★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 5 年(草未)●06月 海午 // 移 動 祝 祭 日 |
■06月分一覧 (2015年●目次) |
吉野万理子●空色バームクーヘンの味は想像せず(2015_0601) |
月村了衛●機龍警察 火宅の近未来的怜悧な野蛮(2015_0606) |
森若香織●妖精頭脳の眩いばかりの輝きを読み解く夢の中(2015_0609) |
竹内明●背乗りで区切りを付けて明るい時代を迎えたい(2015_0613) |
星野智幸●夜は終わらないになき希望(2015_0619) |
浅野里沙子●天鬼越と蓮丈那智復活の夢の中●(2015_0625) |
■2015年06月01日(月)山申 |
吉野万理子○空色バームクーヘンの味は想像せず(笑) |
○シナリオ・センター大阪校を受講し、02年(海午)のDNA「玉」年に、 「葬式新聞」で日本テレビシナリオ登龍門優秀賞を受賞し、 03年(雨未)のDNA「龍」の半会年からフリーとして活動、 04年(木申)のDNA「石」年に、 連続テレビドラマ「仔犬のワルツ」のシナリオを書き、 05年(草酉)のDNA「貫」年に、「秋の大三角」で、 第1回新潮エンターテインメント新人賞を受賞。 以後、小説、児童読物で活動し、07年(灯亥)の「チームふたり」は、 第54回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に指定。 12年(海辰)のDNA「玉」年には、 「劇団6年2組」で第29回うつのみやこども賞を受賞している 吉野万理子(70-0426/草亥※)の 『空 色 バ ー ム ク ー ヘ ン』が、 04月30日(草巳)の納音日に上梓された。 同書は、鎌倉山に住む商社マンの米国支社長夫妻の留守を預かり、 「勝てないところでは勝負をしない、 勝つ必要のないところでは勝負をしない」という 家訓を忠実に守る手厳しいしっかり者で就活中の姉と いずれ始まる就活のためにスポーツに明け暮れる兄の大学生を持つ、 夢はお笑い芸人という体重42キロの痩せっぽちな高校一年生の妹が、 憧れの芸人の出身校に目出度く入学し、 相方を物色していたところ、目を付けた面白い女子の影響で、 どういうわけか、ウエイトリフティング部に引きずり込まれてしまう。 「向いてないよ、こんなスポーツ!!」 すぐ退部届を出すはずだったのに、新しい出会いが――。 「自分のためじゃない! みんなのためにも、持ち上げる!」 途中、憧れの先輩が母校にテレビ番組の取材で、部室に訪れたり、 (先輩に)「芸人向き」と誉められ、棘がありながらも甘い言葉で 「(相方として)漫才をやらないか」と誘われたり、 幼馴染みの淡い恋愛模様があるなど、天こ盛りで飽きさせない展開。 そこに姉の就職活動の裏に隠された真実に、 兄が一目惚れした意外な相手などが微妙に絡み合いながら、 相方に予定していた同級生の出自や、それにまつわるアクシデントなど。 女子ウエイトリフティング部部員たちの葛藤やズッコケを描く、成長物語。 勝算のないことをやるのも「青春」だからね。 バラすのもなんだが、お笑い芸人への道へ行かなかったのは、 少しだけ残念に感じるが、そんなストーリーは、 吉野(の主導DNA)に期待されてはいまい。 物事は陰陽なので、これまで何の縁もなかった 眠っていた或いは気づかない才能への気づきのほうが重大なんだ。 本物の夢の中でなければね。 神奈川県逗子市出身。フェリス女学院中等科高等科を経て、 上智大学文学部を卒業し、中日新聞社、角川書店東海ウォーカー、 恵比寿近辺にあるIT企業でWEB制作や編集業務に携わった経験があり、 09年(畑丑)のDNA「禄」年より、京浜急行電鉄沿線の神奈川県横浜市中区に 飼い猫(立ち耳スコティッシュフォールド)と暮らし、 実家と行ったり来たりしている吉野は、DNA「司」主導で、 心底真面目な人で、原則健全。 「司+司」は、夢やら目標より現実的な安定を望む。 「勝算がないことをやるのが青春じゃないの」というセリフを、 表向きは軽蔑している。 生活や堅実さが全てに最優先し、心の奥底は他人に見せたくない。 そのわりには都合の良いことだけはtwitterで垂れ流しだし、 律儀に作家活動だけではなく、脚本家でも現役だ。 「司+玉」は、生きるために知恵を使うのが大好き。 だから感情で物事は決めない。 私生活も至って静かで、勉学創作活動あるのみ。 才能はこの「玉」となり、母親目線姉目線の包容力であり、 ひとつのことにジックリと向き合う姿勢。 「玉+牽」は、冒険はするものの用心深く過ごす。 枠からはみださない都合の良さや、権威を重視する傾向あり。 「草+司+辰月」は、口は達者。 「戌」年生まれ「草亥」は、上がって落ちる傾向。 まさにウエイトリフティングではないか・・・。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の整備された駅の花壇。 時には花の用意が間に合わないと、 (宿命内干合を加味すれば)金属製の造花で間に合わせているが、 それだと気づかせないのは、 朝のラッシュ時でそれどころでないため。 総エネルギー216点中木性57点とそこそこの力量あるも、 金性も58点と稼働力もあり、役割も担ってはいるものの、 一年に一作程度の発表は丁寧なのであろうさ。 年干支「鉄戌」VS月干支「鉄辰」の納音があるために、 他に何か理由があるのかは不明だけどね。 また守護神火性が17点では、発信力は底抜けに豊かではないので、やむなし。 ただし、年干と月干が「鉄」で日干「草」を干合し、 金性の天干一気が成立するため、集中力もあり、 それを潔く感じて、質の良い仕事を根を詰めて行うため、 疲労具合も半端ではなく、だからこそ量産できないのが弱みだが、 (空色が30冊目は少ないぞ) 異性に毒を注入しつつ、精気を失わせるような 日座冲殺のさげ●●の「草亥」が金性過多では、異性の気を受けすぎて、 迷いもあってそれどころではないのだろうが、 本人は独身のようなので、潔く生きられているはずだ。 年干支の「鉄戌」は、退却上手。野暮ったいのに図々しい。 月干支の「鉄辰」は、進撃上手でともかく前向き。 そして日干支の「草亥」は、未来予測可能な霊感あり。 一芸に秀でて、度胸で苦難を乗り切るも、持病持ち。 干支番語構成は、47-17-12で北方東方南方をカバーするが、 そこまで広い領域ではなく、「司」主導としては大それた冒険は似合わぬ方向。 後天運は、初旬「7歳畑卯」が、一応存在しないDNA「禄」の半会で、 魅力の積み重ねの仕方を習得した模様。 期せずして「もの書きになりたいと思ったのは小学校1年のとき」だそうだ。 2旬「17歳山寅」は、主導DNA「司」で謹厳実直自己確立。 高校時代の体験は鮮やかで「秋の大三角」の骨格となったし、 今作でもステージは共学校とはいえ、 勝手知ったる鎌倉の海や、長谷の町が舞台になっているのだから、 青春時代を書かせたら、鮮やかになるのは当然のことだ。 3旬「27歳灯丑」は、決め手はなかろうと脆弱な守護神火性の補填に、 金性過多を弱める作用もあり、DNA「鳳」でゆとりのデビュー。 現在の4旬「37歳陽子」も「灯」ほどの威力はなくとも 「陽」は、DNA「調」の独創的思いが募り堅調。 この後は5旬「47歳草亥」がDNA「司」の律音と伴星を伴う 特別条件付き10年運天冲殺で、我が道を行く。 ひとつのことに集中して底力を見せつけてくれれば、大成功。 もちろん、感謝と奉仕は不可欠で狭い了見では失速もあり。 現在はそこまでメジャーと言い切れぬ部分があるが、 ここから爆発的に売れ出す気配濃厚であると宣言しておきたい。 6旬「57歳木戌」は、DNA「石」の仲間を大切にする 同じく特別条件付き10年運天冲殺。 7旬「67歳雨酉」は、DNA「龍」の改良改革10年運天冲殺で新たな潮流。 8旬「77歳海申」は、DNA「玉」で出自や逗子の町を描く、 故郷を見直す10年運天冲殺。 17年(灯酉)の条件なし天冲殺の夢の中とはいえ、 そこから40年の10年運天冲殺に突入する吉野には、 ぜひ意識して流れに乗って名前を大きくしてもらいたい。 ところで、何でマイナー感漂うウエイトリフティングなのかといえば、 吉野がDNA「司」で地味なものを応援したい気持ちが濃厚なのと、 やはり金性が大好きな「草」としては、 無意識のうちに(干合方向の)「鉄」の塊を求めたのである。 とはいえ、あの円盤みたいなものを、 バウムクーヘンに見立てたまでは良かったが、 コンビの名前になって売れたわけでもなく、 文化祭で象徴的な存在のお菓子としても売らなかったのは何なんだよ。 もっとも食欲をそそらない空色では、いらんかもなあ(笑)。 ちなみに「鉄」は金性で猫好きも同じ方向だが、 SNSまでやって、猫までとなると、どうしても本業が希薄になる。 もっともっと活躍できるはずの人なのに、そこが誠に残念。 なお、作風その他から午前四時前生まれとしたが、 となるとこの生年月日は、女優の鶴田真由と同一。 面白いのは吉野が逗子で、鶴田が鎌倉という、 ほぼ隣り合わせの町の出身だということ。 どこかですれ違いはあったのかなというのが興味深い☆ |
■2015年06月06日(土)雨丑 |
月村了衛○機龍警察 火宅の近未来的怜悧な野蛮 |
○88年(山辰)のありえないDNA「龍」の半会年に、 テレビアニメ「ミスター味っ子」で脚本家デビュー。 10年(鉄寅)のDNA「貫」の納音年に、「機龍警察」で小説家デビュー。 もともと小説家志望であったこともあり、 この作品を書き始めたころに脚本家は廃業し、 12年(海辰)のDNA「鳳」の半会年に、 「機龍警察 自爆条項」で第33回日本SF大賞を受賞。 13年(雨巳)のDNA「調」の支合年に、 「機龍警察 暗黒市場」で第34回吉川英治文学新人賞を受賞。 15年(01月のため木午年最終年)に、 「コルトM1851残月」で第17回大藪春彦賞を受賞。 そして、今年(15年/草未)は、干合主導DNA「司」年でもあり、 04月21日(灯卯)の「土漠の花」で第68回日本推理作家協会賞を受賞した 月村了衛(63-0318/鉄申)が、 昨年(14年/木午)のDNA「禄」年の12月20日(草丑)のDNA「司」の 干合主導DNA「司」の天冲殺日に上梓した 『機 龍 警 察 火 宅』を、とりあげる。 同書は、機甲兵装(通称キモノ)という、人間が操る近未来の武器が登場する 八編の短編からなる警察関連小説だが、 このシリーズの特徴である機甲兵装関連だけではなく、 主要なシリーズ・キャラクターたちのサブ・ストーリーもあり、 それぞれの完成度も高い。 表題の「火宅」は、引退して病床につく元刑事の執念に気づいた 特装刑事の洞察力が試された一編。 ただし、冷静な短編群の中でも最も感動するのは「勤行」で、 国家公安委員長の国会答弁の原稿を、 急遽、警視庁特捜部が作成することになり、 特捜部付理事官のキャリアが徹夜で作業をし、 娘の習い事の発表会に出席できなかったという話で、 そこまでならよくある展開だが、 国会答弁でメモを差し入れた理事官がテレビに一瞬映しだされ、 その仕事の重要さを妻や娘に認められたシーンは、 この作者にしては、味のある作品だ。 (階級で言えば警視でしかない者が国会に陪席し、 あまつさえ答弁する公安委員長にメモを渡すなんていうのは、 通常はありえないことを家族らが理解している次元の高さ) その他、国際情勢がからんだ不正輸出問題あり、 立てこもり犯人を緊迫な状況下で殲滅する作戦あり、 特装警察官になった経緯ありとバラエティに富んでおり、 読者を飽きさせぬ、秀逸な短編群になっている。 大阪府大阪市出身で、早稲田大学第一文学部文芸学科を卒業後は、 唯一就職活動をした松竹の助監督試験に落ちてしまい、 大塚にある予備校講師として、現国・古文・漢文の教鞭を執っており、 20代後半は西武池袋線ひばりヶ丘周辺に居住し、 現在はおそらく西武新宿線沿線に住み、 常々紀伊國屋書店新宿本店に出没する月村は、 DNA「司」主導で、準備を怠らず、充分な態勢を整えてから行動に移す。 なので、正義の側の機甲兵装の出動には万全を期すし、 デビューまでも時間をかけて、技術を積み重ねてきたはず。 「司+司」は、心の裡を簡単に明かさず、柔な夢など見ない。 「司」×3もあり、頑固だが勤勉実直とも言えよう。 「司+鳳」は、困難な状況でも堪え忍ぶが、 仕事では冷静でいられるのに、私的面では甘い顔も見せる。 「司+調」は、組織の中での個人であることを意識し、 負けることを想定しない強く偏った意思。 「鉄+司+卯月」は、強運と凶運の同居で一寸先は不明。 男でも女でもない、無限大の可能性を内包した核のようもので、 見てくれより内面の激しさが際立つ。 なので、機甲兵装という装備も操る人間次第という考え。 「卯」年生まれ「鉄申」は、平時のまとめ役で、 緊急時は補佐に徹し、手駒としても充分機能すると言えよう。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の小雨にうたれ、 草原内に偽装配備された兵器で、まだ兵士が乗り込んでいない状態。 エンジンのかかりは遅く、なかなか作動できないが、ポンコツではない。 そこには、兵器だけに頼らぬという事情もあり。 総エネルギー160点は、軽量で移動には簡便も、 木性過多の75点は地味というよりは、基本に忠実で、 命令がないと動かぬように出来ているが、 火性ゼロ(DNA車/牽なし)で着火装置が存在せず、 自力で稼働させるためには、難儀なほどの助走が必要で、 熱気はなく、情け容赦のない殺戮につながる恐れがあるので、 充分な背景が整備されたうえでないと、評価にはつながらず。 小児喘息であったのも、このためだ。 土性(DNA龍/玉)も18点で、日本国を描きながらもどこか異国情調もあり、 さらには、あれこれ幅広いテーマに挑むよりは、絞りこんだ世界を披露する。 出会ったのは図書館にあった「シャーロック・ホームズ全集」というのも納得。 年干支の「雨卯」は、融通が効きにくい常識的模範生。 ある意味警察官らしさは理解できる。 月干支の「草卯」は、どこか鈍いが努力家。 そして日干支の「鉄申」は、自意識の高い取扱説明書で、 まさに鉄壁の守備で、公務員の鑑。 干支番号構成は、40-52-57で西方から北方領域で、今が旬なのは間違いない。 後天運は初旬「4歳木寅」が日干支「鉄申」を天剋地冲する DNA「禄」の味のある感謝や奉仕の気持ちが付加された 初旬稼働刺激条件で、成功運型。 2旬「14歳雨丑」は、DNA「調」の独創性の10年運天冲殺で、 負けまいと必死にならずとも、決意さえあれば相応。 ここで将来の小説家を思い描く。 3旬「24歳海子」は、DNA「鳳」の10年運天冲殺半会で、 忌み神でも豊かな創造力の潮流は、脚本家デビュー。 4旬「34歳宝亥」は、さすがにDNA「石」の屈辱的害で足踏み。 現在の5旬「44歳鉄戌」は、DNA「貫」の衝突しながらも 初志貫徹の作家デビューとなった。 年支と月支の「卯」の支合でブレはなく、 特に月干支「草卯」の干合支合で気分は落ち着いたからなのだろう。 今後は6旬「54歳畑酉」は、DNA「玉」で本流回帰の真剣勝負。 7旬「64歳山申」は、年干「雨」の干合で火性を呼び寄せれば、 DNA「龍」のありえないアイデアをも引きよせ、表向きは変身。 8旬「74歳灯未」は、年支と月支(共に卯)の半会を伴うDNA「牽」で、 とてつもない名誉を得たり、ありえない何かを手中にするが、 幸か不幸かは感じ方次第だし、年運によっては別の方向もあるので、 年寄りの冷や水にならぬよう、自意識は常に高いものとしておきたいだろう。 ところで、月村は既婚者で、第一子男児(09-1213/海辰)の誕生は、 46歳の条件なし天冲殺の夢の中である。 「司」主導で、結婚は遅くはないはずだが、 火性ゼロの影響か、「34歳宝亥」の害結婚で相手を間違えて、 努力した結果かも知れぬが、共通干支はなく少々寂しい。 総エネルギー214点中水性106点の冷ややか体質は、 地支水性一気格でもあり、怜悧か否かはともかく、立ち回りは上手だろうし、 「丑」年生まれ「海辰」が自己愛の象徴でもあり、手を焼きそう。 そして、この二年は初めて迎える天冲殺年でもあり、それが月村にも影響し、 第68回日本推理作家協会賞を受賞の後押しにもなったと推測する。 とはいえ、溺愛してしまえば、教育上好ましくはない。試されているはずだ。 さて、月村は01年(宝巳)に放映されたテレビアニメ「NOIR」で注目されたと、 wikipediaにも紹介されているが、wikiではこれを「ノワール」と カタカナ表記されていると嘆いているうえに、 自身の著作の紹介欄でも、わざわざ校正で赤字を入れたのに、 「wikiで書かれた」と構成者に誤表記されたそうだ。 そこらあたりが、火性ゼロ(DNA車/牽なし)の弊害なのだが、 気持ちは充分察するが、野人は些末なことを気にしないものだ。 ちなみに、男女の違いこそあるが、 ヴァネッサ・ウィリアムスが同一生年月日。 頭を使い真面目が命な月村は、ガサツにはなりきらぬことだね☆ |
月村了衛○63-0318 |
鉄草雨灯 申卯卯※-4 調司鳳司司(司主導) 木性(75)火性(00)土性(18)金性(34)水性(33)/総合160 子丑天冲殺/天冲殺(14歳雨丑/24歳海子) 初旬条件あり(日干支を天剋地冲)/害(34歳宝亥) 木性過多/火性ゼロ(野人)/土性脆弱 -4歳木寅/14歳雨丑/24歳海子/34歳宝亥/44歳鉄戌/54歳畑酉/64歳山申/74歳灯未〜 |
■2015年06月09日(火)陽辰 |
森若香織○妖精頭脳の眩いばかりの輝きを読み解く夢の中 |
○干合年だった83年(雨亥)、「GO-BANG'S」のヴォーカルとしてデビュー。 88年(山辰)の大半会年にメジャーデビューし、 89年(畑巳)に、アルペンCMソングの 「あいにきて I・NEED・YOU!」が大ヒット。 94年(木戌)に、GO-BANG'Sが解散した後、Ram Jam Worldを経て、 ソロ活動のほか女優としても活動。 08年(山子)の律音年の人生の折返し地点には、 バンドが一夜限りの復活し、その後は、13年(雨巳)の干合年に、 一人GO-BANG'Sプロジェクトを展開してきた森若香織(63-1211/山子)が、 今年(15年/草未)の03月03日(山寅)に、 発売したアルバム『FAIRY BRAIN』との連動企画として 初の小説『妖 精 頭 脳』を、 当初は04月21日(灯卯)に発売される予定だったが、 さすがは、DNA「牽」の夢の中ということもあり、 05月07日(雨未)の干合支害天冲殺害日に変更して上梓された。 同編集担当によれば、GO-BANG'Sがデビュー前からのファンで応援を重ね、 森若の作詞のセンスに感銘を受けたそうで、 「小説を書いてもらったら、とんでもない傑作を書くに違いない」 と、20年以上前からの思いがあり、それが、09年(畑丑)にHPに 普通の一般の方と同じようにアクセスしたところ、 快く会ってくれたそうで、そして、森若の才能を信じて説得し、 6年の歳月をかけて日の目を見たもの。 かつて武道館公演やオリコンヒットチャートを 賑わせたGO-BANG'Sの森若らしく、 色彩感覚豊かなPOPでファンタジーな作品だが、 それらに登場する、背に薄羽蜻蛉みたいなハネをつけた妖精たちは 10代、20代、30代、40代がそれぞれ抱える「悲しみ」を象徴する。 導入部では戸惑いもあったが、語り手の目線にさえあわせれば 難なく森若の提示してくれた謎解きに参加できた愉しみも味わえた。 むろん、実際に音楽がならなくても、 そこにあるのは少し古びたロックだし、 若さから卒業せねばならないポップな世代でもあるし、 もっと年代の若々しい妖精を忘れていない、 現代の音楽でもあった。 少し分厚いと感じて、最初の話だけで全部続くかと思うと辛かったが、 その後の三つのストーリーと四つ目のエピソードに、 見事につながっていった謎解きは、 心底安心できた「薔薇色の人生」か(笑)。 皆んな私たちは妖精なのだろうし、夕方が好きなのかもしれないね。 北海道札幌市厚別市出身で、九州の博多などを経て、 短大卒業直後の年干支「雨卯」の大半会を伴う 二十歳を迎えた主導DNA年(83年/雨亥)より東京在住となり、 現在は独身で東京都目黒区中目黒近辺に居住し、 同期デビューの菊池桃子(68-0504/木戌)とは、従姉妹同士という森若は、 DNA「司」主導で、純粋で常に何かのために役立ちたい気持ちが強く、 本質の根幹部は、地味さは免れず。 「司+牽」は、保身術優秀で、危機察知能力はあり。 内面は冷めた評論家気質でも、見てくれは度肝を抜く派手さばかり。 まず、形から入るからね。 「司+司」は、簡単には夢や実現不能な計画を練っているので、 なかなか心の奥底を他人に見せることをしない。 「司+車」は、他者の都合は考えない、猪突猛進が売り。ロックだ。 「山+司+子月」は、胎児のようなもので男女の区別がつかず。 変転変化する質も、持続力はいまひとつだからこそ復活もする。 「卯」年生まれ「山子」は、川の流れの影響もあって、 蛇行せず、真っ直ぐな人なのだが、現実にはそうもいかずに、 苦悩は半端ではないものがあり。 宿命の特長は、仲冬深夜零時頃の小高い中州。総エネルギー151点は身弱。 かろうじて頼りになりずらい樹木が45点はあるが、 雨風はしのげても、真夜中でもあり、 火性ゼロ(DNA龍/玉なし)の野人は明かりは一切なく、 目上命の午未天冲殺なのに、なかなか庇護も得られず、 温かみがないので、冷え冷えとしており、 これらを意識的に生成するには、腕力勝負しかなし。 金性ゼロ(DNA鳳/調なし)は、真っ当な伝達本能もなく、危険防止柵皆無。 必死にしがみついていないと、気づいたら流されて溺死するほど。 遊びはなく、常に真剣勝負で、なのに水性過多は、妙なファンが多くいて、 本人もその急流に流されぬよう、ありもしない力を妖精のように発揮し、 存在を認めてくれる人のために生きるのだ。 とはいえ、努力を怠れば内容は皆無。 それを補うが為に、ありとあらゆるものを吸収し、 自分なりのものに変換して、相応の格好をつける。 森若の魅力は、あたりまえの創造力や表現手段をもたないから、 一風変わっており、創造しようと発信しようと無限大で、 変化球を投げてくれるのは魅力なのだろう。 年干支の「雨卯」は、常識的な模範生部分もあり責任感あり。 月干支の「木子」は、初心に還ることの多い孤高で、 天性のロマンチックさあり。 そして日干支の「山子」は、吸収したものに枝葉をつけて膨らませ、 叩き落とされても、どん底から這い上がるタフな面あり。 干支番号構成は40-01-25で、西方東方南方で、幅広いが、 マルチに活動しすぎて、パワーダウンというか、 ありえないオーバーヒートも心配にはなる。 後天運は、運初旬「9歳草丑」は、DNA「牽」の形に注視の自尊心強化も、 これといった決め手はなし。 2旬「19歳陽寅」も同様に決め手なくも、 ありえない守護神火性が突如出現したことによりデビュー。 DNA「龍」は「山」でも都会に出る決意を見せた。 3旬「29歳灯卯」も同様だが、より熱い火性で、 バンドは解散しても、じっくりDNA「玉」でソロ活動。 4旬「39歳山辰」は、年干「雨」が干合により「灯」となれば、 年干支「山子」の大半会もあり、DNA「貫」でバンドも復活。 現在の5旬「49歳畑巳」は、月干「木」を干合し、方向性の変化。 干合後月干が日干と同じく「山」になるので、 年干「雨」と二次干合すれば、火性の天干一気が成立し、 小説まで書いてしまい、忘れていた人にも思いださせるという 協調性和合性のDNA「石」。 この後は6旬「59歳鉄午」はDNA「鳳」のありえない金性の10年運天冲殺。 重すぎて息切れするか、DNA「鳳」の全く違う発信を行うも、 7旬「69歳宝未」は、ありえない金性ばかりかDNA「調」の偏りに、 害まであるので、自爆するか体調を崩すか、 とてつもない毒を吐く年寄りとして目立つ。 8旬「79歳海申」は、DNA「禄」の半会だが、 さすがに野人の忌み神廻りで、10年運天冲殺を経過し、 感謝や奉仕もなければ、危うい状態であろう。 『妖 精 頭 脳』は、森若が充分柔軟なところを見せつけてくれている。 さすがに同年代のバンド崩れ(失礼)の連中の描写は笑えるが、 どっこい10代20代など、かなり年端もいかぬ世代を 真っ直ぐに観察しているのは、感覚的とはいえ、 この世界で習練を積み上げてきた「司」主導らしく濃い。 もちろん妖精が男という設定が効果的で、 幼い時にであった妖精との結婚期限が30歳迄で区切られており、 夕方に合い言葉を唱えられぬと、 あらかじめダウンロードされていた魔法も消滅する発想は、 野人だからこそと言えることだし、内容はともかく「試される」。 残念な魔法に打ち勝ち、スーパーカリスマの森若に、 はたしてなれたのであろうか。 それは、読むばかりか、これからの彼女を見ていればわかるが、 今年(15年/草未)は、不名誉さもあるDNA「牽」の条件なし天冲殺の夢の中。 情けない妖精もどきのなれの果ても愉しめることにしておきたい☆ |
■2015年06月13日(土)鉄申 |
竹内明○背乗りで区切りを付けて明るい時代を迎えたい |
○TBSテレビの報道局記者で、同局ニュースキャスターを歴任。 現在は17:50「Nスタニューズアイ」のメインキャスターを務め、 09年(畑丑)の年干支「畑酉」のからむ大半会三合会局年に、 「ドキュメント秘匿捜査・警視庁公安部外事1課スパイハンターの344日」を、 10年(鉄寅)のDNA「調」の害年には、 「時効捜査 警察庁長官狙撃事件の深層」を発表してきた 竹内明(69-0223/畑巳)が、昨年(14年/木午)の09月20日(木午)の、 主導DNA「牽」重なりの象徴的な日に、 初の小説『背 乗 り警視庁公安部外事二課』を 上梓しているので、解説する。 同書のタイトルにもなっているは背乗り(ハイノリ)とは、 諜報員や犯罪組織の構成員が、行方不明者などの戸籍を乗っ取って、 その人になりすますことであり、緻密な筆致は読者に中断させる隙を与えぬ、 ジャーナリストらしい仕掛け三昧で、「畑」らしくやたらと登場人物は多いが、 一応人物紹介という交通整理もなされており、最後の正拳突き並みのオチは、 さすがに空手の有段者をうかがわせており、デザート程度の体裁ではなく、 全てが本格的で秀逸だと記しておきたい。そんなものが本当にあるのか_____。 知られざる日本の闇、公安捜査の内実に迫る、衝撃作というフレコミだが、 日本警察に巣食う中国のスパイ潜入者(モグラ)の罠にかかり、 公安警察を追われた元エースは、組織の論理で切り捨てられ、 愛息をあられもない事故で失い、失意のうちに左遷され、 いまは在NY日本国総領事館の警備対策官として 抜け殻のような生活を送っていた。 だが、国連総会での演説のため訪米した外務大臣の毒殺未遂事件が発生し、 元エースをハメた中国諜報員の影が事件の周囲にちらつく。 同時期、日本ではかつての上司で、影の公安部長と呼ばれた男が変死した。 外務大臣を狙った美女の正体は・・・。 公安警察が組織をあげて隠そうとするスキャンダル「ファイル」の中身とは。 そして、日本の中枢に潜り込んだ、名前も戸籍もニセモノの人物とは誰か。 仲間も権威も信じない捜査至上主義者、公安警察「最後の狂犬」は、 飢えた猟犬のように捜査に執念を燃やす。 仲間が仲間を疑い、尾行・監禁し、罠にさえ陥れる苛烈な公安捜査。 偽者は、いったい誰だったかは、読み終えてのお楽しみ。 華麗な親族は政財界や学界に通じる血の流れで、 あの口許に特徴のある元首相にまで連なり、 神奈川県茅ヶ崎市出身で、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後の 91年(宝未)の月干「陽」の干合年で、水性の「海」が生成された節目時期に、 TBS(当時は東京放送)に入社し、ADなどを務めた後、報道局社会部に配属。 警視庁、検察庁担当記者としてオウム真理教事件、 警察庁長官狙撃事件など歴史に残る大事件をはじめ、 東京地検特捜部が手がけた数々の事件を取材後、 外信部ニューヨーク支局特派員に。 帰国後は「イブニング・ファイブ」編集長、 社会部および外信部でデスクを務め、 09年(畑丑)の年干支「畑酉」と日干支「畑巳」がからんだ 大半会三合会局年には「総力報道! THE NEWS」にキャスターとして出演。 報道局ニュース部次長、「Nスタ」編集長などで力をふるった竹内は、 DNA「牽」主導で、心意気高く、 真っ向勝負には強いが変則技に対しては弱い。 腐っても組織人で、島流しされようと、人を憎んでも組織は憎まず。 才能も主導する「牽」で、幾分無頼派気味のプライド。 主役より裏方に徹する部分も持ち合わせ、心底硬派である。 「牽+鳳」は、理路整然としているが、お天気屋の部分あり。 「牽+玉」は、改革の流れに身を投じようと、 伝統を重んじて、出自や母国をこよなく愛する傾向で、 用心を重ねて冒険心も実行する。 「玉」×2が、戌亥天冲殺でも血の濃さなり旧さを、良く醸しだしている。 「牽+貫」は、主義主張より筋を通す正義あるのみ。 「畑+牽+寅月」は、純粋でプロ意識を持つ。 「酉」年生まれ「畑巳」は、自己矛盾一切なしであろう。 宿命の特長は、初春午前四時頃から既に稼働している ベッドタウンと学園都市の双方の顔を持つ街で、 年干支「畑酉」VS日干支「畑巳」の大半会は、 両天秤でも小賢しい企みさえなければ、 強力な月干「陽」に照らされているので、 サラリーマンでありながら、執筆も可能。 だからこそ、アウトローな男と、かつてその男の部下で、 エリートだったのに交番勤務に追いやられようと 不屈の精神で、事件の全容に迫る男を二軸にして描いてもブレない。 ただし、月支「寅」VS日支「巳」の害もあり、 胆力を鍛えすぎると、反動ありで内側に犠牲を伴ったり、 肝心なことを抜かしてしまう恐れ。 とはいえ、害の存在が完璧さに欠落する魅力も形成するので、 一概に苦しみばかりと限らず、根を詰めすぎねば、不調の美。 総エネルギー212点中、配偶者成分なり名誉なりの「木」は、 一点しかない主導する「牽」なので、紛れはないが、 毒されているだけに、魅力はあるが危うい。 それを補うのが66点を誇る守護神火性で、頭は良いし品もあり。 とはいえ最大級の欠落部分は、水性ゼロ(DNA禄/司なし)で、 優しさ皆無の非情な冷徹さ。 ジャーナリストであっても警察官であっても、 特殊な世界で力を担い、組織のために、時に犠牲になりながらも、 最後には存在を誇示できる可能性を秘めている。 なので、家庭的な面はなく、規律が厳しい学園都市になるし、 居住区はあたかも図書館なみの静けさを求められ、 浮ついた部分は一切ない良家の街並み。 真っ直ぐに進んでいれば、一徹な清廉潔白さを見せるが、 ひとたび悪事に手を染めれば、汚れを流しきる水がないので、 名誉回復までには時間を有し、場合によってはそのままで終わる。 ともかく情では物事を判断しない傾向で、 いったん溺れたら、救いがなくなるのを本人は理解している。 年干支の「畑酉」は、整備された見栄えの良さ。 月干支の「陽寅」は、平均点以上を期待可能なそつのない能力発揮。 そして日干支の「畑巳」は、君臨すれども気さくな村長タイプで、 若くして年寄り地味ていて、老年は好々爺。 年干支「畑酉」も日干支の「畑巳」も倒柱で、 不満が蓄積されていくと、組織を蝕む勢力となるので、 理想の高い目的を明確に掲げ、晴れやかに過ごしたい。 干支番号構成は、46-03-06で北方から東方の限定領域で、 春生まれなので、成長の余地は充分残しているはず。 後天運は、初旬「6歳灯丑」が、宿命にないDNA「龍」の守護神半会で、 年支「酉」と日支「巳」があるので、三合会局が成立し、 庶民性に加え、探究心向学心が果てしなく拡がる。 さらには、初旬のみ「畑」と「灯」は同格扱いなので、 二重に成功運型を保持し、相当愉しめる運型。 2旬「16歳陽子」は、これといった決め手はなくとも、 使い勝手の良い「玉」で、相応の学び舎を経て社会参加も果たす。 3旬「26歳草亥」は、宿命内害も切れ、 初旬の刺激が稼働し始める10年運天冲殺。 特別な環境のもとで、能動的に動けばDNA「車」で、危険は伴うが、 外信部ニューヨーク支局特派員を経験し、 作家として活動の素地は、ここで出来上がったと見る。 4旬「36歳木戌」は、DNA「牽」の主導DNAで才能も磨かれる絶好機。 月支「寅」の半会もあり、最終年には本作も上梓。 今年(15年/草未)から始まる5旬「46歳雨酉」は、 宿命にない水性のDNA「禄」の半会であり、 傲岸不遜謙虚さが滲み出るようでなければ、 いわゆる人気を博し、本も売れるだろうし、その二次利用も期待可能。 6旬「56歳海申」は、DMA「司」。 宿命内害切れと月干支「陽寅」の天剋地冲で立場の変更。 むろんありえない異動や、転職などが視野に入るが、 後天運は地道に過ごすことを示しているうえに、塩水は忌み神で厳しい。 7旬「66歳宝未」は、DNA「鳳」。 8旬「76歳鉄午」は、DNA「調」。 さすがに「畑」に金性という石ころが増えてしまい、 力も萎えて、一丁上がりになる予定だ。 ところで、記者だからこそなのだろうが、竹内の私生活は不鮮明。 05年(草酉)に生まれた娘が一人いて、時にはキティちゃんの弁当箱入りの 愛妻弁当も食しているらしいが、「愛娘と過ごす時間が一番幸せ」とはいえ、 内側は「玉」なので、そうはいっても静かなのだろうが、 配偶者成分は、月支内の主導する「木」の「牽」。 つまり、母親が才能であり、出来た夫人。 また、娘は木性が産みだす火性で、身近な月干にあり。 これは物静かな勉強好きであったり夫人に似た感覚もあるだろう。 さて、本職顔負けの筆致ばかりか、経験に裏付けされた物語の展開は、 とても仕事の合間に書かれたとは思えぬほど、素晴らしい出来映え。 とはいえ、明らかに背景は数年前で、 民主党政権下みたいな設定は時代遅れと一瞬感じたが、 だからこそ(物語上)起きた事件であり、13年(雨巳)より陰の時代を抜け、 現在は陽の時代を満喫していることを加味すれば、 あの時代を皮肉って、総括を行ったと思えば、侮れない。 この国は、今五輪開催へ向け、明るい時代への確立を急いでいるのだから。 なお執筆の動機は「テレビ記者の意地」だそうで、 それは主導するDNA「牽」の才能である☆ |
■2015年06月19日(金)陽寅 |
星野智幸○夜は終わらないになき希望 |
○02月01日(陽子)のDNA「龍」の改良改革半会日に、 昨年(14年/木午)の05月22日(雨巳)重なりの守護神干合日に、 星野智幸(65-0713/山辰)が、上梓した 『夜は終わらない』が、第66回読売文学賞に選ばれ、 02月23日(鉄午)のDNA「鳳」の方三位日に、 賞金200万円の贈賞式が行われたので、解説する。 同書は、美貌の結婚詐欺師という殺人鬼という題材の中に、 本人や殺され行く男達が死に際に語らせられた、 幻想的かつ懐古的な挿入話で読者を惑わす、 とてつもなく陰湿で旧時代の遺物のような作品で、 これといった斬新な切り口や筆致でもなく、 気が滅入るばかりの、腐る一歩手前のような情景を味わえる。 婚約者が自殺したとの一報が入り 警察署で哀しみにくれる演技をした主人公は、 次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。 セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、 証拠を残さず葬り去るのが日常なのである。 そんな彼女にはあるこだわりをもった不可解な癖があるのだった。 「生きてる意味があることを証明しないと。 ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」 あの世に送る前、男に語らせるのだ。 それは、生い立ちでも、創作した話でも構わない。 面白いかどうかで命の長さが決まっていく。 最期の気力を振り絞り話を続ける男たち。鬼気迫るストーリーが展開され、 物語のなかの登場人物がまた別の話を語り始めたり、 時空を超えた設定のなかにリアルなものが紛れ込んだり・・・ 全体の物語のなかにさまざまな短篇が入りくみ、 海へと流れる大河として眺望できる大傑作との評もあるが、 そんなことは、誰も本気では望まぬに違いない。 最後は警察に踏みこまれるのだからね。 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市生まれ。 14歳で帰国し、渋谷の街をこよなく愛し、 現在は、東急東横線または東急田園都市線沿線の東京都内に住むと推測され、 早稲田大学第一文学部文芸専修を卒業後、 88年(山辰)の律音年に産経新聞社の記者となるも、 91年(宝未)のDNA「調」年に、こともあろうに産経新聞を退職、 同年から一年間と94年(木戌)から95年(草亥)にかけて、 メキシコシティーに私費留学。 その後96年(陽子)から四年間字幕翻訳を手がける中、 97年(灯丑)の主導DNA「玉」年に 「最後の吐息」で第34回文藝賞受賞。 00年(鉄辰)のDNA「鳳」年に、 「目覚めよと人魚は歌う」で第13回三島由紀夫賞受賞。 03年(雨未)の守護神干合年には 「ファンタジスタ」で第25回野間文芸新人賞を受賞。 11年(宝卯)のDNA「調」の害年には、 「俺俺」で大江健三郎賞を受賞している星野は、 DNA「玉」主導で、むさ苦しい考えにとらわれるばかりか、 自分が尊大なため、成長や改良には縁なし。 言葉は悪いが、次元の高い改良を行うのではなく 「山」には不似合いな放浪という手段で、相応に掘り下げていくが、 後天的な持続力の無さは、これが原因で、性懲りのない性癖を積み重ねていく。 「玉+鳳」は、自分を棚上げして 他者を攻撃する都合の良さは、主人公に通じる。 ただし、才能はこの「鳳」で、硬質で攻撃的な表現力。 なので、主人公の愛車も銀色のポルシェ911。 「玉+牽」は、着想はいいが実行できるか否かは別。 根幹に伝統性は所持するが、庶民的な洋物は大好きで、 フェレットは登場するし、権力に対して用心深くもなる。 「牽」×2の権威崇拝主義ともとれるが、芥川賞を逃したのは痛手で、 開き直りともとれる生き方は、己のブレある生活に対し反省なし。 「玉+司」は、小手先の技に腐心し、生きるためには何でもする。 それが本作では、命を奪い生活の糧を得る発想につながっていく。 「山+牽+未月」は、どこか引っ込み思案のクセに派手なことも好き。 いぶし銀と言えば様になるが、役人気質の分もあり、 容易く受け入れられるものでもない。 「巳」年生まれ「山辰」は、非現実的。 精神構造は現実性なのに、そこが苦しみの発端であろう。 宿命の特長は、晩夏午後二時頃の暑くて避暑地になりづらい「山」。 木陰がほしいので木々があればいいのだが、 総エネルギー298点中木性が69点あろうと、 草木であり低い地面に咲く花ばかり。 月干の「雨」は救いだが、僅か28点では霧かちょろちょろ流れる湧き水程度で、 恩恵は少ないといえよう。 とはいえ土性117点を誇るとはいえ「山」が動いても迷惑なので、 ひたすら待ちの姿勢でしかなく、自己発揮して動けば力がそがれるのみ。 また、いちおう「つれあい」と「娘」はいるようだが、不明。 年干支の「草巳」は、極度の恋愛体質で、 完璧を求め続けるか、病のように異性にだらしない。 月干支の「雨未」は、真面目で単純だが曖昧さを嫌う傾向で、 満足するまで執拗に相手に語らせる(笑)。異性難なのにね。 そして日干支の「山辰」は、制約が多く籠の鳥のようなものなのに、 無理に鍵をこじ開けて飛び立てば挫折もあり。 身内に対しての気持ちは濃いものがあるが、なかなか伝わらぬもどかしさあり。 干支番号構成は、42-20-05で西方〜南方〜東方領域。 北方欠けは理的な世界を期待しても無駄ということか。 後天運は、初旬「2歳海午」が、DNA「司」。 塩水ながら、ないよりマシな守護神。 月干「雨」と日干「山」が干合すると、月干支は「灯未」になるので、 10年運とは干合支合が形成され、成功運型。 また、年支の「巳」と月支の「未」の間を埋める夏の方三位も完成し、 日支の「辰」、あで連なる領域の広さを誇示することになる。 米国生まれは親の仕事によるものと推測されるが、 ほどなく帰国するも、小学校は神奈川県横浜市都筑区内、 中学校は東京都世田谷区、高等学校は東京都新宿区内と、 またしても似合わぬ変遷を繰り返しており、残念である。 2旬「12歳宝巳」は、DNA「調」の偏りある人生の方向。 3旬「22歳鉄辰」は、社会人になる時期だが、 才能開花とはいえDNA「鳳」なので、緩すぎたに違いない。 4旬「32歳畑卯」は、DNA「石」の害で、 腕力勝負で作家デビューしても、困窮で喰えないという部分で、 次元の高い消化をしたのではないか。 現在の5旬「42歳山寅」は、DNA「貫」。 年支「巳」の害ですんなりと前進は出来ぬが、 月干「雨」の干合が「灯」になる迷惑さ(笑)だが、目下や方向性の変化。 ただし、その方向は主導DNA「玉」であり、 より静かに著作に励むのであれば、夏山として、疲労度は少ないと判断する。 今後は6旬「52歳灯丑」が、月干支「雨未」の天剋地冲を伴う 主導DNA「玉」となり自己確立で、順調ならば中堅よりの確実な脱出で、 ひとつの伝統芸のようなスタイルの確立。 7旬「62歳陽子」は、DNA「龍」の半会で、新たな挑戦。 8旬「72歳木戌」は、DNA「車」の10年運天冲殺。 天剋地冲もあるので、大逆転で何がやってくるのか。 9旬「82歳草亥」は、DNA「牽」の10年運天冲殺。 稼働力の上がる時期だが、そこまで体力が残っているかは疑問。 ところで、星野は07年(灯亥)の主導DNA「玉」年直前の DNA「龍」の改良改革年(06年陽戌の01月畑丑)最終の、 条件なし天冲殺の夢の中で 「植物診断室」が第136回芥川賞候補となるが、 01月16日(草巳)のDNA「牽」の不名誉日に、あえなく落選。 脱力したのか怒り狂ったかどうかは知らないが(笑)、 公式サイトで「『新人』という範疇からは身を引き、 自分に『中堅』としての立場を課したい」と記し、 芥川賞の対象から外れることを自ら宣言してしまった。 その後の展望はともかく、夢の中で自己発揮してしまえば終わり。 自然界の救いは薄くなるのは、必定。そういう人なのである。 ちなみに、男女の違いの差こそあれ、この生年月日は中森明菜と同一。 後天運の流れは反対になるが、本質は似たり寄ったり。 彼女が復活できぬのは自己発揮もさることながら、 同じ過ちを懲りずに繰り返し、あげくに米国のスタジオから 紅白歌合戦に出演(14年/木午)するなどという 大物気取りをやってのけたこと。 星野ももう少し謙虚に、旧時代の暗い事件に連なるような作品ではなく、 未来に明るい希望がもてるような爽やかな作品が書ければ、 時代が味方するのに、残念なことである☆ |
■2015年06月25日(木)海申 |
浅野里沙子○天鬼越と蓮丈那智復活の夢の中 |
○レーシングチーム、芸能プロダクション勤務などを経て、 09年(畑丑)に作家業に入り「六道捌きの龍」でデビューするも、 その「畑」年最後の月の10年01月25日(草亥)のDNA「禄」の半会日に、 同居せずも公私にわたるパートナーだった 作家の北森鴻(61-1115/海子)を心不全で失った 浅野里沙子(62-0423/宝卯)が、 故人の遺作である「蓮丈那智シリーズ」を、 故人の作品2作に加え、書き下ろし4作品を加え、 『天 鬼 越』として、木性強化の昨年(14年/木午)の12月20日(草丑)の 木性がさらに強化される変則方三位日に上梓されたので解説する。 真贋など、どうでもいい。何故偽書が作られたのか。 重要なのはそれだけだ。奇怪な祭祀「鬼哭念仏」に秘められた巧緻なトリック。 都市に隠された「記号」の狭間に浮上する意外な真相。 門外不出の超古代史文書に導かれた連続殺人――。 氷の美貌と怜悧な頭脳を もつ異端の女性民俗学者・蓮丈那智が快刀乱麻を断つ。 既に発表された二編は、あくまでも濃くえぐみありの技巧作品に比して、 幻のプロットに基づく書下しなど四編は、 携帯型端末もふんだんに登場する今風なサラリとした読後感も、 練り込まれているのは後者で、好みの分かれるところだが、 五行の相剋に着想を得た民俗学ミステリーは、 失われつつある日本の原風景を、何処か異国の話としてか体験できない 現代日本人には新鮮でさえあり、 埋もれさせずに陽の目を見たことを浅野には敬意を表したい。 東京都出身で上橋菜穂子(62-0715/木寅)と同級生という記述があるが、 それが香蘭女学校中等科・高等科なのか、 立教大学文学部史学科なのかは不明で、 現在は二子玉川の対岸の二子新地か高津あたりの 神奈川県川崎市在住で、庭に巣をつくる雀を食い散らすような 残酷な猫五匹と暮らしている浅野は、 DNA「玉」主導で旧きものへの造詣深く(現在も実家で同居?)、 早熟な午未天冲殺だが、どこか母親目線で物事をとらえ、 挫折しても挫折しても懲りずに極めていく、さして器用ではない人。 才能はこの主導する「玉」で、ひとつのことを掘り下げる学習能力。 「玉+司」は、生き抜くために極めて現実的な知恵を使い続ける。 「司」×2もあり、一応地道であろう。 「玉+禄」は、準備して計算して形にする。 「玉+調」は、若くして大人びて、得意分野への造詣は深くとも、 それ以外の世界では不器用で使い物にならず。 「宝+玉+辰月」は、確証をとって石橋を叩くように検証する。 「寅」年生まれ「宝卯」は、孤独で容易く戯れず。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の穏やかな内海の防風林に庇護された、 伝統的な名所旧跡を表す、薄い金属製の指標。 総エネルギー248点中自身の金性は僅か9点しかないのだから、 表面はきらびやかに目立つことがあろうと、保護される対象であり、 それが故人の北森の後継者という立場であり、永遠の婚約者というもの。 木性128点の存在は、あまり意識しすぎると傷つくが、 原則派手な生活をしていかない限り、生活に困窮することはないが、 月支「辰」VS日支「卯」の害は、まとまりが悪く、成果を求めづらい。 内側が汚れやすく、公私共に大切であった パートナーの死期を早めたのも、全く影響がないではすまされぬし、 理由の如何を問わず結婚運も薄い。 か弱い午未天冲殺は、目上の応援を得やすいが、 結果的に相手にも迷惑をかけかけかねないのだ。 年干支の「海寅」は、芸術志向の創造力の賜物だが、自惚れやすい。 月干支の「木辰」は、責任をとろうと一生懸命になる渋さあり。 そして日干支の「宝卯」は、品性と庶民性を有する ブランド品を扱う小売店のようなものだが、 前述のように力量は高くないので、 仮想商店街に出店するようなもので、現実性には薄く、 だからこそ、精神性の方向へと舵取りをしてきたのだ。 干支番号構成は、39-41-28と南方から西方の限定された領域で、 冒険をしたところで「玉」主導には辛く、これからも同じ道を行く。 後天運は、初旬「6歳雨卯」はDNA「鳳」の守護神だが、 これといって動きなし。 2旬「16歳海寅」もDNA「調」の守護神でも、社会にでていない限りまだ平穏。 3旬「26歳宝丑」は、DNA「貫」の弱い金性強化の特別意識が強化され、 宿命に「寅/卯/辰」の方三位を所有するため「丑」で「寅」の前を埋める鬼門。 4旬「36歳鉄子」は、DNA「石」の 仲間との確執を感じながら才能に目覚める時期。 北森が講師をしていた 小説創作のカルチャースクールの生徒となったのもここ。 5旬「46歳畑亥」は、DNA「龍」の創造に関する苦悩を伴う 改良改革の半会となり、デビュー。 苦悩は北森を失うことでもあったのだろう。 6旬「56歳山戌」は、年支「寅」の半会を伴う DNA「玉」の主導DNAの自己確立と、 過去や因習にまつわる苦悩で悩みつつも、害切れもあり大化けもあるが、 埋もれる危険性もあり紙一重。 そのためには、自己を傷つけぬようにしながらも、 独創的な生きざまをみせるしかない。 7旬「66歳灯酉」は、DNA「車」の天剋地冲で、稼働力を上げすぎれば危険。 8旬「76歳陽申」は、DNA「牽」の名誉で、結構な評価がくだされるはず。 正直いって、浅野と北森がどのような経緯で交際に至ったかは不明。 羅状で見れば大半会がふたつあり、月干は干合し、 さらには、北森の「亥/子/丑」の北方方三位に、 浅野の「寅/卯/辰」の東方方三位がキレイに連結するので、 「宝」の浅野にとっては、相応のプラスになったようだが、 北森は火性ゼロ(DNA禄/司なし)の野人で、配偶者成分も皆無ならば、 金性の浅野と近づきになることは、更に身体を冷やし、 公的にはともかく、私的には救いになることはなかった。 だからだろう。自然界は過酷な現実を突きつけてしまったのだ。 そもそも将来を誓いあおうと、企業戦士でもないのに、 別居せねばならない事情があることじたい、自然界の節理に反している。 北森に見出された浅野だが、それを私的面まで近づけたがために、 命を縮めてしまったのは、極めて残念。 浅野は「残された作品を見つめ直すことで、 北森さんの隣に寄り添っているように感じた そのことで悲しみも乗り越えられたと思います」と殊勝な発言をしているが、 いまは、条件なし天冲殺の夢の中。 猫と戯れているだけのようでは、先行き不透明であるかも知れないし、 害持ちが夢の中でSNSで発信するのも、浮かれすぎではないかと心配だ☆ |
移 動 祝 祭 日● 2 0 1 5 年// 草 未 |
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