★★★ ■小さいけれど、大きく育つヒント。 ★★★ |
★★★運命向上委員会→BEは幸せ発電所○★★★ |
見せかけだけの癒やしより心のDNAで運命を科学する |
○清く正しく美しく//著名人を誉めたり貶したりしつつ自分を磨く☆ |
2 0 1 5 年(草未)●02月 山寅 // 移 動 祝 祭 日 |
■02月分一覧 (2015年●目次) |
曽根圭介●TATSUMAKI 特命捜査対策室7係の攻撃力(2015_0201) |
さくら剛●俺も女子高生も絶対探偵に向いていないを笑え(2015_0207) |
本多孝好●魔術師の視線の程なく整合性なくなる暗さ(2015_0210) |
小野正嗣●九年前の祈りの野蛮に近い優越感(2015_0217) |
伊吹有喜●ミッドナイト・バスの夜はとっくに終わっている(2015_0224) |
■2015年02月01日(日)山申 |
曽根圭介○TATSUMAKI 特命捜査対策室7係の攻撃力 |
○07年(灯亥)の年干支「灯未」の大半会と、 その年支「未」と日支「卯」のからむ守護神三合会局年という好機に、 「鼻」で第14回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。 同年、「沈底魚」で第53回江戸川乱歩賞を受賞。 09年(畑丑)のDNA「禄」の魅力成分全開天冲殺年には、 「熱帯夜」で第62回日本推理作家協会賞短編賞を受賞した 曽根圭介(67-0421/草卯)の最新刊 『TATSUMAKI 特命捜査対策室7係』が、 昨年(14年/木午)の11月25日(鉄子)の干合支刑天冲殺日に上梓された。 木性が旺盛になった「木午」年三合会局もある「草亥」月の DNA「牽」の名誉日だが、 その気になりすぎないほうが賢明という日の刊行で、 曽根らしい如何にもな感がある。 同書は、野人まるだしの生年冲殺みたいな女性刑事が、 男共を顎でつかい傍若無人に周りを引っ掻き回しながらも まず解決ありきで困難などめもくれずに、 未解決事件を洗いなおしていく物語を、 刑事だった父親が殉死した、腕力も智力も少々トホホな 他の採用試験はことごとく落ちて警察官になるべくしてなったみたいな 新卒男子警察官(母親も婦人警官だった)の目線で描いたもの。 最初の配属は街中の交番だったが、父親の知己の計らいで、 即座に捜査一課に配属になったものの、一課といっても殺人捜査係ではなく、 「未解決事件」を専門に扱う特命対策室。 その事件とは、ある窃盗容疑者が、5年前に起きた失踪事件をネタに、 量刑の取引を持ち掛けてきたのだ。 失踪者は現職警察官の弟で、兄弟は相続でもめていたため、 (失踪)当日接触があった兄が疑われ、 職場に居場所がなくなり退職してしまったのだが、 特命対策室が動きだしたことにより、 裏に封印されていた様々な有象無象が刺激され、 え〜〜〜というような、この作者らしい結末が用意されている。 5年は短いようで長く、長いようで短いので、なんとも言い難いが、 女性上司と駆けだし軟弱男子に脇を固める 老練刑事達の掛け合いは、軽快であり文章も秀逸なので、 高級な漫才を読まされているみたいで、 すぐにでもドラマ化されるくらいの情景が浮かぶもので、 誰が演じるのかなと考えながら読むのも悪くない。 しっかりとした文章は読み応えがあり、 この表紙のような軽さはないことを明言しておきたい。 静岡県沼津市出身で、早稲田大学商学部を中退。 池袋のホテルのサウナ部門の従業員、漫画喫茶の店長(ひとつの会社の異動)や 「無職」などを経験してきた曽根は、DNA「司」主導で、 本質は地道堅実で真面目な子丑天冲殺なので、 柔ではないため、公務員の気持ちは理解可能。 公僕だからというわけではなく、常に誰かの役に立っていたいと願う。 あえて才能を探せば、この「司」となり、社会経験を蓄積させ活かす。 「司+禄」は、不器用で精神性が強い割には、目先にこだわる質。 自制心に期待できぬところがあるも、仲介和睦能力あり。 「司+貫」は、焦らないが、俊敏でもない。 「司+鳳」は、売りは忍耐力で、張り込みする刑事の気持ちがわかる。 「司+石」は、仲間を大切にする。仲間を裏切らない。 「草+司+辰月」は、行動力はそこまでないが口は達者なので、 それを筆で表現しているので、文章は滑らか。 「未」年生まれ「草卯」は、安定期に強く、事件が起きると後詰めに廻る。 宿命の特長は、晩春午前八時頃の熱い組織内に 庇護された下級兵士ながら、なくてはならない存在で、 総エネルギー244点中木性133点は強靱だが、 月干に陰陽の「木」があるため、「草」の分際としては、 組織内の意志には逆らえず。 また、金性ゼロ(DNA車/牽なし)は、しゃかりきになって働く気力はなく、 監視の目が行き届かぬと、手を抜いたりする部分もみられるが、 号令一下で有無を言わさず、無限大に動かされる場合もあり。 配偶者成分は皆無だし、生日冲殺でもあるので、 結婚する意志がなかったり、不遇だったりもするが、 その逆で手当たり次第とまではいかねども、不自由はせずに依存は可能。 年支「未」VS日支「卯」の半会で木性は強化され、 月支の「辰」は、春の土性なので木性旺地となり、 地支木性一気格的にもなり、目下を組織に組み込む様相だが、 月支「辰」VS日支「卯」の内側及び成果を求めれば害毒が濃くなり、 脱落者をだしたり、自分が持続しない面もあり、 生活のために、職業を転々としても虚しいが、 なぜかトラブルはつきもので、 これが警察内部の問題に置き換えられやすいので、 物語には真実味が増して、まるで見てきたような記述も出来るが、 創造力の水性(DNA龍/玉)は20点しかないので、 取材なりは相応にしているはずである。 大木に蔦や下草がからまる図式で、人工照明に照らされているので、 少々の不自然さは残るが、全体としては悪くない。 年干支の「灯未」は、表面は覚めていても中側は熱く、簡単には見えない。 水をかけても、じわじわ燻る焚き火で、簡単にはめげない。 月干支の「木辰」は、どこか地味でも出しゃばりで根気強さあり。 そして日干支の「草卯」は、努力家だが鋭敏に非ず。 簡単に勝負はできず、石橋を叩いて渡るタイプ。 守備本能は強靱で、本来は年下の野人女性刑事に叱咤激励されて燃える どこか被虐性愛者としての傾向もなきにしも非ず。 後天運は、初旬「5歳草卯」は、年支「未」を半会するので、 前向きさは相応にあったろうが、これといった後天稼働力はなし。 少々不足気味のDNA「龍」の改良改革の水性付加で、 庶民性が強化され、放浪癖がでた模様。 2旬「15歳海寅」は、DNA「玉」の塩濁水で、 守護神年干「灯」が干合により「草」化して、 救いは薄まったあげく、両天秤の様相もでたのだが、 大学入学が条件なし天冲殺だったと推測され、中退してしまう。 「これで道をはずれた」と思ったそうだが、 そこは「司」主導で、生きていくためには就職をした。 まして、月支「辰」VS日支「卯」の害を中和させるような 「寅」の出現は春の方三位完成となり、群れたり賑やかにはなったはず。 だから、孤独ではなかったのだろう。 3旬「25歳宝丑」は、DNA「車」の10年運金性天冲殺で、 考え巡らせる余裕がないほどの多忙か、危険な世界で暮らした。 ありえない風景が繰りひろげられた模様で、それが現在の血肉になっている。 4旬「35歳鉄子」は、DNA「牽」の10年運金性天冲殺ばかりか、 変剋律も始まるので、異性や多くのこれまでなかったような役割について、 悩み抜くことで才能も磨かれていったはず。 05年(草酉)の害切れ納音年に、小説を書こうと決意し退職。 さすがに「司」主導は準備もおろそかにはせずなので、 質素かどうかはともかく耐え抜いて、デビューに至った。 むろん10年運天冲殺の作用は大きく、作家としての認知を得た。 現在の5旬「45歳畑亥」は、年支「未」に日支「卯」がからむ 三合会局で、宿命内害もわずかに和らぎ、 月干「木」が「山」になっているのに、 さらに堅実さはでても、DNA「禄」の金銭物資や家庭内の苦悩あり。 しかし、それも作家を続けている限りは役に立つ。 方向性の変化や、頼れる存在が「木」から「山」に変わろうと、 本質を変えぬ「司」主導なら、蓄財だけではなく、 社会貢献などが出来れば、挫折の憂き目に遭うこともなし。 この後は6旬「55歳山戌」はDNA「司」の主導DNAで自己確立。 自己の欲望だけを満足させることなく、宿命内害も切れる支合で、 悩みはあろうと、意欲に転化は可能だろうから、 まだ衰えずに仕上げにかかる。 7旬「65歳灯酉」は、同じく守護神DNA「鳳」の害切れ対冲で悠々自適。 8旬「75歳陽申」は、DNA「調」の独創性も、 さすがに第一線で絶好調とはいかぬだろう。 同作は「小説現代」の2014年05月〜06月号に掲載された時点では、 「特命捜査対策室5係」となり、出版にあたり7係となったのは、 まず、真っ直ぐには進めない害持ちらしき部分。 さすがに、この年齢なら自己の特性は理解しているだろうし、 この二年(14年/木午・15年/草未)は、 木性過多とはいえ、森や林が勢力を伸ばすので、 特に今年(15年/草未)は、大半会年なので 大きな仕事も出来るだろうし、期待大。 なお、この事件の被害者(73-0608/草亥)は、 年干支「雨丑」VS月干支「山午」の干合支害持ちで「草亥」だった。 年上の子持ち女性と結婚し、仕事は満足に続かず、 典型的な日座冲殺さげ▼▼であることが興味深かった。 兄は自身の汚名返上のために、重い腰をあげるのだが、 ならばこちらは「木戌」か。 嫁に叱咤され兄と対立していようと、そこは肉親の血。 最後に兄がとった行動が肝になっているので、血は怖い。 ま、そこは読まれてのお楽しみ。 さて、本作は旧時代の象徴であるような強い女性がでてくる。 まさに野人の嗅覚をもったやり手で、主人公の駆けだし刑事には 「足軽は大将をかばって死ぬものよ」と手厳しい。 しかし、本人ばかり周囲の老練刑事を彼女を誇らしく思い、 相応に統制がとれているのは、微笑ましい。 その女性上司が「辰巳麻紀」という名前で、通称タツマキ。 竜巻を想像してもらえば、情景は簡単に浮かぶであろう。 一昔前なら天海祐希(67-0808/木辰)あたりが演じたのだが、 今なら午未天冲殺なので、 杏(86-0414/山子)や、尾野真千子(81-1104/陽戌)あたりが、 ジャニーズ若手相手に丁々発止かな。 黒髪にするなら志尊淳(95-0305/草未)でもいいけど。知性がなあ(笑)。 ところで、これからの時代には83年(雨亥)から30年間続いた 暗黒の陰の時代はとうに終わり、 13年(雨巳)よりは輝かしく暖かい陽の時代入りしている。 となると、この手のドラマや小説が流行るのも、あと僅か。 今後は、曽根が産まれた60年代後半から70年代あたりの復古調がやってくる。 もちろん、今の時代なりにだが。 だから女性教師に男性生徒や、女性上司に男性部下ではなく、 逆転現象がでてくるわけで、女性が大和撫子よろしく、 女性なりの美しさやしなやかさで頑張る展開になっていったり、 男くさい義理や人情だとか友情の話がもてはやされる。 そのあたりも考えて曽根が活動していけば、 この人の技や魅力は活かされるに違いないだろう☆ |
■2015年02月07日(土)木寅 |
さくら剛○俺も女子高生も絶対探偵に向いていないを笑え |
○お笑い芸人を目指し上京したものの、すぐに挫折し引きこもりの生活を送り、 作家デビュー後も日々ゲームに興じるなど、ろくでもない生活を送りながらも、 これまで、インド旅行、アフリカ大陸から中華人民共和国への横断の試みなど、 自身の海外体験を扱った旅行記を執筆しネット上から話題になり、 作家となったさくら剛(76-0311/海戌)が、 『俺も女子高生も絶対探偵に向いていない』を、 昨年(14年/木午)の12月25日(鉄午)のDNA「龍」の改良改革半会日に上梓した。 同書は、ニートあがりの20代後半のダメダメ駆けだし探偵の苦難の物語で、 アイドルを襲う大物司会者のセクハラ解決、 幸せな夫婦を悩ませる恐怖のストーカーの正体、 秋葉原のJKおでかけ散歩♪の矛盾、 振込詐欺の黒幕はあの○○連合で、総力をあげて潰す、 そして、初めての後輩はなんと女子高生という 漫画なみのありえない展開ながら、 視聴率は期待できぬアイドル起用ドラマならば、 配役も悪役もふくめて簡単に目に浮かぶほどの分かり易さは、 かえって清々しいとしておきたい。 元ニートに、ドSの美女探偵、武闘派の先輩に、理解のある所長、 さらには「ちょりーーーす!」なJKと幼犬という新入りを加えた 最強(最凶?)探偵達が、渋谷区笹塚から東京の街を所狭しと席巻する。 ハードボイルドな探偵も魅力はあるが、顧客獲得のために、 駅前でティッシュ配りをするほうが、ある意味、現状の興信所的探偵らしく、 さくらとしても描きやすかったのだろうと判断する。 しかし、元ニート設定としながらも、あまりそんな要素を感じさせぬ部分は、 暗い話が時代整合性失いつつあるこれからの時代には、 春生まれらしく、評価出来なくもない部分と感じる。 静岡県浜松市出身で、中京大学を中退し上京したさくらは、 DNA「調」主導で、独創的な毒を発し、少々交流するだけでも、 いまどきの女子高生の感覚に、すんなりと入り込む技ありで、 すべからく反抗することが活きる源。 「調+調」は、常識など無縁の無茶苦茶な接し方。 「調+玉」は、大人びた部分もある一方、得意分野以外はからっきし。 ジャンンクフードに浸り、頭痛薬の世話にもなる。 とはいえ世間知らずだからこそ、その気になれば挑戦は可能。 才能は、この「玉」であり、伝統的なひとつの事案を掘りさげる。 どこか母親目線をようし、いわゆる女子的な趣味趣向にも通じる。 旧い発想の家に誕生しやすく、その場所が近代的な場所ではなじまず、 旧ければ、あるいは廃れていればいるほど活き活きしてくる。 「調+禄」は、発想は極めてユニークで組織になじむわけもなし。 「海+調+卯月」は、子丑天冲殺のわりには 親孝行で肉親を大切にし、直感で様々な事象を見抜く力あるも、 「辰」年生まれ「海戌」は、自己愛の象徴のため、 登場人物は、どこかしら自分が大切で、強欲に映る。 宿命の特長は、仲春午前六時頃ながら既に強い日射しを持つ 陽光に照らされた小商いが行われている、港。 とはいえ、年干支「陽辰」VS月干支「宝卯」の干合支害持ちは、 腐っているのか、取引が非合法なのかはともかく、 不穏な空気を漂わしているので、常人が近づくにはリスクあり。 この不安定さが、引きこもりやウツ病の要因で、 ぐずぐず足踏みせずに、あるいは余計なことを考えず、 (子丑天冲殺らしく年下に)叱咤激励され管理されて、仕事に没頭するしかない。 中途半端に気を抜いて、遊ぼうという根性が燃焼しきれないのだ。 また、一時はお笑い芸人を目指したそうだが、 これで何らかの成分が欠けていれば、 害持ちは他人に笑われてこその宿命なので、 充分に素質ありとなったであろうが、精神の偏りはあろうと、 現実の偏りが表向きなので、出だしが躓いただけ。 まして、豪腕の子丑天冲殺なのだから、 お笑いは創作の結果だけで満足すべきだろう。 総エネルギー208点はそれなりも、創造力の金性は少々脆弱な32点。 なので、体験したことやお笑いの延長でしか力を発揮できぬのだが、 それはそれで、深めたり極めれば難ではないので、構わない。 年干支「陽辰」VS日干支「海戌」の天剋地冲は、 自身の中の害を切るには、荒療治が必要だが、 引きこもりにしろ、海外渡航にしろ、常に誰かに迷惑をかけたり、 自分が犠牲になることにより、次へのステップを踏む性癖で、 失恋も原動力になるのが、子丑の「調」主導であるかもしれない。 なお、年干と月干の干合の結果、年干は「海」月干は「雨」になり、 水性の天干一気が成立するため、頭を使って集中すれば、 智力をもって目上を吹き飛ばすほどの威力があるが、 害もあるために、トホホな過程をしながら、持続出来れば吉。 とはいえ、何ら生産性のないゲームをやっているようでは、 足踏みは続くので、そこは自覚が必要だろう。 年干支の「陽辰」は一見柔なムードだが、内面は辛辣強面。 挫折を繰り返しながら段階的に進む。 月干支の「宝卯」は小商いで、 ターミナル駅にはなりえない庶民的な商店街。さすが笹塚! そして日干支の「海戌」は、伝統と格式を備えながら、 旧家を復興させる新たな潮流で、言動粗野で繊細さはなくも努力家で挑戦者。 本作では、それがこれでもかと披露されているのが興味深い。 干支番号構成は、53-28-59で南方を極として 北方二点に僅かに拡がる領域は、あれもこれもできるわけではないので、 もう海外はなしにして落ち着くべきであろう。 後天運は、初旬「8歳海辰」は、干合年干と律音、 さらには、日干支「海戌」を納音するので、常人の三倍ほどの成功運型。 DNA「貫」が頑なさが付加され、強情となった。 2旬「18歳雨巳」は、DNA「石」の変則方三位で横拡がり。 屈辱妥協もあり、主導DNA「調」年の95年(草亥)には大学中退で上京。 お笑い芸人もシナリオライターも半端な10年運だったからか、物にならず。 02年(海午)の大半会年には、子丑にもかかわらず失恋して米国行き。 3旬「28歳木午」は、DNA「鳳」の豊かな表現力と遊び。 ネット上に中国やらインドへ行った旅行記をアップし、 ポッドキャスト「さくら通信」を運営したりと、発信しつつ作家デビュー。 現在の4旬「38歳草未」は、月支「卯」の半会をともなう 主導DNA「調」の自己確立。今後生きて行く方向性を決定づける節目。 その後は5旬「48歳陽申」は、年干支「陽辰」の大半会を伴う DNA「禄」の魅力成分全開で好調だが、 天干一気破格になるのは、かえって味がでるので悪くないのかも。 とはいえ、感謝と奉仕がなければ、後半は失速する可能性もあり。 それを顕著に思い知るのは、6旬「58歳灯酉」は、DNA「司」の干合支害で、 異性のとてつもない裏切りや金銭面での失敗。 7旬「68歳山戌」は、DNA「車」で危険で猛烈に忙しく、 8旬「78歳畑亥」は、DNA「牽」の名誉なり不名誉なりあるだろうが、 年運天冲殺とはいえ、そこまで稼働するか疑問だ。 さて、ペンネームの剛は本名で、 本作の情けない興信所員も「たけし」であるのは、 自虐をこめた「調」主導らしいと理解するが、「さくら」部分は、 さくらももこ(65-0508/宝酉※)への尊敬らしいが、 共通干支のない子丑同士の害の関係で感心はしない。 また「龍」がなく「玉」×2の海外渡航は、 いかに流れ行くのが得意な「海」であろうと、推奨はできず、 古典に通じたり、旧い街並みに興じたりが似合うので、 もっと日本の伝統なりに浸ってもらいたいと思う。 そうすれば上質な作品も編み出せるはず。 また、「ネット上での評価を気にしている」と公言しており、 amazonでの低評価について愚痴を述べているが、 「調」主導が愚痴を垂れ流したら、終わり。 独創性ある、さらには女性的感性を丁寧にとりこんだ作品を 提供しつづけていれば、今年(14年/草未)は10年運とあわせ 主導DNA「調」重なりなので、評価を気にせねば上がるかもしれぬ。 細かなことに留まらず、大きな気持ちでいかねば、 腐る可能性大なので、注意をうながしたい。 なお、世の中にはハードボイルドで渋い探偵なんか存在しない。 庶民的な調査に明け暮れる因果な商売だと本書は教えてくれるが 「力は使い続けていればこそ、体がその必要性を認識し 次々に補充してくれるが、一度使うのをやめてしまうと、 いつしか供給は最小限になり、結果的にここぞという時に ろくな力を発揮できない省エネダメ人間が出来上がってしまうのだ」などと ニート時代の教訓めいたものもあり。 まさに、そのとおり。良いこと言うものであるが、 表向きの干合支害持ちのためか、全身がこわばり、 わざわざ青梅の整体院まで通っているようだが、 土性の方向性は、一過性の改良であり、 干合で金性が脆弱になるのならば、鍼もあるが、 本質は火性の温灸(才能は玉)で、燃焼させねばならないし、 薬の処方量が多いからとか、独身なのに結婚記念日を登録して、 ピザ屋の割引きを期待するような、些末な陰気な引力本能こそ改め、 暖かな気持ちになり奉仕活動に従事すれば、 まだ若いうちは復調可能なので、猛省をうながしたい☆ |
■2015年02月10日(火)灯巳 |
本多孝好○魔術師の視線の程なく整合性なくなる暗さ |
○元々読書は好きだったが、弁護士を志して法学部に在籍していたおり、 卒業文集に入れる小説の執筆を依頼されたことが きっかけとなり作家を志し、その後、本格的に作家を目指すか、 弁護士になるか心が揺れていた94年(木戌)のDNA「鳳」の対冲年に、 「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、 作家になる決心をしたものの、デビュー作は害持ちらしく、 99年(畑卯)のDNA「牽」の害年の「MISSING」というトホホさは無情な 本多孝好(71-0308/海辰)が、 11年(宝卯)のDNA「玉」の害年から12年(海辰)の律音年まで、 「小説新潮」に連載されていた作品を加筆訂正し、 新刊『魔術師の視線』として、昨年(14年/木午)の害切れ月(09月/雨酉)の 09月20日(木午)のDNA「鳳」の天冲殺重なり日に上梓した。 同作は、両親の離婚のために一時は児童養護施設に預けられたという出自で、 出版社に就職するも、ある事情でビデオジャーナリストに転職した アラフォー女性主人公が、過去に取材した超能力少女の来訪から、 奇妙な事件に巻き込まれ、最後には意外な事実を知るという 心理の盲点を描き抜く驚愕のサスペンス。 少女の他には、不可解な理由で辞職し、どういう訳か硬派な探偵になった かつて自分を評価してくれた女性編集長や、 会社組織とは呼べないジャーナリスト集団の経営者や同僚に、 政治家やストーカーなど、暗さを満喫するにはもってこいだが、 この犯人(?)が実在するか否かではなく、大がかりな登場人物設定の割には、 いわゆるところのトリックの行き着く先が、想定不能というより、 荒唐無稽すぎて、映像的な観点からはありなのだろうが、 執筆時が、陰の三十年が明ける13年(雨巳)より前なためか、 あまりにも病的な発想で、評価の分かれるところであろう。 見えない影に怯えて、少女とちょっとした逃避行をする 主人公の女性は、頼もしいとはいえるのだが、 あまりにも目前の現実しか見えずに、視野は広くなく危うい。 「視線を動かすだけで、世界は一変する。」 確かに、それは間違いないということだけは確かだけどね。 東京都生まれで、現在は神奈川県横浜市在住と思われ、 慶應義塾大学法学部を卒業の本多は、「調」主導で、何でも偏り一心不乱。 女性的感性が強く、女性視線のほうが、安心できる。 「調+鳳」は、表向きはソフトな風貌で、曖昧な笑みを浮かべようと、 内面はエキセントリックなので、強い刺激を与えたくない。 「調+調」は、普通人の理解を超え、常識の尺度が異なる。 「調+玉」は、得意分野に関しては上級な対応をみせるが、 ごく一般的な日常生活をするには不適合な部分あり。 才能は「玉」となり、特に年長の女性目線で描く心情は、 賛同できるか否かは別にして、得意中の得意となる。 実際にはとてつもない話でも、 そこに屈折さを感じさせない語り口は、そのため。 「海+調+卯月」は、風流さを磨いていれば 超常現象みたいなものを感じることも可能。 「亥」年生まれ「海辰」は、まとめ下手。 (作品が)あらぬ方向に向かっていくのは、いつものことだが、 終わり方に不満が残ろうと、容認せねばならない。 宿命の特長は、仲春午前六時頃の港ながら、 既に漁船は朝の漁に出払ってしまい、 男達の姿はなく、留守を守る女達が黙々と仕事をする状態。 潮の満ち引きが自然に行われうるというよりは、 常に水位が高い満潮状態を維持しているものの、 波は一見穏やかだが、無闇に出港すれば寒風が吹きすさぶ。 総エネルギー182点中水性63点はは小さな湾だし、 火性ゼロ(DNA禄/司なし)の野人は、暖かみがなく配偶者成分も存在せず。 また財力にしても、恵まれるのか否かになり、かえって貪欲。 年干支「宝亥」VS月干支「宝卯」の大半会は積極的だが、 月支「卯」VS日支「辰」は害となり、内側に暗さあり。 なので、根暗であったり、仮に結婚しても配偶者は腐りやすく、 存在しないか、存在しづらくなる傾向だが、 挫折感を味わうことは、仕事への原動力にもなるので、 一概に否定するものではない。 また、木性過多ともいえる75点は、力を抜くことで表現力も増すが、 これも方向を誤れば、病的な趣向にもなるので、 作家を目指していなければ、厳しい人生が待っていた可能性もあり。 年干支の「宝亥」は、独特な感性で予知予測能力あり。 月干支の「宝卯」は、庶民的な商い。 そして日干支の「海辰」は、頭の回転が速く冷静だが、 困難に直面している人を見ても、冷ややかに対応しすぎる傾向あり。 干支番号構成は、48-28-29で北方基軸で南方に伸びるが、 鋭角的で、広くはない領域は、不向きな分野には 踏みこまぬほうが、汚点を残さずにすませられるに違いない。 後天運は、初旬「1歳鉄寅」は、DNA「龍」の改良改革。 午未天冲殺でもあり早熟で、月支「卯」と日支「辰」の 害を和らげる春の方三位が完成し、賑やか。 両親は共働きだったということだが、 本さえ読んでいれば静かにしていたというから、 良い意味での改良改革には違いないが、やや頭でっかちになった感あり。 2旬「11歳畑丑」は、DNA「牽」の中学校受験を経験。 土性脆弱ながら、弁護士になる気持ちがでたのもここだが、 宿命の土性は「山」なので、弁護士にはまりきるわけもなく、 法学部をでても、その方向に進まなかったのは正解であろう。 3旬「21歳山子」はDNA「車」の変剋律で、 働かざる者喰うべからずではないが、 就職する間もなく作家生活に入りこめたのは、 苦労や衝突があろうと、午未天冲殺らしい実家の理解であろう。 4旬「31歳灯亥」は、同様変剋律のDNA「司」の苦難で、 異性を意識したり、金銭物質に苦労しながらも、 ありえない火性の恩恵で、ギアが一段あがった様相で、 文章の次元を上げて堅調な活動を見せた。 現在の5旬「41歳陽戌」は、DNA「禄」のありえない引力本能強化。 年干と月干(共に宝)の干合変化は、 進み行く方向性や作風のグレードアップとなり、 年干と月干の「宝」が「雨」に変化すれば、日干「海」をふくめ、 時代整合性のある水性の天干一気が成立し、怒濤の水流となるが、 ここに感謝や貢献が加われば、宿命の害切れもある天剋地冲なので、 相応の苦悩は続くが、名前も相当売れることになる。 この後は5旬「51歳草酉」は、主導DNA「調」の自己確立に害切れ。 最盛期は過ぎてしまうも、どれだけ独創的でいられるかだが、 反社会的になりすぎると、失速もあるので要注意。 6旬「61歳木申」は、DNA「鳳」のゆとりで趣味に生きるようになり、 仕事はそこそこで良いという感覚となりやすく、 7旬「71歳雨未」は、年支「亥」と月支「卯」の三合会局のある、 DNA「石」の晩年10年運天冲殺は、群れながら政治的動きを見せ目立つも、 それに対応出来るかの体力が残されていれば、役目はあるだろう。 このミステリーがすごい! 2000年(鉄辰)版でトップ10に入り脚光を浴び、 02年(海午)の条件なし天冲殺の夢の中で、ひとまずピークを迎え、 このあたりでは結婚をして子供もいたようだが、 その12年後の木性強化の現在の条件なし天冲殺では、 さすが害持ちらしく私生活を明かさないので、状況は不明。 ただし、野人で配偶者成分皆無で目下縁の薄い本多としては、 家族と確執をもったりすることじたいが、 作品に反映されるので、何が起きようと糧にはなるに違いない。 とはいえ、本作ばかりか多くの設定は、あまり幸福でない出自であったり、 現在も決して幸福とはいえない人々をとりあげてたり、 ジェンダーにまで踏みこんでいるのは、 あえて狙っているわけではないのは充分承知はするが、 果たして、スリルや驚愕を味わえても、 美しい晴れやかな感動には行き着かない。 むろんそういう人々には、 どんな時代でも陰なりに役割があるのは否定しないが、 13年(雨巳)からは、陰気な30年を抜けて、時代は陽気な30年に突入している。 それを考えれば、本多の暗さは少々気にかかる。 これからは、思いっきり明るい世界を描いていかねば、 大衆には支持されづらくなるのだ。 さて、「調」主導は極端なので、金髪に染めたり、 外観で目立つことにも気を使っているようだが、 そこまでいくなら、ありえない守護神方向の 赤色やら緋色などにしてみるのも悪くない(笑)。 火性変剋律の天冲殺ということは、今が旬。 これからは女性的感性にどれだけ男気を重ねられるかが鍵。 深い感謝や濃厚に本業で目立つ、 あるの好機であることは間違いないので、努力に努力を重ね、 優しい気持ちになって作品に向き合ってもらいたい☆ |
■2015年02月17日(火)木子 |
小野正嗣○九年前の祈りの野蛮に近い優越感 |
○第152回芥川龍之介賞の選考会が、01月15日(宝卯)の大半会天冲殺日にあり、 昨年(14年/木午)12月15日(鉄申)のDNA「石」の害日に上梓された 立教大学文学部文学科文芸・思想専修准教授の 小野正嗣(70-1127/宝亥)の『九年前の祈り』が選ばれた。 同作品集は、昨年異なる雑誌に発表された 「九年前の祈り」「ウミガメの夜」「お見舞い」「悪の花」の四編からなり、 全て作者の故郷である大分県のリアス式海岸を舞台にしたもの。 特に受賞作は、常に氏の成功を願いながらも 昨年脳腫瘍亡くなった実の兄の死を意識して書かれたそうで、 作中にもエピソードとして登場するが、兄に捧げるとはいいながら、 実際は男運が悪い35歳のシングマザーの話で、 集落の国際交流研修でカナダに行った際に 出会った同国人男性と交際するようになり、 男は東京で英会話教師の仕事をみつけ、さらには外資系金融会社に転職し、 一時は南麻布の高級マンションに暮らすまでになり、 三年たってようやく息子を授かるが、子供が一歳になる頃、 美しい顔立ちだけを息子に残し、母子の前から姿を消してしまった。 主人公は、途方に暮れながらも、やむなく故郷の 大分県の海辺の集落に戻り、そこで、周囲の逞しい人々との 触れあいのなかで母子の関係を見直すといった感じの物語。 文章はさすがに丁寧であることは認めるが、 カナダでの食事風景描写に、あまり美しくない表現があり、 さらには性に関しても、上品とは言えない描写しか出来ず、 感心することはない(他の作品も同様)。 あえて言えば、配偶者成分皆無みたいな人が、 天冲殺の夢の中で出会った相手に害年で捨て去られたような、 暗さがたっぷりの筋書きで、読むだけで陰気が伝染してくる。 むろん小野なりの博識やユーモアも感じないこともないが、 そこはかとない惨めさや哀しみに対し、 小野の優越感みたいなものが見え隠れし、 明るい未来を願うことだけが陽の気をとりこめるこの時代にあっては、 芥川賞というものが時代遅れになっているのかも知れない。 大分県蒲江町(現/佐伯市)出身。一浪した後、東京大学文科I類に入学するも、 法学部には進まず、教養学部比較日本文化論を専攻し、 卒業後は同大学院総合文化研究科 言語情報科学専攻博士課程単位取得退学。 マリーズ・コンデを論じた博士論文で、パリ第8大学Ph.D。 96年(陽子)のDNA「牽」の干合年に、 「夜神楽」で新潮学生小説コンクールでデビュー。 01年(宝巳)の納音年に「水に埋もれる墓」で第12回朝日新人文学賞を受賞。 02年(海午)の守護神主導DNA「調」年に、 「にぎやかな湾に背負われた船」で第15回三島由紀夫賞を受賞。 06年(陽戌)の干合年に東京大学教養学部助手、 07年(灯亥)に明治学院大学文学部専任講師に就任(現代フランス語圏文学)。 12年(海辰)の守護神主導DNA「調」年から朝日新聞書評委員。 13年(雨巳)の守護神対冲年に、明治学院大学文学部准教授。 同年、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞という経歴を持つ小野は、 DNA「調」主導で、繊細ではあるが、鋭利なナイフのようなものでもあり、 時に他人ばかりか自分をも傷つけてしまう偏った感覚。 女性を主人公にするのは得手かもしれぬが、 どこか男性を捨て切れていないので、そこが忌まわしいところか。 「調+玉」は、専門バカの類で、文学論は確かなのであろうが、 自身の作品となると、世間知らずというか、 時代整合性ないというか時代遅れの暗い話しか出来ない。 才能はこの「玉」であり、旧いものや故郷なので、 意識しているのは否定しないし、新しいものは苦手なのも理解したい。 「調+調」は、まるで海の底のような暗さと哲学的な風情が交錯。 「調+石」は、自尊心高く政治力もあるが、頂点に上り詰める気持ちは薄い。 存外、権力者に上手にとりいるズル賢い面もあり。 「調+車」は、休息なしの苛立ちや衝突する矛盾を抱える。 「宝+調+亥月」は、好色で外国人も含む異質な世界にも目が向きやすい。 一男三女の四児というのも、このご時世で珍しいが納得する。 「戌」年生まれ「宝亥」は、受け身の人生。 宿命の特長は、初冬午後十時頃の田舎町で煌々としたネオンサインを放つ 特別な役割を担う場所。といっても接骨院を豪華にしたようなもので、 それなりに評判は良い。 顧客は女性が多く、おばちゃんから若い人まで千差万別だが、 無理をした、オネエ言葉が鼻につくようでもあり、笑えないこともない。 総エネルギー207点中、守護神でもあり才能でもある土性は僅か07点。 なので、相当の努力をしていると思われるし、 故郷に感謝する気持ちも寅卯天冲殺だけに弱くはないのだろうが、 ならば都会に出てくるなよ、無理するなよとも言いたくなるし、 博識崇拝主義なのは、頼りになるものが僅かなので、 可能な限り利用できるよう、心がけているのは涙ぐましい。 だからこそ、それが枯渇せぬように大学に籍を置くという拠り所を大切にし、 さらに縁があるかどうかも不明な勲章(受賞)も有用なのだろう。 この名誉なり配偶者成分の火性は僅かに24点。 それも本物「陽」はなく、陰陽関係の「灯」のみ。 なので実際の配偶者もどこか偏りはあるだろうし、 四児の親とはいっても、女児三人は真っ当ではなく、 「僕には子供が4人いる。が、どの子も僕に似ていない。 かろうじて長女が似ていなくもない程度だが、その事実を指摘すると、 長女は毒キノコでも口に入れられたような顔をして 死にものぐるいで否定する。『ダメやでー、そんな顔したら』と 妻は長女をたしなめる。『血もつながってへんのに面倒みてくれる こんな親切なおっちゃんはおらへんで』」という具合なのであるが、 正式でない配偶者の「灯」は「宝」の本人を剋するのだし、 その「灯」が生みだす子である土性は、 四人もいるのに僅か7点では、縁も薄いということだ。 年干支の「鉄戌」は、どこか野暮ったく図々しいが、 危機察知能力はあるので、困難はさしてなし。 月干支の「灯亥」は、理性で感情を抑えぬ感覚人間。 念入りに豊かな感受性を発揮する。 そして日干支の「宝亥」は、デリケートで、無から創造する威力あり。 傷つきやすいので、無闇に刺激を与えぬのが無難だろう。 干支番号構成は、47-24-48で北方と南方を結ぶ鋭利な領域しかなく、 色々やっているようで、根底にあるのものは変わらない。 後天運は、初旬「3歳山子」は、守護神「玉」の強化で、 年支「戌」に月支と日支の「亥」に連なる変則方三位となり、 一応習得本能強化の冬に向かう態勢は出来たが、 これといった稼働条件ではないが、勉学には興味は湧いたのであろう。 2旬「13歳畑丑」は、守護神ながらありえないDNA「龍」の改良。 異性界を意識し、故郷を忘れぬよう刻印されていようとも、 勉学に対する意識は強くなり、一浪したとはいえ東大にも進学した。 3旬「23歳鉄寅」は、年干支「鉄戌」の大半会を伴う DNA「石」の10年運天冲殺。 兄の援助もありパリへ行ったり、流れに乗って政治力を駆使し、 職も得ればデビューもした。 4旬「33歳宝卯」は、月支「亥」の半会を伴う DNA「貫」の大半会10年運天冲殺で、さらに淀みなく大きな成果を得た模様。 06年(陽戌)の干合年には、結婚もしている。 現在の5旬「43歳海辰」は、DNA「調」の主導DNAで自己確立。 月干「灯」が干合されると「草」になり、 これが年干「鉄」に二次干合されると「宝」になるため、 日干「宝」をふくめて、金性の天干一気が完成して、 特別意識の強さが通じたか、ようやく芥川賞を受賞。 夢や方向性の変化により、集中力が増した結果だが、 前20年への深い感謝があって、さらに次元を上げて努力をした賜物。 もしも、自分に才能があるのだと過信しているようでは、ここまでだ。 この後の6旬「53歳雨巳」は、月干支「灯亥」の天剋地冲を伴う 日支「亥」の対冲で、さすがに遊興の限りを尽くすとは言わぬが、 気が抜けると、これまでの実績をなきものにしかねない時期。 授賞式で記者に「小野氏という船はこれからどこに向かうか」の質問に 「もうすぐ沈没すると思う。だいたいどこに行くか よく分からないが拿捕されないようにしたい」と答えていたが、 船が沈没するのではなくて、自分が拠り所とする「鉄」にしがみつけなくなり、 大河に放りだされかねないのが、この時ではないか。 7旬「63歳木午」は、DNA「司」の地味な活動。 8旬「73歳草未」は、月支と日支の半会のあるDNA「禄」で、 少しは目立つのだろうが、かつて芥川賞を受賞したということが、 思いだされるのかもしれない。感謝や奉仕なければ、老いるばかりか。 さて、物事の区切りは十干が巡る十年であり、 九年などという半端なものは、基本的にはありえない。 小野の主導DNA「調」が「海」から生成されているため、 (干支番号末尾九が海のため)「九」にこだわったのだろうが(笑)、 せいぜいこれは感覚的な問題。 また、作品自体もどこか因習めいたものがうごめく中、 土地に根づいた展開を見せているようであって、 そこが東京であろうと大分であろうと、まるで生活感がないのは、 「調」主導の「宝亥」のセンスなのだろうが、文章は格好がつけられても、 土性脆弱の守護神の弱さで無理をしているためか、 底辺にある下品さはどうしても拭い去れないように思える。 とはいえ受賞に至ったのは、ひとえに他の作品に力がなかったため、 恵まれた末のものではなかったのか。 読めばわかる明るさも未来への希望の無さには、 あまりにも薄っぺらで、単に小野の経歴に敬意を示したのかと 勘ぐってしまうからこそ、 「どこかで兄が受賞を後押ししてくれたんだと思います。 お袋も(候補になってから)毎日(兄の)墓参りして 『正嗣に奇跡を起こしちゃっちくり〜』って 言っていたみたいですし(笑い)」は、 笑ってすませられるものではなく、誠のことであろう。 「司」年(14年/木午)最後の月の受賞は、まさに家族力であり田舎力。 祈りが濃かったので、自然界が与えたに違いない。 ならば、これから故郷だけではなく、どれだけ謙虚に感謝を重ねられるかだけであるが、 感謝はあっても限界があるのが小野の宿命。 なにしろ来るものは拒まずの受け身で、積極的に出来るものではない。 ちなみに、あのセイン・カミュと同一生年月日である☆ |
■2015年02月24日(火)宝未 |
伊吹有喜○ミッドナイト・バスの夜はとっくに終わっている |
○06年(陽戌)のDNA「禄」の守護神年に、 小説すばる新人賞最終候補に残るも受賞ならず。 08年(山子)のDNA「車」年の慌ただしくも。稼働力が上がった夢の中で、 永島順子名義で応募した「風待ちのひと」 (応募時のタイトル「夏の終わりのトラヴィアータ」)にて、 第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞。 09年(畑丑)に筆名とタイトルを改め同作で小説家デビューし、 10年(鉄寅)のDNA「龍」の改良改革半会年の「四十九日のレシピ」は、 11年(宝卯)のDNA「玉」の支合年に、 和久井映見(70-1208/宝酉※)でドラマ化され、 13年(雨巳)には、永作博美(70-1014/灯卯)で映画化され一躍名をはせた。 昨年(13年/雨巳の最後)の01月25日(宝卯)のDNA「玉」の支合日に上梓した 伊吹有喜(69-0216/海戌)の『ミッドナイト・バス』が、 第27回山本周五郎賞候補、第151回直木三十五賞候補となり、 発売後一年経過してもなお、おおいに話題となっている。 同作は、東京での過酷な仕事を辞め(実際には倒産)、 故郷の新潟で深夜バスの運転手をしている男。 ある夜、彼が運転するバスに乗ってきたのは、 学生時代に故郷が近い後輩ということで交際に発展し、 社会経験がないまま、二児を出産しながら、夫の母親との確執が深刻化し、 16年前に家をでていった元妻だった。 父親と同じく、東京での仕事を辞めて実家に戻ってきた長男。 実現しそうな夢と、結婚の間で揺れる長女。 そして、再婚した夫の浮気と故郷に残した父親の介護と 自身の身体の不調に悩むその元妻。 突然の離婚で一度ばらばらになった家族は、 今、それぞれが問題を抱えて故郷に集まってくる。 全員がもう一度前に進むために、男はなすすべもなく、 交際していた元上司の娘をも突き放してしまう。 そこに様々な事情を抱えて、故郷と東京との間を高速バスで移動する人々の 風景をまじえながら、物語は丁寧に進行していく。 運転免許がない若者や、長距離を運転をするのはつらいという方々、 そして旅費を節約したいという方々。 高速バスに乗る理由は大切な人に会いに行ったり、 親の介護であったり、仕事の出張であったり、 旅行であったりと、本当に多様なれど、どこにいてもそうした場合、 大都市へ向かう高速バスは頼りになる存在に違いない。 そしてバスは、電車のようにレールがなく、 飛行機のように自動操縦装置もなく、 ひとたび走り出したら、運転士が目と手足を最大限に使い、 細心の注意をはらって大勢の人間を目的地へと運ぶ。 特にこの作品の舞台となる高速路線バスは乗客が少なくても、 定刻が来たら必ず出発し、たとえ始発の停留所に乗客がいなくても、 その先の停留所でバスを必要としている人たちがいるから 真面目に走り続ける。 「年齢も環境もまるで違う人々が、人生のなかでほんの数時間、 ひとつのバスでともに過ごし、それぞれの夜を越えていく。 夜通し走っていくのは何のため、誰のため? そう思ったとき、この作品が生まれました」とは作者の弁だが、 そこには、若さという稚拙さと、先の30年の頼りない男達への優しい非難が、 子丑天冲殺らしい伊吹の内包する忸怩たるものだったと思わせる 作品であるが、春生まれらしい、これからの明るい時代を生き抜く 希望は仄かに感じられても、根幹をなす部分は、薄暗くて浸ってしまっては 決してならない事を、自覚して読まねばならないとしておきたい。 三重県尾鷲市生まれ、7歳より三重県四日市市で育ち、 中央大学法学部法律学科を卒業の91年(宝未)のDNA「玉」年に、 法曹界を目指さず、アシェット婦人画報社 (現在のハースト婦人画報社)と見られる大手出版社に入社。 雑誌主催のイベント関連業務、着物雑誌編集部(美しいキモノ)、 ファッション誌編集部を経て、フリーライターとなり、 (出版社経験は本書でも着物の描写に活かされている) 現在は渋谷にでるためにバスを利用すれば乗り換えなしで到達できる 東京の南部方面(世田谷区や大田区)に住んでいると推測される伊吹は、 DNA「禄」主導で、自分が脚光を浴び続けていないと、 モチベーションの低下を招きかねない人。 とはいえ、本質は慕ってくる者には優しい姉御といった雰囲気。 「禄+玉」は、家庭に立脚した計算尽くされたパフォーマンス。 表向きは、旧き良き時代の母親目線といったところか。 「禄+司」は、自制心に欠け、 時に感情のおもむくまま人と人の間をとりもつが、 根底にあるのは、自己の生活であり、言い知れぬ地味さである。 「禄+牽」は、実務能力あり、そこそこ折り目正しく社会人の鑑。 「禄+禄」は、不器用で単独行動で、簡単に他人を信用できぬが、 長い年月をかけて解り合うものだと考えている頑固者。 「海+禄+寅月」は、専門家ではなくとも事業欲あり。 なので、娘が趣味がこうじて入りこんだ商いの世界に興味津々。 悟られぬようにしているだろうが、実際は浪費家の極みで、 「酉」年生まれ「海戌」は、矛盾を多く抱え込んだ人生のはずだ。 宿命の特長は、初春午前四時頃の港で、 遮るものがないので、陽光は早くも存在感を示し、水面が美しく輝く。 総エネルギー187点は子丑天冲殺としては、 気は強いがいかにも現実的なDNA構成であろうと、 自身の水性は僅か21点しかないので、脆さはあり。 あまりに忙しすぎると、音を上げかねないので、 ゆとりも必要だろうが、汚れを排出する木性も20点で、器用とはいえないが、 浄化装置で創造力だけは金性48点と使えるので、まずまずか。 とはいえ、年支「酉」VS日支「戌」の害持ちは表裏人間で、 子丑天冲殺としては、頼りにされる反面、上とは暗黙のうえでも衝突が絶えず、 色々な部署をたらい回しにされたあげくに退社したのだろう。 姑との確執は実際に体験したかはともかく、 仕事上は腹に一物ある子丑天冲殺なので、身にしみているはずだ。 また、害持ちなので、そこはかとなく体調不良。 消化器系に難があり、ストレスを貯めこむと、 同書の母親や息子や娘に皮膚疾患などがでる記述は、 自身の体験を誇張したものに違いない。 この対処方法は、ストレスを感じない生活や、都会より田舎生活の推奨だが、 月支「寅」VS日支「戌」の半会ばかりか、 月干が守護神「陽」なので、子丑天冲殺らしく、 年下男性と一緒になり専業主婦となるのが好ましい。 なので、同書にある主人公達一家のそもそもの失敗は、 男性が年下のさして強くない子丑天冲殺と一緒になったからであり、 紆余曲折があろうが、元妻は年下男性と再婚し、 最終的には、安泰な人生に向かうように描かれているのは、 伊吹の内なる声なのだろう。 とはいえ、守護神月干は上格だし、年干の「畑」も制御する名誉という、 それなりに見栄えのする姿は、子丑でもあり平穏な生き方は困難かもしれぬ。 年干支の「畑酉」は、親族家族に支援を受ける開拓者。 見てくれには細心の注意をはらうが、貧困であったほうが伸びやすい気質。 月干支の「陽寅」は、天性の明るさがあり、 何でもソツなくこなすバランス感覚。 器用貧乏な面もあるが、希望に満ちた芸術的上昇志向あり。 これは同書内の今風の娘の生き方に反映されている。 そして日干支の「海戌」は、言動粗野で繊細さより逆境を切り拓く行動力。 経験として見聞きしたことを、自身の糧にし表現する。 つまり取材力ありということか。 旧い考えの家に誕生しやすく、苦悩しながら新たな挑戦をするものの、 好不調のサイクルは短く、上がりは三年程度がメドとなる。 なので、本作は下っていく入口で書かれたものであることが推認され、 本来なら、ドラマ化されてもおかしくない話なのに(■■■■/草卯で希望)、 現在のところ俎上に上がっていないのは、 持続力なしの害持ちだけが理由ではない。 干支番号構成は、46-03-59で僅かに東方にかかっていても、 北方偏りであり、そこまで広い世界観があるわけではないので、 自己発揮して流れ行くよりは、子丑だろうと管理されたほうが、 作家として生きて行くには、容易いはずだ。 後天運は、初旬「6歳灯卯」はDNA「司」は家庭を意識。 日干支「海戌」と干合支合ばかりか、 干合後の「草卯」は年干支「畑酉」を天剋地冲、 干合前でも納音的になり、通常人の3倍程の成功運型を有す。 干合支合を加味すれば、小学校入学時前後よりは、 宿命の害切れもあり、相応に堅実な生き方をしながらも、 早熟で異性を意識した人生を送るようになったはず。 2旬「16歳山辰」は、DNA「車」で危険な賭け。 同じく害切れの天剋地冲で人生の大逆転。 害持ちらしく、法曹界に進む自信をなくし、 何故か出版社に就職も、ここでも同じく害持ちらしく、 編集に行く前に催事で鍛えられる。 厳しくされるのが性に合う子丑なのだが、 不遜に見えたのか、あちこちの部署を変遷(笑)。 3旬「26歳畑巳」は、年干支「畑酉」の大半会を伴う DNA「牽」の名誉となり、相変わらずも相応の役割は得たはずも、 突入したばかりあたりの95年(草亥)に 前旬天剋地冲10年運に知り合った相手と結婚。 つい気を許したか、干合条件なし天冲殺の夢の中の97年(灯丑)には、 害持ちらしく耐えきれずに退社しフリーとなってしまった。 4旬「36歳鉄午」はDNA「龍」の改良改革三合会局で、デビューも果たした。 今年(15年/草未)から始まる5旬「46歳宝未」はDNA「玉」で、 過去やら故郷やら旧きことへの縁ありも、 守護神月干「陽」が干合で「海」になり、生き方を突如変えたり、 目下の変化により、あまり芳しくない流れになる恐れもあるが、 表裏を使いわけて、進み行く方向性にブレがないのが望まれる。 6旬「56歳海申」は、宿命害を和らげる秋の方三位完成は、 時代整合性なき闘争か。DNA「貫」は、頑固さの象徴。 7旬「66歳雨酉」は、DNA「石」の害。 和合力政治力の害で、宿命害持ちであろうと人付き合いの失敗か、 年齢なりの病魔が忍び寄る。 8旬「76歳木戌」のDNA「鳳」の晩年の特別条件付10年運天冲殺。 老骨にむち打ち、とてつもない発信する反攻の季節か。 前述のとおり伊吹の結婚は、子丑天冲殺にしては早く20代。 配偶者成分の「灯」は、DNA成分として表出されてはいるが、 年支「酉」VS日支「戌」の害中で毒されているため、 真面目な人なのだろうが弱いのか、あるいは現在も継続されているかは不明 (11年/宝卯時点では婚姻状態)。 また、子供の存在を示す木性は、187点中20点と弱いため、 これを創作の成果の発信として使用していれば、存在しない可能性もあり。 また、伊吹の描く男性は、堅実か否かは別にして、 真面目そうで魅力はあるのだろうが、どこか最終局面では頼りなく、 優柔不断で、場合によっては身勝手。 矛盾を起こしやすい人だけに、矛盾のある男が気になるのだろうし、 得意であるのは疑う余地がない。 しかし、家族という概念への意識の低さと連帯感の欠如が 長期的には不幸を呼び寄せる陰気の素であることに 気づいていないフシもある。 とはいえ、主人公の義理の父親には、 「(男は)扇子の要の部分。女親みたいに家事も出来なきゃ、 細々と世話も焼けない。だけど、どっしり構えて稼ぎを持ち帰り、 ばらばらになる家族を一点で留めて、大きく広がっていくのを支える。 (一部略)無償の愛と信頼だ」と語らせているし、 これが(伊吹の)「禄」主導の真髄だ。 ある時期、ばらばらになった元家族が一瞬交錯したところで、 別離した時の忘れ物をとりにきたように確認させたとはいえ、 (元妻が子供を連れ出さなかったのは、それでも大正解) 土地を整理し、縁もゆかりもない場所にある老人介護施設に入所する父親は、 幸せだったのだろうか。娘はそれで良いのだろうか。 一族に脈々と流れる不幸の連鎖は、結局は辛抱の無さの象徴でしかない。 海外であったり、東京であったり、京都であったり、 ふたたび散り散りになっていく家族の行く末は本物だろうか。 体験できずに、描ききれぬ可能性ありが伊吹の宿命だが、 本来はそれを乗りこえてこそ、因縁の消化になることにきづいていない。 シナリオライター講座出身者らしく、 すぐにでもドラマに出来そうな話の展開には感服するが、 これは、83年(雨亥)からの陰の30年の負の遺産であるから、 タイトルどおりに、まるで明るさがない。 厳しい言い方をすれば、主人公も会社が倒産したとはいえ、 一度後にした故郷に逃げたがために、様々な不運を招いたし、 弱い子丑天冲殺(と思われる)の妻も、戦わずに葬られ逃げだした。 ところが13年(雨巳)から始まった陽の時代は、 前向きで決して逃げては成功すらおぼつかない。 それを伊吹は気がつけば、天冲殺に会社から逃げだし、 その次の天冲殺に運良くデビューをしても、 これから迎える天冲殺(20年/鉄子・21年/宝丑)が、 才能強化の創造力天冲殺であることからも、 もう一花だけは咲かせられる可能性大。 持続力のない病持ちで表裏ありの伊吹には、ぜひ気づいてほしいものだ☆ |
伊吹有喜○69-0216 |
海陽畑陽 戌寅酉+6 牽禄司禄玉(禄主導) 木性(20)火性(49)土性(49)金性(48)水性(21)/総合187 子丑天冲殺/天冲殺(76歳木戌) 初旬条件あり(日干支と干合支合/年干支を納音的) 天剋地冲(16歳山辰)/三合会局(36歳鉄午)/方三位(56歳海申) 年支VS日支害(表裏)/害切れ(6歳灯卯/16歳山辰) 木性脆弱/水性脆弱 +6歳灯卯/16歳山辰/26歳畑巳/36歳鉄午/46歳宝未/56歳海申/66歳雨酉/76歳木戌〜 |
移 動 祝 祭 日● 2 0 1 5 年// 草 未 |
15年●01月分 15年●02月分 15年●03月分 15年●04月分 15年●05月分 15年●06月分 15年●07月分 15年●08月分 15年●09月分 15年●10月分 15年●11月分 15年●12月分 |
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