★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 5 年(草未)●12月 山子 // 移 動 祝 祭 日 |
■12月分一覧 (2015年●目次) |
堀江敏幸●象の草子の猫と鼠の夢の交錯(2015_1201) |
平谷美樹●貸し物屋お庸 娘店主、奔走するの快活疾走(2015_1207) |
川端裕人●天空の約束は雲行きで突然嵐の如く変わる(2015_1214) |
松井雪子●肉と衣のあいだに神は宿るはじれったい(2015_1221) |
松永天馬●自撮者たち 松永天馬作品集のために少女が駆け巡る(2015_1228) |
■2015年12月01日(火)宝亥 |
堀江敏幸○象の草子の猫と鼠の夢の交錯 |
○04年(木申)の害年に、早稲田大学文学学術院教授に就任。 09年(畑丑)の守護神方三位年には、早稲田大学短歌会会長となった 年支「卯」の半会を伴うDNA「禄」の95年(草亥)より作家活動を営み、 生年冲殺らしく、99年(畑卯)の守護神天冲殺には、 「おぱらばん」で、第12回三島由紀夫賞を受賞。 01年(宝巳)の納音年には「熊の敷石」で、第124回芥川龍之介賞を受賞。 03年(雨未)のDNA「鳳」の主導DNA半会年には、 「スタンス・ドット」で、第29回川端康成文学賞を受賞。 04年(木申)の害年には、「雪沼とその周辺」で、 第8回木山捷平文学賞と、第40回谷崎潤一郎賞を受賞。 06年(陽戌)のDNA「牽」の干合年には「河岸忘日抄」で、 第57回読売文学賞小説賞を受賞。 10年(鉄寅)のDNA「石」の天冲殺年には、 「正弦曲線」で 第61回読売文学賞 随筆・紀行賞を受賞。 12年(海辰)には「なずな」で、第23回伊藤整文学賞を受賞。 13年(雨巳)のDNA「鳳」の主導DNA年には、 「振り子で言葉を探るように」で、第11回毎日書評賞を受賞と、 そうそうたる実績を誇る堀江敏幸(64-0103/宝亥)の 現代版絵本御伽草子である『象 の 草 子』が、 10月07日(陽辰)の干合日に上梓された。 「御伽草子」は、鎌倉時代末から江戸時代にかけて成立し、 それまでにない新規な主題を取り上げた短編の絵入り物語で、 多くは挿絵入りの写本として創られ、絵を楽しむ要素も強かった。 文章は比較的平易で筋は多くの説話がそうであるように 素朴で多義的であり、複雑な構成や詳細な描写には乏しい 単純なものが多いが、今回堀江が取りあげた「草子」の原本の「猫の草子」は、 慶長七年に、洛中にだされたおふれに 「猫のつなをといて、自由にしてやること」とあり猫たちは大喜び。 一方鼠たちは猫たちに追われる身となり、物陰に隠れる日々に。 猫を再びつなぐように訴える老鼠法師、それに反対する猫又和尚。 それぞれの主張に僧師は如何に答えるかというようなものだったが、 堀江は、僧を天竺からやってきた象の法師へとすりかえ、 過去に鼠に驚き、猫を踏みつぶしてしまったといういわくつきの 象の苦悩を描いたものであるが、平易であるはずの文章が、 堀江にかかると、にわかに難解になり、 ある意味本末転倒的になっているのが、妙なひねりであるとするしかない。 岐阜県多治見市出身で、早稲田大学第一文学部フランス文学専修を卒業。 東京大学大学院人文科学研究科フランス文学専攻博士課程単位取得退学。 その間にパリ第3大学博士課程留学。 94年(木戌)より、フランス留学経験を随筆風に綴った「郊外へ」を雑誌に連載。 95年(草亥)に、小説家デビューを果たした堀江は、 「鳳」主導で、冷徹冷静な表現者だが、の遊びや工夫を少しだけ付加する。 「鳳+禄」は、一風変わった語り口で、特定の読者を魅了する。 「鳳+調」は、徹底して争いを好まず、落としどころを見つける。 本書の象の役割もそんなところか。 「鳳+鳳」は、粘り気のある重々しさ。 「鳳+司」は、鈍いかもしれぬが、忍耐力はあり。 「宝+鳳+子月」は、とりあえずは普通の人。 「卯」年生まれ「宝亥」は、わがままで自己中心。今や、大先生である。 宿命の特長は、仲冬深夜零時頃の、使われることのない標識。 冷たい雨が降り注ぐなか、或いは氾濫した川に押し流されそうになる場所で、 かろうじて浮遊していいる、今にも朽ち果てそうな「木」にぶら下がった、 持ち腐れ的ともいえる豪華な宝飾品で鋳造されたプレートは、 暗がりでほぼ何のやくにもたたないが、 予算がついているのだから、むげに廃棄できるものでもない(笑)。 総エネルギー179点中、木性73点はしっかり者。商売熱心ともいう。 また水性89点も、急流に身をおきながらの深夜の船遊びで、 風流とは言い難いが、それも堀江なりのもの。 ただし火性ゼロ(DNA車/牽なし)は、 明るいスポットライトがあたらぬはずだし、配偶者成分も皆無なはずだが、 そこは貪欲に名誉を求めているようなので、何でもありの野人なみ。 さらには、土性ゼロ(DNA龍玉なし)は、習得能力がまるでなく、 一歩間違えれば、全く頭の緩い人にもなりかねないが、 生年冲殺と後天運で、スイッチが入った模様で、 無限大の創造力を発揮し、名をなした。 しかし、ゼロから何かを産みださぬわけでもないが、 題材があったほうが楽には違いなく、 今回の草子物は、まさに渡りに船であったろうと推測される。 年支「卯」VS月支「子」は、少々けんか腰で、つっけんどん。 とはいえ、年支「卯」VS日支「亥」の半会があるので、 ぐずぐずせずに、早急に結論をだせば災難もこうむらずにすむだろう。 年干支の「雨卯」は、洛中の霧みたいなもので、常識的模範生で毒はなし。 月干支の「木子」は、孤高。 始めに帰すという意味で、頭を丸める僧でもある。 そして日干支の「宝亥」は、天性の第六感の持ち主で、 計算しているようで、どこからか文章が降って湧いてくるようで、 それをしたためているだけ。 とはいえ、繊細で傷つきやすいので、自身の本質は知りたくないかもしれぬ。 干支番号構成は、40-01-48と西方東方北方だが、 東方はかすっているだけで、明るい未来を描けるものではない。 後天運は、初旬「9歳雨亥」が、主導DNA「鳳」でもあり、自己確立。 遊興に走らなかったからこそ、遅咲きでも、流れに乗れたに違いない。 また、冲殺年干支「雨卯」を大半会するため成功運型。 特に成功は仕事面に偏るに違いないが、 生涯ターボ運(子丑天冲殺廻り)に支えられているので、 悪事さえはたらかねば、何をしても注目されるので、 それはそれで、堅実にしてさえいれば、恵まれたものといえよう。 2旬「19歳海戌」は、DNA「調」の変則方三位。 他人とは同じことはしたくないという思いから、フランスへも渡る。 3旬「29歳宝酉」は、DNA「貫」。 独立独歩で小説家デビューで芥川賞も受賞。結婚もしたはずだ。 4旬「39歳鉄申」は、DNA「石」の人間関係に魔がさす害の10年。 苦しみもあったろうが、月支「子」の半会で、自信はあったためか乗り切る。 離婚はここに違いないが、あまりにもしれっと告白されると拍子抜け。 現在の5旬「49歳畑未」は、DNA「龍」のありえない土性の DNA「龍」の改良改革三合会局という守護神で、 今作のような降って湧いたような仕事も舞い降りてくるというものだ。 今後は6旬「59歳山午」は、ありえない土性のDNA「玉」。 こちらは年干「雨」を干合させれば、10年運は「陽」に年干は「灯」という、 ありえない火性で燃焼しやすくなり、ほぼ大御所という按配。 7旬「69歳灯巳」は、DNA「車」のありえない火性の天剋地冲で、 いささか危険な感もあるが、180度生き方を変えて、 それこそ遊び倒すか、あるいは電撃引退か。 8旬「79歳陽辰」は、DNA「牽」で、最高級の名誉。 そして、豊かでぬくもりのある老後であろう。 「猫の草子」あらため「象の草子」であるが、 これは堀江が望んだのではなく、生年冲殺らしく、 譲り合いの結果の残り物で、そこには、好き嫌いはない。 ただし「象」を登場させたのは、生年冲殺の「鳳」主導らしい変化球。 随所に言葉遊びというか、もじりは効かせてあり、発見する楽しみはあり。 二次創作としては、まずまずなのは、 今年(15年/草未)が、年支「卯」と日支「亥」のからむ 三合会局重なりで、DNA「禄」は、愛情あふれる工夫なのだろうが、 あらぬ方向へと展開した、生年冲殺らしい無限大の拡がりは、 敢えて言わせてもらえば、少々こねくり回した感が否めず、 難解なのに、ひらがな多用で読みづらいことこのうえない。 そのあたりが、火性も土性もない堀江のサービス精神と了解するしかない☆ |
■2015年12月07日(月)灯巳 |
平谷美樹○貸し物屋お庸 娘店主、奔走するの快活疾走 |
○00年(鉄辰)のDNA「龍」の改良改革年に 「エリ・エリ」で第1回小松左京賞を受賞。 14年(木午)のDNA「鳳」の対冲年に、「風の王国」シリーズで、 第3回歴史時代作家クラブ賞シリーズ賞を受賞した 平谷美樹(60-0125/海子)が、招き猫文庫のために書き下ろした 『貸し物屋お庸 娘店主、奔走する』が、 05月10日(陽戌)のDNA「禄」の守護神日に上梓されているので解説する。 同書の舞台は元禄年間の江戸は両国。新鳥越町にある貸し物屋「湊屋」の出店。 すなわち現在のレンタルショップの支店みたいなもの。 単身者の多かった江戸には、多数の貸し物屋が商いをしていたという。 以前は商家であった仕舞た屋を手直しした店を切り盛りするのは、 出店を任されて一年になる少女の「お庸」。 以前は大工の棟梁の娘として、何不自由のない生活をしていたが、 家に押し入った賊に両親を殺され、自身も背中に疵を負うに至ったが、 彼女は「貸せないものはない」と豪語する湊屋本店の 若き店主の力を借りて、本懐を遂げた。 (子丑天冲殺なのか、身強なのであろう)主人は力を貸した損料の代わりに、 少女の度量を見抜き、出店で働くことを求めたのだ。 物語は、奇天烈で一風変わった借り物を借りに来た江戸の町人達の 不思議な部分を、お節介な少女店主が奮闘しつつ、店主の力を借りながら、 解決するもので、男勝りで乱暴な言葉遣いで快活な少女が、 本店主への淡い恋心を抱きながら、成長していく姿は清々しく、 まるで見てきたように、旧き江戸情緒たっぷりの下町が目に浮かぶものである。 「紙三味線」「からくり箪笥」「まないたの下」「貸し母」の四編からなり、 ほろりとなるのは間違いなく、読まずにいられない作品集である。 日本SF作家クラブ会員、宇宙作家クラブ会員、日本推理作家協会会員、 歴史時代作家クラブ会員、NEO(次世代娯楽騎士団)メンバー。 岩手県久慈市出身で、大阪芸術大学芸術学部美術学科を卒業後、 岩手県の公立中学校の美術教師の職を拝命しながら、 DNA「司」の07年(灯亥)の干合年春に、職を辞して専業作家になり、 (前年体調を崩したのも理由だろうが) 現在も岩手県胆沢郡金ケ崎町在住の平谷は、DNA「牽」主導で、 プライドが高く、教師としての崇高な誇りもあったし、 勤め人に相応しい公務員気質なのに、心変わり。 才能も主導する「牽」であるはずなので、 弱くないのだから、兼業を続けてもらい、 教頭職または校長職の作家という姿も見てみたかった。 自己愛にも強いながら、勤め人向きだったのに至極残念でもある。 「牽+貫」は、これといった主義主張は濃くなく、 なんでもありの「海」よろしく、打算も働くので、 主人公に大人の事情も悟らせる。 「牽+石」は、理知懐疑的だが、仲間を大切にする御仁。 「牽+牽」は、妙な行動力がでて、無闇に突っ走る。 どうりで江戸の人は、走り廻るわけだ(笑)。 「牽+石」は、最後はシャンシャンでハッピーエンドに持って行く。 「海+牽+丑月」は、まるで役人だし、 「亥」年生まれ「海子」は他力運である。 だから「貸し物」「助太刀」なのであろうね。 宿命の特長は、晩冬深夜丑三つ時の午前二時頃の港町と灯台に恵まれた、 貿易港。明け方に出港する漁師のために、慌ただしい、 だからこそか、あるいは休んでいる人のためか、 守護神の火性は総エネルギー203点中9点しかなく、薄暗い。 寒い寒い深夜ばかりか、年支「亥」日支「子」月支「丑」の並びの 冬の方三位で、水気は128点の過多で、知恵は廻る。 良いものと悪者を対比して描けるのは、努力以前に相当な頭の良さからくる。 なんでもありの森羅万象「海」は、さまざまなものに挑戦し、 深くて強い「海」なのだから、少々の濁りはあろうと、 内蔵するものは、計り知れぬ引き出しがあると推認する。 年干支の「畑亥」は、一か八かの勝負師で、 身体的異常干支となり、頭より先に手先が動く。速筆はこれが要因。 月干支の「灯丑」は、倫理的で偉そうな仕掛けがあり。 そして日干支の「海子」は、知恵を使った攻撃が得意で、庶民的。 干支番号構成は、36-14-41で西方2点と東方を結ぶ鋭角さだが、 存外広範囲をカバーできるものではなく、領域は限定される。 後天運は、初旬「6歳陽子」は、DNA「禄」の守護神引力本能。 この人なりに小学校入学時くらいから恵まれた様相。 また、月干「灯」と日干「海」が干合すれば、日干支は「木子」となり、 これが年干「畑」と二次干合すれば「山子」となり、 10年運「陽子」とは律音的となり、成功運型(陽と山は初旬のみ同格扱い)。 進みゆく方向性を自分で変えて、それが親の了解を得られれば、 すんなりと、流れは向くというもの。 2旬「16歳草亥」は、DNA「調」の陰の伝達本能強化の10年運天冲殺で、 異常環境に置かれれば、さらに流れが良くなり、これが美術への興味。 3旬「26歳木戌」は、変則方三位もあるDNA「鳳」の 陽の伝達本能強化の10年運天冲殺で、異常環境も派手になり、 腹に何らかしらの決意を持つようになる。 4旬「36歳雨酉」は、DNA「石」の計算。 デビューは、この時期で、知己を得て人間関係を拡げたのであろう。 現在は5旬「46歳海申」のDNA「貫」の大半会の最後で、何でもあり。 DNA「貫」は職を辞して、独立もした。 来年(16年/陽申)から始まる6旬「56歳宝未」は、DNA「玉」の害。 すぐに災禍に見舞われるとは限らないが、 過去にまつわる何らかの裏切りに遭遇し心を傷めるか、 岩手の地の揉め事に奔走し、仕事どころでなくなるかだが、 普通に考えれば、宿命の偏り(水性過多)から、 金性の出現で、病魔に冒される可能性もあり。 7旬「66歳鉄午」は、同じく金性の強化でDNA「龍」の改良なり別離。 それをやりすごせば8旬「76歳畑巳」は、DNA「牽」の名誉である。 ところで「貸せない物はない」という江戸のレンタルショップ。 なんとも人情味溢れる逸話を、少女がいなせな店主に憧れながら、 助けられた恩義を僥倖に感じ、人間としての味を重ねて行くさまは、 「おいら」と自身を呼ぶ以外は、好感がもてるし、 大人達もたじたじでぐうの音も出ないのも滑稽だが、 しかし、この時代の若旦那はせいぜい20代であろう。 今の時代の若者は随分と幼いなと改めて考えさせられる。 また、日干支「海子」の平谷の月干支は「灯丑」で干合支合の関係。 したがって、手近に女性がいて仲良くなれるパターン。 実際、同年代と見られる夫人は存在するが、 存在するかしないかは別にして、子供の話は一切聞こえてこない。 それは子より妻優先なのと、前述のように、 配偶者成分の火性が自身の水性128点に比して僅か9点では危うい。 密着はしていても、強くない火性では消しかねないからだ。 さて、平谷の実質デビューは年干支「畑亥」の大半会を伴う 99年(畑卯)のDNA「牽」年ながら、条件なし天冲殺の夢の中。 なので、作家で成功しようと、本業としてはならない。 そこが今後の人生に微妙な陰を落とすに違いない。 就職も故郷に舞い戻る寅卯天冲殺だからこそ、なおさら。 (体調不安というお試しがあったとはいえ) だからこそ残念ではならず、兼業でも充分やれる力は備えているのだから、 美術教師という、自分の居場所さえ橋頭保として確保していれば、 量産の鬼と化すこともなく、質の良い作品を重厚に届け、 さらには名誉の賞も、もっともっと積み重ねていけたと思うと残念である。 少しの生き方の違いで、人生は変わる。 試されても、のらないほうが無難なこともある。 本流を極めるのが、寅卯天冲殺なのだから☆ |
■2015年12月14日(月)木子 |
川端裕人○天空の約束は雲行きで突然嵐の如く変わる |
○元日本テレビの記者で、92年(海申)の守護神三合会局の 条件なし天冲殺の夢の中で、南極海調査捕鯨船に同乗取材し、 95年(草亥)のDNA「玉」年に、この乗船体験をもとに 「クジラを捕って、考えた」を執筆し、 ノンフィクション作家としてデビュー。 97年(灯丑)の月干支「宝未」の天剋地冲を伴うDNA「石」年に、 あろうことか(後述)日本テレビを退社し、 コロンビア大学ジャーナリズムスクールに モービル・コロンビア・フェローとして在籍。 翌、98年(山寅)のDNA「鳳」年に「夏のロケット」で 第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞を受賞し、 小説家デビューした川端裕人(64-0726/陽子)の 『天 空 の 約 束』が、 09月30日(畑酉)の主導DNA「調」の主導DNA天冲殺日に上梓された。 9篇からなる短編集は、「小説すばる」に発表された3篇以外は、書き下ろしで、 一言で言えば、気象を読むことができる一族の物語。 いわゆる主人公は、身の回りの空間の気候、すなわち「微気候」の研究者。 元教え子と共に、店内に本物の曇が浮かぶ 「雲の倶楽部」なる会員制のバーを訪れた彼は、 不思議な小瓶を預かることになり、物語が動きだす。 気候が読めれば、戦時にも寄与することができる。 空の一族・・・気象を予知する能力を受け継ぐ者たちのたどった数奇な運命。 その能力をわきまえた者ばかりか、 末裔であることを気づかずにいる者さえいる。 彼らはもともとは同じ一族の出で、気象を予測する力を持ち、 古くから権力者に重用されてきたというが、 太平洋戦争末期にも遡り、あの原爆さえも予知した子供達は、 どこから来て、どこへいったのだろうか。 最初の導入部は、最後までいったならば、また読み返してほしい。 血は確実に伝わっているのだから。 軽やかだが、せつない空の一族の壮大な物語は、 川端らしい繊細な語り口の知的エンタテインメントで、読む価値あり。 兵庫県明石市に生まれるも、73年(雨丑)に千葉県千葉市に転居。 東京大学教養学部を卒業し、日本テレビに入社し、 結婚後、世田谷区北烏山ないしは給田あたりに居住し(京王線千歳烏山近辺)、 現在もそのあたりを根城にしていると思われる川端は、 記者として科学技術庁、気象庁を担当していた経緯があり。 「調」主導で、小気味良い、極端で芸術的な発想をするが、 そこには表面を美しく飾りたい意識が強くかかるため、クセになる。 偏った心情で、偏っていないと不安になり、その不安定さを愉しむ。 愚痴も少なくないが、こちらはtwitterで発散(笑)。 「調+鳳」は、曖昧で柔軟で、まるで曇。 「調+牽」は、内面は相当気品に満ちているが、行動は存外粗野。 時に大胆な行動をするが、慣れてしまえば「またか」になる。 「調+龍」は、容易く満足しない向上心ありで、海外生活も厭わない。 才能は、この「龍」で放浪癖のある庶民的な創造力。 「調+司」は、負けず嫌い。僅差でも勝ちは勝ち。 「陽+調+未月」は、放浪者で運命的な方向に人生が流れる。 「辰」年生まれ「陽子」は、一か八かの勝負師的要素あり。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の太陽で、相当熱い。 守護神はDNA「車」の行動力になる水性の「海」だが、 「雨」しかなく野人扱い。 DNA「牽」の自尊心が強めになるところだが、 総エネルギー206点中水性44点では、そこまで気にはならず。 最大の特長は、月干支「宝未」VS日干支「陽子」の干合支害持ち。 ろくでもない異性に興味を持ったり、騙されたり。 そういう自分を意識していれば、あえて異性に近づかぬとも考える。 このあたりは、天気情報に左右されるというか、いわゆるお天気屋。 また、成果を求めれば求めるほど、あらぬ方向に行きやすく、 かえって目標は定めないほうが、気持ちは楽。 ぐずぐずあれこれ時間をかけると、妙な気分にもなるので、 年支「辰」VS日支「子」の半会もあるので、 結論は早めに一気にだすのが向く。時折、面白いことをボソッと呟くが、 実際にはお笑い芸人でも、こなせぬはずはない。 この場合は、女性的感性に権威なり格好を衝突させれば良いので、 あえて言えば、おねえ的な部分もだせぬことはない。 年干支の「木辰」は、内に渋い激しさを介在させている信仰心などに厚い人。 月干支の「宝未」は、慎重な長距離ランナーで、 商売をやっていれば、それなりの財に縁あり。 そして、日干支の「陽子」は、移り気。 神経は細やかながら、あらゆるものが不安定になりがちで、決断力に陰りあり。 トラブルを抱えやすいが、人には嫌われないので、 どこからともなく援助の手はさしのべられる。 干支番号構成は、41-08-13で西方と東方を結ぶラインは、 決して広くはないので、天気を読む一族の話を熟成させるのも良いはずだ。 後天運は、初旬「4歳海申」が、年支「辰」と日支「子」のからむ ありえないDNA「車」の守護神10年運天冲殺三合会局で、 活き活きとした少年時代。 害切れの73年(雨丑)に、千葉に引っ越してから稼働したのではないか。 2旬「14歳雨酉」は、同じく10年運天冲殺で、 DNA「牽」の名誉で東大入学と、日本テレビ入社。 3旬「24歳木戌」は、DNA「龍」の特別条件付10年運天冲殺で、 様々な特異な体験で、宿命を刺激し、害切れ年の97年(灯丑)に退社。 4旬「34歳草亥」は、DNA「玉」の同じく特別条件付10年運天冲殺で、 静かなる環境を好む、作家デビュー。 現在の5旬「44歳陽子」は、DNA「貫」の守備本能強化。 律音で集中力増すことで、成果出す。 月干「宝」と干合すれば、10年運は「海」の守護神となり、 方向性の変化も相まって、またしても09年(畑丑)の害切れで、 一年間ニュージーランド・クライストチャーチ市に居住。 今後の6旬「54歳灯丑」は、月支「未」と日支「子」の害が切れる DNA「石」の和合性で政治力に意識がいくが、 40年間に渡る10年運天冲殺を使いきっていれば、妙な動きは失速。 7旬「64歳山寅」は、DNA「鳳」の発信力強化。 宿命内干合月干「雨」を干合させれば、 月干は「灯」になり、(宿命内)干合日干「海」とさらに干合すれば、 月干は「草」で日干は「木」となり、年干「木」を入れて、 干合木性天干一気となり、何らかの環境異変により、 集中力が増強し、森のようになり目立つか埋もれるか否かである。 年干と日干が同一となり、地支も半会で大半会でもあるので、 明らかに両天秤となり、何らかの変わった職に祭り上げられる可能性大。 8旬「74歳畑卯」は、主導DNA「調」で自己確立だが、 さすがに加齢には勝てず、年干支「木辰」は干合支害では、 活動もおぼつかない可能性もあり。 さて、本書のような特殊能力は果たして存在するだろうか。 もちろん描かれたとおりではないが、 神がかり的な異常干支の「亥」持ちなら、 充分にありるだろうし、そういう人が気象予報士にでもなれば、 怖いものなしだと思う。 そして、脇道にそれることなく、代々血を濃くしていけば、 その威力も、極めて精度が向上するに違いない。 その意味では、結婚の持つ意味は一子相伝とはいわずとも、 仮初めにすべきでないということを自然界は教えてくれる。 伝統は伝統として守ってしかるべきだし、 持続させることで熟成できる能力もあるのだ。 だからこそ、本書が実話だと言われても、疑う気持ちはない。 また、川端は男女の差こそあれ「SPEED」などの代表作がある 米国女優のサンドラ・ブロックと同一生年月日である。 後天運は異なるが、異性との交流ではまとまりがない。 サンディーは離婚歴があるし、ストーカーに家に押し入られたり、 他にも事件事故に巻き込まれて、落ち着かない。 過去はともかく、現在の川端は単独行動。 97年(灯丑)以前に職場結婚したと思われる、人事部勤務の配偶者の存在を 11年(宝卯)あたりまでは確認できるのだが、このところは全くなし。 また98年(山寅)02月(木寅)生まれの長男と、長女(00-0909/鉄午)がいるのだが、 川端と長女では、共通干がないばかりか、 長女は、年干「鉄」月干「草」日干「鉄」の並びの 干合金性天干一気で、目上を戦場に引きずりだし、 闘わせてしまうような環境の持ち主で、親の立場は危うい。 「鉄」の母親は生じる「畑」で、日支「午」の中と縁が深いが、 父親は「畑」の干合相手の「木」がなく、月干の「草」を代用すると、 年干と日干から干合攻撃される弱い父親になり、その座は危うい。 もとより、年支は同じ「辰」でも、日干支同士は天剋地冲の間柄で衝突する。 この兆候は、長女の条件なし天冲殺だった07年(灯亥)に見受けられ、 夫人が朝帰りしたことを川端はさらりと嘆いている。 よって、川端はここ数年で離婚または別居した可能性が濃厚と推認する。 (子供についての記述はあるので、子育てはしていると思われるが) このあたりを踏まえると、一瞬午前四時前生まれの「草亥」かと、 頭をよぎったが、やはりサンディー同様の干合支害持ちで、 結婚を全うしづらかったと判断する。 それは「なんか最近、煮浸し系の野菜料理ばかり作ってる。 惣菜とか買って食事に間に合わせることが多くても、 野菜って高いし、たっぷりとれるような惣菜も少ない。 なので、一品だけつくるなら、これ。 もう、残ってる野菜は全部入れる勢いで。」なんていう 発信をしているくらいだし。 とはいえ、その干合支害持ちがSNSにドップリはまるのは、 少々問題があるのではないか。 ただでさえ不安定な「陽子」なのだし。 益々、DNA「玉」の過去に思いを巡らせながら、 孤独を嘆く害年らしいが、鬱積した寂しさを発散しているのだと、 好意的に理解するが、「調」主導の女性的感性が強い川端のこういう発信は、 珠玉の作品との落差が激しく、どうにも不可解(笑)な気もする☆ |
第二子女児○00-0909 |
鉄草鉄灯 午酉辰-1 貫司玉石司(石主導) 木性(40)火性(28)土性(52)金性(70)水性(11)/総合201 戌亥天冲殺/変則方三位(31歳宝巳) 害(71歳灯丑)/干合金性天干一気 火性脆弱/土性過多/金性過多/水性脆弱 -1歳木申/11歳雨未/21歳海午/31歳宝巳/41歳鉄辰/51歳畑卯/61歳山寅/71歳灯丑〜 |
■2015年12月21日(月)宝未 |
松井雪子○肉と衣のあいだに神は宿るはじれったい |
○10年運「20歳山戌」内の88年(山辰)のDNA「石」重なり年らしく、 家で出来る仕事をしたいという発想で、漫画家になり、 翌89年(畑巳)の人生の折返し地点ともいえる律音年に、 「スピカにおまかせ」で単行本デビュー。 さらに01年(宝巳)のDNA「鳳」年には、 「群像」誌上で「私のフジサン」を発表し、小説家としてもデビューし、 何度も芥川賞候補にもなった松井雪子(67-0105/畑巳)の、 『肉 と 衣 の あ い だ に 神 は 宿 る』が、 10月10日(畑未)のDNA「貫」日に上梓された。 同書は、山あいにある、元祖さくさくかつ丼の店 「情熱とん」の看板娘の婚活話。 生後六ヶ月で母をなくし、父と兄に大切に育てられたアラサーの主人公。 気立てがやさしく快活で、手仕事が好きで、得意なことはリフォームと、 お客様一人一人に見合った、味噌汁を提供していること。 離婚した兄の幼い娘と、都会の暮らしに疲れた元東京のテレビ局員の女性らが、 「食べること、食べてもらうことは愛なのだ」と教えてくれる心温まるお話し。 行列が出来て他県からも、押し寄せる人気店ながら、 どこかおっとり、ゆったりとした時の流れは、かといって間延びすることなく、 おいしいトンカツが食べたくなってくる。ちなみに、主人公の名前は「美衣」。 とってつけたようなものであるが、ご愛嬌。 15人も会って、誰も結婚したいとは思わなかったなんていうのは当然だし、 意図的なものに幸など廻ってくるわけがない。 コンカツはただの駄洒落みたいなものだが、単なる添え物ではなく、 顛末はともかく、立派なキャベツの役割を果たしているので、ご心配なく(笑)。 東京都武蔵野市出身。共立女子大学家政学部生活美術科を卒業で、 現在は、山梨県北杜市(八ヶ岳の麓)の標高1.025メールの山でぐうたらと、 都会の喧騒を離れ編集者の夫と自然の摂理に逆らわず暮らし、 菜園をつくり、虫や動物との出会い、温泉通い、 同じ山で暮らす人々との交流など、 いわゆるスローライフを満喫していると思われる松井は、 DNA「禄」主導で、実は自己中心の目立ちたがり屋。 「禄+龍」は、庶民的で博識だが、存外やみくもで視野は広くない。 なので、主人公の婚活も、役所主催の合コンだったり、 町の結婚相談所だったりと、小説にしては通俗的。 才能は主導するだけに、この「禄」でお節介(笑)。 時には、有り難迷惑にもなる。 「禄+玉」は、生きることには真剣で、生活感タップリも、 内側には賑わいがなく、ひっそりとしている。 だから、(主人公も)過ちはあっても、本当の息抜きはしない。 「玉」×2は、田舎のお母さん的風情。 「禄+調」は、独創的着想で、組織に馴染めず。 普通に就職する気持ちは、端から選択肢になし(むろん結婚も)。 「畑+禄+子月」は、異性の裏切りに遭いやすく、 自ずと結婚が出来ぬような相手に心を寄せる。 研究のために短期滞在した学生だったり、百貨店の催事担当であったり、 顔もみえないのに、お店近辺の路面の状況を伝えるブロガーなど、 結ばれぬ方向への儚いときめきも同様。 「午」年生まれ「畑巳」は、待ち運なのに、 時に積極的に自己顕示する姿は、もどかしい。 宿命の特長は、仲冬深夜零時頃の耕作地。 鉄柵で囲まれ、ありえない陽光が照らしているのは異様で、 お休み中なのに、さらされている状態が、かなり痛い。 (本書に)時折挿入される兄が深夜放送のラジオに投稿した、 思い出話みたいに、愛ある寒さ。 総エネルギー201点はとりたてるほどではないが、 木性ゼロ(DNA車/牽なし)は、人の気配がなく、 ほっておいたら稼働しない状況で、働く気なし。 だから就職など論外だったし、「畑」に作物(木性)がないということは、 配偶者成分皆無で、異性に全く縁がないか、手当たり次第。 相手を間違いやすいのは、主人公にも通じ、 自尊心もないので、何でもできるし、怖い物なし。 なので、パートナーは人間でなくても構わずで犬も飼う。 実際には夫はいるようだがら、よほどの変人か、 いつも必ず一緒ではないのであろう。つまり密着度はないのだ。 犬に愛情を求めるのも、もちろん木性がないからだが、 真っ当ではないからこそ、文章も書くと理解するしかない。 火性76点は過多だが、木性というエネルギーが存在しないので、 化粧映えはするだろうし、目立つのも遠目にみた時だけで、 その実、絵に描いたような荒涼たる原野でもある。 年干支の「陽午」は、いわゆるヒノエウマで、 他人の運を喰ってでも生きのびる荒ぶる者で、弱からず。 月干支の「鉄子」は、己に酔いしれるも、主役からは一歩退いた場所にいる人。 そして日干支の「畑巳」は、わけしり顔の村の長。 組織の中枢にいれば、屋台骨を蝕む白蟻のような、危うい存在。 干支番号構成は、43-37-06で西方と東方を結ぶ範囲は比較的狭く、 自身の行動半径からしかヒントを得られない。 本書も松井の住む直近の道の駅にある地元のおばちゃんらが作る 何気ないカツ丼がきっかけであったようだ。 後天運は、初旬「10歳畑亥」がDNA「貫」の納音のため、 自らの過去や生きざまを(いずれ)破壊できれば成功運型。 10年運天冲殺のため色々あっただろうが、 遅咲きの10歳運とはいえ、良き刺激にはなった模様。 2旬「20歳山戌」は、DNA「石」の10年運天冲殺。 その心は妥協だが、年支「午」の半会もあり、世にでた。 3旬「30歳灯酉」は、DNA「龍」の守護神半会で、新たな方向性。 これは、作家に挑戦。 現在の4旬「40歳陽申」は、DNA「玉」の守護神支合。 田舎が似合うといっても違和感なし。 この後は5旬「50歳草未」が、ありえない木性のDNA「車」。 老いらくの恋も、不倫もありだが、今よりずっと多忙を極める。 6旬「60歳木午」は、ありえない木性のDNA「牽」の名誉で、 名のある賞の受賞ばかりか、略奪に成功。 7旬「70歳雨巳」は、主導DNA「禄」の権威で自己確立。 8旬「80歳海辰」は、DNA「司」で、さすがに消え入るほど地味か。 ところで「肉と衣のあいだに神は宿る」である。 お腹のすく話題だが、主人公は婚活とかいいながら、 作者が配偶者成分皆無だからか、まるでやる気がない。 「待ち運」なのに、この上ないような相手が現れても決断しないし、 ある意味普通すぎる相手には満足しないのか、ともかくじれったい。 松井にしてもそうだが、ある部分で充実していると、 それを犠牲にしてまで、たった一人の相手のために責任を持てなくなるのだ。 お客様に提供する味噌汁は、一人一人を観察して、 健康状態に見合ったものをおだしするという離れ業。 神業は、肉と衣の間だけではなく、そこかしこにあり。 配偶者成分皆無なのは、無限大か貪欲か否か。 目的が他にあれば淡泊にもなるか、あるいは母親が夭逝したぶん、 不器用になったか。 父親や兄、それに周囲の人たちの彼女への可愛がりは半端ではない。 優しすぎるのだ。 だって、兄が妹に哺乳瓶でミルクを飲ませ、げっぷまでさせて、 オムツの交換までするなんて、せつなすぎるもの。 それだけ真剣になって、守って育てたのだから、 並みの相手にはやれないという意識が、 どこかではたらいているのかもしれない。 その真髄がDNA「禄」の感謝であり、偉大なる奉仕。 金を回す商いも「禄」だから、松井の願望が見えている。 つまり、世のため人のためになるのならば婚活どころではないか。 途中までは、どんな結婚をするのか少しは期待していたが、 期待を裏切るのも平気なのは、ないものだから。 しかし、最後は消え入るようにあっけなく終わる。 問題なのは、婚活しているはずの本人ではなく、 妹思いの兄のほうが、再婚しそうな成り行き。 わけあって離婚したのだから、因縁を呼ぶだろうに。 それも、(相手が)店を切り盛りする元テレビ局員ではないのが、納得いかん。 せっかく「お父さんのとんかつには神様がいる」 まで言わせているのに、小学生になりたての主人公の姪っ子は不憫だぞ。 希望は見えるが、それは婚活にではなく、味噌汁というところがミソ。 だから心も身体も温まる。松井の上質な言い訳は、とりあえず理解した☆ |
■2015年12月23日(月)山寅 |
松永天馬○自撮者たち 松永天馬作品集のために少女が駆け巡る |
○昭和のロックテイストをふんだんに散りばめた楽曲といでたちで、 07年(灯亥)にインディーズデビューし、11年(宝卯)にはメジャーデビューした 男女のツインヴォーカル、ギター、キーボード、ドラム、 シーケンサーによる編成で、自らの音楽性を「トラウマテクノポップ」と称し、 ライブでは歌・演奏以外にも詩の朗読や VJ映像を盛り込んだパフォーマンスを行う ア ー バ ン ギ ャ ル ドのリーダーとして、 また俳優としても活動する松永天馬(82-0812/灯卯)の初作品集である 『自 撮 者 た ち』が、 10月25日(木戌)の守護神天冲殺支合日に上梓された。 同書は、ことばは骨、うたは肉、駆け巡る血は松永天馬という著者の 独創的な感性を言葉にした著作集で、13年(雨巳)から今年(15年/草未)に 「SFマガジン」に掲載された4本と、書き下ろしや未発表のショートショート、 詩まで、約30篇からなる少女/都市/神をテーマにした作品群で、 自撮と自殺をかけたりする言葉の洪水は、 エキセントリックかつ多少の上品さを損なう生々しさは気になるものの 一環として少女はお姫様であるという思想を、 昭和九十年という平成二十七年なりに表現したもの。 昭和の感性を際立たせたのは、かつて少女だった人にも受け入れやすくも、 内容や登場するツールは恐ろしく今風であり、 あらかた想像がつくものだが、巧みな言の葉とリズム感は充分堪能できる。 東京都出身ながら、はみだしていく戌亥天冲殺らしく 同志社大学神学部を卒業するも、在学中に早稲田大学に国内留学し、 ロシア文学を学んだり、詩のボクシングで優勝経験あり。 詩や演劇、映像での活動を経てバンドをスタートし、 今年(15年/草未)は、DNA「龍」の改良改革半会年らしく、 NHK教育月〜木18:20「Let's天才てれびくん」では、 超次元帝国清掃課地球係係長を演じている松永は、 どこからみてもわかりやすい「調」主導のとんがった感性で、 男性ながら女性的感性そのものの所有者であり、 少女が好きというような、いわゆるオタク的傾向ではなく、 自身が少女である意図的に錯覚させた性癖の持ち主。 才能も、この主導する「調」で、「山」から表出されるため、 大袈裟で、やればやるほど派手になる。 「調+禄」は、組織に収まることなく、ユニークで偏屈な発想。 原則単独行動または、少人数の支持者へと発信するスタイル。 「調+龍」は、不平不満、欲求不満、あらゆる苛立ちの温床で、 これが向上心に置き換えられれば、際だった成功もする。 「調+牽」は、少女を象徴している角度から見れば気品と 生々しくも青くさい魅惑をもたらすが、 創作過程で男性が登場するや否や、野卑にもなり、 またその場面では少女も大胆になる。 このあたりは、客席にコンドームを投げ入れるなどの パフォーマンスの素地になっているが、 逆に行きすぎで醜悪になる恐れは否めない。 「セックス」の連呼も、秘め事には通じず、淫靡とも言えずに、 大人ではないのが、特長。 「調+調」は、哲学的で感覚で日常を飛び超える。 いわゆる常識など一切通用しない変人奇人であることは 疑う余地はないが、本人にはそれがうれしくもある。 「灯+調+申月」は、芸術性の高い遊び人で表現者。 「戌」年生まれ「灯卯」は、自己矛盾はなし。 宿命の特長は、初秋午後四時頃の要塞のような岬の灯台で、 派手なパフォーマンスでもせねば、ぼんやりてしていて目立たない。 なので、型にはめたような努力が必要。 実際、DNA成分の衝突で才能はあるのだから、間違ってはいない。 とはいえ総エネルギー188点は、旧時代の軽い男性なみの存在感だし、 守護神の木性も、僅か19点と心許なく、 灯台とはいえ昼行灯で、ステージ上だとか文章を産みだす時にのみ、 花火のように打ち上げられるのだが、 夜ならば美しく目立つものの、いまひとつ、半端な感じは否めない。 才能はある。間違いなし。でも、際物の立ち位置になってしまうのは、 冒険をしているようで、存外、真っ当なので、安心しきってしまうところか。 年干支の「海戌」は、乱暴な言動の挑戦者。 月干支の「山申」は、鉄壁の守りを誇る要塞で、いつも背水の陣。 そして日干支の「灯卯」は、常に浪漫を追い求め、実現不能な夢想者。 極度の心配症で、未練がましくくすぶりやすいが、 その気になれば一気に燃焼する。 干支番号構成は、59-45-04で北方と東方の一部で、 さほど広くないが、かえって、そのほうが 地下なら地下で力をためて暴発するのは好都合。 後天運は、初旬「9歳畑酉」が日干支「灯卯」と納音的で成功運型。 (初旬のみ灯と畑は同格扱い)とはいえ、年支「戌」とは害が成立し、 そこまで前向きではないのに、月支「申」をふくめた 金性方三位が成立するので、強くはないのに闘争的であり、 そこに少女的感性を載せたDNA「鳳」は、発信力頼りの人になるのだろう。 2旬「19歳鉄戌」は、DNA「司」の10年運天冲殺支合。 積極開花で稼働させるには、少々地味な環境で、助走時期であったはず。 現在の3旬「29歳宝亥」は、DNA「禄」の引力本能大強化の 10年運天冲殺半会で、ようやく開花をみたもの。 この後は、4旬「39歳海子」は、DNA「牽」の干合支刑。 争いながらも名誉を得る。 5旬「49歳雨丑」は、DAN「車」の多忙に終始すれば良いが、 月干「山」を干合させると、「陽」となって 忌み神点滅となるので、方向性の修正をしたり、 若者を意識しすぎると、芳しくない。 6旬「59歳木寅」からはターボ運(子丑天冲殺廻り)が始まり、 特に守護神木性の旺地は、 ふたたびDNA「玉」の昭和回帰も受けるだろうし、 そのあたりが年長者の支持も得て、安定した時期となる。 7旬「69歳草卯」は、使い易い守護神DNA「龍」の同じく木性旺地は、 晩年にして、さらに新たな挑戦。 8旬「79歳陽辰」は、DNA「石」の屈辱妥協の害で、 息の根を止められかねない裏切りに遭う。 さて、松永はひねくれ者ながら、否だからこそ結構才能あり。 磨けばそれなりではあるが、残念ながらそれなりなのは、 日干支が異常干支ではないし、宿命の際だった偏りはなく、 さらには、これが決定的なのだが、後天運が薄い。 だから、ア ー バ ン ギ ャ ル ドなのだし、 作家としての切り口や表現力は秀逸も、 想定の範囲内で、驚愕の戦慄があるわけもない。 「あらゆる女の子はお姫様だった」「わたしの王子さまは何処にいるのだろう」 なんていう書き出しだし、 短編タイトルも「死んでれら、灰をかぶれ」「スカート革命」 「病めるアイドル」「自撮者たち」「売秋」に 「実録・あたま山荘事件」だからね(笑)。 革命といっても「授業のボイコット」「不登校」が、精一杯。 アイドルは自撮りに「握手会ならぬ手首チェック会」に続き 「卒業公演ではファンが自爆」ときた。 そして「セクト」に「自己批判」に「総括」だからね。 つまり、斬新さがなく、色彩鮮やかに訴えてくるものにも、 ありていな言い方をすれば、プラスチックであり、 そこを狙っているのは充分承知も、格好は悪くないが、ビジュアル優先で、 「女の子は生きているだけで作品」という按配は、 音楽活動の余興なのだと理解したい☆ |
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