★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 2 2 年(海寅)○10月 鉄戌 // 移 動 祝 祭 日 |
■10月分一覧 (2022年○目次) |
村上春樹○一人称単数の行く末(2022_1001) |
勝浦雅彦○つながるための言葉の現在地と失う健康(2022_1003) |
三木那由他○言葉の展望台に潜む表も裏もある罠(2022_1004) |
加門七海○船玉さま 怪談を書く怪談にないものあるもの怖いもの(2022_1007) |
唯川恵○みちづれの猫に寄り添いたい(2022_1010) |
柿原朋哉○匿名というぶんけいの分身の優しい狡猾(2022_1016) |
山崎佳代子○そこから青い闇がささやきの後戻りできぬ夢の続き(2022_1017) |
キューライス○よるのえの変の源(2022_1018) |
川上弘美○ぼくの死体をよろしくたのむに恋に恋する季節の狭間(2022_1019) |
小田雅久仁○残月記の狂気の背景(2022_1026) |
■2022年10月01日(土)灯亥 |
村上春樹○一人称単数の行く末 |
○79年(畑未)の守護神対冲年に「群像」に応募した 「風の歌を聴け」が、第22回群像新人文学賞を受賞。 同年06月号に掲載され、作家デビュー。 当時のアメリカ文学の影響を受けた清新な文体で注目を集め、 デビュー作が第81回芥川龍之介賞および第1回野間文芸新人賞候補、 80年(鉄申)のDNA「石」年に「1973年のピンボール」で、 第83回芥川龍之介賞および第2回野間文芸新人賞候補となり、 81年(宝酉)、専業作家となることを決意し、経営していた店を譲渡。 同年、初の翻訳書 「マイ・ロスト・シティー フィッツジェラルド作品集」を刊行。 82年(海戌)には「羊をめぐる冒険」を発表し、 第4回野間文芸新人賞を受賞。 85年(草丑)には 「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」で、 第21回谷崎潤一郎賞を受賞。 88年(山辰)の守護神天冲殺年には「ノルウェイの森」で、 第23回新風賞(88-1209/山戌)を受賞。 96年(陽子)のありえない干合支合年には、 「ねじまき鳥クロニクル」で、 第47回読売文学賞(96-0201/山辰)を受賞。 99年(畑卯)には、「約束された場所で〜underground 2」で、 第2回桑原武夫学芸賞を受賞。 J・D・サリンジャーの 「キャッチャー・イン・ザ・ライ」の翻訳により 04年BABEL国際翻訳大賞・日本翻訳大賞を受賞。 06年(陽戌)には、ありえない火性年に フランツ・カフカ賞(06-1030/海辰)を受賞。 『Blind Willow, Sleeping Woman(めくらやなぎと眠る女)」で フランク・オコナー国際短編賞(06-0924/陽辰)、 「海辺のカフカ」で、幻想文学大賞を受賞。 その流れで06年度朝日賞、 第一回早稲田大学坪内逍遥大賞(97-0925/鉄午)を受賞。 08年(山子)の守護神支合年には、 カリフォルニア大学バークレー校より、第1回バークレー日本賞を受賞。 09年(畑丑)には、エルサレム賞(09-0121/陽寅)を受賞し、 「1Q84」が第63回毎日出版文化賞(09-1103/海子)をに、 12月にスペイン芸術文学勲章(09-1207/陽戌)を受勲。 11年(宝卯)、カタルーニャ国際賞(11-0609/草未)を受賞。 12年(海辰)、国際交流基金賞(12-0903/灯卯)を受賞。 「小澤征爾さんと音楽について話をする」が、 第11回小林秀雄賞(12-0831/木子)を受賞。 14年(木午)、ドイツのヴェルト文学賞(14-1003/灯未)を受賞。 16年(陽申)には、アンデルセン文学賞(15-1117/灯酉)を受賞。 18年(山戌)の守護神年には、 フランス芸術文化勲章コマンドゥール(18-0607/鉄午)を受章。 19年(畑亥)の守護神年には、 フランスの文学賞ラ・クエルチャ部門(19-1011/宝巳)を受賞。 22年(海寅)になり、チノ・デルドゥカ世界文学賞(22-0513/陽寅)を受賞。 デビュー以来、翻訳も精力的に行い、 スコット・フィッツジェラルド(1986-0924/鉄辰)、 レイモンド・カーヴァー(1938-0525/灯巳)、 トルーマン・カポーティ(1924-0930/海子)、 レイモンド・チャンドラー(1988-0723/草未)ほか 多数の作家の作品を訳し、 随筆・紀行文・ノンフィクション等も出版し、 知らぬ者はいないであろう村上春樹(49-0112/宝丑※)が、 18年(山戌)から19年(畑亥)の守護神年に「文學界」に発表した 「石のまくらに」「クリーム」 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」 「『ヤクルト・スワローズ詩集』」「謝肉祭(Carnaval)」「品川猿の告白」に 書き下ろしの表題作を加え6年ぶりに、 8作からなる短篇小説集『一人称単数』を 20年(鉄子)の07月20日(木子)を上梓しているので、取りあげる。 「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。 しかしその切り口が増えていけばいくほど、 「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。 そしてそこでは、私はもう私でなくなり僕はもう僕でなくなっていく。 そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。 そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 「一人称単数の世界にようこそ」だが、 普段スーツを着ることのない著者の残像。 いつものように、村上春樹的な人の日常の印象は随所にみられ 毎年多額の税金を遅延なくおさめ、交通違反以外は犯罪歴もない この村上流儀の洗練された姿がそこに提示されている。 バーでの未知の女性との会話。話が噛み合わない。 それはスーツを羽織ったせいなのだろうか。 何も思いだせない、知らないのだから。 「恥をしりなさい」と女性は言い放ったが、 理不尽を受けるような夜は、本人にあるのだろう。 表題作はそんな感じで、多少の違和感を感じる小品。 むしろ「石のまくらに」の20代の頃四谷駅近くの イタリア料理店の皿洗いの僕とホールで働く 一人学生ではなく浮いていた女性と飲み会のあとで 武蔵小金井に住む歳上女性が、 「ひとりで帰りたくない」といって阿佐ヶ谷駅で降りて 僕のアパートで動物的交感した時に、 あとから送るといわれ期待していなかったのに、 自費出版したであろう短歌集が送られてきた 思いがけない想いと捨てずに残るその綴り。 二人はもう顔をあわせることがないのに、 ただ武蔵小金井まで一人で電車にのっていたくなかっただけなのだ。 どちらの気持ちもわかるが、これが村上春樹。 実際は違うのか本当なのかわからないが、 他のどの短編をのぞいても、濃度の差こそあれ、 村上春樹以外のなにものでもなく、顔がしれているだけに、 かえって読んでいても彼の顔が浮かんでしまう、 それが利点であり難点であることを、あくまでも確認したにすぎない。 「クリーム」は、浪人中の想い出。 「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は願望。 「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」は、 鮮烈な高校時代に出会ったビートルズの衝撃。 ストーンズではなくビートルズである必然。そして、死。 「ヤクルト・スワローズ詩集」は、夢のような千駄ヶ谷時代の追想。 「謝肉祭(Carnaval)」は、美醜についての考察。 「品川猿の告白」は群馬県のひなびた温泉でのある出逢い。 繰り返すが、全部村上春樹意外のなにものでもない 気づいたらその世界に引き込まれる怖さ。 京都府京都市伏見区生まれ。両親ともに高校の国語教師。 親が甲陽学院中学校の教師として赴任したため、 まもなく兵庫県西宮市の夙川に転居。 その後、兵庫県芦屋市へ転居。兵庫県立神戸高等学校卒業。 卒業時がDNA「車」のありえない天剋地冲年のため、 一年の浪人生活ののち、68年(山申)の守護神年に、 早稲田大学第一文学部演劇科へ入学。 学生運動には興味を持つものの参加せず、 シナリオ・ライターになりたいという思い シナリオ研究会に入るも短期間でやめ、 その後は大学の演劇博物館に入りびたりシナリオを読み、 年間200本以上の映画を観る生活を送った。 当初は、東京都豊島区目白の私立寮「和敬塾」で約半年過ごした後退塾。 東京都練馬区にある、西武新宿線都立家政駅から 徒歩15分のアパートに転居。 69年(畑酉)のDNA「龍」の改良改革年に、 東京都三鷹市の駅から遠い武蔵野の田園風景のある場所へ引っ越すも、 71年(宝亥)に、結婚して東京都文京区千石にある妻の実家に転居。 74年(木寅)に、東京都国分寺市に転居し、 ジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開店。 いわゆる「三角地帯」の家に住み、国分寺市内の「メゾンけやき」に転居。 75年(草卯)、早稲田大学文学部演劇科を卒業。 77年(灯巳)のDNA「車」の条件なし天冲殺に ジャズ喫茶「ピーター・キャット」の移転に伴い 東京都渋谷区千駄ヶ谷にある 「プリンス・ビラ」という木造二階建てのアパートに転居。 81年(宝酉)の大半会年に、千葉県習志野市の日大理工学部に隣接する 千葉県船橋市に転居。 84年(木子)、神奈川県藤沢市鵠沼に転居。 85年(草丑)、東京都渋谷区千駄ヶ谷のマンションに転居。 86年(陽寅)、ありえない火性の変則方三位年に、神奈川県大磯町に転居。 86年(灯卯)、ありえない火性年に、 ローマ、ギリシャ等ヨーロッパへの長い旅に出発。 91年(宝未)の納音年に一旦帰国後、 米国ニュージャージー州のプリンストンで、 その後マサチューセッツ州のケンブリッジで暮らし、95年(草亥)に帰国。 00年(鉄辰)の条件なし天冲殺年に神奈川県中郡大磯町内に転居。 東京都港区南青山の事務所については、 97年(灯丑)以降移転を経験するも同地で存続し、 現在も大磯あたりに在住していると思われる村上は、 「鳳」主導で、冷静沈着の客観思考で、情はあるのだが情熱はなく、 攻撃されても正面から受けとめようとしない。 「鳳+鳳」は、繊細だが肩肘張らぬ粘り強さあり。 「鳳+玉」は、論理的だが、個人生活の根底は語らずも、 執拗に触れられると、ごく稀に激情しかねない。 通常モードは、物静かで淡々とする。 才能は、この「玉」で静かな環境で掘り下げる。 どこか超越した目線で、世界を俯瞰する。 「鳳+禄」は、唄うように喋るように洗練された言葉で表現。 「宝+鳳+丑月」は、子供のような純粋な存在。 「子」年生まれ「宝丑」は、可否は別にして自己矛盾は認めない。 生き方を表す伴星は「鳳」で、高級な趣味のような人生。 物事の始めの洩星は「鳳」で、なんとなく始める。 締めにあたる導星は「禄」で、他人によって終了される。 宿命の特長は、晩冬深夜午前2時頃の小高い丘陵にひろがる 湿原にある道標だが、通常は覆い隠されているようで目立たず、 探しだしてたどりついて確認する必要があり、 深夜の旅人泣かせだが、不親切というわけではなく、 暗がりでも磨かれているため、真の理解があれば、 その輝きはおおいに役に立つ存在で、総エネルギーは213点はそれなりも、 自身の金性は63点と自意識高く、瑞々しい完成の水性は93点と研磨は怠らず。 とはいえ守護神土性は37点で、これは村上節ともいわれる もはや定型化したような文体の正体。 とはいえ火性ゼロ(DNA車/牽なし)は、 常にスポットライトがあたるのではなく、限定的。 また、虚実の世界双方で無限大に活かせることも可能で、 登場人物、特に女性に関しては品の良い野蛮性を感じ、 どこにでもいるようで近づきがたい印象。 自尊心は持続せず、プライドは高かろうと おいそれと安売りはしたくないのだろう。 年干支の「山子」は、若年期より大人の感性と対等に渡り合うようで、 吸収したうえで、観察に観察を重ね加工をほどこす。 月干支の「草丑」は、生真面目で、なかなか脱線はせず、 静かで自らはなかなか動けず、他力的な力で動かされる。 そして日干支の「宝丑」は、周囲に全く振りまわされない自動人。 華美な装飾をせず気の利いた言葉を紡ぐが、類い希な金銭運の持ち主。 干支番号構成は、25-02-38で南方東方西方で北方欠けも、 スケールの広さを感じさせているようで、実は狭い狭いを描く。 後天運は、初旬「8歳陽寅」がDNA「牽」のありえない火性の出現で、 どこか素のままでも格好をつけるような印象が付加される。 ありえないから、生地から転々する癖がつく。 変則方三位は、春に向かう横拡がり。 2旬「18歳灯卯」もDNA「車」の同じくありえない火性の危機的状況。 学生運動を垣間見て、右翼から逃れあちこち移ったかと思えば、 ついには結婚までしてしまう。 3旬「28歳山辰」は、年干支「山子」の大半会を伴う DNA「玉」の守護神10年運で、千駄ヶ谷に進出するも、 ありえない夢の中だったため、その後流浪。 聖地になっているようだが、少々違う印象。 とはいえ、鮮烈なデビューをした。 4旬「38歳畑巳」は、月支と日支の半会を伴う DNA「龍」の守護神10年運で、海外題材や海外進出で、 成功者との地位を不動のものとする。 5旬「48歳鉄午」は、DNA「石」の害。 進み行く方向の変化で、月干支「草丑」の干合支害は苛立ち。 相応の活動はしても海外から帰国時に、 大磯の地を踏み、今もなおでは土地になじまずか。 6旬「58歳宝未」は、DNA「貫」の納音で、 前旬の鬱陶しい気持ちは排除して、気持ちは強くなるが、 現実面だけは崩壊も、最高級に望む成果ではなくとも、邪気は払拭。 現在の7旬「68歳海申」は、年支「子」の半会を伴う DNA「調」の苛立ちも反抗反逆するものでもなく 守護神方向の独創的な旅人としての生きざま。 今後は8旬「78歳雨酉」は、年干「山」が干合され ありえない火性の陽光になり、月支と日支の半会という成果がともなう 主導DNA「鳳」でようやく自己確立で、10年運も「灯酉」的にもなるので ちょとした軌道修正でガラリ人生は変わる。 さて、村上といえば、多くの日本人のしるところだが、 究極の興味対象は「なぜノーベル賞を受賞できない」のか。 まず、大局では火性ゼロ(DNA車/牽)のため、 名誉という成分がないためで、スポットライトがあたりづらい。 無限大に使用するならなばともかく、 中途半端といっては、共通干のないながら火性方向の 相手と結婚してしまっているのが辛い。 とはいえ、子供がいないのは、少々の救い。 無限大の女性とかかわっているかは別問題。 小さなことをいえばキリがなく、 旅で留守にすることも少なくないだろうが、 夢の中で終焉の地として大磯を選択しつづけていること。 また、成功者のわりには、大きく人目につく感謝行動をが見受けられないこと。 違う世界に旅立つときには絶対に必要なはずだし、 これらを修正すれば、ノーベル賞の受賞は可能になる。 次旬では舵取りも可能になるのでぜひ実践してもらいたい。 むろん、いますぐできれば来年(23年/雨卯)だって、 主導DNAなのだし、努力すれば叶うものなのだ☆ |
妻・高橋陽子○49-1003 |
陽雨畑海 寅酉丑※+2 調牽龍司調(司主導) 木性(24)火性(34)土性(49)金性(40)水性(42)/総合189 戌亥天冲殺/天冲殺(2歳木戌/12歳草亥) 変則方三位(22歳陽子/52歳畑卯)/干合支害(72歳宝巳) 木性脆弱/火性脆弱 +2歳木戌/12歳草亥/22歳陽子/32歳灯丑/42歳山寅/52歳畑卯/62歳鉄辰/72歳宝巳〜 |
■2022年10月03日(火)畑丑 |
勝浦雅彦○つながるための言葉の現在地と失う健康 |
○法政大学在学中の人生の折り返し地点(97年/灯丑)に、 シンボル校舎「ボアソナード・タワー」の命名者になり、学長表彰を受ける。 新入社員時代に役員に直訴して、営業からクリエーティブに転局。 まったく芽が出ず部署をクビになるが、 東京を飛び出し不屈の精神でコピーを書き続ける。 ある時「なぜ、人はつながりたいのか」に気づき、運命が好転。 約10年間の非正規雇用期間を「言葉」で乗り越え、株式会社電通入社。 15年以上、大学や教育講座の講師を務め、広告の枠からはみ出した コミュニケーション技術の講義を行い多くの同志とふれあい、 TCC賞、2009クリエイター・オブ・ザ・イヤーメダリスト、 ADFEST FILM最高賞、Spikes Asia、Cannes Lionsなど 国内外の受賞多数。TCC会員。宣伝会議講師。 法政大学特別講師の勝浦雅彦(76-0922/灯丑)の 初の著書『つながるための言葉』が、 01月30日(雨未)のDNA「車」日に上梓された。 人間は他者とつながらなければ生きていけない。 それは言葉を伝えることで達成される。 その方法論を、具体的かつ軽妙な筆致で解説。 「世界すら凌駕する言葉の海のベストガイド本。」 「よのなかへのラブレターみたいな本です。」などと称賛される中身は、 「今を生きるみなさんが日常生活の中で必要になることを、 言葉にしてつながりたいあなたの気持ちを掬い、 明日誰かに会うのが楽しみになる、 自分という人間を言葉で表現することに自信が持てる、 そのための大きな気づきを残すことをお約束します。」として、 自己の経験といまの位置にたどりついた自慢! そして「考えて、準備して、練習しているから」こそ 「つたえることができる」と、まあそれなり。 千葉県千葉市若葉区出身で、法政大学法学部法律学科を卒業し、 読売広告社、電通九州、電通東日本を経て、電通に入社も、 15年間は非正規だったという勝浦は、「禄」冲殺主導で、決して満足をしない。 それを人を向上心とも定義するが、 なかなか出費に見合う収入が得られなかったり、 あればあるだけ、必要に迫られる。 才能は主導する「禄」で、目立とう根性。 「禄冲+調」は、妙な部分で競争心にかられる。 独創的発想で他人に認めさせたい想い。 「禄冲+鳳」は、妙に口先滑らか。 「禄冲+石」は、他者を旧知の仲間のように知ったふり。 「禄冲+貫」は、くどいばかりの自己演出。 「灯+禄冲+酉月」は、忠誠心なし。 「辰」年生まれ「灯丑」は、王道を目指す。 生き方を表す伴星は「禄」で、実態がつかめない感謝。 物事の始めの洩星は「貫」で、自分一人で始める。 締めにあたる導星は「禄」で、他人に終了させられる。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の派手なネオン合戦。 夕日が沈みきっていないのに、ギラギラと顧客を奪い合うための照明装置。 総エネルギー205点と一見普通の熱量に思えるが、自身の火性62点は身強だし、 年干「陽」月干と日干が「灯」の火性天干一気は、 目上を言葉ひとつで焼き殺すようなもので、厄介。 発信力の土性40点に引力本能で才能の土性は44点。 さらには稼働力の水性が40点だが、水性は真水の「雨」で「海」がないため、 配偶者は成分なく、栄誉にしても一般的ではない。 最大の弱点は、守護神木性が僅か19点しかなく、 年支「辰」内で工夫するようにできているが、 これとて安定供給の「木」ではないので、 一瞬の彩りであるので、引き出しはそこまで広くなく、 意図的に取り込まない限り感性を磨くというより、 既存のものを組み合わせて使用するので、コピーライター。 野菜をふんだんに食する生活が好ましいが、 日々の食事を眺めていると、ジャンクフードとは言わぬが、 高給を誇る電通マンらしからぬ不器用なもの。 他人との会食はいざしらず、自分を高めるための食事とは到底思えず。 年干支の「陽辰」は、挫折の少なくない人生で、 表向きは柔和なムードも、内実は皮肉屋で愚痴も多く、 いかにも演出ありの作られた世界。 月干支の「灯酉」は、怖い物知らず。相手がどんな地位であろうと、直談判。 冷静より情熱優先で、人情家として訴求。 そして日干支の「灯丑」は、誤解されやすく艱難辛苦。 先祖のなしえなかったような成功を目標とする。 干支番号構成は、53-34-14で北方西方東方の鋭角地帯で、 存外、得意分野は限定される可能性あり。 後天運は、初旬「5歳山戌」が、DNA「調」の他人とは異なる人生。 年干支「陽辰」を納音的(初旬のみ陽と山は同格)なため成功運型。 繊細と言えば繊細だが、ここから30年は変剋律(異常干支)なので、 それゆえの苦悩もなきことは非ず。 いわゆる才能を活かすなら変人奇人の域に達すべき。 2旬「15歳畑亥」は、DNA「鳳」の伝達本能強化も、 これといった決め手なしで、高校3年秋の進路相談時に 「文章を書いていく仕事をしたい」と相談すれと、 担任には「文章を書くなら新聞記者になればいい」 「人を好きになればなれる」と強く押され決意する。 (だったら、とことん目指せよ)腕試しは大学のシンボルタワーの命名。 大学では試験で30人登用の狭き門の電通のクリエイティブ塾に通うが、 第一希望の会社に就職できなかったばかりか、営業配属となり落ち込む。 3旬「25歳鉄子」は、DNA「司」の積み重ね。 堅実志向が望まれるのに、生月冲殺が自己発揮して、 営業担当専務にかけあい「3年辛抱すれば制作室に行かす」と言質をとり 実際努力をして、制作室への異動を勝ち取るが、 全く使い物にならず、また営業に戻されるが、 05年(草酉)の守護神天冲殺年に、ブチきれて退社。 ツテをたどり、未知の土地、九州の会社に 契約のコピーライターとして職をえる。 4旬「35歳宝丑」は、苦悩の30年を抜けた主導DNA「禄」。 自己確立を伴い自分を知り、自分で営業をしてコピーを書いて受賞。 さらに転職を重ねていたが、年干「陽」が「海」に変質するため、 その「海」が月干と日干の「灯」とさらに干合して、 それぞれ「木」と「草」になり、干合木性天干一気入格。 DNA「石」の仲間に入りこむので、ようやく電通に中途入社。 とはいえ、自己発揮の反動ばかりか、干合による体質変化あり。 現在の5旬「45歳海寅」は、DNA「牽」の名誉なので本書を上梓。 とはいえ、月干と日干の「灯」が変化し「草」になる 進み行く方向の変化で火性天干一気破格となり、 燃えるような勢いに欠けるばかりか、不整脈のため入院。 さらにはヘルニア手術中の医療事故による 患部損傷、入院の延長、退院後のカテーテル留置などで散々。 B級グルメばかりでは身体が変調をきたしてもやむなし。 今後は6旬「55歳雨卯」は、DNA「車」の危機的状況。 年支「辰」の害で前進気勢をそがれ、 月干支「灯酉」の天剋地冲では、立場もなくなる。 7旬「65歳木辰」は、DNA「玉」の復調気配、 とりまく環境は救いが見えて落ち着きを取り戻し、 現役より教える立場を堅持するようになる。 8旬「75歳草巳」は、DNA「龍」の改良改革気分一新で、 月支「酉」VS日支「丑」のからむ三合会局で、 とてつもない新たな試みなのか別世界に旅立つ。 さて、本書の読者の想定は営業職のセールストーク磨き、 言葉マニア、大好きな人にいうべき言葉がみつからぬ人や 同業者や周辺の人間に加えファンや業界を目指す学生などか。 「宇宙に散らばった無数の情報を収集し整理し集約する」のが コピーライターの正体と豪語、流れに乗ってこその生月冲殺が、 自己発揮の末、30代のほとんどを非正規雇用になったのは、 誰でも真似ができるものではなく、推奨できぬ生きざま。 そんな勝浦でさえ、身体を剋したために、不本意な入院まで体験。 「言葉は矢印である」「自分のWIKIをつくるつもりで」 「言葉の開放はあなたの社会的キャラクターを象徴する」 「秘密はあなたがまだ表現できないもの 盲点はあなたが客観的に気づいていないもので、 未知はあなたも他者も思いもしないキャラクター」だそうだが、 たまたま、持ちあわさえている運気がそれなりだった勝浦が 一人気ままに努力ができたからの芸当であり、 信じられないだろうかもしれないが、最初の勤務先を退社せず、 趣味でコピーの技を磨いていた方が、よほど今の会社のほうから、 スカウトの声がかかりストレスも少なかったのではないか。 「心に愛がなけれなどんな言葉も響かない」はもちろんだが、 愛は勝浦の場合、自己顕示欲にもつながる。 また就活者を想定しているのか、「過去の自分が何をしてきた」かを伝え、 「現在の自分がなぜその企業を目指す」のか、 「その企業で未来に何をしたい」のか、「面接官とは仲良くする」から 「OB訪問の仕方」から「SNSの活用術」など多岐にわたりながら、 「恋は本能、愛は理性」といいつつ万葉集をひいて説明するが、 これは一般人はもちろん就活生に役立つかと言われると、 素直にそうでないだろうと思う。 「僕たちはつながっていこう。これから何があっても、きっと大丈夫」は、 勝浦の自慢話であり、実生活に役立つものはないばかりか、 業界人なら知り得ている話だろうし、就活生もかえって毒されやすい。 大切なのは、つながるつながらないではなく、 己を知り自然界の力に抗うことなく滑らかに生きるではないのか☆ |
■2022年10月04日(水)鉄寅 |
三木那由他○言葉の展望台に潜む表も裏もある罠 |
○言語やコミュニケーションを専門とする日本の哲学者で、 ポール・グライスの「意図基盤意味論」の問題点を検証し、 その代替として「共同性基盤意味論」を提唱した。 話し手の意図や信念、目的などには還元できない コミュニケーションがいかに生まれてくるかを考察するとともに、 それによっていかにしてコミュニケーション特有の 暴力の形態が生じるのかを論じようとしている。 19年(畑亥)のDNA「調」年に「科学哲学」に掲載された 論文「意図の無限後退問題とは何だったのか」は、 天剋地冲年だった20年(鉄子)度には、 石本賞の最終選考にノミネートされるなど 精力的な発信を続けているかに見える三木那由他(85-1103/陽午)が、 群像21年01月号及び同年05月〜22年04月号に掲載したものを 加筆訂正した『言葉の展望台』を、 07月19日(雨酉)のDNA日に上梓している。 「夕方から雨らしいよ」と言えば、傘については何も言っていないのに、 「持って行ったほうが良い」と伝えることができるのはどうしてだろうと、 「どうぞ」と心の中を見せないまでも、 他人はどうして私の気持ちを察するのだろう。 いま、あなたとの会話で起きたことは、いったい何? 「コミュニケーション的暴力と意味の占有」は、 少々挑発的な表現だが、そこが三木流。 会話の引き出し、言語的なポリティクス、アイデンティティと一人称、 人々をつなげる言葉、誠実な謝罪と不誠実な謝罪・・・。 難しくて切実で面白い「言葉とコミュニケーション」を、 「哲学」と「私」のあいだのリアルな言葉で綴るエッセイで、 「ちょっとした言葉に透けて見えるもの」や 「張り紙の駆け引き」「言葉の空白地帯」「すだちかレモン」など 哲学と私のあいだの会話の引き出しについて考察している。 「当たり前に思っていた景色がこんなにふうに変化するのか」と いうような哲学的な切り口なのだが、気軽ではないので、 漫才でもコメディにもなっていないが、根底は同じ。 「いま忙しい」も「あとで話を聞くといったじゃないか」とすり替える。 かと思えば吉村洋文(75-0617/木午)大阪府知事が、 60年に一度のDNA「牽」の不名誉な害年に 不勉強失言「ガラスの天井がつきぬけた」の誤用したことには、 立場上、手厳しいのは当然で、言葉は厳密にいえば一定の制限があるべきだし 「流通している意味で使うべし」は正しく美しい。 また「LGBT」については「L」なのか「G」なのか「B」なのか「T」なのか 「なぜもっと具体的に話さないのか」 「なぜあえて情報を減らす必要があるのか」と噛みついている。 「性の自認を理由とする偏見と差別」に苦言を呈し 「セクシャルハラスメント」という言葉の意味も考察し、 最後は「トランスジェンダー」同士の交流を報告し、 本人のありかたを同意なく第三者に開示する 「アウティング」の不利益を忌み嫌いながらも ちゃっかり高らかにカミングアウトをできるのは、 条件なし天冲殺の夢の中で気持ちが楽になり、緩くなっているのだろう。 抽象的な話を個人的な話で刺激を減らし 正に本人の言うように記念書になっている。 神奈川県内に誕生。転校が多く、小学6年生の時は神戸市に居住。 私立男子高校卒で、08年(山子)の主導DNA「鳳」年に、 京都大学文学部人文学科を卒業。 10年(鉄寅)のDNA「禄」の三合会局を伴う条件なし天冲殺の夢の中で、 京都大学大学院文学研究科思想文化学専攻 修士課程修了。 13年(雨巳)のDNA「牽」年には、 京都大学大学院文学研究科思想文化学専攻博士課程指導認定退学。 15年(草未)のDNA「玉」年には、京都大学で博士(文学)取得で、 16年(陽申)から1年は、京都大学アジア研究・教育ユニットの研究員となり またこの時期から18年(山戌)の主導DNA「鳳」年まで、 同志社大学文化情報学部の実習助手として勤務。 その後は、大阪大学大学院文学研究科の講師から助教を務め、 22年(海寅)の守護神三合会局条件なし天冲殺の夢の中現在も、 大阪在住と思われるが、皆目不明な三木は「鳳」主導で、 派手に振る舞いながら、自己発信力を強め、 口先ひとつで、様々な局面で自己を守り正当化してゆく。 「鳳+調」は、曖昧な印象を極端な立場で覆う。 「鳳+石」は、実はガサツ。 「鳳+玉」は、専門に関しては雄弁で冷静も、 自己の内側に入りこまれると反撃をする。 才能は、この「玉」で、いわゆる浪花のオバちゃん気質。 「鳳+貫」は、温厚に見せて内面強固。 「陽+鳳+戌月」は、しぶとく執念あり。 「丑」年生まれ「陽午」は、仲立ちの人。 生き方を表す伴星は「禄」で、つかみどころなしの自己顕示。 物事の始めの洩星は「玉」で、身内の助け。 締めにあたる導星は「鳳」で、趣味のような人生。 宿命の特長は、晩秋午後九時過ぎの不自然に沈まぬ夕日。 総エネルギー238点はまずまずで、自身の火性は90点と強力も、 それを支える木性は僅か22点しかなく、その心は反復で防御。 発信力の土性は67点で、いわゆる口八丁タイプも、 金性40点の成果はともかく稼働力の水性は19点しかなく、 それも雨水の権威となる陰の水性で、 いわゆる守護神に値する陽の水性の「海」はなく、 格好をつけねばならぬとはいえ、野人扱いなので、情け無用の何でもあり。 また、年支「丑」VS日支「午」の害は、表も裏もあり。 首尾一貫といかぬところは、中途の性別変更か。 とはいえ内側に、月干支「陽戌」VS日干支「陽午」の大半会があり、 強固に自説を曲げぬばかりか、売り物にもする。 このあたりは「教師」と「弟子」ではなく仲間にもなりうる。 苦悩を体験したことが、研究者への道へ歩ませたということだが、 苦悩したくなければ、社会との関わりを断てば良いのだが、 それも許さぬ気質で、屈折した人生を送る。そもそも、陽光はこの世にひとつ。 なのに、ふたつもあるのは大矛盾(理由は後述)。 年干支の「草丑」は、幸か不幸か真面目一方。 哲学への道はこれと母校、母親などの影響。 月干支の「陽戌」は、小商いが向く現実主義者なのに、 高尚な学問を究めようとすると精神の異常をきたす可能性あり。 そして日干支の「陽午」は、他人の運を喰いちらかす いわゆるところの「ヒノエウマ」で、 ある意味、食わせ者で正体は危うい魔物だろう。 干支番号構成は、02-23-43で東方南方西方で北方欠け。 後天運は、初旬「9歳草酉」は、DNA「玉」の強化で、 頭脳は明晰とまでいかぬが、より濃厚のオバちゃん気質増。 年干支の「草丑」の大半会もあり、後天成功運型。 稼働すればするほど、意識はくどいが浪花の母。 2旬「19歳木申」は、DAN「龍」の改良改革気分一新。 ここで、性別変更という変身。だらといって10年運は変わらず。 あくまでも屈折の是正といったところか。 現在の3旬「29歳雨未」は、DNA「牽」の役割発揮で、 自尊心満足と権威への道のり。 今後は4旬「39歳海午」が、DNA「車」の多忙も、 日支は刑もあるが、自傷はなしにしてもらいたい。 5旬「49歳宝巳」は、年支「丑」の半会で行く気満々の DNA「司」の干合は、年干と月干の「陽」を同時変質。 進み行く方向の変化ばかりか、自身の変化。 6旬「59歳鉄辰」は、年干「草」が干合で「宝」になる 月干支「陽戌」のDNA「禄」の天剋地冲で、 二次干合を誘発すれば、年干は「雨」となり、 月干と日干は「海」の水性の天干一気となり、 知恵で目上をしとめ亡き者にするが、 自身の害を考慮すれば返り討ちもなきにしもあらず。 7旬「69歳畑卯」は、DNA「調」の晩年の10年運天冲殺で、 反骨の志士になっていないか心配。流れに乗らんとね。 8旬「79歳山寅」は、主導DNA「鳳」の10年運天冲殺で、 自己確立ばかりか、月支「戌」VS日支「午」のからむ 火性強化の三合会局で、後悔はないだろうが、 弾けすぎて、空中分解しないかは心配でもある。 さて、同じ生年月日の人が同じように、 性的マジョリティを感じるかというと違う。 また性別変更をしようと魂の集積体に変化はなく 後天運に性差はないので、それはこの世に誕生したのまま。 では、なぜ宿命から三木がなぜそうなったかだ。 三木の日干は「陽」。したがって母親は年干の「草」になる。 では、父親はどうかといえば、干合相手の「鉄」がないので、 年支「丑」なり月支「戌」になる「宝」で、 年支「丑」VS日支「午」の害のなかに入ったと思えば、 陽光が二つ並ぶわけなく、月支「戌」内に陰の火性もあり、 強烈で距離のある不安定な父親とは縁稀薄で、親の結婚に要因あり。 表も裏もある性癖と矛盾が重なったのだろうが、 転校も多かったばかりが、これが後転的に男子校に入れられたのが 決定的になったのではないか。 またそれを見事に学問社会でも活かしている三木は立派だが、 あまり難しく考えると自己崩壊を起こしかねない。 いずれ異なる世界にでていくのは否定することもない☆ |
■2022年10月07日(金)雨巳 |
加門七海○船玉さま 怪談を書く怪談 にないものあるもの怖いもの |
○学芸員として美術館に勤務後、92年(海申)のDNA「禄」年に、 「人丸調伏令」で小説家デビュー。 日本古来の呪術・民俗学などに造詣が深く、 超自然を真摯に研究する生粋の怪談作家として オカルト・ルポルタージュでも注目を集める。 ひとり百物語を特技とするほど、心霊体験も豊富で技巧派。 東京の歴史にも精通しており、かなり怖いめに遭っていながら てのひら怪談大賞の選考委員を務めている加門七海(62-0120/山午)が、 13年(雨巳)の干合年に上梓したものに、書き下ろし一編(魄)を加えた 『船玉さま 怪談を書く怪談』を、 02月25日(畑酉)の主導DNA日に上梓した。 怪談実話のパイオニアが綴る恐すぎる実体験。 書かれた「怪」は「怪」を招く〜。人には「海」好きと「山」好きがいる。 (どちらも好まぬ街好きもいるけどね) 海が怖い。海は死に近いから〜〜。しかも「山」の昆虫はそれらしくわかるが、 「海」は、魚なのかそれ以外の生物か判らないのが怖い。 「山」好きを公言するのは作者が「山」に挑む。 「山」が「海」を剋せるかというと可能だが、力を有する。 そして怪異に出会うのは夜だいうが、 作者がそんな風景を所有している(後述)のだから条件は整っている。 山では「この先に行ったら、私は死ぬ」というような 直感で足がすくんだこともある。 海は、実際恐ろしい目にあったことがないのだけれど、怖い。 ある日、友人が海に纏わる怖い話を始めた。 話を聞いているうちに、生臭い匂いが立ちこめてきた〜。 海沿いの温泉ホテル、聖者が魔に取り込まれる様、 漁師の習わしの理由、そして生霊・・・・ 作り話ではない作家が体験したり、 信頼のおける人が体験したことだからこその凄味。 理屈では語ることのできない 視える&祓える著者でも逃げ切れなかった恐怖が満載! 「これ本当に実体験!?と驚くことばかり。ぞくぞくします。」と絶賛! 東京都墨田区生まれ。実家は何らかの商いをしている模様。 墨田区と江東区で育ち、多摩美術大学大学院修了。 現在は実家を出て東京都台東区在住の加門は、 DNA「石」冲殺主導で、人間関係の構築が不得手。 組織に融合せず、翻弄されるばかり。 「石冲+石」は、集団内の変わり者で独善的。 「石冲+調」は、補佐役に満足せず妙な自尊心あり。 「山+石冲+丑月」は、他人の何かを譲り受ける。 このあたりが、怪談収集が難なく可能なところ。 「丑」年生まれ「山午」は、動かないで呼びつける。怪異を! 生き方を表す伴星は「龍」で、変化を求める人生。変化がやってくる人生。 物事の始めの洩星は「石」で、共同作業。 締めにあたる導星は「調」で、自己中心の小うるさい年寄り。 宿命の特長は、晩冬深夜二時頃の所謂丑三つ時の暗闇に 加工すれば売りに出せぬ事はない鉱石を無数に 埋蔵している足場の悪い、ぬかるむような「山」。 恐ろしくて、関わりがたいので同好の士には都合良くも 一般人が入りこめば、それこそ迷宮に違いなく敬遠したい。 総エネルギー214点はまずまずで、 自身の土性は子丑天冲殺でもあり87点の身強。 埋蔵する金性は64点で、引き出しの多さはあり。 ぬかるむ水性の42点は、財なり活動資金になるが 守護神火性21点は、想像するより収集後の加工。 際だった特色のひとつは木性ゼロ(DNA車/牽なし)で、 山崩れを防ぐ木性皆無は、例えて禿げ山。異性や金銭物質の過多で濃厚となり、 突破口は知恵を使った感謝に奉仕だが、実行できるか否かは別物。 なぜかといえば、何を考えているか皆目不明な 生年生月冲殺なばかりか、年支と月支「丑」VS日支「午」の害もあり、 表裏というよりは悲惨さを買うようなもので、 体調不良も意識するので、万全とは言えず。 害の存在が怪異の入りこむ隙間で、 身強の子丑天冲殺だから、負けずに生きながらえる。 年干支と月干支の「宝丑」は、周囲に振りまわされる 自由人ながら、マイペースは保ちづらく仲間次第も 理解のある者の間では笑いも誘う冗談もたたける。 女性は結婚しないほうが、生活が安定する。 そして日干支の「山午」は、最強の子丑天冲殺で、 諦めの良さと統率力の同居のようなもの。 干支番号構成は、38-55の西方と北方を結ぶ一直線で、 脱線しながらも我が道を極める。 後天運は、初旬「5歳海寅」は、DNA「禄」の感謝と奉仕。 あるいは冒険の成果でもあり。 大切にされたか、手に負えずに放置だったのか。 引力本能が強化され、ただでさえ物をひきつける 潜在欲の強い土性過多の雄大な加門には、 なんでもやってくるようになる。むろん怪異も例外ではない。 2旬「15歳雨卯」は、DNA「司」の地道な変化という干合。 10年運干支は「灯卯」になり環境は格段の救い。 日干「山」は「陽」となり、干合日干「陽」は、 年干と月干の「宝」と二次干合すれば、 日干は「海」に年干と月干は「雨」の水性天干一気が完成し、 集中力が増し、知恵や創造力が集積され、目上を吹き飛ばす勢い。 美大への進学はこのあたりの体験から。 3旬「25歳木辰」は、DNA「車」で稼働力があがり、 遠目には見栄えも良くなり、「山」としての彩り。 学芸員として仕事に邁進するばかりか、デビューもなしとげている。 4旬「35歳草巳」は,DNA「牽」で役割発揮で栄誉。 年支と月支「丑」の半会もあり、大いに仕事は伸びる。 ホラーばかりか一般小説でも活躍。 5旬「45歳陽午」は、DNA「龍」。 年干と月干の「宝」が干合され、「雨」になり進み行く方向の変化。 年干は「山」は「陽」、干合年干と干合月干の「雨」は「灯」になり、 干合火性天干一気が成立しやたら目立ち、さすがに学芸員は卒業。 一般的な認知度もあがった模様。 現在の6旬「55歳灯未」は、DNA「玉」の頼りになる守護神。 確固たる地位を確立するばかりか、年干支と月干支の「宝丑」は天剋地冲で、 日干支の「山午」は、守護神支合で、腹をくくって害切れ。 背筋がこの人なりに伸びる想い。 今後は7旬「65歳山申」が、DNA「貫」で頑固な守備本能。 8旬「75歳畑酉」は、主導DNA「石」で晩年ながら自己確立。 己を深く意識し、仲間との連帯をはかる。 さて、加門はとりあえず結婚している形跡はない。 木性ゼロ(DNA車/牽なし)なので、役割発揮なし。 しかも、目上剋し配偶者剋しの子丑天冲殺ばかりか、 年支と月支の「丑」が日支「午」の害で、 これは表裏ありを通り越して、私的面の不安と不穏。 気ままでに好きなことをして暮らしているのが正解。 とはいえ、中身の充実といえど金性64点もあり、 稼働力をあげるのは、金性はこれ以上無用。 にも関わらず猫馬鹿作家之会に所属し、 猫を愛でる行為は、今後の体調悪化を誘発しかねない。 強い子丑とはいえ、子供っぽさも併合しており、 ただでさえ所有していない木性の逆剋で、 生命維持には甚だを問題を抱える守備本能には陰りをもたらす。 健康を考えるなら、野菜をこれでもかと摂取し、 花や緑に囲まれてくらすべきであろう。 そう作家も「大きな木というものは大概人間より長く生きています。 だから魂がどうの以前に、そういうものに敬意を払って、 大切にするのは当然でしょう。人もそれを気にするなから、 祈祷をしたり、御霊抜きそしてもらってっりすのです」 なのに、東京都をはじめ行政は神宮の銀杏並木に限らず、 これまでもイベントのためだたと、道幅を拡げる、 地下への出入り口をつくる場所として最適とか理由をつけて 大切な大地が崩れぬぬよう私たちを守ってくれた木々を いともたやすく切り倒して、災害に弱いスカスカの街をこさえてきた。 いい加減気づけよなのだが、それは人に例えても同じ。 加門はもっと木性を大切にしてほしい〜☆ |
■2022年10月10日(月)陽申 |
唯川恵○みちづれの猫に寄り添いたい |
○短大での専攻が情報処理だったため、地元の銀行に就職すると、 コンピュータルームに配属され、10年のOL生活を経験す。 その間、20代半ばからいわゆる習い事フリークになるが、 長続きせず、続けていた日記から小説家になりたいと考え、 84年(木子)のDNA「調」年に、「海色の午後」で 第3回コバルト・ノベル大賞を受賞し、作家デビュー。 97年(灯丑)のDNA「禄」年には、「めまい」、 「刹那に似てせつなく」が立て続けに話題になり。 01年(宝巳)のDNA「龍」年(実質00年/鉄辰年の最後)に、 「肩ごしの恋人」で、第126回直木賞(02-0116/木申)を受賞。 08年(山子)のDNA「牽」年に「愛に似たもの」で、 第21回柴田錬三郎賞(08-1001/海戌)を受賞している 唯川恵(55-0201/雨巳)が、「小説すばる」他に15年(草未)から19年(畑亥)の間に 書き下ろされた珠玉の猫にまつわる7篇を 19年(畑亥)のDNA「車」の天剋地冲年に上梓した 『みちづれの猫』が、08月25日(鉄戌)に文庫化された。 「ミャアの通り道」。 帰省するのはいつぶりだろう。 大学進学を機に上京して十四年、 忙しさにかまけて実家から足が遠のいていた私は、 新幹線で金沢に向かっていた。 まもなく旅立つであろうミャアを見送るために──。 20年前の夜、偶然迷いこんだのか捨てられたのか 庭に生後2〜3ヶ月の雉模様も猫があらわれた。 父親を説得して飼い始めたミャアがどの部屋にもでいりできるように、 扉は開け放たれるようになり、環境は一変した。 両親にも反抗したし、姉弟で派手に言い争った。 そんな私たちをミャアは時に呆れたように、 時に哀しげに、濃くふちどられた虹彩でじっとみつめていた。 久しぶりに家族5人が集まったなかで、眠るように亡くなっていった。 「運河沿いの使わしめ」は、落ち込んだ人の前に現れる猫。 ふらりとやってきて、立ち直ったのを見届けて去って行く。 それぞれの場所で、茶太郎、小虎、ニャン助、マロンなどと呼ばれ 家から家を渡り歩いていた。 離婚や苛め、病気などで苦しむ人のもとへ現れては元気を与える。 「陽だまりのなか」は、夫を20年前に癌で亡くし、 おせち料理にいれる豆は、黒豆ではなく花豆が好きだという まだ31歳と若い一人息子達也が、 単身赴任先の自宅で、くも膜下出血で亡くなった。 そんな富江の日課は、毎日餌を求めにやってくる 不細工な雄猫と美猫二匹の猫だ。 そんな矢先、息子の婚約者だったという元村千佳があらわれる。 富江は千佳が妊娠していることを気づき、 息子が好きだった花豆の話題で盛りあがり、一緒に暮らしだすが、 実の娘二人が身辺調査をすると千佳は居酒屋で働きながら 男と同棲しており、弟とはただの客でしかなかったとわかり、 追いだしてしまうのだが、やがてブサイク猫が美猫の産んだ ブサイク猫とは似ても似つかぬ仔猫を世話をしているのをみて、 千佳に詫び、花豆の収穫に手伝ってと一緒に暮らすようになる。 「祭りの夜は」は、先の短い認知症の祖母のために、 皆猫の仮面を被り練り歩く猫神様の夏祭りの夜に 祖父が仮面をかぶり、東京に出たってきりの信太郎という初恋の男を演じる。 「最期の伝言」は、母と娘を捨てたかのようにみえた父は、 実は母が略奪者だったという真実を知る娘。 「残秋に満ちゆく」は、軽井沢でフラワーショプ兼 アレンジメント教室を営む58歳の早映子は、 突然に30年前に目黒川にかかる南部橋近くで同棲中していながら、 自分を捨てていった靖幸の訪問をうける。 その間、早映子は見合い結婚をし不動産屋にとつぐが、 出産した息子が二十歳になり性同一障害を訴え出奔。 跡継ぎを失った嫁ぎ先からは追い出されて事業をはじめたのだ。 靖幸は余命幾ばくもなく、それを隠して早映子に会いにきたのだが 早映子は酒をすすめるだけで、話を一切聞こうともしない。 店をでたた途端、靖幸は倒れ救急車で運ばれた。 年が明けて二月、靖幸が預けていた猫が 早映子のもとに届けられ、すべてをしることになる。 「約束の橋」は、信用金庫勤務の雪乃が見合い結婚した 猫嫌いの夫の跡取りづくりだけの苦痛と新たな猫との出逢い。 そして死産と離別と東京での新しい暮らしと猫との出逢い。 悲しいのは60歳を過ぎて、猫の里親団体から、 「もしもことがあったら」と猫をもらいうけることを断られたこと。 ふり返れば、いつもかたわらに猫がいた。 離婚して傷ついた時、肉親を亡くした時、 家庭のある男を愛した時、人生の様々な場面で 猫に救われてきた女性たちの心洗われる七つの物語。 ここには和みも癒やしもないが、喪失と別離には 愛がこめられており、猫をとおして生きてきた あたりまえの人間模様がたしかな筆致で描かれている。 石川県金沢市桜町に生まれ、金沢女子短期大学(現金沢学院短期大学)卒業後に、 北國銀行で10年間OL生活を送り、デビュー後に上京。 00年(鉄辰)のDNA「玉」年に結婚し、 04年(木申)のDNA「調」の支合刑年に 長野県北佐久郡軽井沢町在住の唯川は、DNA「車」主導で、素早い反応。 行動しながら考えるうえに、単独行動なので意志決定明解。 「車+禄」は、呪縛を嫌い自然志向。 「車+司」は、いつでも一生懸命。 「車+調」は、何もしていない生活は絶えられず。 才能は「調」で感性鋭い反骨精神。 「雨+車+丑月」は、言霊を発信も誤解も招く。 「午」年生まれ「雨巳」は、束縛的で孤立を好む。 生き方を表す伴星は「車」で、単独行動。 物事の始めの洩星は「調」で、何かからの離別。 締めにあたる導星は「車」で、無に帰す。 宿命の特長は、深夜午前二時頃の川の流れ、あるいは霧。 総エネルギー247点は冷静で厳しい姿とはいえ 自身の水性は28点という、か弱き部分もあり。 創造力の金性は33点だが、月支「丑」VS日支「巳」の半会があり、 結婚して内側世界を意識すると、妙な発想も生まれるが、 生年冲殺で仕事優先、生日冲殺で互換冲殺もあり、 目上縁の午未天冲殺ながら、社会にでてから 故郷に10年も留まってくすぶり、習い事程度でも燃焼できず。 発信力の木性は16点しかないので、勢いが全て。 また、引力本能の火性は85点もあるので、成果に結びつきやすく、 稼働力なり配偶者成分の土性は同様の85点で重厚。 守護神火性は月干「灯」になるうえに、 その燃料である木性は年干「木」があるので、 極めて恵まれた風景だが、年支「午」VS月支「丑」の害は、 妙な使用の仕方でこそ活きるので、 他人と異なる作家へと舵を切ったのは英断も遅いくらいか。 とはいえ、それは初動の躓きの想定内だし、 むしろその不穏さが魅力となった感もあり、ありがたい。 矛盾ありこそが小説家への称賛にもなるだろう。 日干の水性が年干の木性を生じ、さらにその木性が月干の火性を生じるという 社会貢献ありきの生年冲殺としては、害があろうと理想型。 年干支の「木午」は、心優しいが犠牲はつきもの。 月干支の「灯丑」は、先祖の無念を晴らす。 そして日干支の「雨巳」は、穏やかさを感じさせるのは一瞬で、 瞬時に相手を見極め、猜疑の目を向けるが、 それは自己の領域に深く入りこませないため。情念は深い。 干支番号構成は、31-14-30で西方と東方と南方を結ぶ 極めて鋭利な領域で、一瞬で全てを語る短編に妙。 後天運は初旬「9歳陽子」が、DNA「司」の守護神で堅実。 年支「午」VS月支「丑」の害を切るばかりか 火性強化は生涯にわたって救いの恩恵はあり。 2旬「19歳草亥」は、DNA「鳳」の表現力強化。 日支「巳」の対冲で内側に眠るものを刺激する 特別条件付き10年運天冲殺で、あたりまえでなければ稼働。 80年(鉄申)に交際していた相手に手ひどい振られ方をして、 「自分の人生はもう終わってしまった」と落ち込み、 習い事を始めるも消化できず、あるのは際だった創作を始めるも、 受け入れ態勢がないので、結果には到達できなかった。 3旬「29歳木戌」は、DNA「調」の才能強化ばかりか、 冲殺年干支「木午」の大半会まである受け入れ態勢万全の 特別条件付10年運天冲殺で、入るや否や受賞して、 あとは上京して勢いだして売れっ子に。 4旬「39歳雨酉」は、DNA「貫」の大半会で、 当初は酒に逃げていたが、母親が脳梗塞で倒れ、 定期的に規制帰省することで、生活のリズムを刺激することで、 結婚相手にもであい直木賞を受賞するという、独自路線の強度を見せ、 さらには結婚を機に、軽井沢へ移住という流行の先端へと堂々復調。 5旬「49歳海申」は、DNA「石」の協調性和合性。 月干「灯」の干合による進み行く方向性の変化で、木性強化は才能強化で、 仲間という「女性の人生を追ってみたい」という思いが強くなり、 先達の登山家・田部井淳子(1939-1020/鉄寅)の人生を追う。 ここでは、柴田錬三郎賞も受賞。 現在の6旬「59歳宝未」は、DNA「龍」の10年運天冲殺で、 新たな挑戦が成果に結びつくもので、 年支「午」VS月支「丑」の害切ればかりか、 日支「巳」と年支「午」をつなぐ夏の方三位まで完成し、 結果に最大限の思いをこめ、晩年でも意欲さえ失わねば万全。 今後は7旬「69歳鉄午」は、DNA「玉」の10年運天冲殺。 まさかの金沢還りではなく、古典などへの王道回帰が さらなる評価を高めることになる。 8旬「79歳畑巳」は、DNA「車」の主導DNAで、自己確立。 自己の人生の集大成に入っても良い時期だ。 さて、唯川の結婚は早くない。土性過多は迷いで、 土性に剋される水性の末路は哀れだからと感じていたからだろう。 夫は「雨」の干合相手の「山」。 これは日支「巳」内にあり、唯川より運格は下。 かつてはアウトドアライターとして、山登りに励んでらしいが、 土性は陰陽の「畑」が、年支「午」と月支「丑」内にもあり、 特に害中にあるもので、20代の躓きはこれだろうし、 実際の結婚相手も、相当の変わり者であることが理解できる。 とはいえ、結婚と同時にセント・バーナード犬を飼い始め、 10年ほどで亡くし、ペットロスになったようだが、 その時庭にやってきては、餌だけをねだる現金な猫たちに刺激され 本作を書いたというのだから、まんざらでもないが、 ペットを飼育すれば、気が乱れやすくなり、 適度な外猫との交流は望むところだったのかもしれない☆ |
■2022年10月16日(日)海寅 |
柿原朋哉○匿名というぶんけいの分身の優しい狡猾 |
○12年(海辰)のDNA「石」の条件なし天冲殺の害年に、 監督脚本を手掛けた「disPair」が、 NHK杯全国高校放送コンテスト 創作テレビドラマ部門で優勝。 美大に進学希望も、優勝特権の推薦枠で、 13年(雨巳)のDNA「貫」年に、条件なし天冲殺の夢の中で 望まぬ大学入学も17年(灯酉)の守護神天剋地冲年には大学を中退し、 制作会社「トウメイモード」(現・ハクシ)を設立。 また「踊ってみた」動画投稿でも注目され、 15年(草未)から22年(海寅)まで、小豆(94-0203/鉄申)と二人運営していた YouTube「パオパオチャンネル」は、 登録者数141万に達する人気を博し、 「パオパオ解体新書」を刊行したが、現在は活動休止。 20年(鉄子)のDNA「玉」年よりは、個人でYouTubeにて生配信や動画投稿。 また、同年株式会社チョコレイトに企画作家として入社し、 映像制作などを手がけ、映像の世界のみならず、 初のエッセイ本となる「腹黒のジレンマ」を出版。 自身のファッションブランド「meeme(ミーム)」を設立するなど 精力的な活動を展開している「ぶんけい」こと、 本名の柿原朋哉(94-1113/雨卯)として、書き下ろしの『匿名』で、 08月27日(海子)のDNA「石」の変則方三位日に小説家デビューした。 北兵庫のイオンモールしかない田舎で誕生し、 自我をだすのが苦手で、束縛する父母から逃れるように、 親権者のサインを偽造して、バイトした資金と奨学金で上京した。 父の葬儀にでなかったのは少しは未練だが、 母の言う満たされた地元での幸福は念頭になかった。 「様々なことに興味を持ち、徹底的に答えを追い求めることができる」 などという無理矢理ひねり出したエントリーシートを使った 就活にことごとく失敗した越智友香は、いままさに渋谷にある スクランブル交差点にあるビルから飛び降り自殺をしようとしている。 契約社員で入社したWEBライターの会社も、 正社員でない負い目から誰にも告げられず世をはかなんでいたのだ。 薄給なのに残業が多く転職活動すらままならず、 人望のある正社員の沢城先輩には理解できないだろう。 そんなとき大音量で流される同年代女子と思われる 覆面歌手の歌声がささった、越智→没落という自虐したハンドルで、 「あなたはそのままでいいのよ。伸び伸び生きなさい」 Fに救われファンミーティングで知り合ったアカネさんという 元アイドルグループの筋金入りリアコだった女性と Fの追っかけを開始し、ついに深夜生放送に登場した Fの正体を知るまでの葛藤とまるでゲームのような物語。 謎に包まれているのが至福だったが、禁断の掟破りの先にあったものは何か。 過去の壮絶で理不尽な苛めから逃れ上京し、 通信制女子高生だったFことフカミ(町田史佳)は 自分の屈折した過去を歌にのせて呪うような情念で、 いわゆるネット上のバズリから スカウトされて頭角をあらわしてきた歌い手だ。 名前を変えるだけで、まるで生まれ変わったように。 人生をリセットしたように明るくなれた。 覆面アーティストとして活躍するFと、 ファンアカウントでFの正体を追う友香―― あるときFは事実でない暴露攻撃をされ困惑したが、 真実がわかり、復活をとげていった。 そんなとき、越智友香のもとに転送された地元高校の 全員参加を謳う同窓会の告知が届く。 友香はFにはなれない、でも「救ってくれFにお礼を言いたい」、 Fへの思いが生きる原動力となった友香だったが、彼女は覆面アーティスト。 Fを追い続けた友香は、やがて衝撃の事実を知ることになる。 秘密は、あたしを自由にしてくれる。 Fが生放送でうっかり口にだした「マクド」。 同窓会で起きた、一人足りない事件がきっかけで、 事態は思わぬ災禍へと向かう。苛めの被害者と加害者のその後。 交差すべくして交差した、スクランブル交差点! 方や大晦日の紅白歌合戦に出場し、方やしぶしぶ田舎に出戻り。 母と湯村温泉へ行っても心が晴れるわけはない! 地元高校の事務員の求人に応募し新しい人生は拓けるのか。 町田史佳は名実共に都会の成功者になれば良いのに、 住民票をうつすために地元へ帰った。 そして何かをたしかめるために、あの高校へ向かったのだ。 人気YouTuber・ぶんけいが匿名時代の若者を描く、 渾身の初小説は、あなたに何かをもたらすのか。 兵庫県洲本市生まれ。実家は今も淡路島。 兵庫県立洲本高等学校で放送部に所属。 13年(雨巳)の条件なし天冲殺に入学した立命館大学映像学部は、 京都市内で引越を繰り返すも消化しきれずに中退し、 17年(灯酉)の守護神天剋地冲年上京。 上京時は京王電鉄井の頭線「久我山」付近に居住するも、 現在は東京都港区赤坂近辺に居住しているとみられる柿原は、 DNA「調」主導で繊細で丁寧で、 感性鋭くいわゆる女性の気持ちを理解できる性癖で、 あえて言えば女性的・中性的な部分が魅力。 「調+龍」は、内面の葛藤激しく不満が鬱積しやすいが、 向上心に変化させられれば、見事に輝く。 才能は「龍」であり、創造力。無から創り出して行く歓び。 「調+鳳」は、おおらかで柔軟で豊かな感性。 「雨+調+亥月」は、適確な批判と常に口が動く。 「戌」年生まれ「雨卯」は、孤独は嫌いではない。 生き方を表す伴星は「車」で、単独で動き廻る。 物事の始めの洩星は「龍」で、離別から始まる。 締めにあたる導星は「鳳」で、趣味のような人生。 宿命の特長は、初冬午後十一時頃の霧雨が 下草がある里山のような深い森に冷静で刺すような刺激を与える。 総エネルギー186点は、アイドルのような軽さだが、 自身の水性は52点とまずまずの存在感だが、発信力の木性が90点もあり、 窓口は多くも、発信を繰り返していくと疲弊しやすく、 引き出しは多いので、気分転換しながら、 霧雨ばかりか雫になったり小川になったり湧き水になるように見せるが、 創造力の金性は僅か18点で、稼働力の土性も13点。 引力本能の火性が19点では、厳しい。 実際、小説執筆専念時は、経済的にも精神的にも一時困窮したような気配あり。 とはいえ、年支「戌」VS日支「卯」の支合に、 月支「亥」VS日支「卯」の半会で、地支がほぼ木性的になるので、 垂れ流しの名人であり、サービス精神は旺盛。 年干支の「木戌」は、苦労は多いが異様なオーラで目立つため、 人を惹きつけたら放さない感受性豊かな浪漫主義も、 異性に毒を注入して身を崩す恐れもあり、魅惑的だが危険。 月干支の「草亥」は、未来予測をするような霊的なものをもち、 仲間と力をあわせて何かを達成するが、芸に秀でて度胸あり。 とはいえ異性の犠牲になりやすく、 追いつめられると返り討ち可能だが持病はつきもの。 そして、日干支の「雨卯」は貴族のようなやんごとなく 美しさ洗練されたものを所有するが、存外常識的であり、 いい人すぎると埋没してしまうは、 結婚して子供の成長に一喜一憂する面もあり。 干支番号構成は、11-12-40で東方2点と西方を結ぶ 極めて狭い範囲で濃厚な活動をする。 後天運は、初旬「8歳陽子」が、DNA「司」の堅実な守護神。 年支「戌」月支「亥」日支「子」につらなる変則方三位は、 内面の充実をはかったようなもの。 2旬「18歳灯丑」は、DNA「禄」の格別な引力本能の守護神で、 おおむね何をやっても上手くいく時期で、恵まれた成長期。 今年(22年/海寅)から始まる3旬「28歳山寅」は、DNA「牽」の名誉。 干合変化もあり作家デビューとなったが、この10年は庶民性より権威、 あるいは制約があろうと、スタイル重視の人生になる見込み。 4旬「38歳畑卯」は、DNA「車」で多忙。 年干「木」が干合で「山」になれば、繊細さより冷静な発信力が増し、 迷いは少なくなるものの稼働力があがる一方体調維持に懸念か。 5旬「48歳鉄辰」は、DNA「玉」の害で過去の見直しと、 月干「草」の干合は「宝」化で才能強化という方向性の変化。 初旬条件なしの突如やってくる10年運天冲殺で、 とてつもない稼働が見込まれるが、感謝と奉仕さえあれば、 そして流れに乗っていれば、ありがた迷惑になりそうだが、 抵抗的な気分が強いと、そのものズバリ落ち込みや病の襲来。 6旬「58歳宝巳」は、DNA「龍」の気分一新改良改革の 才能強化10年運天冲殺で、破格の復調もあるが、 月干支「草亥」の天剋地冲もあり、 新たな流れに戸惑わずにいられれば、伸びは否定出来ず。 7旬「68歳海午」は、DNA「石」の塩水の襲来で苦難。 時代からズレていくさまが哀しい。 8旬「78歳雨未」は、DNA「貫」の大半会に、 月支「亥」のからむ三合会局だが、 さすがにただの愚痴の多い老獪といったところか。 にしても10年運天冲殺20年を無難に切り抜けたかにもよるのだ。 装画は意図的に題材をあらわし形に重要視する 本作には適確だったといえよう。辛い話も全て作者の狙いどおりライト。 だから結末は想像する必要はないのかもしれないが、 二人の女性は紙一重でどちらがどちらになってもおかしくなかった。 なので、途中までは二重人格者の話かと思えば違う。 苦労したぶんだけ、才能が磨かれた成功者が幸福で それを妬む者が生涯不幸とは限らない。 そんな気持ちで読めば、まずまずの風物詩。 とはいえ、それ以下でも以上でもない☆ |
■2022年10月17日(月)草卯 |
山崎佳代子○そこから青い闇がささやきの後戻りできぬ夢の続き |
○ユーゴスラビアの奨学金を得て、 サラエヴォ大学でユーゴスラビア文学史を学び、 03年(雨未)のDNA「玉」の天冲殺年に 「1920年代の日本アヴァンギャルド詩の発展、 セルビア文学との比較考察」で博士号を取得。 リュブリャナ民謡研究所留学を経て、 82年(海戌)〜86年(灯卯)に、ベオグラード大学大学院に在学。 在学中の85年(草丑)から助手を務め、その後文学部日本学専攻課程教授となる。 日本の近現代詩を旧ユーゴスラビアに翻訳紹介した。 詩人で翻訳家。セルビア語と日本語で詩を書き、 96年(陽子)のDNA「鳳」年に、詩集「鳥のために」で、第1回中原中也賞候補。 「セルビア・ペン海外翻訳功労賞」を受賞。 クロアチアもボスニア・ヘルツェエゴビナもセルビアも争い 多民族国家のユーゴスラビアは全部別々になって引き裂かれていった。 11年(宝卯)のDNA「牽」年に、セルビア翻訳者協会「翻訳功労賞」を受賞、 セルビア文学者協会「国際詩人モラヴァ賞」を受賞。 15年(草未)の天冲殺年に「ベオグラード日誌」で、 第66回読売文学賞(15-0201/山申)の紀行賞を受賞。 19年(畑亥)には「パンと野いちご 戦火のセルビア、食物の記憶」で、 第29回紫式部文学賞(19-0903/雨卯)を受賞している 山崎佳代子(56-0914/木申)が、 03年(雨未)のDNA「玉」の変則方三位天冲殺に刊行した 「そこから青い闇がささやき」を文庫改訂化した 「そこから青い闇がささやき<ベオグラードで戦争と言葉>」が、 08月10日(草未)のDNA「石」の天冲殺日に上位された。 「大切なものがふと消えてしまうことがある」21世紀を迎える前後。 91年(宝未)から03年(雨未)の12年間の夢の中で起きた 紛争下の旧ユーゴスラビア。 NATOによる激しい空爆、戦火の中の人びとの日常、文学、希望・・・。 戦争の実際を詩人が描く、とどまった日々。戦争を生きる人々の声を聞く。 空爆下の旧ユーゴスラビアから脱出せず、 詩人が記した戦火のなかの暮らし、子どもたちのいる情景。 今、世界にはたくさんの暴力と少しの希望がある。 「最初は、死者が名前で知らされる。それから数になる。 最後には数もわからなくなる・・・」。 旧ユーゴスラビア、ベオグラード。戦争がはじまり、 家、街、友人、仕事……人々はあらゆるものを失っていく。 そして、不条理な制裁と、NATOによる空爆がはじまった。 日本への帰国を拒み空爆下の街に留まった詩人が、 「花冷え、空襲警報、宇宙と、声と、沈黙と──」 ベオグラードは生きている。 小さな声、かすかな音に歌、私たちが光を呼びもどすとき。 一九九九年、春。隠された声たち──人間らしい人間のために。 ティトー(1892-0507/雨巳)なきあとの混乱と苦痛の戦火のなかの暮らし、 文学、希望を描くエッセイ集の意味を探っていきたい。 石川県金沢市生まれ、静岡県静岡市葵区育ち。 北海道大学文学部ロシア文学科を卒業後の 79年(畑未)の干合天冲殺年に、ユーゴスラビアの奨学金を得て、 トランクには宮沢賢治の童話集、 中也と朔太郎の詩集と聖書をいれて片道切符の夢の中の旅に出た。 サラエヴォ大学でユーゴスラビア文学史を学び、 03年(雨未)のDNA「玉」に天冲殺年に、博士号を取得。 リュブリャナ民謡研究所留学を経て、 81年(宝酉)の主導DNA「牽」年にベオグラードに移住。 在住40年を超えるセルビアのベオグラード在住の山崎は、 DNA「牽」主導で、自己の役割をわきまえる。 「牽+禄」は、常識的で律儀。折り目正しく、誰彼となく優しい対応。 「牽+鳳」は、温厚で誠実も流されやすい。 「牽+調」は、内面気品も大胆な行動は目を見張る。 「木+牽+酉月」は、機敏も持続させるには苦労が必要。 「申」年生まれ「木申」は、自分を大切にしながらの使命感。 生き方を表す伴星は「牽」で、縁の下の力持ちで人の為に生きる。 物事の始めの洩星は「鳳」で、なんとなく始まってしまう。 締めにあたる導星は「牽」で、名を残す。 宿命の特長は、仲秋午後六時頃の夕日と 早くつきすぎた熱い照明に照らされた小川沿いに しなやかでも強くない申し訳程度にある小木。 総エネルギー211点と目立つのは周囲が いわゆるコンクリートジャングルであるため。 あるいは廃墟に映す残照を背景に美しくはえるため。 金性103点は、まさに戦火にさらされている状態で、 金属片が敷き詰められた場所は歩くには痛むので、ひたすら立ち尽くすだけ。 年干支の陽申は、直感力あるも権力志向あり。 月干支の灯酉は、怖い物知らずの度胸の良さ。 そして日干支の「木申」は、目標高く常に動き廻っていないと 息苦しくなるような慌ただしさあり。 干支番号構成は、33-34-21で西方2点に南方1点も極めて狭量。 後天運は、初旬「2歳陽申」が、DNA「鳳」の発信力強化。 年干支と律音のため、仕事に生きれば後転成功運型。 2旬「12歳草未」は、DNA「石」の協調性和合性方三位の 10年運天冲殺で、仲間に影響されながら強くなったように 錯覚して気持ちが大きくなる可能性あり。 3旬「22歳木午」は、DNA「貫」の独立独歩10年運天冲殺で、 なぜか、サラエボに留学という離れ業も片道切符。 ベオグラード大学で助手となる。 4旬「32歳雨巳」は、DNA「玉」の流れを極める。 子供も次々誕生し、まさに慣れない母親業に入る。 そして夢の中での戦下という災禍。 ベオグラード大学では文学部日本学専攻課程教授となる。 5旬「42歳海辰」は、DNA「龍」の改良改革。 月干「灯」が干合で「草」になるため、仲間を意識しつつ、 過ごし行く方向性の変化。戦時下で存在感示す。 6旬「52歳宝卯」は、DNA「牽」の名誉。 年干「陽」の干合で仕事面の変化。栄誉もあり各賞の受賞。 現在の7旬「62歳鉄寅」は、DNA「車」の天剋地冲で、 多忙を極めながらも、大どんでん返しを実行。 今後は8旬「72歳畑丑」が、DNA「司」の干合で、 より地道というか地味な老後を迎える。 さて、山崎は本書を通じ、日本ではあまり認識されていない ユーゴスラビアの紛争の体験と戦争の悲惨さを訴えているが、 セルビア人が一方的に悪者にされたといっても、 総エネルギー211点ながら自身の木性僅か5点しかない 身弱者が樹木としては信じがたい海外渡航を試みたために、 祖国に帰還することが叶わず、結婚もして出産もして、 戦時下でも不器用なため、脱出できなかったなかで、生きながらえた体験記。 しかし、目下縁稀薄な午未天冲殺には、その任は辛く、 結婚相手の山崎洋(41-0322/畑巳)も再婚者というだけでなく 日干支が干合支合するだけで、共通干支すらない 半分、日本の血をひいた相手のため、矛盾から抜けだせなかったもの。 とはいえ、年干が「陽」に月干が「灯」と周囲は守護神だらけ。 迷いはあったが根本的にはツキがあるばかりか、 崇高な目標もあり、戦火にあろうと命奪われなかったもの。 この生年月日での渡航は希有。 もしも、海外にでねばもっと異なる活躍ができたであろう。 無念もあるが、本人には通用しまいと思う☆ |
■2022年10月18日(火)木辰 |
キューライス○よるのえの変の源 |
○高校生の頃から独学で短編アニメーションを作り始め、 大学ではアニメーション専攻一期生で大学院卒業後に、 09年(畑丑)のDNA「禄」の半会年に、 実写の映像をやりたくなり、東北新社企画演出部に入社。 CMやWEBの映像の演出や企画を手がける。 15年(草未)の主導DNA「貫」年より素性を隠して、 4コマ漫画やイラスト、短編アニメーションをネットで発表。 17年(畑亥)のDNA「禄」の天剋地冲年に、 twitter上で残念な猫の「ネコノヒー」が人気となり、 単行本を刊行した流れで東北新社を退社、現在はフリーランスの漫画家、 アニメーション作家、絵本作家として活動。 04年(木申)のDNA「石」の支合刑年には、 デジスタ・アウォード2004映像部門グランプリ。 06年(陽戌)のDNA「調」年には、 第6回ユーリ・ノルシュテイン大賞最優秀賞・観客賞、 第2回吉祥寺アニメーション映画祭グランプリを受賞。 09年(畑丑)のDNA「禄」の半会年には、 第13回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品。 16年(陽申)のDNA「調」の支合刑年に、 第16回広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞入賞するなど 独自の活動を精力的に続けける キューライス(85-0307/草巳)の『よるのえ』が、 03月01日(雨丑)のDNA「龍」の半会日に上梓されている。 「ネコノヒー」「スキウサギ」で話題ののキューライス初のイラスト集! 一日の終わりに訪れる、摩訶不思議な「よる」の世界。 一日の終い時、孤独で内省的な夜の時間に 一枚の絵に描き起した、キューライスの真骨頂! 100点超のイラストに加え、ユーモアに満ちたショート・ショートを 書き下ろしで新規収録されているが、 むしろ見どころ読みどころはこちらで、思わず笑いを誘うものから、 不条理な異世界をこれでもかと提示してくれている。 「稼ぎの良くない猫夫にカレーの肉が鶏肉ではなく、 カモメの肉であることに難色を示すに 海亀に頭をさげてもらいうける女性の笑えぬ悲しみ」とか 「にっこり笑って恵比寿顔ほっこり笑って福来たるどうせこの世は生き地獄」、 「オムライスのなかのご飯が真っ白じゃなくて、 いろんな野菜が入っていてケチャップの味がするんだね」と 母親に報告する子供。 「そよそよ風がそよそよするよ よそよそしい風はあっちへ行って そよそよちゃんだけよっておいで」 「パンには田楽を塗る!これが今のトレンドです!」など 驚くほどありえない乱暴や滑稽、あるいは不条理な文章を 脱力した絵があることで救うという、双方向からの恐怖にさらされる! 栃木県宇都宮市出身。作新学院高等学校情報科学部美術デザイン科を経て、 東京造形大学デザイン学科アニメーション専攻領域を卒業後、 東京造形大学大学院造形研究科デザイン研究領域を修了。 東北新社企画演出部に入社も売れて退社。 大学在学中は東京都町田市相原町のJR横浜線相原駅近くに住んでいたが、 現在は都内在住と思われるが皆目不明なキューライスは、 DNA「貫」冲殺主導で、マイペース保てず邪魔されやすい、 好き嫌い激しいが、緩いようで実は激しい反撃という優柔不断。 「貫+龍」は、忍耐力に期待できず妙に他者と融合し、ダサくても華美。 「貫+司」は、頑固だと空回りする剛情! 「貫+禄」は、素直ではないひねくれ者的な悪さ。 または腹に一物を帯びた黒い冗談! 「草+貫+卯月」は、用心深そうで甘い理論を装った粗探し。 「丑」年生まれ「草巳」は、自己中心で甘ったれ。 生き方を表す伴星は「牽」で、隠された何かを表にだす。 物事の始めの洩星は「龍」で、故郷離れて自由になって。 締めにあたる導星は「貫」で、自己完結。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の野菜畑。 総エネルギー216点は春生まれでもあり強靱。 冲殺されていとはいえ、月支に「卯」の根っ子も備えて78点もあるが、 不安定とはいえ身強の部類。 守護神火性は24点で頼りなさが絵にも露わに。 稼働力や名誉、そして異性を示す金性は26点と露骨さはなく 創造力も22点とある意味安定のワンパターンなのに (といっても独創的な世界感)土性は66点もあるので、地中に根を伸ばし、 省エネで多大な引力本能を産みだす人気者。 花ならば贅沢品となるが、野菜畑なら収入も存分に確保。 年干と日干の同一は両天秤も、年支と日支が大半会しているので、 仕事場と住まいが一緒でも不自然ではなく せいぜい、こちらの生活空間からあちらの仕事部屋に移動するのみ。 年干支の「草丑」は、堅実で真面目。 月干支の「畑卯」は、新たな分野に挑戦する働き者。 そして日干支の「草巳」は、何でも完全を求めるる理想郷で、 究極の恋愛の達人でもあり、外見に比して内面は不安定。 なので完璧な相手をみつけだすか、そのための放浪をするのか極端。 干支番号構成は、02-16-42で東方南方西方と、温かい。 後天運は、初旬「1歳山寅」は真面目なのに不良も気取る。 DNA「司」の害は、情けなさ、やるせなさ、せつなさが付加され、 絶望ではなく失望のようなトホホさが哀愁を誘う10年運天冲殺。 月支「卯」と年支「丑」の狭間を埋める変則方三位もあり、 やや仕事よりに傾くうえ 懐の深さに苦悩が無限大に強化され笑える感覚を与えられる。 2旬「11歳灯丑」は、DNA「鳳」の半会で、遊びを形にするので、 高校から大学も、その道へと進み、熱い気持ちが注がれる。 3旬「21歳陽子」は、DNA「調」の独創性で、表向きの支合は着実。 調子に乗って、他人の行かない険しくも楽しい道へ進む。 両天秤なので「坂元友介」だけでは飽き足らず「キューライス」も始める。 現在の4旬「31歳草亥」は、DNA「貫」の主導DNA納音で、 過去を清算して自己確立であり、異常環境に置けば大成功間違いなしの 特別条件付き10年運天冲殺で、大躍進。 今後は5旬「41歳木戌」は、DNA「石」の協調性和合性。 進み行く方向の変化を伴う、特別条件付き10年運天冲殺で、 共同で事業なり、政治の世界になりと冒険をする。 6旬「51歳雨酉」は、DNA「龍」の新しい価値観。 年支「丑」に日支「巳」のからむ三合会局で、 成長していくことができれば、とんでもない成果があるか、 20年間の成功で、疲労感みなぎってかいずれか。 7旬「61歳海申」は、DNA「玉」の刑と支合。 伝統的世界に入っていくのか、故郷に美術館でも建立か。 8旬「71歳宝未」は、DNA「車」の危険。 まさかの危ない年寄りで獰猛か徘徊か。スッパリやられて、人生終わりもあり。 さて私生活が不明のキューライス。 初旬で害の洗礼もあるため、万全の推認とならぬが、 作風は家庭の存在をほのめかしているが、 そこは害の影響で明るく楽しくとはいかず、謎・謎・謎! 女性の支持者を哀しませたくはない配慮か。 とはいえ金性は弱いので、自分が強く頑張らねばならんということか☆ |
■2022年10月19日(水)草巳 |
川上弘美○ぼくの死体をよろしくたのむに恋に恋する季節の狭間 |
○大学在学中よりSF雑誌に短編を寄稿、編集にもたずさわる。 女子校の生物科教員などを経て主婦業のかたわら、 94年(木戌)のDNA「車」年に「神様」で、 パソコン通信を利用したASAHIネット主催の 第1回パスカル短篇文学新人賞(94-0416/海申)を受賞。 96年(陽子)の守護神DNA「龍」の半会年には、 「蛇を踏む」で第115回芥川龍之介賞(96-0717/草卯)を受賞。 99年(畑卯)のDNA「石」年の条件あり天冲殺には、 「神様」で第9回紫式部文学賞(99-0811/草未)と、 第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞(99-0903/山午)を受賞。 00年(鉄辰)のDNA「鳳」の半会年には「溺レる」で、 第11回伊藤整文学賞(00-0509/灯卯)に、第39回女流文学賞を受賞。 01年(宝巳)のDNA「調」の刑支合年には、 「センセイの鞄」で第37回谷崎潤一郎賞を受賞。 07年(灯亥)の守護神DNA「玉」年には、 「真鶴」で芸術選奨文部科学大臣賞(07-0316/畑酉)を受賞。 08年(山子)の大半会年には「風花」で、 第7回耀く!ブランチBOOK大賞(08-1227/宝丑)を受賞。 15年(草未)の主導DNA「牽」年には「水声」で、 第66回読売文学賞(15-0201/山申)を受賞。 16年(陽申)の守護神DNA「龍」年には、 「大きな鳥にさらわれないよう」で、 第44回泉鏡花文学賞(16-1013/山辰)を受賞。 19年(畑丑)には、紫綬褒章を受章し、各文学賞の選考委員も務めている 川上弘美(58-0401/山申)の、17年(灯酉)のDNA「玉」の支合年に上梓した 短編集『ぼくの死体をよろしくたのむ』を 09月01日(灯巳)の守護神DNA「玉」の刑支合日に文庫化している。 「鍵」はうしろ姿が美しい男に恋をし、銀色のダンベルをもらう! 神社の林の中で野宿をしながら身体を鍛え、時折出版社の校閲を手伝う。 わたしはその人の全部、全部が全部に恋をしたのだ。 わたし30歳、その人は65歳。柔らかい筋肉が魅力だ。 全財産が入ったズタ袋の中に、鍵をいれているが、「思いだせない」という。 ある日その人は跡形もなく消えた。わたしは予感していた。 「大聖堂」は、変わったペット飼育可能のアパートの話。 「ずっと雨が降っていたような気がしたけれど」は、 コレクターであたしの防波堤になってくれた兄。 妹のためなら刑務所にも入る兄。携帯電話をもたない便利屋の男との恋。 自転車に乗って空き地に突っ込んで気絶する。 「二人でお茶を」は、裕福な同い年の従姉妹との そろって出戻りの生活の不思議。 彼女が稼ぎ、わたしがハウスキーピングをする。 そして彼女は再婚して離婚した。 「こういうのマル二っていうんでしょ」(バツ二です) 「銀座午後二時歌舞伎座あたり」は、出会い頭にぶつかった男と道でぶつかり、 怪我をおった掌大の小さな人を救うため、 巨大なみかん色の銀座のボス猫と死闘を繰り返す! ボーイ・ミーツ・ガールの基本。 「儀式」は、きれいな魂の匂いをかぎ、夜には天罰を科す儀式に勤しむ。 天罰は一日十件まで・正義が勝つために。 「バタフライ・エフェクト」は、ある男女が出会う5年前の不思議な出来事。 二人の出勤する乗換駅で、一羽の蝶がしかけた魔法。 「二百十日」は、魔法が使える伯母の使いとの妙な生活。 「お金は大切」は、きっちり半分まで食べ進めて交換する駅弁、 日曜日のお昼のそうめん! 表題作の「ぼくの死体をよろしくたのむ」は、死への誘惑が強いわたしが、 18年前に自殺した亡父が世話になった58歳の女性作家に 年二回訪問する儀式のような日々。 「スミレ」は、15歳の公務員。この宿舎では精神年齢の外見で暮らし、 一晩中ワルツを踊っては、味の安定しないお茶を飲む! _________________________________。 恋でも恋じゃなくても、大切な誰かを思う熱情がそっと心に染み渡る、 恋と不可思議な日常に満ちた珠玉の18篇の物語が、 「ここではないどこかへ行きたい」あなたへ贈る、 一篇約15ページのショートトリップはまさに珠玉といって差し支えない。 東京都文京区本郷で生まれ。61年(宝丑)杉並区高井戸近辺に転居 63年(雨卯) の干合天冲殺年から65年(草巳)の主導DNA「牽」年まで、 父親の仕事の関係で渡米。67年(灯未)に一学期間を休む病気にかかり、 その後も馴染めずに68年(山申)に、雙葉小学校の編入試験を受け入学。 雙葉中学校・高等学校を経て、 80年(鉄申)にお茶の水女子大学理学部生物学科卒業。 2年間研究生をしつつアルバイト生活し、82年(海戌)のDNA「禄」年より、 田園調布雙葉中学校・高等学校で生物の教員となる。 86年(陽寅)の条件あり天冲殺までの4年間を勤務し結婚退職。 相手は、大学時代にSF研究会に所属していた男性で、 男児二人を出産するも、09年(畑丑)のDNA「石」年には離婚。 04年(木申)のDNA「車」年頃より交流のある男性と 12年(海辰)のDNA「禄」の半会年に再婚して 現在は三鷹と吉祥寺の中間に位置する東京都三鷹市下連雀在住の川上は、 DNA「牽」冲殺主導で、名誉もあれば不名誉もあり。 屈折した自己愛の象徴で、ちやほやされることに慣れきっており、 それで失敗をする時もなきにしもあらず。 才能はこの「牽」であり、本人なりの格好良い人生。 名誉は何にも変えがたい良薬。 「牽冲+貫」は、目的遂行のためにあれこれ悩むが、 打算なき情に溺れると見境がつかなくなる恐れ。 「牽冲+鳳」は、気分屋でお天気屋。 「牽冲+牽」は、計算しているようで、ありえない突拍子もない行動にでる。 「山+牽冲+卯月」は、まとまりにかけ、異性の誘惑に耐えられず。 「戌」年生まれ「山申」は、自分に正直。 生き方を表す伴星は「司」で、家庭の応援あればこそ。 物事の始めの洩星は「貫」で、一人で始める。 締めにあたる導星は「鳳」で、心の楽しみ滋養とする。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の山地。 深い森に覆われているわけでなく、隠微な草木がはびこる。 あるいはお花畑が咲き乱れているものながら、 守護神火性は広く照らす陽光ではなく、 年支「戌」内「灯」の地熱なので、満開には時間を有する。 総エネルギー185点は身強ではないが 土性64点もあるので、濃密で逞しそうだが、 草木で蓋をされた月干支部分が生月冲殺のため、 かつて噴火したあとを木性が塞いでいるようで、 迂闊に登山しようと思うと、登頂した途端に、 奈落に落とされるような危険さがあり、近づくには勇気が必要。 金性45点は周囲を楽しませる手練手管は多く所有も、 水性21点と癒やしはそこまで期待できるものではなく、 やはり山は遠くから眺めるに限るが、 年干と日干の同一は。両天秤でもあり、常に周囲は比較対象。 年干支の「山戌」は、捕らわれた鳥のように、 拘束された状態で、制約が多かろうと異様な守備本能は異様な執着心あり。 月干支の「草卯」は、真面目そうに見えて不可思議。 異性を疎んじるような印象で、惑わすのだから始末に負えず。 そして日干支の「山申」は、強固な要塞で堅牢。 動かざること正に山の如しだが、救いがあるまで待ちとはいえど、 周囲はその物憂げな色香で翻弄されるために近づく。 後天運は、初旬「9歳木寅」が、DNA「車」の10年運天冲殺ばかりか、 日干支「山申」の天剋地冲までついてダブルの後天成功運型。 元気も良かっただろうが、動かぬ「山」なのにそれまでに、 海外経験まであり、その反動でくたびれてしまい、お嬢様学校へ。 2旬「19歳雨丑」は、DNA「司」の干合10年運。 早くも習作に手を染めたうえ、 SF雑誌の編集などにもたずさわり、前夫にも遭遇。 高校時代の同級生より生月冲殺らしく誘いがあり、 母校関連校で、理科教師も努めるが、結婚退職で名古屋へ。 3旬「29歳海子」は、DNA「禄」の引力本能全開の半会で 出産もしたし、デビューも飾り、芥川賞作家にもなる。 4旬「39歳宝亥」は、DNA「調」の害。違和感過多で体調不良もあったろうが、 内側世界の軋轢や居場所の違いを感じる。 5旬「49歳鉄戌」は、DNA「鳳」の発信力強力。 月干の干合は進み行く方向の変化で、より女性的感性を磨く。 無理がたたったのか悪性腫瘍も摘出。 離婚もして、生活全般の立て直しを図り、再婚もする。 ただし、相手との出会いは離婚前のはずだ。 現在の6旬「59歳畑酉」は、DNA「石」で協調性和合性。 月干支の「草卯」の立場の変更は、紫綬褒章受章。芥川賞選考委員にもなる。 今後は7旬「69歳山申」が、DNA「貫」の律音。 山地が新たな山脈と合体するように、力強くなり。 集中力をあげて大仕事を完成するか。 8旬「79歳灯未」は、DNA「玉」の守護神で、 熱気を増しながら、静かな世界へと入りこむ様相。 さて、川上は10年運害「39歳宝亥」内に前夫と離婚しており、 その後再婚をしているが、相手は離婚前に出会っている 00年(鉄辰)代初頭に俳誌「澤」に参加し、俳句を投稿して際に出会った 主宰者である小澤實(56-0829/山申)であると言われている。 いわゆる離婚前の交渉があったかはともかく、 09年(畑丑)の妥協離婚の痛手後の再婚は12年(海辰)。 冲殺月支「卯」の害で不安時期だが、 それ以前の東日本大震災時には既に三鷹市在住であり、 生月冲殺としては10年(鉄寅)11年(宝卯)の2年は、 既に実質婚であったのではないかと推認できる。 しかし二人は羅状で共通干支があるうえ、 日干「山」同士は大半会するとはいえ感動は疑問。 さらには、小澤の日干支「山辰」は川上の年干支「山戌」を 見事に納音しており、だからだろう。入籍年に悪性腫瘍の摘出うけている。 なんとも惜しい。恋に恋する川上らしい失敗かもしれない☆ |
川上弘美○58-0401 |
山草山灯 申卯戌-9 貫牽鳳牽貫(牽冲殺主導) 木性(38)火性(17)土性(64)金性(45)水性(21)/総合185 寅卯生月冲殺/天冲殺(9歳木寅) 初旬条件あり(日干支を天剋地冲)/害(39歳宝亥)/律音(69歳山申) 木性脆弱/火性脆弱/土性過多/水性脆弱 -9歳木寅/19歳雨丑/29歳海子/39歳宝亥/49歳鉄戌/59歳畑酉/69歳山申/79歳灯未〜 |
■2022年10月26日(水)海子 |
小田雅久仁○残月記の狂気の背景 |
○03年(雨未)のありえない水性のDNA「司」年に 「影舞」で第15回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作。 09年(畑丑)の主導DNA「石」年に「増大派に告ぐ」が、 第21回日本ファンタジーノベル大賞(09-0729/草亥)を受賞し作家デビュー。 13年(雨巳)のありえない水性DNAのDNA「司」の干合支害年に、 「本にだって雄と雌があります」が、 第3回Twitter文学賞(13-0224/宝酉)国内部門で第1位。 14年(木午)のDNA「車」の半会年に、 「11階」で第25回SFマガジン読者賞国内部門を受賞。 21年(宝丑)の11月21日(雨酉)のDNA「司」の天冲殺日に上梓された 『残月記』が22年(海寅)のありえないDNA「禄」年を迎え、 第43回吉川英治文学新人賞(22-0302/木寅)を受賞したので解説する。 16年(陽申)02月号に「小説推理」に掲載された 「そして月がふりかえる」の主人公・高志は、 非常勤講師の長いトンネルを抜け、6冊の著書をだして テレビにも出演するちょっとした売り出し中の都内私立大学の准教授だが、 家族と馴染みのファミリーレストランに出かけ、 トイレに入り、月が裏返る瞬間を目撃してしまい、 席に戻ったら、妻の詩織と娘の美緒から他人と認識され拒絶され、 ほどなくトイレで隣にいたタクシー運転手の男が、高志といれかわり、 准教授となってなにごともなかったように家路についていく。 高志は合鍵をつかい天井裏に身を潜め、 帰宅した妻と自分の分身と痴態を繰りひろげる妄想に陥るが、 (おそらく、初稿はこの延長だろう) 妻だけになったときに姿を現し、自分だけが知っている全てを伝えるが、 話は通じずに、高志は諦めてしまう。 携帯電話を確認すると多くのメッセージが残されていた。 「ようこそ あなたの月もふりかえりましたね」。 これを救いと呼べるかどうかは読者次第だが、もう場所には還れない。 17年(灯酉)07〜08月号「小説推理」に掲載された 「月景石」は、祖母の残した不思議な遺品を 枕の下にひいて眠るときに、見る夢の話。 19年(畑亥)04月〜07月号「小説推理」に掲載された 「残月記」は人類がまだ野蛮で憐れだったころ、 「月昂」という不治の病があり、20世紀や21世紀では 暗部では病に冒され猟奇的な大量殺戮事件をひきおこしたり、 明部では逆に才能が際立ち芸術分野で短期間で 特殊な作品をうみだすことがあったが、長生きができないのが前提。 本作の主人公の宇野冬芽は、血に飢えた殺人者でもなければ 当初は衆目を集めた芸術家ではなかった。 2020年に北大阪で生まれ、女をつくりいなくなった父親は 喰うや喰わずのジャズギタリストで、母親の死をききつけ、 彼を児童養護施設にいれると、そのまま本当にいなくなった。 もとは大阪の木工所に勤めていた家具職人だったが、 冬芽は「月昂」を発症し2084年当局に拘束され勇者として 身長181センチ、体重90キロを超える偉丈夫を見込まれ 殺人競技を強要されるなか、クーデターの最中に逃亡し、 隔離施設で出会い、そのあと競技者としての勝者の権利として 情交をかわした42歳で亡くなった母親佳代に似た思い人「瑠香」のために、 彼女が隔離されている全国津々浦々の施設に出没し 鉈一本で彫りあげたという円空仏を彷彿される 野性味とぬくもりの同居した木像を残し その背銘に「残月」の名を刻むようになった男の話。 2030年代には全国で七万人を超えた月昂者は、 マグニチュード9.2、死者行方不明者25万人、被災者1千万人超え、 2028年の西日本大震災を機に台頭した国家資本主義政党で、 口先では独裁制を批判し、次第に独裁体制を浸透させていった (どっかで聞いたことがありそうな風景) 救国党による一党独裁政権下の2064年、世界に先駆けて制圧を宣言し、 当時は三千人まで数を減らした。 残月洞、2084年にアマチュア洞窟発見家が 岡山県霧野町内の山深い斜面で小さな洞窟を発見した 壁という壁には廃材を利用した仏像や人物像に加え おびただしい鳥や獣、魚や虫という自然をもしたもの ざっとみただけで数千体! そして男とみらえる白骨死体、否黒ずんで見えるまるでミイラで 女性の像を抱えていたという。 「瑠香、愛してる。ずっと愛している。世界が終わってもずっと・・・・・」 近未来の日本、悪名高き独裁政治下。 世を震撼させている感染症「月昂」に冒された男の宿命と、 その傍らでひっそりと生きる女との一途な愛を描ききった表題作は、 「月」をモチーフに、底知れぬ欲望が構築した異界。 足を踏み入れたら最後、もう現実には戻れなくなる! 宮城県仙台市内に誕生も、81年(宝酉)のDNA「調」の天冲殺年に、 兵庫県西宮市へ移り、84年(木子)のDNA「車」年には、大阪府豊中市へ転居。 現在でも大阪府豊中市に在住で、関西大学法学部政治学科を卒業の小田は、 DNA「石」主導で、何でも受け入れる。災禍も病も。 「石+貫」は、組織内の孤立者で自己流。 「石+車」は、大目標のためには個人を犠牲。 才能はこの「車」になり、危険な発想。 「石+鳳」は、粗雑な面あり。 「山+石+午月」は、他者にその気にさせられる。その先は幸か不幸かは別。 「寅」年生まれ「山寅」は、自己愛の象徴。 生き方を表す伴星は「牽」で、過去に類を見えないものを表にだす。 物事の始めの洩星は「石」で、共同で始める。 締めにあたる導星は「鳳」で、心から愉しむ。 宿命の特長は、仲夏正午の「山」であり、 総エネルギー261点で自身の土性105点と一見雄大だが、 木性72点の稼働力は良さそうにみえても 異様な創造力の火性75点で相殺どころか、 年支+日支(共に寅)VS月支(午)の半会で、地支火性一気格のようで、 麓から火の手があがった状態のところに、 表現力の金性がわずか9点で、それも剥きだし。これが遅筆の理由。 発信の引き出しが少なく、転げ落ちれば終わり。 さらには引力本能の水性ゼロ(DNA禄/司なし)では、 ひび割れを起こし、熱気は全体に回り作家としての面白さは別にして、 干からびた状態では、健康に良いわけはなく、 常に滅び行く予感と対峙しており、気は休まらずに この現象が作品の中の「月昂」の原点なのだろう。 年干支の「木寅」は、仲介能力で、和合性。 月干支の「鉄午」は、粗暴に育つと暴れだす。 役目役割を認識して、社会参加しないと生きづらい。 そして日干支の「山寅」は帝王のように悠然と構え、 他人の話は良く聞くが活かされるか否かは別。 恥をかいてまで生きたくないという美意識があり、 むしろ、状況に応じて野人さながら、 見てくれを一切排除して開き直るようだと、特別な存在になるに違いない。 干支番号構成は、51-07-15で北方から東方へ伸びる 狭量領域で、ひろがりはない。 後天運は、初旬「10歳宝未」は、DNA「調」の反発反抗。 独創的かつ偏り激しい特別なありえない感性もあたえられるが これといって稼働条件はなく、体調不良も招きやすい。 2旬「20歳海申」は、DNA「禄」の天剋地冲を伴う10年運天冲殺で、 一気に塩水の洗礼を受け、病魔にも伏せて、いわゆる順調な就職かなわず、 実際、99年(畑卯)主導DNA「石」年に損害保険の調査の会社に入社も、 02年(海午)のありえない水性重なりに慌てて退社。 保険調査の会社でフリーのような形で仕事を何年か行う。 このあたりから作品を発表するようになり、 最期の最期で作家への入口をのぞく。 3旬「30歳雨酉」は、DNA「司」の干合10年運天冲殺。 本物の守護神であり、配偶者成分でもあるのだが、 干合化で火性に変わってしまえば、元の木阿弥。 本作に登場する女性も、存在するようでしない。 とはいえ、09年(畑丑)の主導DNA年は、 第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し作家デビュー。 第3回Twitter文学賞国内部門で第1位と順調。 現在の4旬「40歳木戌」は、年干支「木寅」の大半会を伴う DNA「車」の稼働力強化の半会で、 地支の炎上は強化されるも、異常環境に身を置くことで 作動される10年運天冲殺なので、 第25回SFマガジン読者賞国内部門受賞に続き、 吉川英治文学新人賞を受賞し名実と共に名前を売る。 今後は5旬「50歳草亥」は、DNA「牽」の栄誉の支合。 前旬に比して「亥」内に「海」の痕跡あり、使い勝手良し。 月干干合があるので、進み行く方向の変化だが、 視野に入るのは各賞総なめであろうと、前旬で満足してしまい、 異常環境に身を置けぬようでは、期待薄。 6旬「60歳陽子」は、40年に渡る10年運天冲殺を抜けたあとの 月干支「鉄午」の天剋地冲を伴うDNA「龍」で、改良。 10年運天冲殺には初旬条件もないので、 より高度な感謝と奉仕がないと、ここではもぬけのからになりかねず。 7旬「70歳灯丑」は、DNA「玉」でもと居た場所に逆戻り。 古典を極める古都で引退など、いろいろ考えられるが過去の幻影。 8旬「80歳山寅」は、DNA「貫」の律音だが、 意固地な年寄りになるという相場で、すっかり気が抜けている。 想像したくもない近未来の暗黒の反理想郷小説! 圧倒的迫力で読み手にあたかも現実のように思わせる筆致! 独裁国家と化した近未来日本を舞台に、 不治の感染症に冒された者たちの愛は、 作者によれば「剣闘士を書きたいと思ったんです。 それで、月夜に身体能力がアップするという感染症を創作して、 患者同士がコロシアムで闘うという話にしました。 月光を浴びて強くなるということで、 狼男のイメージも下敷きにしていますね。」は、 水性ゼロ(DNA禄/司なし)の優しさの片鱗もない乾ききった救いの見えぬ風景。 読めばすぐに思いつくのは、過去のハンセン病への対応の記憶だし、 あくまでも愚直にこの国に潜む野蛮性をあぶりだす。 狂気の芸術家に憧れる作家の思いは、充分芸術的だが残酷すぎる。 「現在でも内戦や民族浄化によって名もなき人たちが死んでいく。 彼らに名前を与えたい、物語を与えたいという思いがあります。 現実の前にフィクションは無力ですけど、 自分の気持ちとして寄り添っていきたいんですね。」は 無限大のほうの愛情表現なのか。 「僕は小説家として食べていきたいし、 多くの人に作品を読んでもらいたいですが、 それは表現者として不純なんじゃないのかという思いもあるんです。 もし自分が作るものに絶対の自信があるなら、 読者なんていらないのかもしれない。 主人公はその境地に達したわけですよね。羨ましいと思います。」は よくも言ったり(笑)。 ファンタジーでは怪奇小説だが、 これは中島敦(1909-0505/草丑)への敬意なのだろうか。 こじらせている部分は重なりあっているはずだ〜☆ |
移 動 祝 祭 日○ 2 0 2 2 年/ 海 寅 |
22年01月分● 22年02月分● 22年03月分● 22年04月分● 22年05月分● 22年06月分● 22年07月分● 22年08月分● 22年09月分● 22年10月分● 22年11月分● 22年12月分● |
コラム総合○目次/茶房会館(1 9 9 6 年〜) |
さ く い ん ○ |
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