★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 6 年(陽申)●12月 鉄子 // 移 動 祝 祭 日 |
■12月分一覧 (2016年●目次) |
加藤泰幸●尾道茶寮 夜咄堂は緩い(2016_1201) |
吉田恵里香●にじゅうよんのひとみのえげつない爽快さ(2016_1203) |
安澄加奈●はるか遠く、彼方の君への優しいお土産(2016_1210) |
名梁和泉●マガイの子は二階の王を軽く凌いだ(2016_1213) |
市川憂人●ジェリーフィッシュは凍らないは永遠に非ず(2016_1220) |
瀬名秀明●この青い空で君をつつもうの耐えられぬ暗部(2016_1224) |
葉真中顕●コクーンの目を背けたくなる連鎖(2016_1227) |
■2016年12月01日(木)灯巳 |
加藤泰幸○尾道茶寮夜咄堂 おすすめはお抹茶セット五百円(つくも神付き)は緩い |
○07月06日(畑丑)の大半会日に、第4回「ネット小説大賞」を受賞した 加藤泰幸(83-1117/畑酉)の 『尾道茶寮 夜咄堂 おすすめは、お抹茶セット五百円(つくも神付き)』が、 10月20日(草亥)のDNA「車」の「亥」重なり日に上梓された。 同書は、不慮の事故(雨の日に階段で躓いた)で、 たった一人の肉親の父親を失った、大学一年生の千尋の話で、 彼に残されたものは、尾道の坂の上に建つ、 古民家カフェ「夜咄堂」だけだった。 すべてを処分しようと、夜咄堂を訪れた彼を迎えたのは、 自分たちを「茶道具のつくも神」だと言う見慣れない二人。 戸惑いながらも千尋は、つくも神たちから茶道の指導を受けつつ、 父の思いが残された夜咄堂を続けることにする。しかしいいのか。 祖父母(茶会の帰りの交通事故)も母親(茶室での一酸化中毒)も 茶道にかかわって、命を落としている。 「切なさと温かさが交差する再生の物語」が売り文句だが、 とりたてて確執もなく同居していた父親が亡くなるまで、 経営するカフェを一度も覗かない設定はありか。 なかなか難しい。果たして、その点前は如何に。 DNA「龍」の半会年だった97年(灯丑)に手に取った、 わかつきめぐみ(63-0206/鉄辰)の「ご近所の博物誌」の 影響を受けるどころか私淑しているという、 (その人は、年支「卯」VS日支「辰」の害持ちで表裏ありだけど大丈夫か) 佐賀県鳥栖市出身で、現在は広島県東広島市在住で、 結婚はしているが子供はいなさそうな事以外は、 料理人のようだが詳細不昧な加藤は、DNA「牽」主導で、 何でも形から入る傾向だが、ともすればそれが鼻につくことも 自己愛の権化のような人である。 「牽+牽」は、時に身も蓋もない無為無策な行動にでる恐れ。 ある意味、わかりやすい単純さは憎めない。 「牽+鳳」は、温厚ながら気分に流されやすい。 「牽+禄」は、折り目正しいが行動力や決断力は劣る。 「畑+牽+亥月」は、機敏だが持続力に欠ける傾向。 「亥」×2もあり、神がかった部分も見受けられるが、 それは表向きのことであり、 「亥」年生まれ「畑酉」は、わがままで甘ったれ。 宿命の特長は、仲冬午後十時頃の強い「雨」に打たれた 孤立無援の街であったり、水浸しの「畑」であり、 作物が流されかかっている状態。 火性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人は、頭の中がカラッポか、 それを無限大に活かして、ありえない創造力を発揮するわけで、 だから発想は極端になるので、付喪神だし、 さらには、付喪神が登場しても、即座に何の疑いもなく、 話が進行してしまうような、普通ではありえない展開にも、 何の疑問ももたない。 むろん、本人が言うように冷え症なのは、自身に火性がなしで、やむをえない。 「嫁が誕生日プレゼントにブランケット買って」も悪くはないが、 湯たんぽを抱えていたほうが良いタイプだし、 土瓶の神がロビンという名前の犬の姿になるのには、 駄洒落を持ち出すような話でもなく、あんぐりと口が開いたままになる。 しかも、女子中学生好きを強調するのは、ほぼ犯罪的。 (火性は)存在しないものだから、 趣味は茶道、好きな焼き物は唐津焼とかいいながら、 漫画もこよなく愛するという弾けっぷりは、 形を大切にする「牽」主導を屈折させているのだ。 とはいえ無限大に使えるからこそ、 「牽」主導でも、縛りは緩やかで荒唐無稽さを忘れさせてくれる。 火性がないということは、「牽」主導でも真っ当にならず、 総エネルギー196点中水性114点の(塩)水浸しは、 作物が育たず、せっかくの「牽」主導も輝いてはいない。 また、水性の多い土性は、まるで泥のようでもあり、 混沌としているばかりか、忌み神のDNA「禄」では無駄に優しく柔。 男性は弱々しく描かれているし、 逞しい女性が登場しても、どこか垢抜けない。 金銭物質にも興味津々のはずだが、 趣味には相当つぎ込んでいると見受けられ、 それは道具に対する感謝を超えた、異常な愛情にも思えてしまう。 そして、泥といったが、流されると言えば、 ゲームをやりすぎたり、配偶者である木性も腐りやすく、 ひとまず子供がいないのも説明がつく(配偶者の木性が産みだす火性なし)。 さらには、寅卯天冲殺ながら、生じてくれる火性がないので、 生地生家は出やすくなっており、佐賀にも縁は薄いに違いない。 しかし、仮に副業であろうと、作家をやろうとするなら、 火性がないからといって、遊興のゲームをやりすぎていれば、 創造力はもとからないのだから、話も錆びつきかねないし、 火性で鍛えるのが料理の腕なので、本業も厳しいし、 いくら熱湯ではないとはいえ、茶の湯が冷えてくる(笑)。 年干支と月干支の「雨亥」は、中間がなくて成功するか落伍するか否か。 変化を好まずなのに、付喪神は登場するし、 耐久力あるのは、付喪神にあうなり矛盾がいっぱい。 でも、心は強くはないから、すぐに及び腰。 ドーナッツ好きの犬に丸め込まれたり、簡単に大学の授業は休んでしまう。 そして日干支の「畑酉」は、自力運の開拓者も、 尾道という街や、茶道具などの形には凝るが どうにも、肝心の茶の味も、お菓子の味わいも 浮かんでこずに、上辺だけという感がする。 上流階級ではなく庶民層に誕生するのは良いが、 その後は、努力をせねば本物にならぬのに、ゲームで遊びでは哀しくなる。 干支番号構成は、60と46の直線の一点。 北方偏りは、寒いから、そろそろ時代整合性なくなる、 伴星は「石」で、人脈が拡がるからといってtwitterだし、 洩星は「石」で、最初はなし崩しで、導星は裏方で人を育てる。 やはり料理人の世界で、しのぎを削るのであろうな。 後天運が、初旬「3歳海戌」は、水浸しに拍車をかける 完全塩濁水の「5歳海戌」やっかいなDNA「司」で、 地味なのか地道なのかはともかく、それが害。 あまり明るくない幼少期を送りながらも、 ターボ運(子丑天冲殺廻り)があるので(92歳迄)、 それが目立つわけで、これに野人が加わり、 さして良い想い出があるとも思えない。 2旬「13歳宝酉」は、DNA「鳳」の刑。ゲームとアニメの遊び三昧だったか。 3旬「23歳鉄申」は、DNA「調」の独創的。 年支と月支の「亥」が前進力が失せ、不安にもなったので、 茶道に救いを求めたのかもしれない。 今年(16年/陽申)から始まる4旬「33歳畑未」は、 DNA「貫」の何かを守るじきだが、 年支と月支(共に亥)の半会があり、加速がついたと見えて受賞。 デビューにこぎつけたもの。 今後の5旬「43歳山午」は、DNA「石」の仲間作りも、 年干と月干(共に雨)が干合で、ありえない「灯」になり、 その10年運も「陽」になるので、一気に周辺環境が良くなる。 現実的なものなら料理人として大成し、 仲間に誘われる形で、商売を展開してゆくものだし、 作家であるならば、垣根を作らずの交流がテーマであろうか。 どちらに転んでも、ここからは人生が一気に加速する見込み。 6旬「53歳灯巳」は、ありえない火性のDNA「龍」の半会で、 新たな試み、作風も変われば、気持ちもがらり一変して、我が世の春。 7旬「63歳陽辰」は、DNA「玉」の支合で、 同じくありえない火性ながら、旧知へ流れ行くので、 ようやく彼の中で佐賀の再発見ではなかろうか。 8旬「73歳草卯」は、DNA「車」の10年運天冲殺。 年支と月支(共に亥)の半会があるので、何かとてつもない力に動かされ、 晩年なのにたいそう動き回ることになりそうだ。 「今回の作品は、友人と尾道に出かけたことがきっかけでした。 とある喫茶店に立ち寄り、店内から見えた尾道の景色に感動し、 『尾道を舞台にした話を書きたい!』と思いました。 改めて尾道を調べていくうちに、 趣味である茶道と深くかかわりを持っていることがわかり、 尾道の茶寮というテーマは自然とうまれました。」ということだが、 それこそ終わりよければ全て良しであろうと、いったん終わらせておいて、 その後のアンコールみたいな付け足しは、 あまりにも情けなく、肩すかしだったのではないか。 「牽」主導なのに、しまりが悪いように感じてしまう。 また、突如挿入される犬カフェ話はどうにも和敬清寂とは相容れないし、 歩きでないといけない場所としながらも、 主人公が疲れたとかいって、ケーブルカーで行き来してみたり、 表紙の路面電車の駅みたいなのと、内容がそぐわなかったり、 はたまた、茶道について知識をひけらかしたいのか、 説明的すぎる部分は少々退屈になりかねず、 「日々是好日」という付喪神が発動する魔法も、 もうひとつ描写しきれてないような印象は拭えない。 加藤は「牽」主導で、何らかの制約を受けねばならないので、 もう少し控えめであってほしかった。 そのあたりが、火性ゼロ(DNA龍/玉なし)が無理をしていることと、 今年(16年/陽申)がDNA「玉」年の守護神年でも、 年支と月支(共に亥)が害なので、しっくりこなかったのかも知れない☆ |
■2016年12月03日(土)畑未 |
吉田恵里香○にじゅうよんのひとみのえげつない爽快さ |
○大学在学中から脚本家として活動を開始し、 シリーズ累計55万部「脳漿炸裂ガール」のベストセラー作家で 15年(草未)度少女マンガ実写映画No.1 「ヒロイン失格」の脚本を担当するなど ドラマやアニメばかりか映画の脚本に、漫画原作など、 卓越した才能をいかんなく発揮した大注目の吉田恵里香(87-1121/木戌)が、 WEBマガジン「キノノキ」で15年01月(14年/木午の最後)から、 16年(陽申)07月(草未)まで連載されていた 初のオリジナル小説『にじゅうよんのひとみ』が、 07月15日(山戌)のDNA「禄」日に上梓された。 同作は、冗談みたいなタイトルだが、至って真面目。 というよりか哀しいお話しで、よくよく考えれば、そのまんまの話。 同棲している小学校からの腐れ縁の男性がいながら、 彼は昼間の仕事(リサイクル会社)で、彼女は深夜の仕事(漫画喫茶)で、 すれちがい(共にアルバイトだが)適当に迎えた冴えない24歳の誕生日。 パッとしないつまらないその日を、 (厳密には24時が過ぎようと、一日の区切りは午前4時だけどね)、 「なんだかなぁ」と過ごしている、ひとみの前に突然現れた赤ん坊。 それはもう一人の自分、「0歳のひとみ」であった。 1時、2時、3時・・・と、時が進む度に赤ん坊は成長して 「1歳のひとみ」「2歳のひとみ」として姿を現す。 ひとみは、もう一人の「ひとみ」を通して、 過去の自分がやりたかったことを、どんどん叶えて行く。 人生を振り返り自分と向き合い、心の毒素を吐き出す。 まだ大人になりきれない女子の誕生日に起こった 大人の階段を登れない女子の本心を、鋭く、瑞々しく、描き出した デトックスファンタジーという売りだが、 敢えて言えば、とりあえずは未来も何もない都合の良い厳しい厳しいお話。 神奈川県川崎市中原区新丸子出身で在住。 日本大学芸術学部文芸学科を卒業の吉田は、 DNA「龍」主導で、冷徹で深く不可思議な創造力の持ち主で、 いまを生きるハチャメチャながら、落ち着きのある通俗性が売り。 「龍+石」は、言い訳無用の実行力で経済感覚なしも、 そつのない技術力が売りで、とてつもない努力をせずとも、文章がわきたつ。 「龍+禄」は、視野のさほど広くない冒険心は、 教養に裏付けされており、やるときはとにかくやる。 「龍+調」は、不平不満が生きる原動力。 だから「SNSは精神衛生上良くない」と判っていながら、SNSで憂さ晴らし。 「龍+牽」は、芸術性の強い小技を得意とし、 才能は、この「牽」で、精神的な権威に弱く、自尊心を磨く。 形を大切にすることから「にじゅうよんのひとみ」になる(笑)。 期限をもうけて、自分を追い込んでいくのも得手であろう。 「木+龍+亥月」は、芸術大好き。 「卯」年生まれ「木戌」は、了見が狭く異性理解不能である。 すなわち、斜に構えた女性や、 生身の女性を異性として認識しづらい男性の支持を得る。 伴星は主導DNAの「龍」で、常に変化を好む。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の暗がりの異形の樹木で、 特別な認識プレートが掲示され、どこか艶めかしい光源に照らされており、 何か威厳のようなものがあり、おそらくは天然記念物に違いない。 そして木性は自分を傷める金性が大嫌い。 なので、美容院にもなかなかいかず、10ヶ月も放置なんていうのも ザラだそうだが、これは、正しいと言えば正しい。 木性はどんどん成長して幹を太くし、枝葉も伸ばしていくものだからね。 地支は、年支「卯」と月支「亥」の半会と、 年支「卯」と日支「戌」の支合で、努力家のため、 木性が強化され、冬場でも(木性の)根っこは強固。 これが総エネルギー170点中木性72点以上の強さを演出しており、 水性が塩水の23点でも、枯れることのない青さを保つ要因。 年干支の「灯卯」は、香木で香り良しで色気あり。 着火するのに時間がかかるが、燃えだすと息の長い、 常にロマンを追い求める、燻りにもにた生命力となる。 月干支の「宝亥」は、巧妙な細工物の工業製品または工芸品で貴重品。 天性の第六感を持ち、純粋無垢な人。 そして日干支の「木戌」は、言わずと知れたさげ●●で、 感受性優れた吸収力の勝った知性派で、 異性を真綿のようなもので絞め殺すも、変な方向にばかり努力する傾向あり。 それを仕事に活かせば、目を見張る才気となり、 いずれ高い地位や名声を得るようになるも、 稚拙なプライドの塊では挫折することもあり。 売りは倫理観。学生時代から倫理の授業は好きだったという。 干支番号構成は、04-48-11で北方と東方を結ぶ、 暗さから明るさへと移行する過渡期の才能であろう。 後天運は、初旬「4歳海子」が、主導DNA「龍」で、幼くして自己確立。 日支「戌」月支「亥」に連なる変則方三位で、 24歳の誕生日に現れた「ヒトミ」のほうが、より本人に近いだろう。 この時期から、芸術の世界で生きていく希望を明確にもっていたはず。 なので、将来は日本大学芸術学部に進学すると決めて、 中学受験をして附属中学校に入るなんて計画性あり。 「昔からお話を作ったり、絵を描いたりするのが好きだったんです。 小学校の頃、6ページくらいのミニ絵本を作るのが学校で流行りました。 一人ひとりみんなが自分の絵本を作って、続きものの物語を連載するんです。 私はそのブームが去り、みんなが飽きてやめていっても、 ずっと書き続けていました。 そのミニ絵本は170話くらいまで連載を続けましたね(笑)。 そのくらいお話を作るのが好きでした」てな具合である。 2旬「14歳雨丑」は、ありえないDNA「玉」で、基本に学ぶ。 あるいは古典の世界に興味をもったり、少々若さに欠ける卓越された、 どこかババくさい感性をまとめあげたはず。 現在の3旬「24歳木寅」は、日干支「木戌」の大半会で、大きな動き。 心強い木性強化で、ターボ運(子丑天冲殺廻り)も始まり、 何をやっても目立つようになる。 この後の4旬「34歳草卯」は、DNA「石」の支合。 一人で勝負するより、仲間を集めて何かをすることに意識がゆく。 5旬「44歳陽辰」は、月干「宝」が干合され方向性の変化。 DNA「鳳」の守護神対冲は、表現手段を変えて行くばかりか、 目線の先にあるものも変わってくる予定。 6旬「54歳灯巳」は、DNA「調」の独創性。 斜に構える感性に鋭さがでて、芸術性も頂点を極める勢い。 7旬「64歳山午」は、DNA「禄」の半会で、感謝と奉仕に舵を切る。 8旬「74歳畑未」は、DNA「司」の干合で、真面目さの追究。 老いて人が、たくさん集まってくるという図式だ。 ところで、吉田が藝術学部に進むと言った時、 母親は応援してくれたようだが、父親には 「経済学部や法学部といった実用的な学部もいいんじゃないか」と 助言され、大学を卒業して文章で食べていくと決めた時も 「大丈夫か?」とよく言われたものの、 父親は殆ど娘を褒めない人だったようだ。 しかし、初めて作品を世に出して、父親が褒めてくれた時は嬉しかったそうだ。 これは、母親成分の「雨」が宿命になく、 陰陽の「海」を母親とすると、これは主導DNA成分。 さらに父親は干合する年干の「灯」になる。 この「灯」は、腰が重い「灯卯」なので、なかなか誉めない。 でも、本当に誉めてもらってうれしいのは、火性が守護神だからに他ならない。 また、吉田は酔っぱらった母親から 「えりちゃんの孫がみたい」と言われたそうだ。 「旦那や子供を通り越して孫とは、なかなかハードルが高い。」と 言っているが、子供が苦手なはずで、結婚に希望がもてず、 仮にするなら外国人でもないと災禍がでるのが、 異才の「木戌」の特色なのだが、それでも異性理解不能まであるのだから、 仮に将来的に配偶者がいても、子供には多くを期待出来ない。 なので、孫という発想になるのだろうが、 そういう「えりちゃん」みたいな娘が誕生した背景には 親の結婚に問題があったのは疑う余地はなし。 母親は主導DNA成分と定義したものの、自分とどこか似た部分をもつ、 飛躍した思考の持ち主であることもわかる。 吉田よ。日本人と結婚したら、それこそ災禍は血塗られるぞ。 なので、外国人なら何とかなると思い、孫づくりに急ぐかな。 推奨出来ない夢の中だけど、日座冲殺に限って、 こういう時期に無茶をしやすい。 今年(16年/陽申)は、60年に一度の受け身で仕事で成果をだす時期。 でも、来年(17年/灯酉)は天冲殺に害がくっついてくるから、 一応有り難迷惑だけど、そんな考えを持つとかえって挫折する。 仕事で情けなくも笑えるような、妙な評価をうけたほうが、ずっと得策。 まだまだ、吉田はやらねばならないことがいっぱいあるからね☆ |
■2016年12月10日(土)陽寅 |
安澄加奈○はるか遠く、彼方の君への優しいお土産 |
○07年(灯亥)の、年干支「灯卯」月干支「灯未」のからむ 大半会三合会局の火性天干一気強化年の10月01日(山辰)締切の 第5回ジャイブ小説大賞で「えすみ伽奈」名義で応募した はじめて手がけた長編小説「願いの神さま」が、 明けて害年(08年)ながら03月17日(陽辰)に奨励賞を受賞。 そこから4年後の11年(宝卯)の干合年に、 「いまはむかし竹取異聞」でデビューした安澄加奈(87-0726/陽子)が、 過去や歴史に縁のあるDNA「玉」の対冲年だった 14年(木午)の05月07日(山寅)に上梓した 『は る か 遠 く、彼 方 の 君 へ』が、 文庫化され、あの時の三人のその後まで収録され、 09月05日(鉄寅)のDNA「禄」日に上梓された。 同作は、京都に修学旅行に来ていた高校生の夕鷹は、 博物館で古い剣を目にした直後、気が付くと炎があがる知らない土地にいた。 武士に襲われかけたところを助けてくれた男は、源九郎義経と名乗る。 夕鷹は、ほかにも同時に800年前の日本にタイムスリップしたらしい 境遇の高校生、華月と遠矢と出会い、三人は元の世界に戻るために、 「平家物語」の記憶をたどりながら、 平家と戦う義経に従って、神器の剣を探す。 「平家物語」の時代に飛び込んだ高校生たちの焦操や葛藤、恋と別離。 三人は、それぞれ平成の世に事情を抱えていたが、 何が何でも、元の世界に還らねばならない理由もあった。 歴史として知っている事柄を直に肌で感じながら、 戦国の時代に生きた人たちと関わって、 自分を見つめ直し成長していくという青春物は、 自分の非力を知り、生きる意味や恋に葛藤しながらも、 その先をつかみ取ろうとする高校生たちの姿が、 伸びやかで活き活きとして、好ましいし、 義経や静御前、弁慶や宗高といった、かの時代の人たちも、 親しみを加えられ、人間くさく魅力的に描かれているので、 ついつい引き込まれてしまい、「言葉がよく通じたなあ」なんていうことは、 読み終えるまで、忘れさせてくれたほど。 ラストには感動が押し寄せる圧倒的な力で胸を打つ長編時代小説である。 長野県安曇野市生まれで、東京都清瀬市にある明治薬科大学を卒業し、 故郷に戻り北アルプス医療センター安曇病院に 薬剤師として勤務していると思われ、実家暮らしの安澄は、 DNA「調」主導で細やかな女性的感性が強い。 「調+玉」は、何でも知っているような顔をして、得意分野に特化する。 「草」から表出しているので柔軟でしぶといものの、 いわゆる世間知らずで、実生活の知恵はなし。 「調+牽」は、外面の静寂も私生活は大胆。なので作家の顔も堂に入る。 才能は、この「牽」で、資格が必要な薬剤師は悪くない。 どんな賞であろうと、表彰が足がかりで、格好をつけることが大切。 「雨」から表出しているが、水たまりや地下水のようなもので、 努力して利用する必要あり。 「調+石」は、自尊心強くも気配りにたけ、 肝心のところで遠慮したかと思えば、 知らずのうちに、場所は確保しているしたたかさ。 「陽+調+未月」は、恐ろしく極端に運命的な方向が用意されている。 「卯」年生まれ「陽子」は、矛盾の多い人生で、 伴星は「車」なので、単独行動。 洩星は目上の引き立てがあり、 導星は口うるさい自己中心の性癖になりやすい。 宿命の特長は、晩夏午後2時頃の太陽で、じりじりと暑い。 常に手に汗を握る展開で、結構危ない橋を渡る。 年干と月干が「灯」であり、 これらは太陽の廻りを周回する衛星みたいなもので、 従者となりえるが、これを友人知人や仕事相手ととらえると、 絵にはなっていても、たいして役に立つことはないが、 これもまたひとつの自然現象となるも、直視するにはリスクが大きい。 火性の天干一気で目上を焼き殺すほどだが、 集中力は総エネルギー145点しかなく、 一見の身強も、強いのは気だけで、体力はなし。 なので、上司には当直だと「荒れる」と怖れられる。 また、金性ゼロ(DNA禄/司なし)は、優しさは片鱗もみせぬ人で、 異様な金銭物質への執着があるかと思えば、 全く無頓着で、あればあるだけ使うなど、その時の気分次第。 一般的な感謝を理解できないようだが、 とてつもないことをする時はするので、待つしかない。 そして、配偶者成分は皆無となり、異性を見る眼なし。 何しろ「今日、薬局にものすごくイケメンのMRさんが来ました。 思わず見とれていたら、机の角に骨盤を強打して、 痛い!とさけんでしまいました。イケメン注意。」だもの(笑)。 さらに、年支「卯」VS月支「未」の半会で、前のめりなわりには、 月支「未」VS日支「子」の害持ちで、まとめづらく、 何かの犠牲になったり、脚がもつれるように不格好にもなる。 内側は汚くなりがちで、周囲の協力が不可欠だが、 ごく一般的な結婚には興味がなかったり縁がないはず。 年干支の「灯卯」は、線香花火のような燻り。 行動にうつすまでには時間を有するが、その気になれば素早く。 妙な色香を所有し、屈折した浪漫を愛する人。 月干支の「灯未」は、クールな表情を作ろうと、 内側は恐ろしく熱く本心をなかなか見せず、目的さえ明確なら略奪愛も辞さず。 そして日干支の「陽子」は、移り気でいわゆるお天気屋。 神経が細やかなるも、あらゆる事象が不安定で、 落ち着かぬ面ありも、性根は腐っておらず、 存外素直なので、周囲から盛り立てられ、 気づいたら何らかの立場を手にしている。 干支番号構成は、04-44-13で東方と西方を結び、 トラブルを抱えながらも前進力が勝る。 後天運は、初旬「4歳山申」が、DNA「鳳」の10年運天冲殺の半会で、 のんびりと力が抜けて過ごすも、田舎ならではの雄大さが加わる。 2旬「14歳畑酉」は主導DNA「調」の10年運天冲殺。 自意識過剰で尖った気質が衝突や焦燥を呼ぶが、自己確立。 空回りしながら、自己の本質に気づきながらも、もがく。 他人とは違う役割を担いたくて、薬剤師の道へ進む。 現在の3旬「24歳鉄戌」は、10年運天冲殺明けの ありえない金性のDNA「禄」の引力本能で、 国家試験に受かり、作家デビューもする。 次旬の4旬「34歳宝亥」は、年支「卯」と月支「未」のからむ 同様にありえない金性のDNA「司」の三合会局。 干合でもあり、異性や家庭的なことに興味が向いてくるが、 比較的仕事運で、それが活かされる模様も、 私的面で何もないというわけではない。 前半は、日干「陽」がこの干合作用で「海」になり、 年干と月干の「灯」が、この「海」と二次干合すれば、 年干と月干は「草」に、日干は「木」になり、 変則干合木性天干一気が成立する。 これは本人の次元が何かの出来事をきっかけにして、 周囲を巻き込みながら、ひとつの集団を形成すると、 強固で頑丈さから目立つようになるが、 後半は月支「未」VS日支「子」の害が効いてきて、脆くも崩れされかねない。 火性天干一気で派手になりすぎていたものが、 一転、爽やかな林のようになれれば正解。 5旬「44歳海子」は、DNA「車」の危険な方向に動く。 今度は年干と月干の「灯」が干合により「草」になるため、 単純に火性天干一気が崩れ、暑さは和らぐが、 変化した「草」は簡単に陽光に燃料として費やされてしまうので、 周囲をなきものしやすく、段階をへてかえって焦土か。 「海」をそのまま使えれば、守護神なので、 難しいことを考えず、単独で忙しなく働いているのが似合う。 準ターボ運(子丑天冲殺廻り直前の水性旺地)も始まり、 何をしても目立つばかりか、その存在意義も高まっていく。 6旬「54歳雨丑」は、DNA「牽」の支合にして害切れ。 才能である名誉的なものが濃くなり、背筋を伸ばすことにより、 人生の完成期を迎える。 7旬「64歳木寅」は、DNA「龍」の新規創造力で新たな世界を構築する。 8旬「74歳草卯」は、DNA「玉」の旧さへの回帰。 勢いで人生に向かってきたが、晩年の制作意欲は相当な加速がつくので、 特に密度の濃い評価がなされるかもしれない。 さて、主人公の高校生の名前(夕鷹)は「ゆうたか」ではなく「ゆたか」。 僅か17歳の人生で、何度も苗字が変わるという 複雑な環境に育ち、那須与一(なすのよいち)に惚れ込む 華月と幼い時に接点があったことさえ 忘れてしまっている、DNA「龍/玉なし」あたりの野人だろうが、 現代では他人と問題を起こさず、ひっそりと生きていくことが 可能だろうと考えていたが、野人だからこそ、使えないなりに武芸を磨いた。 逆境に放り込まれれば死に物狂いで努力するもの。 そして、当然のように還りたいという強い意志が、 生還を実現するための最強の要因ではなかったか。 安倍晴信に惑わされ試されながら、静御前の真意にも迫る。 著者渾身の創造力には感嘆の脱帽である。 そして、表向きの「玉」が輝くためか、旧い時代を好む 安澄なりの勇気が高校生に成り代わり、 800年も前の時代を、つい昨日のごとく活き活きと、 まるで、見てきたように書く筆致は秀でており、 長編でも冗漫にならず一気に読ませてくれる。 現代人の言葉が、あの頃の人々に通用する訳もないといっては 身も蓋もないので、そこは努力をしたと目をつむろう。 何よりも源義経をはじめ、登場する武人達が、 無意識のうちにイケメンかつ健康的に描かれているし、 静御前の立ち位置や解釈が「調」主導らしく独創的に思えた。 そして、何よりも壮大な浪漫には恐れ入る。 その後の三人のありようは、想像の範囲であり、 再び集結したからには、これからまだ物語が始まりそうな予感すらある。 夕鷹が、義経の子孫だったのではという 落としどころもあったのではないかなどと思いを馳せるのは、贅沢だろうか。 また、三人目の高校生である遠矢が恋をしたものの、 病に冒され亡くなった姫には、魂は生まれ変わると言わせている。 何度も生まれ変わるのは事実だ。しかし、意識はなくなっているので、 それこそ執念で八百年後にたどりついても、 別意識のため、「待っていてください」と宣言しようと、気づくことはないが、 このあたりは、続編では回収してほしかったのが本音だ。 しかし、歴史は本当に書き換えられなかったのだろうか。 とはいっても、なんとも寛容なあの時代の人達の描かれ方は、 後世の者としては、少しはホッとする。 義経の誠の出自や顔立ちとか、静御前は迷惑だけど、偉かったとか。 最後にスマホの小道具としての扱われ方は、 想定内ながら微笑ましいことだったし、 日本史の授業も、真面目に受けていれば、 役立つこともあると、妙に納得する。ありがとう☆ |
■2016年12月13日(火)畑巳 |
名梁和泉○マガイの子は二階の王を軽く凌いだ |
○第22回日本ホラー小説大賞(15-0420/陽寅)で、 「二 階 の 王」で優秀賞を受賞し、 同年10月31日(鉄辰)に単行本デビューした 名梁和泉(70-0726/灯未)の『マ ガ イ の 子』が、 09月28日(雨丑)のDNA「車」の天剋地冲日に上梓された。 前作は神話を思わせる異形描写や、「世界の命運を握る存在」という大技に、 それらと何故か共存する「ひきこもり」という テーマをからめた意欲作だったが、 最後に軽く「ホラー」を味わえる大逆転をやってくれたものの、 立川も西東京も、この世の物とは思えない汚れようには、 戦慄というよりは、どこか笑いに通じてしまった部分もあったが、 今作は、文句なしの戦慄の書で、舞台も埼玉なり群馬なりの、 一見想像がつかない場所だけに、かえって臨場感は感じられた。 「マガイの子」とは紛い物に通じ、事件などで一端命を落とした者が、 生還するのだが、都会から離れた場所で、これが起きると、魔物扱いになる。 東京で美大生をしている女性は、 八年前に「お山」で従兄が惨殺された事件の記憶がない。 セクハラ教授とのトラブルで訪れた変なスクールカウンセラーと話すうち、 夢に見る「マガイ」のことをつい喋ってしまう。 高校生の弟がまだ住んでいる地元では、「お山」の磨崖仏を調べているという 謎の研究者が暗躍しはじめていて、子殺しという裏話まで伏線としてはられ、 なにやらきな臭いムードが漂う。 姉弟愛がしみる異形モダンホラーというフレコミだが、 敵だか味方なのか、あるいは興味本位なのか、 なんだか怪しげな人物が、例によって多数登場するが、 いつまでも無視できずに、真実の蓋を明けようとしたら、 でましたよ恐いのが(笑)。 僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 山に棲む「紛(まがい)」という魔性の獣が 里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる。 「紛」の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、 里に災いをもたらす。現代社会では迷信扱いされる民話だが、 その土地の人たちは今でも、心のどこかで信じている。 なぜなら、そこに「マガイの子」がいるからだ。 「マガイ」のおぞましい真実とは? 作者独自の宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎と恐怖。 ホラーなのに、愛を感じながら、逃げる。闘う。 そして新世界の夜明けを感じる。最後には、愛しか見えない。 東京都西東京市出身、在住。明治大学法学部法律学科を卒業。 現在、会社員ということ程度しかわからない名梁は、 DNA「鳳」主導で、趣味人ながら、どこか憎めない悪ふざけが好き。 「鳳+調」は、やたら神経質に見えるが、 ひとまずは、柔軟性あるオブラートに包みながら、伏線を張る。 「鳳+鳳」は、飾り気のない粘り強さで持続力あり。 「鳳+司」は、忍耐力があり、想定する敵と丹念に渡り合う。 「鳳+車」は、大衆的な闘争本能で、おそらくは本職は営業マンか。 存外、金勘定がうまく、それなりの数字を残すことが可能。 才能は、この「車」で、短気は間違いないし、社会への怒りという警鐘と憤怒。 そして、孤軍奮闘の危険大好きなはずであろう。 「灯+鳳+未月」は、口が達者で扱いづらい、奇抜な工夫が得手であろう。 「戌」年生まれ「灯未」は、王道ホラーばかりかミステリーも紡ぐ。 伴星は、落ち着きなく、常に変化を求める。 導星は、なしくずし。 洩星は、マイペースで無に帰すであるが、 まだ、始まったばかりである。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の小川にかかる鉄橋を照らす、消し忘れた照明。 好意的に解釈すれば、場所は高原で霧がかかってきたので、 列車の安全運行を確保するために、やむなく点灯した装置。 総エネルギー283点の身強の人工の火性だが、 調節するためには「海」が必要でも、宿命になく野人扱い。 水性が僅か18点が、先ほどの霧の根拠だが、 金性54点に対し、火性は104点もあるので、燃える鉄橋のようで熱血。 創造力の木性34点も心許なく、ある意味ワンパターンだが、 これは、お約束の部類。 表現力の土性は73点と火性の次位で、これがとてつもない工夫で、 金性54点はそこそこ息の長い作家としての商売も可能だ。 年干支の「鉄戌」は、守備本能に特化した、戦車もどきで、 どこか野暮ったくあるも、結構ずうずうしく、 件のカウンセラーも、土足でぐいぐいやってくるわけだ。 月干支の「雨未」は、純粋で打算は少なく穏やかだが、好色。 なので、さらりとくすんだ色合いの中にも、光輝くものあり。 そして日干支の「灯未」は、見た目クールも内側が熱い。 じわじわくすぶるようであり、なかなか話が終わらない(笑)。 辛辣な物言いは、時に棘にもなるが、 そこにはストレートに真実を伝えたい思いがあるのだろう。 干支番号構成は、47-20-44で北方・南方・西方で、東方欠け。 鋭角的で、得意分野はお手の物だが、やや時代整合性には欠けるか。 後天運は、初旬「4歳木申」は、DNA「玉」の郷土愛。 ありえない母親や田舎の祖母や、年上女性の影響。 2旬「14歳草酉」は、DNA「龍」で放浪と新たな創造力に頼る。 「中学生の時、文芸部に所属していたので、書くことに興味はあったんです。 でも遊んでばかりで、ほとんど作品は書きませんでした」は納得する。 3旬「24歳陽戌」は、DNA「石」の和合性に政治力で世間一般の交流術。 4旬「34歳灯亥」は、DNA「貫」の大半会10年運で、 「社会人として仕事をしていく中で、ぽつぽつと文章を書くようになりました。 誰に見せるつもりもない文章が、 少しずつ小説の形になっていったという感じです。」となり、 09年(畑丑)のDNA「鳳」の主導DNA対冲年に応募した作品が 一次選考を通過したことに気を良くして、その後も投稿を続けてきたもの。 現在の5旬「44歳山子」はDNA「調」の独創性の害ながら、 まだ始まったばかりの、15年(草未)のDNA「龍」の 改良改革年に受賞できたもの。 夏生まれの灯火が「草」年で、花火のように光輝いたと判断するが、 後半は失速するのか、精神的体調不良で思いどおりにならないか、 いずれにしろスランプは避けられない模様。 6旬「54歳畑丑」は、主導DNA「鳳」の対冲で、自己確立と復活。 腹をくくれば、恐いものなどなし。 7旬「64歳鉄寅」は、DNA「司」の10年運天冲殺で、 年干支「鉄戌」の大半会もあり、評価が濃厚になるのは、このあたりからで、 さすがに二足のわらじではないだろう。 8旬「74歳宝卯」は、月支も日支も半会の DNA「禄」の晩年の10年運天冲殺で、晩年でも精力的な活動があり、 成功という二文字を確信するなら、 そこには感謝と奉仕に社会貢献もするに違いない。 名梁は配偶者成分の「海」がなく、結婚が遅かったのか、 あるいはその意識がなかったのか、 結婚が早くても、相手を間違えたのか、子供を授かったのが遅く、 日本ホラー小説大賞受賞と同時に、 妻から「赤ちゃんができた」と知らされてと 二重の喜びがあったろうが、 そこらもふくめて、(女児ならば)10年運害が子にでる場合がある。 また、名梁は本業もあるためだろうが、 時間がとられるSNSなどを行っている模様はなく、 これ以上の判断材料がないが、この生年月日は08年(山子)の害年に、 地方競馬から中央競馬に移籍した内田博幸騎手と同一。 内田は移籍後はパッとしないが、害年移籍ばかりか、 07年(灯亥)の大半会年に、年下の子丑天冲殺で フリーアナの鈴木文子(80-0817/海戌)と共通干はあり干合するとはいえ、 結婚するという無謀なことをしたため。 名梁が、そうだとは断定できないが(配偶者は美大卒ではないかと推測)、 大風呂敷なのは、同一生年月日なので、似ているのではないか。 もちろん、精神領域の作家という立場もある名梁のほうが、 同じ「車」を才能として活かすには危険ではないが、 根っこにあるのは闘争心であることは間違いないようだ。 そして、生還と世界浄化。 やっぱり立派な大洞吹きなので、この男の話は恐怖だ☆ |
■2016年12月20日(火)陽子 |
市川憂人○ジェリーフィッシュは凍らないは永遠に非ず |
○15年(草未)10月31日(鉄辰)に締め切られた 第26回鮎川哲也賞(16-0330/宝亥)に選ばれた 市川憂人(76-0405/灯亥)の『ジェリーフィッシュは凍らない』が、 10月14日(畑巳)のDNA「鳳」の対冲日に上梓され、 10月28日(雨未)のDNA「車」の天冲殺半会日には、表彰式が行われた。 (週刊文春ミステリーベスト10 2016年の5位) 同作を紹介しよう。時は83年(雨亥)。世間が陰の時代に入ったばかりの 02月07日(陽寅)に、その事件は起こった。 特殊技術で開発された、小型飛行船「ジェリーフィッシュ」。 その発明者であるファイファー教授を中心とした技術開発メンバー6人は、 次世代型ステルス・ジェリーフィッシュの長期航空試験に臨んでいた。 ところがフライト中に、密室状態の艇内で メンバーの一人が死体となって発見される。 さらに、自動航行プログラムが暴走し、 彼らは試験機ごと雪山に閉じ込められてしまう。 脱出する術もない中、次々と犠牲者がでて、そして誰もいなくなった。 選考委員絶賛。精緻な筆致で描く本格ミステリの犯人は、 読み手でさえ予見できただろうか。 さすがにある部分まで読み進めると薄々と犯人には気づくのだが、 だったら、どうやってそれを実行したのか。 読み手を、見事に騙しきった市川の精巧なまでの仕掛けもさながら、 動機や実行に至る経緯などは、末恐ろしいものを感じる。 舞台は30年以上も前で、しかもSFなのに、 旧さを全く感じさせないのは、凍りつくような話だからかな(笑)。 神奈川県出身で、東京大学理学部化学科あたりを卒業して、 茨城県つくば市にある、宿直が結構ある会社に勤務し、 (千葉に転勤になった可能性もあり) 年に数回、複数の姪っ娘がいる実家へ帰省し、 かなりの頻度で文学フリマやコミケに出店している 独身者と思われる市川は、DNA「龍」主導で、 庶民的かつ異国に傾倒する創造力の持ち主で、 物事をストレートにとらえず、裏読み深読みをする。 重要なのは、恵まれることを快しとせず、 不遇が生きて行くための原動力になるのだが、 落ち着きもいまひとつなので、出張も多い。 「龍+龍」は、やり始めると止まらない、ブレーキが壊れた状態。 ならば殺人鬼にもなりきれるか。 そして「龍」×2だから、舞台は米国と思わしきところで、 「玉」もあるから、邦人の刑事も登場する。 「龍+玉」は、周囲と歩調がとれず、孤独であっても疑われず。 だから発言も本音も言えず、本音も伝わらず。 周囲には、本心ではないことが、本音ととらえられてしまう。 私的面では静かに趣味に没頭ということか。 「龍+石」は、文章の技術には優れ、金銭感覚を無視して大願成就。 「龍+牽」は、巧みな細工で物語を高級志向にする。 才能は、東大も出ていることだし権威ととらえ「牽」に。 これは、出世ばかりか名誉ある賞を受賞することであろう。 「灯+龍+辰月」は、陰湿ながら静かな明るさも所有する。 「辰」年生まれ「灯亥」は、一発屋で勝負師。 だから、リハーサルなしの殺人事件も、ひとまず成功。 恐いのは、この後が続かぬことか。 伴星は、つかみどころなき人生。 洩星は、目上の引き立て。 導星は、誰かと共同責任。時に、濡れ衣もあり。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の異形の灯台。 クドい陽光が既に海面に反射しており、 真っ向勝負は分が悪いので、こそこそと何かをする。 月干「海」に干合されると日干支は「草亥」になるので、 雑草のような頑丈さの中にも、どこか危うさあり。 総エネルギー241点はまずまずで、木性69点は、頭の良い人。 だから架空世界の発明品なんていうものを使った 大それた作品をでっち上げた。何しろ自身の火性40点を、 はるかに上回る燃料があるのだから、とてつもない代物だが、 残念なのは、守護神金性がまったくないため、その知恵を使い切れず、 特に現実生活に役立てぬので、せいぜい小説を書いてウサを晴らす。 原則、優しくなく冷酷で、あるとすれば屈折した情。 だからだろう。密室で大量殺人なんていうことを、 小説の世界とはいえ考えてしまったし、よりによっての犯人だもの。 感謝も奉仕もなく、どちらかと言えばお金の使いかたを知らないので、 生産性がなく精神性も薄い趣味などに使いがち。 家庭的な面もないので、結婚にも口ほどには興味なし。 とはいえ、年上命の午未天冲殺なのだから、 そろそろなんとかしたいところかもしれない。 年干支の「陽辰」は、一見気安いところがあるが、内面はえらく辛辣。 月干支の「海辰」は、冷静沈着で頭の回転は速いが、薄情。 「辰」×2だから、トリックも「2」だった。 そして日干支の「灯亥」は、念の入った感性で、 ふとした言葉の端々に強烈な恐怖をのせて発する。 干支番号構成は、53-29-24で、 北方を軸として南方に張り出すが、領域は広くはない。 後天運は、初旬「10歳雨巳」がDNA「車」の天剋地冲で、 自身が危険にさらされるなど、自己犠牲が後天的な成功をもたらす。 10代での何らかな大逆転が、 個人生活を犠牲にして、伸びて行くことになった。 2旬「20歳木午」は、DNA「玉」の10年運天冲殺。 伝統的な学び舎なので、おそらくは流れに乗って、 ひとつのテーマを掘り下げるような研究にくらいついていったのだろう。 3旬「30歳草未」は、DNA「龍」の半会付の10年運天冲殺。 見習い期間も終わり、大きなテーマを任され、そして成果ももたらす。 ここの最後で、受賞作を仕上げたことになる。 今年(16年/陽申)の害年から始まる4旬「40歳陽申」は、 年干支「陽辰」の大半会で、仕事運は大いに開け、 月支「辰」の半会もあるので、自信に満ちあふれているが、 日支「亥」に対しては害、それもDNA「石」の屈辱であり妥協なので、 労多くして功少なし。場合によっては空振りで何もなし。 体調も芳しくなくなり、踏んだり蹴ったり。 5旬「50歳灯酉」は、DNA「貫」の守り。 月干「海」が干合で「木」になるので、目的が変更され落ち着きがでるが、 役割全般に、さしたる重みがなくなる。 6旬「60歳山戌」はDNA「調」の異端。 年支「辰」の対冲に、月干支「海辰」の天剋地冲があるので、 組織には残りたくても残れぬが、 変剋律も始まるので、孤独と闘いながら才能を伸ばす。 7旬「70歳畑亥」は、DNA「鳳」の半会で、豊かな発信。 変剋律は、悩みはつきねど、ほとんど趣味に生きる。 8旬「80歳鉄子」は、DNA「司」。 ありえない金銭物質運の変剋律は、蓄えを勝負し厳しい老後。 さて、作中で殺人事件とは別に犠牲になった 女子学生のレベッカ・フォーダム(50-1116/草卯)は、 月干支が「灯亥」のため、作者と共通干支がある 守護神的方向の半会にあたる目上剋しの子丑天冲殺。 どこか鈍い「草卯」ばかりか、「石」主導なので、 ここまで画期的な研究を残せたかは疑問ながら、 不幸にも殺されたのは(70-0717/山戌)で、DNA「禄」の支合。 10年運は「13歳草酉」の納音で、自身の意志とは別に現実が破壊される。 70年(鉄戌)は、DNA「牽」の干合支合で、男がらみの醜聞。 07月(雨未)は、忌み神DNA「龍」の別離のため、 優柔不断で隙ありだったので、不運にあったのかも知れない。 なお、存命ならば「63歳鉄辰」はDNA「牽」の干合支害。 まさに、その気になったら不名誉である。 また、繰り返すが市川がこの作品を書いたのは、 昨年(15年/草未)のDNA「龍」の主導DNA天冲殺半会年。 条件なし天冲殺の夢の中で、素晴らしきトリックを完成させたことになる。 選考委員にも、よほど秀逸に映ったのか、受賞は、天冲殺明けのご褒美。 とはいえ、そこは年干支「陽辰」の大半会があり、 表向きは世界が大きく拡がるも、結果は忌み神害年。 つまり、作家デビューは害年になるため、 輝かしい鮎川哲也賞受賞作ながら、そこまで売れていない。 このあたりが、一発屋たる由縁か。 となると、市川は仕事に生きるしかないかなあ。 それとも仕事でくすぶって、創作に逃げるのか。 でも、間違っても作家一本では生きていけないからね。 そこが10年運害の残念な10年。むろん、結婚も諦めるしかない。 何か良いことがあっても、長続きせず。試されているなあ。自然界に☆ |
■2016年12月24日(土)鉄辰 |
瀬名秀明○この青い空で君をつつもうの耐えられぬ暗部 |
○95年(草亥)のDNA「玉」年の、東北大学大学院在学中に、 「パラサイト・イヴ」で、 第2回日本ホラー小説大賞を受賞し作家デビュー。 SF、ホラー、ファンタジー、ミステリーと何でもござれの 多彩な作品群を持ち、第16代日本SF作家クラブ会長にして、 薬剤師の免許を取得し、ロボット関係の著述活動に力を入れている 瀬名秀明(68-0117/陽戌)の『この青い空で君をつつもう』が、 10月23日(山寅)のDNA「鳳」の半会日に上梓された。 同作は、作者の故郷と思われる静岡県が舞台と思われ、 ある街で60年近く店を構える和紙店の一人娘の早季子がヒロイン。 かつては彼女の祖父により、折り紙教室が開かれていた店だが、 今では祖父も父親もなくなり、母親が一人で切り盛りしている。 高校では美術部に所属している早季子の周辺では、不思議な出来事が起きる。 あるクリスマスの朝、自分宛に届いた差出人不明の一枚の葉書が、 突如折り紙のように、生き物の形に折られていた。 早季子は不可思議な状況に驚きながらも、 折り紙が好きだったある男子のことが頭を過ぎる。 彼女子が小学生だった頃、祖父の折り紙教室に通っていた同い年の少年。 高校一年生の時に再会した彼。密かに、恋心を抱いていた望月和志だ。 しかし、和志から葉書が届くことはあり得なかった。 なぜなら彼は、もうこの世にいないのだから・・・。 謎の葉書の差出人を探しながら、早季子はつらいこと、嬉しいことを重ねて、 学校行事に、部活動。友人関係と充実した高校生活を送るが、 様々な出来事が起こる中、彼女は目を背けていた和志との思い出と向き合い、 さよならさえ言えなかった彼の死について考えるようになる。 和志は早季子にある言葉を伝えようとしていた。 想い出さえも、残せなかったあの日に、 二人は未来を見ることが出来たのだろうか。 親友との確執に和解、そして思いがけない事実と、戦慄のような人物の出現。 そしてラスト、葉書の謎が解ける時、彼の死を受け入れられなかった早季子が、 未来への一歩を踏み出すという成長物語なのだが、 高度な折り紙は視覚的に想像しづらく、さすがに、挿絵が欲しかったのと、 どうしても薄倖な一家の死というテーマを扱っているため、 丁寧すぎるほどの青春描写が、どうしても重く感じさせてしまう難点があり。 静岡県静岡市出身で、静岡県立静岡高等学校を卒業し、 東北大学薬学部を卒業。宮城大学看護学部常勤講師を経て、 東北大学工学研究科機械系の特任教授などを経験してきた瀬名は、 DNA「司」主導で、妙に冷静で生真面目。 才能は主導する「司」で、積み重ねなのだが、 冬生まれで冷徹な面があるためか、 他者と衝突しやすく、勢い己の世界の構築に余念なし。 「司+玉」は、企画力計画力創造力など備わるが、 すべて有形の生きていくための知恵として使用される。 「司+石」は、日常生活は質素で潤いなく妥協的産物。 気持ちは友人を大切にしたいが、なかなか思いどおりにならず。 「司+牽」は、保身術優秀で評論家的視点あり。 「陽+司+丑月」は、いつまでも大人になりきれず、 若い人の気持ちに共鳴したい希望あり。 「未」年生まれ「陽戌」は、王道を行くべき人。 洩星は「司」で努力の積み重ね。 導星は「石」で共同作業が理想。 そして、伴星は「玉」で生涯勉強である。 宿命の特長は、晩冬午前二時頃の陽光で、 仕事の場に「灯」の友人知人の意向あり。 土砂降りの「雨」に堪え忍びながら、日の出を待つ状態。 「雨」は忌み神でも、風景の中にあり。これはDNA「牽」の権威。 だからこそ、作家以外の何らかの立場が必要で、 デビューも日本ホラー小説大賞の受賞だった。 総エネルギー256点は立派で、 すぐにでも朝日となれるほどの火性82点は立派でも、 その後詰めとなる守護神木性19点は心許なく、 そのありかも冲殺年支「未」の中の「草」のみで、 これはDNA「玉」の静かで旧きものを妙に愛する傾向となり、 学生時代であったり、折り紙や和紙の登場は、本人にとっては自然なもの。 また、生まれ故郷の静岡の地を登場させるのも 成功するか否かは別に、この人らしいのだ。 生年冲殺は、親や組織などの犠牲だが、 作家という肩書きがあるため、善し悪し両面あり。 また年支「未」月支「丑」日支「戌」の四土格で、 「辰」があれば、入格となり、地支が危うくなるものの、 日頃から出歩けば事件が少なくない、色々ありすぎる人。 私生活は不明も波乱ありと見て取れる。 年干支の「灯未」は、くすぶりやすいが熱い。 何らかの「徳」を積む人生も、辛辣すぎて時に失敗もする。 月干支の「雨丑」は、粘り気。冷めた印象で孤独。 そして日干支の「陽戌」は、親または先祖の結婚に何らかの事件。 学びの姿勢を貫くと精神的に異常をきたしやすく、 本来は商売などの現実世界での成功が望ましい。 干支番号構成は、44-50-23で、西方と北方と南方を結ぶ 比較的狭い範囲の三角地帯で鋭角で、東方欠けは少々残念。 後天運は、初旬「4歳海子」はDNA「車」のいわゆる子供らしい少年期も、 年干支「灯未」の干合支害があり、親の職場なり仕事が不安定。 あるいは、色々替わり、本人もなかなか前進が叶わぬ部分あり。 2旬「14歳宝亥」は、年支「未」の半会を伴う干合で、 主導DNA「司」の自己確立で、自分を知り未来を思い描く。 ここで東北大学に進む。 3旬「24歳鉄戌」は、DNA「禄」の引力本能強化の「戌」重なりで、 おそらくは94年(木戌)のDNA「龍」の脆弱な木性強化の さらに「戌」重なりで執筆した作品で95年(草亥)にデビュー。 00年(鉄辰)の四土格入格の天剋地冲年には宮城大学を退職。 4旬「34歳畑酉」は、DNA「調」の反骨心の害の中の、 06年(陽戌)の律音年には、東北大学工学研究科機械系の 特任教授(SF機械工学企画担当)に就任するも、09年(畑丑)には退職。 11年(宝卯)の60年に一度の干合支合年には、16代日本SF作家クラブ会長就任。 現在の5旬「44歳山申」は、DNA「鳳」の豊かな感性。 夢・目的など方向性の変化があれば、月干「雨」が干合で「灯」になるため、 年干「灯」と日干「陽」の並びの火性の天干一気が成立し、 害中に就任した、SF作家クラブ会長を辞任し同会も退会したのは、 DNA「牽」の才能強化年の13年(雨巳)であり、現在に至る。 この後は6旬「54歳灯未」が、初旬条件のない晩年の10年運天冲殺も、 DNA「石」は、仲間にかつがれるなりして、政治的活動をしたり、 仲間のために、何かの組織のために、一肌脱ぐようであれば急上昇。 7旬「64歳陽午」は同様にDNA「貫」の大半会10年運天冲殺。 それまでの集大成のような活動をして、 世のため人のために生きられるような大成功。 もちろん、この20年に蓄財だけで社会奉仕が出来ぬようなら、 この20年を抜けられる保証はない。 8旬「74歳草巳」は、DNA「玉」の守護神強化。 故郷に何かを出来るかもしれないし、 大昔にやり残した仕事を完成させるかもしれないが、 とうに盛りは過ぎており、多くを期待してはいけないだろう。 さて、祖父は旅行先の風呂場で寝てしまい突然他界し、 父親は交通事故でなくなったなんていう普通ではない設定の主人公は、 まるで日座冲殺(どちらかというと草亥)みたいで、 全身の気管や臓器が再生出来なくなると言う 奇病で病死した同級生とは、今生の別れすらなし。 それを良かれとしない作者は、自分の卒業した高校をモデルにして、 和紙店にそこまで興味がなく、美術部でステンドグラスを作成させながら、 文化祭での回想や死んでいった男子に 「たとえ死んでいったとしても、人は未来をつくることができる」 なんて言わせているが、 折り紙を科学的に進化させたような仕掛けは恐れ入るが、 まるで亡くなった人間が甦るみたいな 「未来で待っています」という科白は、恋人でもない、夫婦でもない、 単に淡い恋の相手としては重すぎて敵わん。 若い女性の未来が、何でこんな束縛を受けねばならんのだ。 しかも、学校をあげて奇天烈な仕掛けに協力するなんて、 そこまで彼女は、亡くなった男子に呪縛されるような理由は見当たらないぞ。 そして紆余曲折があって、彼女の入学先が東北大学工学部って、なんだかなあ。 瀬名の原体験でもあったのだろうか。 でも、ここまで暗すぎるのは、13年(雨巳)から始まった 陽の時代にはそぐわない。 科学の進歩により、大変な病でなくなるような人もなくなるだろうし、 そういう未来のために、そういう未来を理解するために、 思いだすのは結構だが、それが本物の未来だろうか。 彼女は生涯、その約束を果たすために生きていくのだろうか。 でもね。大変な病気になるような子を産むような 結婚をしなければいいんだよ。自然界に抗して、無理をして。 そう、夢や毒の中で試された時に、うっかりその気にさせられなければいい。 ありえない話のヒロインになるなんて、たいていそんな時。 ちなみに物語の舞台の干支は「申」。 日座冲殺は、どう転んでも試される時だ。 人の不幸は蜜の味ではなく、不幸にならぬよう、若気の至りや、 社会に出る前に人生のパートナーを決めぬことなのだよ。 失敗は成功の元ではなく、出来れば失敗はしないのが正解なのだから☆ |
■2016年12月27日(火)雨未 |
葉真中顕○コクーンの目を背けたくなる連鎖 |
○09年(畑丑)より、罪山罰太郎名義で、 はてなダイアリーでブログ「俺の邪悪なメモ」を運営。 同名義ではライターとしても活動し、 マイナビニュース、ガジェット通信、 「WJC(ワールドジョイントクラブ)などに寄稿。 10年(鉄寅)の自主制作コミック「黒の女王」のシナリオを担当。 11年(宝卯)のDNA「玉」の条件あり天冲殺方三位年には、 「TENGA論〜マスターベーションを開放した男たち〜」を共同執筆。 はまなかあき名義では、09年に「ライバル」で 第1回角川学芸児童文学賞優秀賞を受賞。 10年(鉄寅)に同作で児童文学作家としてデビュー。 11年(宝卯)から「週刊少年サンデー」で 「犬部! ボクらのしっぽ戦記」でシナリオ協力。 葉真中顕名義では、13年(雨巳)、 老人介護を扱った犯罪小説「ロスト・ケア」で 第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。 同作は「ミステリが読みたい!」で第5位(新人第1位)、 「このミステリーがすごい!」で第10位、 「週刊文春ミステリーベスト10」で第14位と高く評価された 葉真中顕(76-0301/海子)の最新作『コ ク ー ン』が、 10月20日(草亥)のDNA「調」日に上梓された。 同作は、いわゆる地下鉄サリン事件(95-0320/鉄戌)をはじめとした オウム真理教の一連の事件にヒントを得た、 無差別テロ事件によって人生を狂わされた人々の、以前と以後の物語。 得も言われぬ暗雲たちこめた深い海の底のような話で、 第二次世界大戦から現代までの様々なエピソードが、 ひとつの漏れもなく回収されている計算尽くの複雑怪奇な織物もどき。 それを作者は「コクーン」と命名しているのだが、 この得体のしれないものは、羽化した時にどんな姿を、 私たちの前にさらすのだろうか。 新たな不条理の連鎖。狂気が創造した悪の世界に挑むのは何故か。 物語は、1995年03月20日(鉄戌)、カルト教団「シンラ」の信者たちが 丸の内で無差別乱射事件を起こす。 その宗教は、1958年ひとりの女が呪われた子を産む決意をした日に始った。 たとえ今、生きる意味が見出せないとしても、もしかしたらこの子は、 私に生きる意味を与えてくれるかもしれないと―。 そして、偶然彼女の死の間際にいる看護助手は、 その乱射事件で息子を殺害され離婚し堕ちていった女性。 多くの登場人物が、深い部分で交差しながら、 犯罪の素になるものを、紡いでゆく。 もし、あの時違う道を選んだなら、別の人生もあったろう。 犯罪者にも一般市民にも、そして被害者にもなりうる可能性は 誰しも所有していると言う後味の悪さが幾重にも練り込まれた話だが、 巧みな筆致とストーリー展開に誘われ一気に読んでしまうが、 元気がでるわけでも、何かの役に立つ訳でもない。 東京都八王子市出身在住で、東京学芸大学教育学部を6年も在籍して中退。 大学は真面目に行かず、テレビ番組の制作会社で働いて、 ADやリサーチャーをやったり、漫画原作に手を染め暮らしていた葉真中は、 「鳳」冲殺主導で、一風変わった表現者として、 高次元な遊びをするが、一歩間違えると、 深いノイローゼの底に落ち込みやすい。 才能は、一応この「鳳」になり、趣味人として素質。 とはいえ発揮しすぎると短命になりかねない。 将棋が趣味というのは、この時代に王道ではないので、それなり。 「鳳冲+車」は、大衆には迎合しない妙な金銭感覚。 「鳳冲+石」は、無意識に仲間に引き込み、政治的動きをする。 「鳳冲+禄」は、口先扇動者。 「鳳冲+龍」は、葛藤を売り物にする。 「海+鳳冲+寅月」は、動物的勘のような閃きあり。 「辰」年生まれ「海子」は、揉め事に強い。 伴星は、生涯学習。洩星も導星も全て。すなわちめまぐるしく変わる。 宿命の特長は、初春午前四時頃の「海」。 既に陽光が高々と上がっているので、きらきら輝くのだが、 中心に空洞があるため、渦巻いており、とても魚が棲んだり、 船が航行できるとは思えない、落ち着かない海域だ。 総エネルギー218点はまずまずで、自身の水性は69点だから、 まずまずの水量だが、水を生じる金性は、僅か9点しかなく心許ない。 しかも月干にあるので、冲殺されているため、不安定なので、 よほど取材を綿密にしたり、資料を提供されるようでないと、 創造力のDNA「龍/玉」は冲殺されているから、使い勝手が悪い。 だからだろう。 才能は主導する表現力なので、中退してTVの業界にいたのだろう。 年干支の「陽辰」は、表面の柔らかさに騙されると中身は辛辣。 月干支の「鉄寅」は、善人にも悪人にもなれる素質。 そして日干支の「海子」は、知恵者の象徴だが、 怒るとねちねちと仕返しをしたりもするが、 かえって運を落とし、復調するのに時間を有する。 お人好しで頼まれごとは断り切れずに引き受けるが、家族運のあまりない人。 干支番号構成は、53-27-49で、北方と南方を結ぶ比較的狭い領域だ。 後天運は、初旬「1歳宝卯」が、DNA「玉」の10年運天冲殺。 僅かしかない金性が補完されるばかりか、 年支「辰」と月支「寅」を結ぶ春の方三位の賑わいもあり、 これが生月冲殺なのに、八王子から出て行けない理由にもなった。 2旬「11歳海辰」は、DNA「貫」の大半会で自信過剰。 3旬「21歳雨巳」は、DNA「石」で薄まる。 これが初志貫徹が出来ずに、緩くなった理由。 現在の4旬「31歳木午」は、DNA「鳳」の主導DNAで自己確立。 対冲もあるので、こだわりを捨ててデビューに漕ぎ着ける。 来年(17年/灯酉)の干合年から始まる5旬「41歳草未」は、DNA「調」の害。 下半身系の体調不良も充分考えられるが、作品以外のSNSなどの発信で 物議を醸すことになり、トラブル必至。 政治的発言は控えるべきだろうし、作家は作品で勝負すべきではないか。 作家でなくとも、生月冲殺は気を抜きやすいので、 個人的な発信は絶対に避けるべきであろう。 6旬「51歳陽申」は、年支「辰」と日支「子」がからむ三合会局と、 月干支「鉄寅」の天剋地冲があるため、 DNA「禄」の守護神でもあり前旬を翻す復調。 とはいえ、これには多大なる感謝がないと、 一過性に終わる可能性もあるので、充分注意したい。 7旬「61歳灯酉」は、DNA「司」の守護神干合10年運。 さすがに晩年を迎えて、地道になるのか、 単に自分のことだけなのかで、人間としての次元も変わる。 8旬「71歳山戌」は、DNA「車」で危険。 元気がありあまっている状態だが、暴走老人の恐れもある(笑)。 さて、葉真中は、いつ出会ったかは不明な腐女子の女性と、 こともあろうに03年(雨未)の害年に結婚している。 それでは、内側世界が暗くなるだろうし、文体も緻密だが明るくはない。 また子供はないようなのも、「海子」の三業干支らしさと毒の影響であろう。 暗いのは、陽光が照っていようと、まだ午前四時だからということもあるが、 13年(雨巳)には、我が国の暗黒の30年間は終わりを告げ、 明るい前進力のある姿を見せている。 そういった状況を踏まえると、 葉真中の提言は風化させるべきではないかもしれぬが、 こんな暗い時代のことを思いださせられるのは、当事者でなくても辛い。 楽しくはないが、評価は出来るものだが、 葉真中の性善説はあくまでも、彼の仕事関係上だけであって、 切り取る風景は、性悪説なのかもしれない。 ちなみに、この生年月日は沖縄出身のスリムクラブの真栄田賢と同一。 また10年運の巡りは男女の違いはあるが、 小島聖と同じであることをつけくわえておきたい☆ |
移 動 祝 祭 日● 2 0 1 6 年// 陽 申 |
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