で乗り切るしかない。 また、酒は忌み神なので、アルコール摂取時の失敗は多そうだ。 年干支の「木寅」は、どっしりとした根っこを持ち、 調整能力のある立派な作物ながらマイペース。 月干支の「畑巳」は、組織を根底から揺るがす 白蟻のような毒素で、倒柱と呼ばれる、旧い村の長老のような存在。 そして日干支の「雨酉」は、頭脳明晰世渡り巧みで、 如才ないため、他人に不快感を与えぬ社交性が売り。 干支番号構成は、51-06-10と北方と東方のみで構成され、 比較的限定されたフィールドで、 霧のように微かな存在でも、存在は貴重であろう。 後天運は、初旬「2歳鉄午」は、DNA「玉」の深み。 ひとつのことを掘り下げる質も性に合わず、後天稼働運は特になし。 2旬「12歳宝未」は、決め手はなくともDNA「龍」の守護神で蘇生。 庭師の父親が、絵を描いたり、音楽をやったり、 バイクに乗ったりするような人だそうで、 高校生の頃から料理屋でアルバイトをしていて、 結局中退して、資金を稼いでは旅に出る。 料理人になるつもりが、兄に触発され本を読み出し、大検に合格し、 東京へ出ることで、清流さを際立たせ、はみ出し運らしくなった。 3旬「22歳海申」は、年干支VS月干支の害を切るものの、 塩濁水の到来で、DNA「石」の仲間と共に努力はするが苦難の時。 4旬「32歳雨酉」は、DNA「貫」の律音で、 宿命に厚みが増して、水の流れに力強さや勢いがでてきて、 世間に認められるようになる。 現在の5旬「42歳木戌」は、DNA「調」の害毒。 突如やってきた才能開花10年運天冲殺で、 方向性の変化もあり、異常環境に身を置けば、 妙な目立ち方をするが、結果は空振りとなり、 興行的には成功しなかったり、体調不良を起こしかねないが、 感謝の念さえ忘れねば、病的な退廃的な美しさを演出できるはず。 今後は6旬「52歳草亥」は、流れが滑らかになるばかりか、 表面的な害も切れるので視界が良好になるので、 あとは気分良く表舞台で起用されるので、感謝を忘れぬことだ。 7旬「62歳陽子」は、主導DNA「司」の自己確立。 とはいえ、真面目に仕事に取り組むことなく、蓄財に目がいけば、 実際は忌み神方向なので、一気に盛りは終わりかねないので、要注意。 8旬「72歳灯丑」は、DNA「禄」の引力本能全開。 月支「巳」と日支「酉」の絡む三合会局で、盛大な事業や企画に散財する予感。 ところで、前川は07年以前は関東地方出身の同居人女性がいたが、 07年(灯亥)の年支「寅」と月支「巳」の害が切れる時期に入籍し、 それまでは新宿の花園神社近くに住んでいたものを、 08年(山子)の干合年の害切れ天冲殺月(雨亥)の最後に、 京王線の笹塚以西つつじが丘以東の沿線に引っ越しているが、 引越時には「司」主導らしく、 不要ながらくたをリサイクルショップに売ろうとして、 値が付かず結局は役所の廃品回収の世話になっている。 そんな姑息なことは考えず、真面目にやるのが真の「司」主導。 また、引越に際して契約書の住所表記に手違いがあり、 NTTに指摘され気がつくという確認不足を露呈した。 このあたりは素なのだが、総エネルギー199点中配偶者成分の 土性が67点で頼りがいはあるのだが、それは忌み神。 前出のように水性14点は、弱いために自分だけでは生きていけず、 妻が仕事をして、彼の生活を支えており、その流れか子供はおらず、 未来への不安が強く、それが今作にも色濃くでているのは間違いない。 (恐らく逆縁関係ではないだろうか) なので、ノクスという新人類夫婦の会話が切実に描写されている。 前川も生活を妻に頼っている限り、子は望めずに、 後継者という養子を模索しているのかもしれぬが、 それはそれで悪いことではない。 ぜひ、相性の良い恵まれぬ子を引取り、 「司」主導らしく家族を形成してもらいたいものだ。 さて、スタイルはSFなのだが、とてもファンタジーで、 そしてこれが未知なる世界ではなく、 いかにもありそうな運びとなっているのが、面白くも怖くもあるが、 これは都市部と農村部に二極化する現代日本のこれから向かう姿でもあり、 一気読みも可能なエンタテインメントになっている。 陽なのに陰の世界が良いか、陰なのに陽の世界が望ましいのか。 あなたはどう感じるだろうか。 エンディングのいかにもな、爽やかな演出が答えになっていると思う。 なお、演劇「太陽」も05月29日(宝亥)まで東京シアタートラムで、 06月03日(陽辰)から05日(山午)まで大阪ABCホールで上演されるそうである☆ |
移 動 祝 祭 日● 2 0 1 6 年// 陽 申 |
16年●01月分 16年●02月分 16年●03月分 16年●04月分 16年●05月分 16年●06月分 16年●07月分 16年●08月分 16年●09月分 16年●10月分 16年●11月分 16年●12月分 |
コラム総合○目次/茶房会館(1 9 9 6 年〜) |
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清く正しく美しく○BEハレ幸せ発電所→運命向上委員会 |
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