★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 2 2 年(海寅)○02月 海寅 // 移 動 祝 祭 日 |
■02月分一覧 (2022年○目次) |
富安陽子○博物館の少女 怪異研究事始めとありえない蔵の中(2022_0201) |
諸田玲子○尼子姫十勇士と出雲の神への羨望(2022_0204) |
北里紗月○アスクレピオスの断罪の無限の連鎖(2022_0207) |
呉勝浩○雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボールに野人の焦り(2022_0211) |
佐々木譲○偽装同盟におけるロシアとソ連の夜明け前と真の姿(2022_0213) |
愛川晶○教え子殺し 倉西美波最後の事件の裏のまた裏(2022_0216) |
平山夢明○八月のくずに鬼畜系たる真髄をみる(2022_0219) |
江國香織○ひとりでカラカサさしてゆくの不穏な日々(2022_0221) |
よしながふみ 大奥が第42回日本SF大賞を受賞の快挙○2022_0223 |
川内倫子○そんなふうに隠された残念(2022_0227) |
■2022年02月01日(火)草酉 |
富安陽子○博物館の少女 怪異研究事始めとありえない蔵の中 |
○77年(灯巳)のDNA「玉」の守護神年の 高校卒業時の自費出版「童話集」の後の本格的デビュー作品は、 DNA「龍」の守護神年の86年(陽辰)「やまんば山のモッコたち」。 ありえない金性年の91年(宝未)には、「クヌギ林のザワザワ荘」で、 第24回日本児童文学者協会新人賞(91-0419/畑未)に、 第40回小学館文学賞(91-1005/山申)を受賞、 97年(灯丑)のDNA「玉」の守護神年には 「小さなスズナ姫」シリーズで新美南吉児童文学賞、 ありえない金性の01年(宝巳)には「空へつづく神話」で、 第48回産経児童出版文化賞を受賞。 「やまんば山のモッコたち」はIBBYオナーリスト2002文学作品に選出。 11年(宝卯)のありえない金性の害年には、 「盆まねき」で第49回野間児童文芸賞、 12年(海辰)のDNA「禄」の刑年には、 第59回産経児童出版文化賞フジテレビ賞(12-0505/陽寅)を受賞。 ありえない金性年だった21年(宝丑)には「さくらの谷」で 第52回講談社絵本賞(21-0419/灯酉)を受賞している 富安陽子(59-0215/山辰)が、 『博物館の少女 怪異研究事始め』を 昨年の12月06日(灯亥)の守護神天冲殺日に、上梓した。 明治16年(1883年/海午)、運命に導かれ文明開化の東京にやってきた、 大阪の四天王寺の下寺町の通人の客好みから懐具合までわかる目利きの 古物商「花宝堂」の娘・花岡イカル(斑鳩に由来する名前)は、 父親自慢の修行中の看板娘だったが、 母親が後妻だったため、13歳の時に父親がなくなると、 腹違いの兄が店を継いだため、母と追われるように店を出ると、 母親も一年たらずで、あっけなくなくなり、 遠縁の東京の祖父母ほどの老夫婦の大澤の家に預けられることになり、 神戸港から船に乗り、東京の上野広小路へやってきた。 親戚で歳の近い絵師・川鍋トヨ(狩野派の河鍋暁翠)の用事で、 共に上野の博物館を訪れた際、 その東京国立博物館や上野動物園の設立に携わった 館長の田中芳男に目利きの才を認められ、 さらにかつて幼い時に、田中の前で目利きを披露した話を思いだされ、 早速、博物館の古蔵で怪異の研究をしている織田信長侯の末裔になる 織田賢司(通称トノサマ)の手伝いをすることになる。 トノサマの指示で蔵の整理を始めたイカルだったが、 目録と収蔵品の照合を終えた後、黒手匣(くろてばこ)という品物だけが 何者かによって持ち去られたことが発覚した。 その後、台帳にない稀少品が、人知れず店を構える 道具屋に流されていたり、不思議なことばかり。 いったい誰が、何の目的で盗んだのか? 隠れキリシタンゆかりの不老不死の品とも噂される、 この匣に隠された秘密とは何だったのか? 開けてはいけない匣を開けてしまえばどうなる。 日本に誕生して間もない博物館を舞台に、 謎が謎を呼ぶ事件を描くミステリアスな長篇は、 ありえない躍動感を放ち、幻のような存在を消す。 東京都豊島区千早町で誕生。 62年(海寅)、DNA「禄」年に、カナダのトロントに引越し、 64年(木辰)、DNA「車」の刑年に、東京の生家に戻るも、 65年(草巳)、DNA「牽」年に、大阪府池田市へ引越し。 67年(灯未)、DNA「玉」年に、大阪府千里ニュータウンへ引越し。 和光大学人文学部を卒業。大学へは東京の祖母の家(生家)から通い、 現在は、大阪府箕面市在住と思われる富安は、DNA「龍」主導で、 庶民的発想の創造力で、物事を真っ直ぐ見ようとせず、好奇心の塊。 苦難があればあるほど、感性は磨かれる。 「龍+車」は、一点を凝視しただけで、 様々な想念が頭の中を駆け巡る妙な元気さ。 「龍+司」は、用心深く、古典に精通。 才能は、この「司」で地道な努力。真面目で家族が大切で、蓄積が財産。 「龍+龍」は、没頭したら果てしない。 「龍+石」は、実行力にそつのない技術力。 「山+龍+寅月」は、学問芸術で一時代を築き、配偶者は左うちわの生活。 「亥」年生まれ「山辰」は、平時の頭領で危機には他者を頼る。 生き方を表す伴星は「車」で、単独行動。 物事の始めの洩星は「司」で、努力の積み重ね。 締めにあたる導星は「石」で、共同で終わる。 宿命の特長は、初春午前四時頃の夜明けの「山」で、 地平線をみやりながら、温もりのある陽光に照らされ、 絵になる風景で、早起きは三文の得。 総エネルギー238点中自身の土性73点は身強の部類で、 木性80点は稼働力になるが、地中内に蔓延る根性のようなもの。 守護神火性の創造力は40点で、取材が全て。 水性45点は、まずまずも、金性ゼロ(DNA鳳/調なし)は、遊興なしで働く。 中身は空洞のように見えて、木性の根っ子が強く 金性の重しがなくても、崩れぬ理由。 年干支の「畑亥」は、生年冲殺でもあり、際だった身体的特徴を持つ、 筆はその気になれば速い。東京の湿った土の例えは、 これで古物商ではなく展示場的なので、博物館にもなる。 月干支の「陽寅」は、天性の明るさと均衡感覚。偏りのない希望に満ちた光。 そして日干支の「山辰」は、生日冲殺・互換冲殺まであり、 制約が少なくないなかで、じんわりと成果を自分の歩みで形にする。 大阪の乾いた明るい色は自身を示すのだろう。 干支番号構成は、36-03-05で西方を軸に、東方を結ぶ意外や狭い範囲で活動。 後天運は、初旬「6歳灯卯」が、DNA「玉」で伝統性。 年干支「畑亥」と大半会的(初旬のみ灯と畑は同格)のため 後転成功運型も、日支は害が成立するため、生涯、ありがた迷惑的か。 DNA「玉」は、毒親ならぬ、ありがた迷惑な素晴らしい教育者。 2旬「16歳山辰」は、DNA「貫」。律音で鎧兜をまとったように存在感増す。 高校の卒業記念に自費出版本を発刊し、 さらには出版社に持ち込まれ、原稿の注文まで入る盛況ぶり。 3旬「26歳畑巳」は、DNA「石」。年干支「畑亥」の年干支を納音して、 仕事は細かいものからの始まりだが、 強い自覚を持ちプロ作家としての公に認められデビュー。 4旬「36歳鉄午」は、DNA「鳳」でありえない発信力。 月支「寅」の半会で火性も強くなり、さらなる前進。 5旬「46歳宝未」は、進み行く方向性の変化に、 DNA「調」のありえない独創的発信力。 年支「亥」の半会もあり、いくぶん進みやすくなるが、 守護神「陽」の点滅も、干合後の10年運は「雨」となり、 さらに日干と干合すれば、自身は「陽」10年運は「灯」になり、熱くなる。 現在の6旬「56歳海申」は、DNA「禄」の半会で、 感謝と奉仕も、年支「亥」の害と、月干支「陽寅」の天剋地冲もあり、 なかなか大きく前進とは行かぬが、形になる。 今後は、7旬「66歳雨酉」は、DNA「司」の干合支合で、 DNA「司」の才能強化となり、望めば叶い、 ようやく、いささか満足のいく仕上がり。 8旬「76歳木戌」は、DNA「車」の10年運天冲殺。 晩年で危険な稼働力は、いささか気になるが、 休むことなく、戦場で倒れる気持ちあれば燃焼する。 「死というのは、ここではないどこかへ抜け出ること。」 閉じ込められた生から抜け出るための扉。 此岸から彼岸へ、現世から常世に至るための扉。 つまり不老不死は万能ではなく、苦悩の場という発想は、 苦悩の結集のような富安らしい。 富安が明治の世に送りこんだイカルが、 怪異研究所の助手となり、青銅の屋根をかぶった博物館の上には、 青い青い東京の空が拡がるという爽やかな景色を見せてくれている。 さすがに金性ゼロは無限大。 才能の家族が犠牲になっているか否かは、 結婚して成人した男子の子供が二人いるようだが、 没頭している富安には、壮大な役割のために、 私的面は積極的に触れるようなものではないらしい☆ |
■2022年02月04日(金)山子 |
諸田玲子○尼子姫十勇士と出雲の神への羨望 |
○外資系化粧品会社勤務を経て、翻訳・作家活動に入る。 故.向田邦子(1929-1128/灯丑)、故.橋田壽賀子(1925-0510/木午)、 山田洋次(1931-0913/宝未)等の脚本を小説にするノベライズに携わったのち、 主として歴史・時代小説を執筆。 96年(陽子)の守護神天冲殺年に「眩惑」でデビュー。 03年(雨未)のDNA「車」の三合会局日に「其の一日」で、 第24回吉川英治文学新人賞(03-0306/山寅)を受賞。 07年(灯亥)の60年に一度の干合支合年に「奸婦にあらず」で、 第26回新田次郎文学賞(07-0410/木戌)を受賞。 12年(海辰)の納音年の主導DNA「調」日に、「四十八人目の忠臣」で、 第1回歴史・時代小説大賞作品賞(12-0514/草亥)を受賞。 18年(山戌)のDNA「車」年に「今ひとたびの、和泉式部」で、 第10回親鸞賞(18-1003/山辰)を受賞。 同年より朝日新聞の書評委員を務め、清水次郎長の唯一の子孫である 諸田玲子(54-0307/海戌)が、「サンデー毎日」に 17年(灯酉)の干合支害年から18年(山戌)にかけ全52回にわたり連載し、 19年(畑亥)に毎日新聞社より刊行された「尼子姫三銃士」が、 昨年(21年/宝丑)の60年に一度のDNA「玉」の天冲殺年の 10月25日(陽午)のDNA「禄」の守護神半会日に装い新たに、 集英社歴史時代文庫で『尼子姫三銃士』としてが刊行されている。 戦国の世、一度は滅ぼされた尼子の姫が、 強大な毛利軍に「出雲国奪還」の戦いを挑む意欲作で、! 神話の国の勇猛果敢な強者と逞しき女達を 壮大なスケールで描く歴史小説となっている。 織田信長ら群雄が割拠する戦乱の世。 毛利に滅ぼされた出雲尼子のスセリ姫は、京へ落ち延びた。 二年後、家臣の山中鹿介が、毛利の九州出撃の報をもたらす。 敵の留守に出雲を奪還すべく、 姫は息子勝久を還俗させ旗頭とし尼子再興を決意。 勝久の元へ才能豊かな一族残党が集結し、毛利攻略の策を練る。 さらに、八咫烏が守神の姫は、神々の援軍を求め旅立つが、 始まりは、戦さもありの奪還物語も、中途から忍びが入り乱れたり、 月に誓った鴻池財閥の始祖である山中鹿之助までもが神格化され、 神話の国の勇猛果敢な強者と逞しき女達を描く壮大な野外劇となり、 最後は幸ある結末へと導く戦国浪漫となっている。 静岡市静岡市葵区出身。静岡県立静岡城北高等学校卒業。 上智大学文学部英文科を卒業で、上京時は東京都杉並区南荻窪の居住も、 現在は居所不明の諸田は、「調」主導で、孤独の中で生きている。 偏り激しく、女性としての意識が極めて高い 「調+牽」は、大胆な行動ながら粗野な部分もあり、 スセリ姫の感性は、ほぼ作者の分身。 「調+玉」は、若年にて大人びた風情も、いわゆる世間知らずの怖さあり。 姫様といわれても疑う余地なし。 才能は「玉」であり、歴史小説に通じ、母親に縁深く、認知症になった後は、 東京に引取り、近くのグループホームに入れ看取る。 「調+鳳」は、肝心の部分は曖昧にする。 出雲の姫の最後の最後も、最愛の男との来世を象徴するように自然に帰した。 「調+司」は、子丑天冲殺もあって負けず嫌い。 リストラに遭おうと国奪われようと、奮起する。 「海+調+卯月」は、悪意はないが霊感のようなもので左右されやすい。 「午」年生まれ「海戌」は、働き者で戦乱の世であろうと、逞しく生き抜く。 生き方を表す伴星は「牽」で、人に歴史あり。それを世にだす。 物事の始めの洩星は「調」で、離別から始まり、これは離婚や、主家滅亡。 締めにあたる導星は「玉」で、目下に終わらされる。侍女なり謎のスセリか。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の小規模な荷物の 積み下ろしが行われる波止場で、清水港なら、その一角といったところか。 総エネルギー183点は、子丑天冲殺なので気が強いが、 火性63点の異性や金銭物質や土性45点の稼働力を思うと 水性15点は、如何にもか弱くって忍びも難しい姫様。 金性15点にしても同様だが、 「宝」一点を考慮すれば、濁らずに歴史物で極める。 つまり迷いはないだろうし、母親の面倒も最後はみた。 次郎長一家の末裔も清水から去ったのは、 そこは子丑天冲殺というもので、収まることはなかったわけだ。 また、月干「灯」と日干「海」が宿命内干合し、 集中力を発揮すれば、月干は「草」で日干は「木」となり、 年干の「木」をふくめて、木性の天干一気が成立して、 仲間をつのるのは得意だが、目上には少々厄介な存在。 さらに「海戌」は「木戌」になることを加味すれば、異能。 年干支の「木午」は、心優しいが身内に犠牲をだす。 まさに、戦国の世の中の身内の粛正。 月干支の「灯卯」は、観察するのに時間を有するが、 その気になったら素早いのは、作家の性分。 基本的なことは徹底的に調べ、緻密な取材も重ねる作家の鑑。 そして日干支の「海戌」は、旧家に誕生して再興するさだめ。 なので粗野だが、行動力は備わる。 干支番号構成は、31-04-59で西方東方北方の鋭角領域。 後天運は、初旬「1歳陽寅」が、DNA「禄」。 年支「午」に日支「戌」の火性強化で恵まれた幼年時代を送る。 父親は銀行員で母親は商家の出。 家は洋館で庭にブランコと鉄棒で畳の部屋はなし。ピアノとバレエが習い事。 とはいえ、東洋史学に明るい父親の影響で書物に親しみ、 5歳の頃には物語を書いていたという。 そして、人見知りで本ばかり読んでいた幼年時代。 2旬「11歳草丑」は、主導DNA「調」の10年運天冲殺刑で、 特に上京してからは、子丑天冲殺らしさが発揮され、 モーターショーのキャンペーンガールなど、 柔軟な躍動感を稼働させた自己確立。 3旬「21歳木子」は、年干支「木午」の納音を伴う DNA「鳳」の10年運天冲殺で、 外資系化粧品会社に勤務し広報関係で各地を飛び回る。 中野という姓と思われる相手ともこのあたりか。 4旬「31歳雨亥」は、DNA「石」の仲間や妥協に屈辱も、 ここからはターボ運(子丑天冲殺廻り)が始まり、おおむね何をやっても目立つ。 リストラは10年運天冲殺明けの衝撃に、 離婚は「木戌」的になり、天干一気で相手をやりこめた結果か。 とはいえ、それを刺激に挑戦者らしく、 書く仕事に向かうのだから、悪くはない。厄落とし。 5旬「41歳海戌」は、DNA「貫」の律音で、 月干「灯」の干合は、進み行く方向の変化。 天干一気破格で、柔軟性がでながらも、 より強くなった流れでデビューを勝ち取り、 文学賞も受賞するのだから、甲冑をまとった状態か。 6旬「51歳宝酉」は、DNA「玉」の害。月干支「灯卯」の天剋地冲もあり、 世間知らずなのか、真っ当なのか、惜しみなく。 数々の受賞歴や活躍とは引き替えに、親の介護で消化とみる。 現在の7旬「61歳鉄申」は、DNA「龍」の新たな挑戦。 向上心が強化され、史実に幻想を加えた物語まで物にする。 今後は8旬「71歳畑未」が、DNA「牽」の刑で天干一気破格は、 何らかの殿堂入りや表彰などの栄誉。特に年干支「木午」の干合支合は、 「山午」化すればDNA「車」で、より多忙もあとは体力次第だろう。 さて、ここでは生まれてこのかた一度しか会っていない 我が従妹のご先祖様の山中鹿之助と 姫がどう落とし所をつけるかに興味があったか、 途中までは合戦もあったにはあったが、最後の最後には、魂がいれかわったり、 ファンタジーを超えた、夢のまた夢の世界へ誘われたので、 壮絶な尼子の姫の奮闘ぶりを期待されるむきには、 少々の肩透かしかもしれないが、 そこが「調」主導の姫様のような諸田らしい味付けか。 「この世の営みのすべてが、私には、なんと退屈で 愚かしくて、味気なく、無意味なものに思えることか」と ハムレットを引用しているが、これは厭世ではなく、 あの世への羨望であり、希望なのだろう。 八百万(やおろず)の神々がついている女勇士も存分に活躍したというより、 戦記物ではない、魂を入れ替える秘伝! 尼子三銃士どころか十勇士は永遠なりなのだが、 ここまでくると、好きか嫌いかであるが、女性には好評だと思う。 なにしろ息詰まったらCSの海外ドラマにヒントを求めるくらいだから☆ |
■2022年02月07日(月)宝卯 |
北里紗月○アスクレピオスの断罪の無限の連鎖 |
○第一子出産後から小説を書きはじめ、 16年(陽申)の主導DNA「調」年に、「さようなら、お母さん」が 同年「陽」重なりの島田荘司選の 第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞(16-1031/陽戌)の優秀作となり、 翌17年(灯酉)のDNA「鳳」の刑年にデビューした北里紗月(77-0528/草酉)が、 書き下ろしになる『アスクレピオスの断罪』を 年支と月支の「巳」と日支の「酉」がからむ DNA「車」の闘争本能が過激になる三合会局年だった 昨年(21年/宝丑)の10月19日(鉄子)の 金性天干一気になるDNA「牽」日に上梓している。 千葉県美浜区幕張海浜公園で、医師が殺された。 腹部に傷を負っている以外は、目立った外傷がなく、薬物の過剰摂取による 事故死の可能性があるが、両手足の拘束の跡が生々しい。 被害者は三年前に起きた性的暴行事件の加害者の一人。 捜査一課の陽山承(ひやまつぐる)と真壁剛は、 解剖医である楠衣春(くすのきいはる)の 協力を得ながら事件の真相を追う・・・。 陽山は七年前の学生時代に無理をして、 生物部の部長だった1歳年上の楠の制止をふりきり、 大学内の窃盗犯を追いつめたあまり、 駆けつけた若い警官を目前で殺された過去が 心的外傷となり、刑事になった経緯がある。 第二の事件、第三の事件が起きたことで、 役者が出そろったところで、事件は意外な展開を迎える。 如何にもな胡散臭い連中に騙されながらも、 たどりついた真相には、読者も見事に裏切られるはずだが、 包帯だらけの表紙で脅し、罪を断とうとしている。 医療に携わる人間としては、絵に描いたような 残虐な描写も日常茶飯事なのだろうが、作家は女性と思って安心していると、 立ち止まらざるを得ないのだが、 そこをふくめて意味があるのだから、侮れない。 お定まりの医者と看護師の果てない関係! 断片は事実ばかりとは限らない。真実はどこかに隠されているのだ。 埼玉県に誕生し、千葉県佐倉市育ち。 佐倉高校卒業後、東邦大学大学院理学研究科生物学専攻を修了。 日本卵子学会認定胚培養士。体外受精コーディネーターであり、 千葉メディカルセンター勤務の、千葉県習志野市在住の北里は、 DNA「調」主導で繊細な女性に寄り添う味方。 偏りは顕著で懇切丁寧ながら、意に反すると、究極の反撃で正当化を図る。 「調+調」は、極まると哲学的になり、融通効かず頑な。 「調+車」は、いつも闘争的反撃的で、反骨精神の塊で、 どうしても、落ち着いてはいられない。 才能は「車」で、妥協しない孤独の闘争本能。獣並みの発想! 「調+鳳」は、柔軟性も僅かにはあり。 「調+貫」は、集団行動は好まず、恩義は通用せず、 唯我独尊で自分なりの完全な姿を求める。 「草+調+巳月」は異才で、実践するか否かはともかく、色恋に耽美を求める。 「巳」年生まれ「草酉」は、勝負師の資質。 生き方を表す伴星は「玉」で、学びの人生。 物事の始めの洩星は「貫」で、単独行動。 締めにあたる導星は「調」で、自己中心で小うるさい。 宿命の特長は、初夏午前十時頃の熱すぎる照明に照らされた草花。 総エネルギー234点は、相応の存在感も、 自身の木性は30点で、言わば可憐な花。 表現力発信力でもある火性が81点もあり、通り一遍の生き方にはならない。 金性が75点もあるが、火性ほどにないにしても、 身を傷める獰猛に武器をかざす!使い方を間違えると、素人の手術。 水性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人で、 目上命の午未天冲殺なのに、覚えは目出度いとは言えず。 一歩間違えれば、殺人鬼にもなる素質! むろん上品とはいえない言葉も繰り出される(笑)。ようは、潤いなどなし。 無限大に使うということは、カルテも山のようになる。 年支と月支の「巳」VS日支「酉」の半会で、 さらに金性は強くなるのだから、闘争の場で棲息せざるを得ず、 そういう人にささえられている。 制約少なくなく、自分を追い込んでいる。 年干支の「灯巳」は、あれもこれも手をだすと雑になるので 狭い範囲で活躍するが、先祖の運気のあがりきったところか、 最下降した地点で誕生しやすく、北里の活躍は、 目下縁薄い午未天冲殺だけに、子供達がどうなるのか心配だ。 月干支の「草巳」は、恋愛の達人で、 煌びやかな感性で、完璧な相手を求めるが、 内面は極めて不安定で、自己犠牲の賜物。 恐らくパートナーも同じ道を極めているはず。 日干支の「草酉」は、最初から完成された盆栽の花。 変化を嫌い猪突猛進も、異性の裏切りに遭遇しやすい。 干支番号構成は、54-42-22で北方西方南方で、東方なしの鋭角領域。 後天運は、初旬「3歳陽午」は、主導DNA「調」の自己確立。 早くも、独創的な感覚を燃焼させる10年運天冲殺で、 決め手はないだけに、早熟という印象に振りまわされたか。 女性達の情報網はここで意識した。 2旬「13歳灯未」は、DNA「鳳」の10年運天冲殺で、 流れに乗って、極端な感性を磨き、世のため人のための流れに導かれたか。 医者になるのも精神的鍛錬が必要か。 3旬「23歳山申」は、DNA「司」の堅実。 結婚もここで、完璧な相手を見つけて、 本人にとっては揺るぎない場所を確定。この最後で執筆を開始。 4旬「33歳畑酉」は、DNA「禄」の引力本能強化の刑。 第二子、第三子と出産し、子供の運まで使ったか、 その勢いで、受賞してデビューにこぎつける。 現在の5旬「43歳鉄戌」は、DNA「牽」の害。進み行く方向の変化で、 「草」は「宝」的に特別なものになればなるほど、 役割を発揮しづらくなったり、不名誉を受けやすくなる。 家族、特に夫の裏切りも想定内だが、想像するだけ。 今後は6旬「53歳宝亥」が、DNA「車」で才能強化。 年干支「灯巳」も月干支「草巳」も天剋地冲で、 進むに進めず、立場が不安定になりやすい。 7旬「63歳海子」は、ありえない水性の出現で、 DNA「玉」は、過去への回帰も、 年干「灯」を干合すれば、「草」になるので、 仲間を募って、ありえない方向の知恵の集積で一仕事。 8旬「73歳雨丑」は、ありえない方向のDNA「龍」。 年支と月支の「巳」に日支「酉」の三合会局もあり、 金性強化は、身を傷め、未知の世界への旅立ちか。 表題の「アスクレピオス」とは、ギリシャ神話に登場する名医で、 優れた医術を持ち、のちに医神として神の座につく。 現在も医学の象徴的な存在で、アスクレピオスが持つ蛇の絡んだ杖は、 このほどの世界的感染症で一躍認知された WHO(世界保健機関)のシンボルマークにもなっているが、 これは医療現場に籍を置く「草酉」作家の矜持か。 肝臓胆嚢手術、腹腔鏡手術の失敗を目の当たりにしたからか。 医者は聖人君子ではないのは、承知するが、 下手な医者の技術をあざ笑うどころか、成敗する。嘘も小道具で方便。 なぜって!警察なんぞは信用ならないってことだ。 「僕らは怒りに決して負けない。憎しみの連鎖は断ち切ってみせる」と 微笑み返し!しかし、狸を煮てしまう発想は、 いくら標本づくりに必須と聞かされても、知らなくても良かったかも。 復讐劇の裏舞台としては、笑えない☆ |
■2022年02月11日(金)草未 |
呉勝浩○雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボールに野人の焦り |
○大学卒業後に定職に就くわけでもなく、 インターネットや有線放送の販売促進のアルバイトをしていたが、 アルバイト中に持ち場を離れて焼肉を食べに行っていたところを、 会社の人に見つかって、クビになってしまい、途方に暮れる。 「何かしないと死んでしまうかもしれない」と考え生きていくことが不安で、 暇つぶしにとりあえず小説でも書いてみようかと書き始める。 「映画は一人ではできませんが、小説は一人で書ける。 映画で実現できなかったことを小説ならできると、 書いているうちにめちゃくちゃ楽しくなってきた。」うえに、 初めて書いた作品をメフィスト賞に応募したら、 1行コメントで「惜しい」と言われ、 「プロの編集者がこんなコメントを書いてくれた。 もしかしたら、いけるんじゃないか」と思い、 小説を書いては応募するようになり、 15年(草未)の律音年に「道徳の時間」で、 第61回江戸川乱歩賞(15-0518/木午)を受賞しデビュー。 18年(山戌)のDNA「司」年に「白い衝動」で、 第20回大藪春彦賞(18-0122/木寅)を受賞。 20年(鉄子)の60年に一度の干合支害年にもかかわらず、 「スワン」で第41回吉川英治文学新人賞(20-0302/木辰)、 第73回日本推理作家協会賞(20-0709/雨丑)を受賞、 近年は直木賞候補作品の常連にもなっている呉勝浩(81-0914/草未)が、 18年(山戌)のDNA「司」年に上梓した 『雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール』を 主導DNA「車」の天剋地冲の大逆転年を象徴するように 21年(宝丑)の11月20日(海申)の ありえない水性日に文庫化されたので取り上げる。 タイトルが無茶苦茶なら、内容はさらに下品で暴力的。 なにしろ始まりは、17年(灯酉)にスクーターの速度をあげ宙に舞い、 あと1メートルでアスファルトに接吻という短い時間の間に、 過去の(四年前から五年前の)おぞましい監禁されていた過去を回想する、 気の長くなるような刹那の物語。 千葉県印西市内の住宅で、三人死亡、二人重軽傷という事件の たまたま居合わせた女性と、加害者とされ自殺した男性の妹のお話。 落下、パッカーン、「ひえっ」。 共に世間から白い目で見られ、バッシングされることに慣れっこになった 少女達の生き残りをかけたリベンジが、 社会の常識も一般道徳とも無縁の世界。 妙に笑えてしまう、いやいや笑ってはいけない! 最凶な抵抗と反撃の物語_____。 雛口依子は、偶然を装いボーリング場で近づいてきた 金髪の葵ちゃんからある面倒な依頼を受ける。 葵の兄が犯人とされ、依子が被害者となった 三年前の猟銃乱射事件のルポを共に書こうというのだ。 不審に思いながらも、依子は葵に圧されるように意気投合し、 理不尽な世間に押し潰されてきた二人は、認めあうようになる! 最低の落下といったって、まだ底辺までは距離がある! なんて、救いのない希望なんだ! 取材のためかつて依子が住んでいた「三角屋根の家」を訪ね、 「あの思いだしたくない事件」の奈落に向き合おうとするが______。 暴力と不幸の果て、運命をぶっ壊す女二人の反撃と覚醒の物語は、 暴力の権化だった兄をベリーライフ江戸川ビルの屋上から落下させ、 せっかく両親が保険金をかけて借金をチャラにしようとしたのに、 奇跡的に助かり、様変わりしてしまったが、もはや生かしてはおけない! 「アホは伝染病みたいなもんで、感染すんねん!」 熱くて湿って血なまぐさくてロックンロールで、 ヒンデンブルグ号と名付けられた黄色い軽自動車に乗って この世の終わりを体感する最凶のバディの武勇伝を楽しんでくれ! 青森県八戸市出身。青森県立八戸高校卒業。 大阪芸術大学芸術学部映像学科を卒業。 大学進学時に大阪府でひとり暮らしを始め、 在学時は南河内地方で、卒業後は東大阪市に住む。 19年(畑亥)のDNA「禄」の半会年に、大阪市内に進出してきた呉は、 DNA「車」主導で、犠牲的本質で、誰も望まぬような危険な環境が似合う。 戦場のようなコールセンター勤務の責任者となり、 収入を得て小説に立ち向かう。 反撃の素早さは、変わり身の早さは、定評あり。 「車+車」は、瞬時に相手を認識して、なりきったり、 逃げたり、すっ飛んだりもするも、 「車」×3は極まれば、不器用。依子だよ。 「車+鳳」は、大衆的で金に目がくらむ。 「草+車+酉月」は、騒々しく喧嘩っぽく、ジタバタする。 「酉」年生まれ「草未」は、猪突猛進。 生き方を表す伴星は「調」で、感性鋭い反逆人生。 物事の始めの洩星は「鳳」で、けじめなく何となく始まっている。 締めにあたる導星は「車」で、全部ぶっ壊す。 宿命の特長は、仲秋午後四時頃の水のない川べりの枯れ草。 総エネルギー190点中、自身の木性16点の 身弱ながら全身造花のごとく柔軟。 56点という際立つ熱気の創造力が身近にあるので、 そこから逃亡するために、喚きながら発信。一生懸命創作に没頭する。 土性28点は、安定しているとはいえず、食い扶持は別。 金性が90点もあり、これは石礫であり、非正式な異性ばかり。 極めつけは水性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人なみで、 学びの精神なく、やたら獰猛な光景を無限大に生成する。 主人公は女性だろうと、情け容赦なく奴隷のように描き、 そこからの生還を俯瞰的に勇者として、眺める。 程度の良い変態で、殺しの妄想者。 年干支の「宝酉」は、資料をあたればたちまちその場に融合するが、 毒にも薬にもならない、Google地図の信奉者。 月干支の「灯酉」は、怖い物知らずの人情味で、度胸だけの世渡り。 そして、日干支の「草未」は、知らない人がみたら 品行方正の真面目人間も、一皮剥けばどら息子。 干支番号構成は、58-34-32で北方1点に西方2点の 何が何だかわからない、狭い世界を広く感じさせる。 後天運は、初旬「2歳陽申」が、DNA「調」の反発反抗。 「申」内「海」ばかりか、年干「宝」が干合で「雨」になるので、 水性が生成されるので、生きながらえる素は与えられた。 作家の意識は、小学生の時に出会った アガサ・クリスティの「アクロイド殺し」が原点。 2旬「12歳草未」は、DNA「貫」の律音で、鎧兜をまとったような状態となり、 脳内でヒーローを演じるような状態で、大阪芸術大学映像学科へ逃亡。 3旬「22歳木午」は、DNA「石」の現実を思い知る 屈辱と妥協を思い知らされるが、しぶとく生き残ったが、 03年(雨未)あたりから3年間は、ろくに仕事をしない不良アルバイターも、 ファミレスで読書をしていた記憶以外、何も憶えていない暗黒時代。 現在の4旬「32歳雨巳」は、年支と月支(共に酉)の半会がある DNA「龍」のありえない水性の10年運天冲殺で、 初旬条件がないので、突発的な成功。 瑞々しい言葉がまるで魔物に操られるように飛びだし、 デビューして数々の賞を受賞。 来年(23年/雨卯)のDNA「龍」の半会年から始まる 5旬「42歳海辰」は、DNA「玉」の支合を伴う10年運天冲殺で、 忌み神月干「灯」が「草」になる方向転換。 熱くて粗暴な時代から、落ち着いた頑固者の世界観に行く。 6旬「52歳宝卯」は、DNA「車」の自己確立の半会で、 年干支「宝酉」の納音は、易々と進めなくなり、 自己の素に気づくようになり、崩壊もあり。 もとより、ありえない水性の10年運天冲殺で 世に出たもので、この世のものでなかったものが、 威力が通用せぬようになり、終わりは呆気ない。 7旬「62歳鉄寅」は,DNA「牽」で不名誉もあり。 自尊心を恐ろしく傷つけられ、自意識だけが突き出す。 8旬「72歳畑丑」は、DNA「禄」。 年支と月支「酉」の半会を伴う天剋地冲で、 全てを逆転し、作家であった記憶の痕跡もあとかたもなくなる。 呉は、在日韓国人三世。かつての筆名は檎克比朗で、 青森人らしく林檎の文字を使いたかったが、覚えてもらえず挫折。 極めつけは、小説内の雑誌小説「毒親VSメンヘラ娘」が 付録としてついているが、その出来は笑うしかない。 「理不尽な暴力を明確に意識して言語化した」と 作家が語る本作は、主人公七転八倒の作り事は 読まずに生きて行けないことはないが、読まずとも死ぬわけではない☆ |
■2022年02月13日(日)灯酉 |
佐々木譲○偽装同盟におけるロシアとソ連の夜明け前と真の姿 |
○高等学校卒業後、広告代理店や自動車メーカー販売促進部に勤務し、 DNA「車」の守護神年に「鉄騎兵、跳んだ」で、 オール讀物新人賞(79-0926/陽申)を受賞し、作家デビュー。 DNA「貫」の大半会年には、「エトロフ発緊急電」で 第43回日本推理作家協会賞(90-0326/鉄寅)長篇部門に、 第8回日本冒険小説協会大賞・第3回山本周五郎賞(90-0517/海午)を受賞。 他ではDNA「司」の主導DNA干合年の 95年(草亥)に「ストックホルムの密使」で、 第13回日本冒険小説協会大賞を受賞。 DNA「鳳」のありえない水性の半会年だった02年(海午)、 「武揚伝」で第21回新田次郎文学賞(02-0412/鉄戌)を受賞。 DNA「龍」の08年(山子)には、 「警官の血」で第26回日本冒険小説協会大賞を受賞、 08年版『このミステリーがすごい!』で1位。 09年(畑丑)のDNA「玉」年には、「廃墟に乞う」で、デビュー30年にして、 第142回直木賞(10-0114/木子)を受賞。 16年(陽申)のDNA「車」の守護神年には、 第20回日本ミステリー文学大賞(16-1025/鉄辰)を受賞するなど、 目覚ましい活動を行い、日本ペンクラブ、日本推理作家協会、 日本冒険作家クラブなどに所属する佐々木譲(50-0316/鉄戌)が、 「小説すばる」に21年(宝丑)前半に連載していた 『偽装同盟』を昨年12月20日(海寅)の ありえない水性の天冲殺半会日に上梓している。 朝鮮半島と満州の権益をめぐり、大日本帝国とロシア帝国が、 1904年(木辰)から1905年(草巳)にかけて争った、 日露戦争に「負け」て、ロシアの属国と化した地で、 男は、警察官の矜持を貫けるのか。日露戦争終結から12年たった1917年(灯巳)。 敗戦国の日本は外交権と軍事権を失い、ロシア軍の駐屯を許していた。 また、西部戦線に兵士を派遣させられ、 ドイツやオーストリア連合軍と戦わされている属国扱いで、 市民は彼らを露助と呼び、反ロシア気運は少なからず高まりつつある背景だ。 そんな折り、先の戦争に従軍し、復員後は仕事に役立つからと考え ロシア言葉の塾に通い、いくらかの心得のある 警視庁の新堂裕作は連続強盗事件の容疑者を捕らえるが、 身柄をロシアの日本統監府保安課に奪われてしまう。 新たに静岡県出身で職業不詳で妊娠中の 女性殺害事件の捜査に投入された特務巡査の新堂だったが、 ロシア首都での大規模な騒擾(ロシア革命)が伝えられ、 ロシアの日本での基盤が揺らぎだし、二帝同盟の前提が崩れだしたなかで、 ロシア人が犯人ではないかと疑う警視庁の苦難の捜査と 占領下らしい風情をかもしだす事件の真相が交錯する。 時はロシアのペテルブルグで、ロマノフ王朝が倒された 三月革命の最中におきたもので、この半年程後、ロシアは十一月革命により 社会主義を掲げる労働者政権であるソヴィエト政権が樹立される 同一年のことである。「もうひとつの大正」を描く、改変歴史警察小説の傑作! ナショナリズムとは何か!格差の拡大と大国の思惑! 束の間の休息をわが国が体験した絵空事ではない、 もうひとつの大正時代という時代の空気を丁寧に反映した エンターテインメントは、往時のこの国の民の気持ちに刺激されると同時に、 ロシアを別の国に置き換えても成立する上質な作品になっている。 赤軍の女性狙撃兵を描く新鋭の作品が話題になるなら、 こちらも、時代は異なるが興味深く読みたい。 北海道・夕張市生まれ。北海道立札幌月寒高等学校を卒業後、 札幌の広告代理店に勤務したり、 東京で自動車メーカーのホンダの販売促進部に勤務、 その後は東京の広告代理店に勤務するかたわら、活動開始。 DNA「禄」の84年(木子)からは、仕事を辞め執筆活動に専念。 DNA「牽」の87年(灯卯)の60年に一度の守護神条件あり天冲殺は、 ニューヨークシティに遊学。 93年(雨酉)から96年(陽子)までは、カナダのバンクーバーで暮らし、 98年(山寅)の改良改革条件なあり天冲殺年より、 北海道中標津町の農場の一角に仕事場を移し、 現在は冬期のみ札幌市中央区や都内へ避難している佐々木は、 DNA「司」冲殺主導で、地味そうに見えて、 堅実な生活が出来ずに、遊び半分のような日々を送る。 「司冲+車」は、適度に一生懸命さを発揮。 「司冲+牽」は、保身を維持しながらも妙な感動を演出。 「司冲+貫」は、急いたりノンビリしたり安定せず。 とはいっても才能は、この「貫」で妙な頑固さ。刑事の矜持。 「司冲+玉」は、執筆するという生活のためにのみ知恵を働かせる。 「鉄+司冲+卯月」は、理屈さえあれば激しい心の裡を滲み出させ、 国家や警察などの枠のなかで手駒として有能な動きをする。 「寅」年生まれ「鉄戌」は、上がって落ちる。 生き方を表す伴星は「司」で、生活基盤を常に確保する。 物事の始めの洩星は「司」で、努力の積み重ね。 締めにあたる導星は「貫」で、最後は一人。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の島ホームですれ違う必要のある 単線列車のある風景。上りは急行にも普通列車にもなる変貌自在車輌だが、 下りはその上りに翻弄されるも頑丈な普通列車で、 待ち時間に、ありえない余興を披露したり、読書専用車輌なども持つ。 総エネルギー182点は身軽で、重厚な話をするわりには、 平易な表現で気さくで付き合いやすいムードを醸しだすが、 実際は生年生月冲殺でもあり、自由気ままに振る舞っていながらも 周囲に翻弄されているのは気づかない。 真面目一辺倒の堅物に見えながら、実は冗談もいえ、 冗談の部分が、次第に本物めいてみえてくる。 刑事でも人の子だというのは、こんな感じ。 これは水性ゼロ(DNA鳳/調なし)のもたらすもので、 春の列車に小川でも流れていれば絵にもなるが 別になくても構わないので生きていけるが、無限大に繰り返し使用していると、 悪ふざけとは言わぬが、ありえない設定も、 さもそういう歴史が存在したかのように見せ付けられる才能にもなる。 また、自身の金性は38点と比較的軽量ボディなので、 軽やかな走行で土性54点で想像し、火性33点という派手な装備は望まぬが、 木性57点は、そこそこ暮らせるほどの売れっ子でもある。 年干支の「鉄寅」は、悪にも善でにもなれる変貌自在。 月干支の「畑卯」は、闘争的で前進気勢旺盛の挑戦者。 そして日干支の「鉄戌」は、野暮ったいわりには強烈な闘争魂。 一宿一飯の義理を果たす渡世人なり、若気の勝った新米刑事だったりと面白い。 干支番号構成は、27-16-47で南方東方北方で、 西方欠けの意外と汎用性広い世界ではない。 後天運は、初旬「7歳鉄辰」が、DNA「貫」の独立気運。 日干支「鉄戌」を納音するので、後転成功運型も、 年支「寅」と月支「卯」に連なる方三位もあり、生年生月冲殺でもあり、 私的面を無意識に犠牲にしながら自己発揮して、 安全な行程には進まない可能性大。 2旬「17歳宝巳」は、DNA「石」。年支「寅」の害もあり、 順調とは言い難いが、無理をおして社会にでた。 3旬「27歳海午」は、DNA「鳳」の豊かな表現力。 宿命に全くない、ありえない水性ばかりか、 年支「寅」VS日支「戌」のからむ、守護神火性強化の三合会局で、デビュー。 4旬「37歳雨未」は、DNA「調」の独創的な表現力。 同じく宿命に全くない、ありえない水性も、 前旬ほどの条件はなくとも、相応に活動。 5旬「47歳木申」は、DNA「禄」。 進み行く方向性の変化に、年干支「鉄寅」の天剋地冲まであり、 難しい時期ながら、相応に活動。 6旬「57歳草酉」は、DNA「司」の干合支害。 ありがた迷惑と思いきや、初っぱなは蓄積の引力本能全開で、 デビュー30年で直木賞を受賞する快挙。 現在の7旬「67歳陽戌」は、DNA「車」の守護神。 晩年であろうと、元気に稼働する。 今後は8旬「77歳灯亥」は、DNA「牽」の守護神。 どんな栄誉が待っているのか、単に老いるだけではない。 さて、生年生月冲殺にも関わらず、自己発揮して転職を繰り返し、 バイクを運転して事故に遭うなど、相応の警告を自然界から受けているが、 容易く挫折しないのは、いわゆる遊びの部分がないためと、 冲殺されているとはいえ、屈折している金銭欲が生々しいから。 その意味では、当時の生活感を克明に再現しているのは、 ロシア占領下の人々の気持ちや風俗描写としても興味深く、 そこらが「司」冲殺主導なのだろう☆ |
佐々木譲○50-0316 |
鉄畑鉄灯 戌卯寅+7 貫玉牽司車(司冲殺主導) 木性(57)火性(33)土性(54)金性(38)水性(00)/総合182 寅卯生年生月冲殺/初旬条件あり(日干支を納音) 方三位(7歳鉄辰)/三合会局(27歳海午)/干合支害(57歳草酉) 木性過多/土性過多/水性ゼロ +7歳鉄辰/17歳宝巳/27歳海午/37歳雨未/47歳木申/57歳草酉/67歳陽戌/77歳灯亥〜 |
■2022年02月16日(水)鉄子 |
愛川晶○教え子殺し 倉西美波最後の事件の裏のまた裏 |
○築百年の旧家に住み、高校の社会科教員を勤めながら、 発信力強化になるDNA「鳳」の半会年だった 94年(木戌)の干合天冲殺日に「化身」で、 第5回鮎川哲也賞(94-0531/灯巳)を受賞し小説家デビュー。 大掛かりなトリックを用いた本格ミステリを数多く執筆し、 16年(陽申)の忌み神害切れ天剋地冲年の 「はんざい漫才」のあととがきにて、 01年(宝巳)の守護神天冲殺害年よりデビューした 推理作家、谷原秋桜子が自身の別名義であることを示唆した 愛川晶(57-0530/海寅)が、「思い入れのある好きな作品」と自信を見せる 『教え子殺し 倉西美波最後の事件』を、 年支「酉」VS日支「巳」のからむ三合会局年だった 昨年(21年/宝丑)の11月29日(宝巳)の守護神天冲殺害日に上梓している。 その舞台はJRと私鉄線が利用可能な東京都H市。 以前は女子校も現在は共学校になり、近隣に神社があるのは、 大國魂神社のケヤキ並木の描写もある 京王線の府中駅と南武線の分倍河原駅の両駅利用可能な東京都府中市にある、 三好町近くにある八雲神社の境内に近い 一癖も二癖もある怪しげな人物ばかり登場する 架空の「知水学園」が舞台になっている。学園では何が起きていたのか。 殺害の「自白」メール、教師・生徒たちの昏い過去、復讐、そして新たな惨劇。 倉西美波におとずれた「最後にして最大」の事件は、 読者を翻弄するだけ翻弄して、多くの問題提議をする。 いったい犯人は誰なんだろう。 「最初に言っておきたいのだが、私は自分が犯した殺人を 正当化したいわけではない。とうの昔に地獄へ堕ちる覚悟はできている。 警察署に名乗って出て、法の裁きを受けることもやぶさかではないが、 残念ながら、そうする機会は与えられないだろう。もう、時間がないのだ。」 殺害に関して、一切後悔などしていない。その理由は・・・・・。 この作品は19年(畑亥)のDNA「牽」の 害切れ不名誉年に起きた事件を中心に描かれており、 著者が定年後の雇用延長で教員に採用されながら、 僅か4ヶ月でセクハラの疑いで馘首された経緯も 反映されているのは疑う余地なし。 主人公の一人は、訳ありの五十嵐智で、母親に捨てられ、 まだ遭ったことのない父親の理科教諭の加藤大輔が、 この高校に勤務していると知り入学したが事情があり退職してしまい、 福島県内にいるという設定にも怨念がうかがわれる。 またお節介な担任女性の倉西美波の内縁の夫である藤代修矢は、 凄腕の探偵になっており、最後の最後に海外(中南米)の出張先の帰る途中の 特別快速乗車中の三鷹駅あたりで、SOSを受け、 国分寺駅前からGPSで居場所を特定し、 タクシーで駆けつけ、解決したというくだりもあり、 表題の最後の事件の意味があまりにもほのぼのしており、 そこは安心したところ。 とはいえ、虐められ生徒強姦事件の身代わりさせられ 不登校になり自殺した弱い生徒や、 強姦された女性の尊大な復讐まで巧妙に仕組まれ、見所満載。 これに、毒親はもとより、訳あり神社の宮司、国際交流、異文化理解、 鬼婚、陰膳、それこそ多様化も多様化し細分化した 社会的性差の問題などを加えた意欲作であるが、 あまりにも詭計策略が巧妙なため、多くは紹介できない。 解決は、令和元年七月十六日(木寅)としておこう。 福島県福島市舟場町出身。 実家は下宿屋を経営していた旧家で、四人兄弟の末子。 福島県立福島高等学校から筑波大学第二学群比較文化学類を卒業し、 大学進学時にひとり暮らしをしたと考えられるが、卒業後は実家に戻り、 教員採用試験を受けたら、間違えて合格してしまい、 11年(宝卯)の震災時には、福島県中通りの伊達市に赴任中。 地歴科教員で、定年再雇用後、4カ月で福島県教育委員会から不当解雇され、 現在は時折予備校教師をしている愛川はDNA「禄」冲殺主導で、 際限なしも、ズバリ組織や家系の犠牲であり 制御不能であり、翻弄されることを楽しむ。 創作の原点でもあるが、「私は四人兄弟の中でたった一人家に残り、 親の面倒を見るはめになりましたが、一応夢だった小説家にはなりました。 でも、東京にいれば、もっと…とは思いますね」どころか、 少なくとももっと大物になったろう。残念な人だ。 「禄冲+玉」は、妙な計算が得意であり、 自己流の工夫した教え方に定評あり。妙に家庭的で若年で老成。 才能は、この「玉」で旧いもの、過去に縁なり。 辰巳天冲殺のため、まず本拠地を確保し、 食い扶持を確保し、作家になったと思われる。 「禄冲+鳳」は、変化球ありの意外な説得力。 「禄冲+司」は、現実を踏まえながら先読みをする。 「禄冲+調」は、組織に馴染まず、 作家という立場もあるため、あえて馴染もうとはしない。 「海+禄冲+巳月」は、本来の適職に到達するために、 時間が相当にかかり、裏切られる陥れられる対象になりやすい。 「酉」年生まれ「海寅」は、受け身でなかなか攻めきれず。 生き方を表す伴星は「貫」で、波の少ない人生。 物事の始めの洩星は「鳳」で、なんとなく始まる。 締めにあたる導星は「禄」で、他人が終了。 宿命の特長は、初夏午前十時頃の派手な燈台のようなネオンと 妙な庭園を背景に持つ、内陸の塩水湖で、総エネルギー199点中、 自身の水性は僅か12点しかない、身弱な人。 表現力の木性は38点で、垂れ流し。 引力本能の火性67点は自己顕示欲と金銭物質運強く、 稼働力の土性は44点でじたばた動く。救いの金性は38点で、創作ありき。 年支「酉」VS月支「巳」の半会で、その創造力は強化されるので、 好きな仕事をしているのが一番。 生月冲殺は家系の犠牲で「家を護った」といえば、 表向きは悪くはないように聞こえるが、 ハミダシ運であり、家業を継承したわけではないが、 月支「巳」VS日支「寅」の害持ちは、内側が汚染しやすく、 それらをまたテーマにしたり、ヒントにしているので、 一概に全否定はできないが、最後が華にはなりづらく、 創作以外での消化と理解する。 とはいえ、創作するうえでは一種の才能になるため、 活かしているといえば、間違いではない。 また、年干「灯」と日干「海」が干合すると、 年干は「草」に日干は「木」になるため、 月干「草」をいれて干合木性天干一気になり、 組織内の問題児になったり、害もあるため揉め事の原因。 妥協をせずに自己主張すれば、別に生業もあるうえに、 住まいもあるため、妥協せず。 年干支の「灯酉」は、怖い物知らずの度胸の良さも、 熱気ありすぎて冷静にはなりづらい。 月干支の「草巳」は、その人なりの完全なる性。 他人から見たら屈折しているようでも、理想中の愛を求める。 そして日干支の「海寅」は、表面穏健も内面は自意識の塊。 なんでも自分が一番だという自負あり、そこが苦悩のもと。 干支番号構成は、34-42-39で西方の狭い領域で、 限定された場所なり、シリーズものが得手になる。 後天運は、初旬「8歳木辰」は、DNA「鳳」の10年運天冲殺で、 遊興や趣味を犠牲にできないので、自身が家系の犠牲となり、 災禍を引き受けやすくなる。 2旬「18歳雨卯」は、DNA「石」の協調性和合性。 生きる術を確保するために、熟慮して教師に。 年干支の「灯酉」の天剋地冲もあり、多くの選択肢はなく 80年(鉄申)あたりで大学院に進みたい意志もあったが、 宿命害切れ天剋地冲年で教員に採用され、それなり。 3旬「28歳海寅」は、DNA「貫」の律音。 おそらくは20年(鉄子)に留年したうえ、 薬剤師資格を取った娘がいることからも、結婚はこのあたり。 鎧兜で武装できたほど、強気になれたので、最後の最後でデビューを飾るが、 それ以前に病名不明の長期入院を経験しているようだが、 アルコールを抜いたその時期を経験したことにより、 毒だしとなり、人生が変わったと言えよう。 4旬「38歳宝丑」は、DNA「玉」の順調な守護神で, 年支「酉」VS月支「巳」のからむ三合会局もあり、 何をしても絶好調。別名義でも発表。 5旬「48歳鉄子」は、DNA「龍」の前旬ほど決め手のない 守護神DNA「龍」で新たな試みも変剋律という苦悩。進み行く方向性の変化。 創作するうえでの悩みもあり、別名義を告白。 11年(宝卯)は被災するも、辛うじて難を逃れる。 現在の6旬「58歳畑亥」は、DNA「牽」の変剋律で、 月支「巳」VS日支「寅」の害切れもあり、 妙なスイッチも入ったために、再雇用に関する不名誉。 作家という生業があるのに、欲をだすべきではなかったか。 とはいえ、それも糧になるのだから、作家とは良き仕事。 今後は7旬「68歳山戌」が、DNA「車」の半会で、 多忙と埋立に遭遇するような苦悩で才能を磨くが、 体調不安などふくめ厳しい現実。 8旬「78歳灯酉」は、DNA「司」の変節。 忌み神の干合なので、金銭物質にこだわったり、 欲深くなればなるほど、あらぬものを引きよせる。 さて愛川は結婚しているが、詳細は不明。 とはいえ妻は現在学童クラブを経営しているばかりか、 日干「海」の干合相手が、年干「灯」なので、 職場で知り合ったとみるのが妥当であろう。 子供は三人おり、薬剤師の女児と調理師の男児に恵まれ(もう一人は不明) 自身は親や祖父と酒を呑む関係が築けなかったのに、 息子に誘われたという親バカの一面も持つ。 なお専業主夫の本人と調理師の息子が料理担当らしい。 なお、親の面倒をみたことに後悔はないようにふるまうが、 「一番下の私を道具にして自己満足を得ようとした毒親。」 その事実に気づいてから、自分の子供はもちろん、 生徒にも「幸せになってほしい」以外の期待も願いもかけたことがないは、 気持ちはわかるが、親の結婚による家系の乱れなので、 本作にも様々な家族の生態が描かれるが、 結婚ひとつ、生き方一つで変わるということを理解すべき。 「禄」冲殺主導で、とかくお金がかかる愛川は、 まずは現実的な場所を確保して、作家を目指したのだから、 いちがいに毒づくわけにもいかぬだろうが、話の出来とは相反するように、 装丁に本気度なし。売る気持ちはあるんかい!?☆ |
■2022年02月19日(土)雨卯 |
平山夢明○八月のくずに鬼畜系たる真髄をみる |
○大学在学中、雑誌「週刊プレイボーイ」で「デルモンテ平山」名義で Z級ホラー映画のビデオ評論を大量に手がけており、 93年(雨酉)より本格的な執筆活動を開始。 94年(木戌)の主導DNA大半会年に、ノンフィクション「異常快楽殺人」を発表。 96年(陽子)の守護神天冲殺年には、 「SINKER ― 沈むもの」で小説家としてデビュー。 06年(陽戌)、「独白するユニバーサル横メルカトル」で、 第59回日本推理作家協会賞短編部門(06-0516/草巳)を受賞。 また、同作で第19回このミステリーがすごい!第一位を獲得。 09年(畑丑)の干合天冲殺年に、東京FMでメインパーソナリティーを務める ラジオ番組「バッカみたい、聴いてランナイ !」がスタート。 同年「ダイナー」で第28回日本冒険小説協会大賞を受賞。 10年(鉄寅)、同作で第13回大藪春彦賞(11-0128/雨未)を受賞。 執筆活動のほか、監修、映画評論、映画監督、 ラジオパーソナリティーなど、幅広く活動をしている 平山夢明(61-1117/木寅)が、異形コレクションシリーズなどに書いていた 10篇をまとめた短編集『八月のくず』を、 天冲殺年だった昨年(21年/宝丑)09月30日(宝巳)の 年干支「宝丑」の大半会を伴うDNA「牽」の害日に上梓している。 「おしまいにする前に読んでくれ。絶望の果てまで届く物語を。 これは、明日なき世界の福音だ。」 出世作となった「独白するユニバーサル横メルカトル」の原点に回帰し、 珠玉の10作品をまとめた圧巻の最新傑作集という売りだが、 先頭の表題作は20年程前に携帯サイトに投稿された 「八月のくず」が、唾棄すべきほどの本当にくずっぷりで、 妊娠している女性「コヅエ」を葬りさる話。 盗難車の昭和59年式グロリアのトランクに、 穴掘りシャベルやビニールシートや軍手に着替えをいれて 嘘八百とデマカセで固めた夢を与えたうえに殺めるが、 殺す度にゾンビのようにコヅエは増殖し、 最後は男を糸屑のようにボロボロにする。 まともな神経では、読むに堪えないが 事件や事故を冗談とも本気とも言えない言い回しをした そこかしこに隠されている癖のある技術はそれなりで、 例えて、泥に落ちたチョコレートケーキ! この作家が品格あるものを描いたらと思いながら 「眺める」ように読むしかないが、二度はごめんかもしれない。 神奈川県川崎市中原区出身。法政大学第二高等学校を経て、法政大学を中退で、 現在地は詳細不明な平山は、DNA「貫」主導で、 自己の趣味を頑なに変えない。 「貫+玉」は、先読みせずその場その場をしのぎきる。 仕事というか金儲けと割り切れば、 想像の世界では、人殺しも殺人鬼も境目なし。 「貫+鳳」は、表面は温和遊び人風情も、中身は頑固。 これっぽっちもハートフルでもなんでもない。 「貫+牽」は、主義主張より面白可笑しく打算的。 「愛なんてものは、笑いには邪魔な気がするんですよ」と豪語も、 笑えるより、怖さを追究(笑)。 「貫+司」は、焦りなく激しい感性あろうと疾走感はなし。 仕事なんだし、愛のない豊かな人生の実現。 「木+貫+亥月」は、自尊心はやたら強いが、傷だらけにはなりたくない。 「丑」年生まれ「木寅」は、揉め事に弱い。 生き方を表す伴星は「鳳」で、遊び半分趣味のような人生。 物事の始めの洩星は「貫」で、一人で始める。 締めにあたる導星は「玉」で、妙に若い人と終わる。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の街のシンボルツリーで、 冬枯れ寸前で、色的には「モスグリーンでてきている」ようだが、 総エネルギー226点中自身の木性90点と弱気は見せず。 創造力の知恵の水性は52点あるが、 守護神火性は僅か16点しかなく、風流とは言い難し。 上品さはないので、逆手にとるしかない。 生年冲殺なので、売り物になるなら何でもする。 年干支の「宝丑」は、屈折した冗談で稼ぎたい。 月干支の「畑亥」は、柔軟に形態を変貌させる。 そして日干支の「木寅」は、同好の士を募り調整する。 干支番号構成は、38-36-51で、西方と北方のさして広域に非ず。 後天運は、初旬「3歳山戌」はDNA「禄」の引力本能半会で、 妙なものを引きよせる。 月干「畑」に日干「木」が干合されると 日干支は「山寅」扱いになり、大半会が生じるため、 その気になり異性を意識すると成功運型。愛より欲。 2旬「13歳灯酉」は、DNA「調」で極端。 通用するしないは別にして独自の洒落た世界に踏みこむ。 3旬「23歳陽申」は、DNA「鳳」の対冲。 年干「宝」が干合で「雨」に変化するため、 自尊心かなぐり捨てて、表現者として変貌を遂げる。 Z級ホラー映画のビデオ評論を大量に手がけ、その勢いで作家活動も開始。 4旬「33歳草未」は、DNA「石」の協調性和合性。 年干支「宝丑」の天剋地冲で、仕事の細分化と仲間ありきの日々。 5旬「43歳木午」は、年支「丑」の害で思うように進めなくとも、 主導DNA「貫」の大半会で、自己確立。 開き直って進み行く方向も変化させれば、それなりの成果で、 日本推理作家協会賞を受賞し、 このミステリーがすごい!第一位を獲得するなど溜飲を下げる。 現在の6旬「53歳雨巳」は、DNA「玉」の害。 年支「丑」は半会で拡大するも、過去案件の逆襲。 体調不安なので、思いっきり荒れるには不都合も、 大藪春彦賞を受賞するなど、持ち堪える。 今後は7旬「63歳海辰」が、DNA「龍」の新たな挑戦。 8旬「73歳宝卯」は、DNA「牽」で役目役割。 一定の立場を得ているが、決め手ないため何とも言えず。 さて、平山は月干に干合成分の「畑」があるため、 手を伸ばしたところに異性あり。 繰り返すが、異性を意識したところから、 猛烈に生きるために、いわゆるバカになりきって、 薬より毒にしかならぬような生き方を選択も、 一般的に「鬼畜系」と言われることには若干抵抗があるようで、 ネットで「鬼畜系作家」と書かれているのを読んで、 妻に「あなた鬼畜系なの?私は鬼畜の嫁なの?」って泣かれた というようなネタだか本心しかわからない発言をしているようで、 とりあえず配偶者はいるのは間違いないが、 生年冲殺らしく、その仕事が命であり、詳細は不明。 とはいえ、土性は36点で強い配偶者ではなく、 その生じる金性も32点と目立たないので、 もとより家族愛など微塵も感じさせないところ、そのまんま。 八月どころか年中休みなくクズっぷりを 惜しみなく披露してくれているのだから、それも芸なんだろう☆ |
平山夢明○61-1117 |
木畑宝陽 寅亥丑-3 牽司鳳貫玉(貫主導) 木性(90)火性(16)土性(36)金性(32)水性(52)/総合226 子丑生年冲殺/初旬条件あり(宿命内干合日干支と大半会) 主導DNA大半会(43歳木午)/害(53歳雨巳) 木性過多/火性脆弱/水性過多 -3歳山戌/13歳灯酉/23歳陽申/33歳草未/43歳木午/53歳雨巳/63歳海辰/73歳宝卯〜 |
■2022年02月21日(月)草巳 |
江國香織○ひとりでカラカサさしてゆくの不穏な日々 |
○父親は、元新潮社の編集者で、随筆家の故.江國滋(1934-0814/灯巳)で、 就業経験がまったくないまま87年(灯卯)のDNA「龍」年に、 「草之丞の話」で毎日新聞主催第4回小さな童話大賞を受賞。 89年(畑巳)の人生の折り返し地点ともいう律音年に、 「409ラドクリフ」で第1回フェミナ賞(89-0214/草巳)を受賞。 91年(宝未)に「こうばしい日々」で、 第38回産経児童出版文化賞を受賞。 同作で第7回坪田譲治賞(92-0108/雨未)を受賞、 92年(海申)に「きらきらひかる」で、 第2回紫式部文学賞(92-0901/鉄辰)を受賞、 99年(畑卯)に「ぼくの小鳥ちゃん」で、 第21回路傍の石文学賞を受賞、 02年(海午)に「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」で、 第15回山本周五郎賞(02-0516/木申)を受賞、 「号泣する準備はできていた」で、 第130回直木賞(04-0115/雨巳)を受賞、 07年(灯亥)には「がらくた」で、 第14回島清恋愛文学賞(07-1009/陽子)を受賞、 10年(鉄寅)には「真昼なのに昏い部屋」で、 第5回中央公論文芸賞(10-0818/鉄子)を受賞、 12年(海辰)には「犬とハモニカ」で、 第38回川端康成文学賞(12-0412/雨卯)を受賞、 15年(草未)には「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で、 第51回谷崎潤一郎賞(15-0824/海申)を受賞するなど、 これまで華々しい活動を繰りひろげてきた江國香織(64-0321/畑巳)が、 20年(鉄子)04月号から21年07月号まで「小説新潮」に連載していた 『ひとりでカラカサさしてゆく』を、 昨年(21年/宝丑)の12月20日に(海寅)のDNA「司」の害日に上梓している。 「あのころはさ、こんな日が来るとは思わなかったわよね」 ほしいものも、会いたい人も、ここにはもうなんにもないの――。 大晦日の夜、東京駅から近いホテルに集まった、 1950年代の終わりに美術系の出版社で出会った かつて同僚だった八十歳過ぎの三人の男女。 新幹線でやってきた癌を患い余命いくばくもない篠田完爾、 銀座で仕事をし周辺を遊び場にしてきた 今や身寄りのいない経済は破綻している重森勉。 猟銃を選んだのは、苦痛を長引かせたくないという思いから彼だ。 そして神田生まれの宮下知佐子。 彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、 そして一緒に猟銃で命を絶った。三人にいったい何があったのか――。 充分、生きすぎたのだろうか。 それもお墓も親族とは別の三人だけの樹木葬を希望しているという。 妻でも、子供でも、親友でも、理解できないことはある。 唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常が、 交互に描かれる限定的な群像小説であり、 人生におけるいくつもの喪失なのだが、 周辺の登場人物があまりにも多く、印象的な挿話だけでも、 ひとつの主題ある小説としてなりたちそうなので、 その交通整理をしながらでないと、散漫になってしまうところが残念なところ。 読み手の力量が試されるといえばそれまでも、 扇情的で人騒がせな事件がぼやけるような気がしてならない。 あえて俯瞰して書かずに、きらきら光るような 個々の問題として描写されているという評価もあるようだが、 それはあまりにも、作家の過去に敬意をはらったものだろう! いくつものいくつもの思い出がつまった 終焉を描いた非日常的な意欲作には違いないが、 乱心と動揺の悲愴感しか感じられない。 東京都新宿区内で生まれ、東京都世田谷区給田育ち。 順心女子学園(現:広尾学園中学校・高等学校)を経て、 目白学園女子短期大学国文学科を卒業。 アテネ・フランセに通い、デラウェア大学に一年間留学。 渋谷にあった児童書専門店の童話屋書店でアルバイト。 その後も、英会話学校のアルバイトなどをしたが、 いわゆる会社勤めの経験がなく、実家は現在東京都調布市にあり、 93年(雨酉)のDNA「禄」年に結婚時は、 東京都世田谷区の駒沢公園のマンション。 その後、近くの二階建ての家を購入し居住している江國は、 DNA「車」主導で、衝突の少なくない行動力の人。 夫婦喧嘩をすれば、ファミリーレストランや 朝4時まで営業していた書店に直行。 「車+石」は、仕事最優先で個人生活は二の次。 目的遂行のためには、自己中心。 「車+玉」は、静かな内側の創造世界に没頭する時は、 なにごとにも邪魔をされたくなく、分かり易い心情。 思い立ったら、即行動に移す。 「車+牽」は、忍耐力には期待できず、他人の気持ちを思いやることも少ない。 「車+龍」は、閃きで物事を決める。 「畑+車+卯月」は、自分で実行しないで、作中人物に様々な体験をさせる。 「辰」年生まれ「畑巳」は、本当に困ったら何もしない。 生き方を表す伴星は「貫」で、波乱なき落ち着いた人生。 物事の始めの洩星は「車」で、何もない空っぽな状態から開始。 締めにあたる導星は「石」で、共同で終わる。 このあたりが仲間三人の自死を示唆。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の街明かりを感じる、緑の多い公園。 早朝のため、まだ人々は集まりきらず、散歩やランニングをする人が散見する。 総エネルギー248点中、自身の土性が80点もある身強で、 それを飾る作物なり植物群も80点あり、 後天運にもよるが多くの受賞経歴はこれが全て。 そして自尊心は、並大抵ではなく、一般人からしたら雲上人のような風情。 とはいえ立派な作物に明かりがあるのだから、 それ相応の生き方であれば、矛盾はないのだが、 地支に目をやれば、月支「卯」年支「辰」を経由して 日支「巳」に到達する変則方三位で、 年支「辰」VS月支「卯」の害は魅力的とはいえ、 どこか不穏な空気をかもしだす。 人あたりは良いようで、実は腹に一物ありか。 年干支の「木辰」は、目立ちたい気持ちが強いわりには、 派手さはなく地味で控えめな印象。 月干支の「灯卯」は、心配症で決断してから行動に移すまで 時間を有するが、納得して行動に移すと素早い。 そして日干支の「畑巳」は、一見穏やかでも 実際は気弱さと開き直りが同居した矛盾を抱えるも、 威圧さは感じず肝が据わり庶民的な様相で、 所属組織や家庭を蝕み、最終的には破壊して行く俗に言う「白蟻」の例え。 干支番号構成は、41-04-06と西方に東方2点で、 そこまで広域な守備範囲とは言えない。 後天運は、初旬「5歳陽寅」は、年支「辰」と月支「卯」のからむ 春の方三位の賑やかな雰囲気が加速される、 日支まで入れると、初春から初夏まで季節がつながる 変則方三位で宿命内に抱える害毒も一瞬軽減されるかに思えるも、 実際にはDNA「玉」の害が与えられ、出自や家庭環境の抵抗が付加され、 学びの感性が屈折してゆく傾向で、内側の人間形成には難あり。 とはいえ「陽」は日支「巳」内にもあり、受け入れ態勢に支障なく、 他者から現象だけみれば、恵まれているようであり、 本人にとっては、出自はありがた迷惑。 6歳年下の妹との、お話作り遊びも、持続力はなく、形にはならず。 2旬「15歳草丑」は、DNA「車」の主導DNAで自己確立。 自分の思うように行動したくなり、孤軍奮闘を選択。 一般的な行程を経たくないので、就職はしないのに、 外へでる口実は必要なので、留学やアルバイトに目が向かう。 3旬「25歳木子」は、年干支「木辰」の大半会を伴う、 DNA「牽」の干合10年運で、当初は雑誌「飛ぶ教室」の童話募集の 10万円の賞金欲しさにデビューを勝ち取る。 また、詳細不明も横浜で山形県出身の銀行員と出会い結婚。 4旬「35歳雨亥」は、初旬で害がからんだ 日干支「畑巳」の天剋地冲を伴うDNA「禄」の10年運天冲殺で、 引力本能全開となり、賞などを引き寄せる。 同時にターボ運(子丑天冲殺回り)も始まり、何をしても目立つようになる。 宿命には少ない水性の強化で、バランス良好。 5旬「45歳海戌」は、DNA「司」の10年運天冲殺で、 月干「灯」の干合は、進み行く方向や作風の変化。 年支「辰」VS月支「卯」の害切れもあり気合い入り、 蓄積という引力本能の強化で、また前旬に続き水性の強化は、 何をしてもおおむね成果をあげられよう。 現在の6旬「55歳宝酉」は、DNA「鳳」の半会。 前旬に続き害は切れているが、ターボ運があろうと 10年運天冲殺20年間の恩恵は脱しているので、急速に萎えていく状態。 この状況は、20年間で成功へと昇りつめた 感謝や見返りにあたるような奉仕があるか否かで、 その傾向も顕著なのか、緩やかなのかは、ご本人が感じること。 次旬7旬「65歳鉄申」は、DNA「調」の刑と支合。 年支「辰」の半会があるので、機会はあろうが、 より偏った世界観を構築するので、一般的ではなくなり異端。 8旬「75歳畑未」は、DNA「貫」の頑固。 自身で干合しているとはいえ、年干「木」が他力的なことで 「山」に変化してしまい栄誉や自尊心の輝きは失せて、 いわゆる妥協状態になりながらも、 月支「卯」の半会もあり、過去の栄光は否定されるものではない。 さて、江國は金銭物質などの引力本能にあたる水性脆弱にもかかわらず、 恵まれた仕事運でそれを使い果たし、いわゆる家庭運が稀薄も、 早期の干合10年運が巡り結婚をしているが、子供はいない。 「畑」が産みだすものは、作品でもあるので、 子供は彼女の生みだす創造物にあたるため消化している。 また、初旬で組織や家族の「玉」の害を受けており、 同様に内側の人間形成には難があり。 これについては12年(海辰)のDNA「司」年に放送されたテレビ番組で 「子供ができると観察者でいられなくなり 物語が書けなくなるのではと懸念する気持ちもありました。」としている。 「子供を産むことが怖かった」と吐露した江國は、 「大切な人が増えるということは、いろんな心配事が増えるという ことでもあり、自分はそれだけで手一杯になってしまう。 だから観察者でいられなくなる」と語っているが、 これは、まさに作品イコール子供の証明であり、 むろん夫との関係性もそういうところで納得済みと理解したい☆ |
よしながふみ○大奥が第42回日本SF大賞を受賞の快挙 |
○一般社団法人日本SF作家クラブは、02月19日(雨卯)に、 第42回日本SF大賞によしながふみ(70-1020/山寅)の 漫画「大奥」を選出した。 同賞は20年(鉄子)09月01日(灯未)〜21年(宝丑)08月31日(宝亥)までの間に 発表されたSF作品の中から、もっとも優れた作品に贈られるもの。 この日、Zoomで行われた選考会で決定した。 贈賞式は04月16日(畑亥)に代官山蔦屋書店にて開催される イベント「SFカーニバル」内で行われ、 日本SF作家クラブ公式YouTubeチャンネルにてオンライン配信。 大賞受賞作には正賞として賞状とトロフィー、 副賞として賞金100万円が贈られる。 東京都中野区出身で、都立富士高校から、慶應義塾大学法学部を卒業後に、 同大学院法学研究科中退のよしながは、DNA「玉」主導で、 旧くて落ち着いたもの。古来を拡大深層解釈することを好む。 「玉+車」は、思ったこと感じたことを形にする。 「玉+龍」は、他人が思いつかぬような誤解を恐れぬ発想。 「玉+調」は、創作世界で超人的な活動を行うため、 日常生活は不適合で、一般常識には疎い。 「玉+貫」は、その場その場を盛りあげるのが得意な人! 「山+玉+戌月」は、確証に確証を重ねて再現する。 「亥」年生まれ「山寅」は、没頭しやすい。 生き方を表す伴星は「龍」で、常に先読み。 物事の始めの洩星は「車」で、何もないところから始める。 締めにあたる導星は「調」で、口ウルサイ。 宿命の特長は、特別な宝飾品を出土する秋の「山」で、言わば古墳。 総エネルギー203点中自身の土性は60点に、 飾る木性は52点で押し出し良いが、守護神火性は、26点でややワンパターン。 水性25点も僅かといえば僅かで、慈しみにはそこまでなし。 後天運は、10年運初旬「6歳畑亥」は、DNA「石」の支合で、 仲間や群像劇がテーマになりやすい。 2旬「16歳鉄子」は、DNA「鳳」の工夫ある格好つけた発信力で、 DNA「車」の半会年だった94年(木戌)に「月とサンダル」でデビュー。 3旬「26歳宝丑」のDNA「調」の独創性強化な内 02年(海午)の月支「戌」に日支「寅」がからむ三合会局の 守護神火性の現実的強化年に、 「西洋骨董洋菓子店」で第26回講談社漫画賞少女部門を受賞。 04年(木申)のDNA「車」の条件なし天冲殺天剋地冲年から 「MELODY」で連載を開始した「大奥」は、 4旬「36歳海寅」のDNA「禄」の引力本能全開内の 06年(陽戌)のDNA「龍」の守護神年には、 第5回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞、 第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、 09年(畑丑)のDNA「石」年には、第13回手塚治虫文化賞大賞、 2009年度ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞。 5旬「46歳雨卯」は、DNA「司」の支合で、引力本能は最高潮。 月干と日干の「山」が干合で、「陽」になると、 年干「宝」と二次干合し、年干は「雨」に月干と日干は「海」になる 変則干合水性天干一気入格となり、やたら目立つなかで、 また、19年(畑亥)には「きのう何食べた?」で 第43回講談社漫画賞一般部門を受賞。 今年(22年/海寅)は、DNA「禄」の魅力成分全開で、 干合水性天干一気強化という、やたら目立つもの。 今後は「56歳木辰」「66歳草巳」「76歳陽午」と 木性から火性回りで、いまこの位置にいるなら、 これよりは揺るぎない急上昇もあり。 受賞作の「大奥」は男子のみを襲う謎の疫病のため、 男子の数が激減した世界で、男女の立場が逆転した世界に生まれた 貧乏旗本の水野が、大奥へ奉公することを決意。 女性将軍に仕える美男子が集められた女人禁制の場所、 大奥で起こるさまざまな事件が描かれるという衝撃作。 生まれながらに「帝王」の器の「山寅」。 これぞ、作者の理想幻想虚実被膜の象徴だが、 あまりにも発想がぶっとんでいるため、 並みいる文芸SF作品を押しのけて受賞となったもの。 ファンにとっては、たまらない贈り物になるに違いない☆ |
よしながふみ○71-1020 |
山山宝陽 寅戌亥+6 調貫龍玉車(玉主導) 木性(52)火性(26)土性(60)金性(40)水性(25)/総合203 申酉天冲殺/干合水性天干一気(46歳雨卯) 害(66歳草巳)/三合会局(76歳陽午) 木性過多/火性脆弱/土性過多/水性脆弱 +6歳畑亥/16歳鉄子/26歳宝丑/36歳海寅/46歳雨卯/56歳木辰/66歳草巳/76歳陽午〜 |
■2022年02月27日(日)宝亥 |
川内倫子○そんなふうに隠された残念 |
○年干支「海子」の干合支合を伴う97年(灯丑)のDNA「貫」年に、 第9回ひとつぼ展グランプリを受賞し、 浅葉克己(40-0318/鉄申)に見いだされ 02年(海午)のDNA「牽」年には、写真集「うたたね」「花火」などで 第27回木村伊兵衛写真賞を受賞。 09年(畑丑)のDNA「鳳」年に、ニューヨーク国際写真センターの 第25回インフィニティアワード新人賞(09-0512/灯巳)を受賞。 13年(雨巳)のDNA「車」年に、個展「照度 あめつち 影を見る」で、 芸術選奨新人賞(13-0312/灯丑)と、 第29回東川賞国内作家賞(13-0510/陽子)を受賞している 写真家の川内倫子(72-0406/灯卯)が、 16年(陽申)から20年(鉄子)にかけて、Fasu(fasu.jp)に連載されたものに、 その他媒体に発表された6本の私信やエッセイを加筆訂正した 出産と子育ての記録『そんなふう』を 一昨年(20年/鉄子)の10月11日(灯亥)の大半会天冲殺日に上梓している。 生活の中に、身の回りの草木に、そこに差し込む光をとらえた作風で 国内外から多くの支持を得ている気鋭の写真家・川内倫子。 08年(山子)から13年(雨巳)まで、毎年熊本に足を運び、 阿蘇山の野焼きを撮影していたおりに、 「これが完成したら、もう通う理由がなくなっちゃう」と 「急にものすごく寂しくなって。」 そんなときに出会ったのが天草出身の夫(72-03XX)。 14年(木午)に結婚し、不妊治療をして 年支「子」VS月支「辰」の三合会局を伴う 16年(陽申)に妊娠・出産を経験し、 約3年半に渡り綴られた自身の世界の変化と子供や家族へのまなざしを、 80点あまりに及ぶ 写真と日記体のエッセイで綴っている。 滋賀県東近江市生まれ。76年(陽辰)のDNA「石」の害年に大阪府へ引越し。 93年(雨酉)のDNA「車」年の天剋地冲年に、 成安造形大学(旧・成安女子短期大学)を卒業し上京。 都内で2回引越し、東京都世田谷区砧公園近くの 多摩川を望む部屋で10年過ごし、 東京都港区南麻布にある有栖川公園の近くに居住。 17年(灯酉)の納音年には、千葉県富津市に自宅兼事務所を構えた川内は、 DNA「龍」主導で、落ち着きなく、常に新たな世界観に浸る。 庶民的で生活に根ざした発信力。 「龍+車」は、自然界から導きのような閃きあり。 「龍+龍」は、没頭したら徹底疲労するまで、止めない。 「龍+牽」は、芸術的小細工。 「龍+玉」は、心で感じたことを素直に表現できず、 無意識に工夫しているが、誤解を厭わず。 「灯+龍+辰月」は、静かな明るさだが、時に愚痴をこぼす。 「子」年生まれ「灯卯」は、落ちて上昇。落ちぬと上昇せず。 生き方を表す伴星は「貫」で、波乱のない落ち着きある人生が理想。 物事の始めの洩星は「車」で、ゼロスタート。 締めにあたる導星は「龍」で、常に次のテーマを意識。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の海沿いの防風林に支えられた、 小さな小さな燈台で、創作世界のみに生きていれば、 総エネルギー181点の身弱であろうと応援が大きい。 とはいえ創造力の木性は77点もあり評価も高いが、 肝心の発表の場である土性が、僅か20点しかなく不満。 活動に制約がかかるのは、出産で土性を使用してしまったためで、 仕事的には残念でならない。 また、金性ゼロ(DNA禄/司なし)の野人は、さめきっている。 一般的に感謝と奉仕に欠け、 創造物を評価する周囲のみ応援されるだけで、 無限大に使用するには、家庭の存在は制御されるばかり。 ハミダシ運の戌亥天冲殺なので故郷を後にしたのに、 新たな地で家庭を構築しまっては未来を犠牲にしかねない様相。 年干「海」と日干「灯」が干合すると、 年干は「木」に日干は「草」になり、月干の「木」をいれて、 干合木性天干一気が完成し、目上であろうと引きずり込んで、 利用しながら存在感を誇示することになるが、 これは仕事に専念しやすく仕事好きなのだが、 異性と関わりをもつと、その異性が年上であればあるほど、 配偶者を追いつめたり、威力をそぐので、 出来れば相手は、従属してくれる年下が好ましい。 そして、月支「辰」VS日支「卯」の害は胃痛持ちながら、 月干は日干「灯」を応援しあう「木」なのに、 なんとなくありがた迷惑的様相を漂わす。 内側世界の充実は望めば望むほど、汚染は激しくなり、 精神的にも追いつめられるので、家庭をもつことや結婚は苦痛の種で、 金性皆無の創造者ならばなおさら家庭を意識すべきではない。 実際、独り身の時からも、仕事場と住居はわけてから 新鮮な気分になったが、持続力がないため、通勤が苦になり、 歩いて数分の近場にしたりとなったが、 加齢と共に稼働力が落ちてきているので、 今度はより自然に近く空気の良い千葉県富津市東大和田に、 自己所有の家をたてるが、害持ちらしく災害にあったかと思えば、 一階を家族との場にしても、二階を仕事にするなど工夫をしており、 「上に上がるとパッと仕事モードに切り替わるし、 行き詰まったら下で家事をすることで気分転換ができる。 そうやってバランスが取れるのが心地よいです」としているが、 これすら常時滞在できるわけもなく、いつまでもつかは疑問。 年干支の「海子」は、怒りや叫びを発奮につなげるように思えるが、 冷静でいられなくなると、運気に陰りあり。 月干支の「木辰」は、出しゃばりなわりには、地味な落ち着きもあり。 比較的に相当な年長者の受けは良かったり、 全く違う環境の相手とも融合しやすい。 そして日干支の「灯卯」は、行動に移すまでの観察という 助走期間があるにこしたことはないが、 その気になりだしたら、とてつもない速度をあげる。 干支番号構成は、49-41-04で北方西方当方の鋭角領域で、 浮かれた部分はないが、明るさに慈愛があるかと言えば疑問。 後天運は、初旬「1歳雨卯」がDNA「車」で危ない。 行動力は強化されたが、害持ちらしく最悪の害年に 自然豊かな土地から大阪へ移住。 2旬「11歳海寅」は、DNA「牽」で形づくり。 宿命内害の緩和になる方三位の完成で、春の賑やかさ。 干合天干一気も破格となり、柔軟に芸術世界へも踏みだす。 3旬「21歳宝丑」は、DNA「禄」のありえない金性の出現で、 引力本能全開となり、早くも名前を浸透させる。 4旬「31歳鉄子」は、DNA「司」のありえない金性の刑で、 月支「辰」の半会で自信満々も、 30年に及ぶ苦悩を体験すれば才能も磨かれる変剋律の始まり。 夫となる人物と出会う。 現在の5旬「41歳畑亥」は、DNA「鳳」の土性強化の変剋律ばかりでなく、 突如やってきた10年運天冲殺で、とてつもない話題になるも、 表現力の苦悩で、結婚から不妊治療を経ての出産という苦悩。 また、月干「木」の干合は進み行く方向の変化。 「木」が土性の「山」になれば、土性強化の表現力だし、 干合木性天干一気も一時的に破格になり、DNA「調」の方向は女児の誕生。 今後は6旬「51歳山戌」が、DNA「調」の土性強化の変剋律。 月干支「木辰」の天剋地冲を伴う、宿命害切れの支合の 10年運天冲殺で、私的面の変化による苦悩が話題性を呼ぶが、 10年運天冲殺と変剋律の同時終了は、最後の最後に波乱を呼ぶ。 7旬「61歳灯酉」は、DNA「貫」の害切れ納音で、 干合木性天干一気の破格だが、年干「海」が「木」となり、 安定感はでてきても栄誉は薄れる。 また、10年運天冲殺も変剋律も失われ過去の栄光のみ。 8旬「71歳陽申」は、DNA「石」の妥協。 年支「子」VS月支「辰」を伴う三合会局で、 周囲の仲間に支えられながら、かろうじて生きながらえるのか。 さて、自然界は人を試す。川内の干合木性天干一気に内側害持ちで、 さらに金性ゼロ(DNA禄/司なし)の野人宿命では、 世界的に名前を売り、はばたくためには、 異性の存在はともかく、結婚は足かせ。 しかも年上は向かないのに、結婚をして出産まで経験したのは残念。 夫とは同一年干支「海子」をもとうと、 月支同士は害の関係で家系の流れはしっくりこないし、 不妊治療が必要ということは、自然界が後押しをしていない証しだし、 年支「子」VS月支「辰」の三合会局を伴うDNA「石」の人脈を拡げる年に、 あえてブレーキをかける「申」重なりの出産は、 仕事的には経産じたいをテーマにできたとはいえ、おおいにブレーキ。 しかも害切れで天干一気破格とはいえ、納音年に移住なんてしたものだから、 条件なし天冲殺の夢の中で、災害に遭い ライフラインは止まり、東京に一時避難しているのだから、 さすがに開いた口がふさがらない。 むろんそんな私生活の苦渋までも売りにするのだから、まるで芸能人なみ。 とはいえ、結婚をせず、したとしてももっと早く、 年下男性であったりしたならば、違う世界が拡がっていたのだろうし、 特に独身をとおしていれば、さらなる名声も得ていただろうに残念。 とはいえ、61歳以降は前旬の天冲殺と変剋律が一体となって 応援してきた稼働運も極めて薄れることになる。 となると60歳を迎える32年(海子)あたりが、宿命にないありえない金性の 条件なし天冲殺(30年/鉄戌・31年/宝亥)明けの 干合年になるので、そこで全てが離散する可能性もあり、 その時、川内が何を感じるかが大切なのだと思う☆ |
移 動 祝 祭 日○ 2 0 2 2 年/ 海 寅 |
22年01月分● 22年02月分● 22年03月分● 22年04月分● 22年05月分● 22年06月分● 22年07月分● 22年08月分● 22年09月分● 22年10月分● 22年11月分● 22年12月分● |
コラム総合○目次/茶房会館(1 9 9 6 年〜) |
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